tokunaga2 2019年7月3日発売、昨年の「永遠の果てに」に続く徳永英明のセルフカバーベスト第2弾。通常盤は全10曲、初回限定盤Aは収録曲のMVを2曲収録のDVDが同梱、初回限定盤Bは通常盤に2曲をボーナストラックとして追加した全12曲収録。本エントリーは初回限定盤Bのレビューとなります。

 前作からちょうど一年ぶりのセルフカバー第2弾。第1弾との被りは「レイニー ブルー」の1曲だけ。今回もシングル中心の選曲ではありますが、前作では徳永の代表バラードが多めに選出されたということもあってか、今回は「BIRDS」「風のエオリア」「FRIENDS」など普段はあまり表舞台に選出されないようなシングル曲に加えて「夢の続き」「MYKONOS」、そしてサブタイトルに冠された「太陽がいっぱい」といったカップリング曲、アルバム曲も選出されるなど、序盤の構成には新鮮さがあり、後半は王道の選曲といったところ。

 そして本作のキャッチコピーは「徳永英明初のJAZZアレンジ」。一言でジャズと言ってもカテゴリーが細分化されており、それらは結構曖昧な線引きで筆者もはっきりとしたことは言えないのですが、本作においてはガチガチの様式ジャズではなく、「徳永の名曲をジャズを基調にしたアレンジで魅力再発見」という感じ。アップテンポだった原曲をミディアムビートで仕立て直した「Wednesday Moon」「Revolution」はこう来たか、という驚きもあり、もともと彼特有のAORっぽい要素があった曲に関してはそれほど劇的に変わったな〜、という印象は受けずの曲もあったりと色々。前作ほどではありませんがある程度ヒット曲も入っているので、ライトリスナーがいきなり聴いてもまあ大丈夫かな、というバランスの良さも感じました。

 個人的には原曲のバラードから軽快なアレンジに生まれ変わった「輝きながら…」が一押し。全体像としてウッドベースやドラムのブラシがボトムを支えている辺りは「ジャズ聴いてる」という気持ちにさせてくれる1枚。発売は夏の始まりでしたが、むしろ今ぐらいの時期にゆったりと聴きたいセルフカバーアルバムでした。