mllcover 1995年5月1日、シングル「Man & Woman」でデビューしたMy Little Lover。最初期はakko(Vo)と藤井謙二(G)の二人編成、同年末にプロデューサーの小林武史(Key)が加わり三人組で活動を続けていましたが、2002年に藤井が、2006年に小林が脱退して現在はakkoのソロプロジェクトになりマイペースに活動中。今回の「CD Review Extra」ではこれまでにリリースされたベストアルバムを1枚ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。
My Little Lover 全ベストアルバムレビュー


singles
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 2001年12月12日発売、初のベストアルバム。全15曲収録。
 アルバムタイトルの通り、これまでにリリースしてきたシングルA面曲を時系列順に収録…なのだが、デビューシングルの両A面「My Painting」、8thシングル「Private eyes」は未収録。ラストには小林が過去にYEN TOWN BAND名義でリリースした楽曲を全く別のアレンジ、タイトルもサブタイトルを逆転させた「あいのうた 〜Swallowtail Butterfly〜」としてセルフカバーしたものを収録している。
 活動2年目以降(1996〜1998)はシングル中心のリリース活動だったこともあり、オリジナルアルバムの枚数(この時点で4枚)と比べてシングルの枚数(この時点で14枚)がやたら多く、シングルアーティスト寄りだったこの時期の彼らの様々な趣向を凝らした楽曲がアルバム1枚で一気に聴けるかなりお買い得なアルバム。三方背のボックスケースの中に厚めのプラケースが収納され、分厚いブックレットには歴代の写真の数々、詳細なマイラバヒストリー、楽曲解説が記載されているなど、これぞベストアルバム、という見本のような作品。後々にこれ以降の楽曲を収録したベストアルバムも出てくるが、(結果的に)三人時代の総括ベストとして現在でも価値がある。中古市場では結構安く取り扱われていることが多い。



Self Collection 〜15 Currents〜
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 2004年4月28日発売、デビュー10周年を記念したメンバーによるセレクションベスト。全15曲収録。
 前ベスト発売後に藤井が脱退。二人体制での初のシングル「Survival」、前述の「Private eyes」以外はすべて各アルバムからの選曲。直近のオリジナルアルバム「FANTASY」からは選曲されておらず、新規音源などは特にない。
 過去のオリジナルアルバム、企画アルバム、セルフカバーアルバムから満遍なく選曲。「evergreen」「遠い河」「STARDUST」を筆頭にアルバムの佳曲が次々と登場するのは圧巻であり、「singles」と本作があればここまでのマイラバの名曲をほぼ網羅できると言っても過言ではない充実作。前ベストを踏襲したボックスケース、1曲ごとの詳細な楽曲解説なども記載され、当時の資料的価値も大きい。他のベストとの被りも最小限なので、2枚目に聴くベストアルバムとして大変お薦め。



akko
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 2006年12月6日、6作目のオリジナルアルバムのCD2枚組盤(オリジナル盤+ベスト盤)のDISC2として発売。全11曲収録。
 小林が脱退し、レコード会社も移籍、akkoのソロプロジェクトとしてリスタートした初のオリジナルアルバムの2枚目として収録された、公式サイトで行った楽曲リクエストを基に選曲がなされた「ファン・リクエストによるベスト盤」(投票順位などの詳細は不明)。今回は「FANTASY」からの楽曲も1曲収録されて、二人体制最後のシングル「深呼吸の必要」がアルバム初収録となった。
 「Hello,Again 〜昔からある場所〜」「ALICE」「DESTINY」などの初期〜中期のヒットシングルを中心に、「evergreen」、カップリング曲なども拾い上げたコンパクトなベスト盤といったところ。意表を突く選曲は特になく、この時点で残っていたコアなマイラバファンはもっとマニアックな曲を選ぶのではないかと思っていたので若干意外ではあった。
 「深呼吸〜」の収録に数年間は価値があったが、4年後のベストにも選曲されたので現在本作でしか聴けない楽曲はない。あくまでメインは単品販売もされているDISC1のオリジナル盤ということで、オマケ的に気軽に楽しむのに適しているか。



Best Collection 〜Best Akko〜
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 2010年5月5日発売、デビュー15周年を記念し、3形態でリリースされたベストアルバムのCD単独盤。全12曲収録。
 2006年以降の「Produced by akko」体制でリリースされた全シングル8曲、オリジナルアルバム3作の中から「アイデンティティ」「月の船」の2曲を選曲し、時系列順に配置。ラストに新曲「世界の旅人」、A4サイズボックス入りCDの収録曲として先行発表していた「ハーモニー」を収録している。
 akkoの意向(らしい)で初期のマイラバを模倣したような楽曲が元メンバーの小林が作編曲に携わっている曲も含めて最初から最後まで並ぶ。マイラバの中期頃に連投された実験性を含ませたポップスナンバーは皆無なので、前史を知っていると物足りない感は否めないが、スマッシュヒット曲「音のない世界」等、佳曲を詰め込んでいるので、ソロプロジェクトとしてのマイラバを一気に知ることができる便利な1枚。



Best Collection 〜Complete Best〜
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 2010年5月5日発売、先述の15周年ベストアルバムのCD2枚組盤。全27曲収録。
 CD単独盤「Best Akko」をDisc 1とし、Disc 2はデビューから2004年まで(=akkoのソロになる前)のシングル曲を時系列順に全15曲収録。曲順も含めて「singles」と似通った内容だが、「Days」「あいのうた 〜Swallowtail Butterfly〜」をカットし、二人時代のシングル「Survival」「深呼吸の必要」を追加しているので(「Private eyes」がここでも未収録なのが謎)、Disc 1と合わせてマイラバのシングルヒストリーをほぼ網羅できる内容。ここに至るまでの音源を持っているファンには「Best Akko」を、一気にマイラバの歴史を辿りたいリスナーには本作をと棲み分けられている。加えて本ベストにMV入りのDVD2枚を加えたライブ会場・通販限定販売の「15th Anniversary Box」を合わせての3種同時発売となっていた。



20th anniversary edition 〜TSUTAYA Limited〜
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 2015年11月25日レンタル開始、TSUTAYAレンタル限定アルバム。全16曲収録。
 デビュー20周年記念アルバム「re:evergreen」発売日と同時にレンタル開始になった、同作のプロモーション的な色合いの強い企画盤。「re:〜」に収録された配信シングル「ターミナル」を冒頭に、「winter songが聴こえる」を最後に配置し、その間にマイラバの代表曲を網羅的に収録…しているのだが、どの曲も2分程度で何の工夫もなくフェードアウトする仕様。レンタルに際して本作は「ノンストップアルバム」と銘打たれていたのだが、実質はMixCDなどとは異なりオリジナル音源での単なるダイジェスト盤。現在でも大きなTSUTAYAでは置いてあるところもあるが、無理してチェックする必要は全くない。