tmvideos 4回にわたる「Blu-ray Review Extra」も今回で最終回。締めは「TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994」DISC 9、DISC 10の【映像特典編】に加え、全編鑑賞の感想なども。「続きを読む」からご閲覧ください。
TM NETWORK THE VIDEOS 1984-1994【映像特典編】


DISC 9:T-MUE-NEEDS STARCAMP TOKYO 1988.08.25
tmv9
 1988年10月10日にNHK総合にて放送されたTVプログラムの初商品化。収録時間60分。
 TM初の東京ドームライブとして、1988年8月25日に開催された単発ライブ「T-MUE NEEDS STARCAMP TOKYO」の模様を収録。サポートメンバーは松本孝弘(G)、Nick France(Dr)、Pamela Lynn Altoff(Cho)。一夜限りのライブということで、発売直後のシングル「Seven Days War」を始めとしたこの時点までの代表曲・ヒット曲の演奏と共に、ロンドンでレコーディング途中だった年末発売のアルバム「CAROL」組曲の一部披露といった予告編も含まれた集大成+αでの構成。
 「CAROL」組曲はCDとは歌詞が大幅に異なり、CAROL役のPamela(後のツアーのCAROL役とは異なる女性)が宇都宮とデュエットする曲(ツアーではCAROLに歌唱パートは無し)があるなど、まだステージでの実験の域を出ていない試行錯誤が見受けられ結構微妙な出来。それ故にこれまで商品化されないライブだったのかもしれないが、転じて後半の「Come On Let's Dance」「Self Control」などのヒット曲連発は通常のライブ同様の熱い盛り上がりが楽しめる。
 本BOXの時系列的にはDISC 3とDISC 4の間に相当。NHKの番組を丸々収録しているので、あくまでライブシーンがメインだが、時々TMメンバーの(おそらくロンドンでの)ロケシーンも挟まれる。曲目テロップの誤植もそのままなのはご愛嬌(?)


DISC 10:DRAGON THE FESTIVAL TOUR featuring TM NETWORK 1985.10.31
tmv10
 1985年9月から11月にかけて行われた、TMの初の同名全国ツアーを本BOXにおいて初映像商品化。収録時間96分。
 同年10月31日の日本青年館での公演を全曲収録。サポートメンバーは松本孝弘(G)、西村麻聡(Ba)、山田亘(Dr)、白田朗(Key)、小泉洋(Manipulator)。時系列的にはDISC 1とDISC 2の間に入る。
 当時の最新2ndアルバム「CHILDHOOD'S END」からの曲を大半、デビューアルバム「RAINBOW RAINBOW」からも盛り上げ曲を持ってくるなど、この時点でのベスト選曲で構成。代表曲は「1974」ぐらいしかないこの時期、後のライブではほとんど演奏の機会がない曲が次々と登場するので、本BOXを買うようなコアなファンには大満足な内容だと思われる。筆者もその一人なのだが、ここに来て「愛をそのままに」「TIME」などの名バラードを発表当時の彼らのステージ映像で見られるとは思わなかったのでひたすら感動である。
 初のツアーということで万全を期したのか、TMのトレードマークであるシンセサウンドもふんだんに使いながら、サポートメンバーにリズム隊やリードギタリストを揃えたバンド形態で演奏は盤石。見た目にかなりのインパクトがある照明システムが強い印象を残すが、フロントで並んで演奏している三人に関しては後年の宇都宮ダンスや小室のショルキー破壊パフォーマンスに比べるとやけに大人しい感じ(木根はコスプレみたいな衣装を着たり変な振付のダンスを踊ったりと色物感満載だが・笑)。


【全編を鑑賞しての感想】
 とにかく、総再生時間973分。全部観るのには非常に時間と気力を使いました(笑)。
 それはさておき、今回は旧作の映像作品を全てリマスターということで各ディスク毎のリマスターエンジニアを始め、本BOX関連のスタッフクレジットもしっかりと記載されていますが、画質のリマスター具合はそれぞれのマスターの状態にもよるものなのかまちまち。まあ発売当時はVHSやLDであり、現在のように家庭に大きめの16:9のテレビがあるような時代でもなかったわけで、旧作に関しては「現在の標準的な一般家庭のテレビの大きさでもギリギリ観られるレベルの映像にアップコンバートした」という感じ。
 ただし、本BOXのウリのDISC 7、8の終了ライブ2daysは気合の入った補修がされているし、映像特典のDISC 10のドラフェスツアーも「こんな状態の良い映像を何故今までお蔵入りにしていたんだ?」と思うほどの画質の良さでした。SONYさん、まだまだ秘蔵しているライブ映像があるんじゃないんですかねぇ…?


 …そんなこんなで、全4回にわたってお送りいたしました不定期連載もこれにて終了。
 小室哲哉が表舞台から姿を消した今、三人揃って稼働の35周年はおそらく叶いそうにない…というのが寂しいところですが、本BOXの発売や終了ライブの上映イベントに続いては10月よりデビュー35周年記念のベストアルバムを前提とした楽曲投票サイトがオープン。投票は12月末までで、1人10曲の投票で、SONY、Rojam、R&C、avexのほぼ全キャリアの中からの選曲が対象。どんな形のベストになるのかも現時点では不明ですが、「またベストか…」と思いつつも(苦笑)、BOX同様、本人稼働以外での35周年企画を考えてくれていることには感謝です。筆者も忘れないうちに投票しておこうと思います(笑)。


【おまけ】
tmbox
 結局「FANKS CRY-MAX」のBD版も買ってコンプリートボックス完成。
 これぞ消しゴム信者FANKSの性!!