2019年06月15日 18:07

CD Review:東野純直「Mr.cook」

azcook 2019年4月24日発売、通算13枚目を数える東野純直のニューアルバム(セルフカバーを除くオリジナルアルバムでは11作目)。全10曲収録。

 前作から約8年、現在はラーメン屋の店主として厨房に立ちながら音楽活動を継続している東野純直。アルバムタイトルはまさに現在の彼の姿を表したものでしょうか。リリース活動としては昨年8月に3曲入りシングルで久々に再開。本作もシングル同様にキングレコード傘下のインディーズレーベル・Star Radio Recordsから発売されていますが、収録曲にシングル曲は未収録。全10曲とも初出の楽曲となっています。

 レーベルの紹介ページでは「自身の飲食店経営を通して感じた事を楽曲制作に反映し、毎日に活力のスパイスを!愛には甘い言葉を!不条理には怒りの火力を!自身の毎日を音楽に反映した、今までとは全く違うアプローチになっている。」と結構大仰なことが書いてあるのですが、実際聴いてみると従来の路線から大きく転換、ということは正直感じられず、良い意味で安定の東野ポップスが並びます。序盤の「ネガイ」「Mr.cook」は、彼らしいキャッチーなメロディーが魅力的な曲だし、この度初音源化され4曲目に配置された「大地のように」はデビュー当時からテイチク時代あたりまでのライブで演奏されていた曲ということもあり初期の爽やかさを感じさせるロッカバラード。終盤にかけては2000年代以降の作品で顕著だったハスキーボイスを絡めたミディアム〜スローナンバーを並べるなど、これまで辿ってきた彼の音楽性の変遷史をCD1枚にコンパクトに収めた構成で、過去の作品を聴き続けてきたファンには「この曲はあの時期っぽい」的な、何らかの引っかかりを感じることができるアルバム、という印象です。

 筆者としては前述の序盤の楽曲、中盤のロックテイストの「僕が自分であるために」などが特に一押し。一方で制作環境によるものかもしれませんが、昨年のシングル同様、ギター(とベース)以外はバンド風の打ち込みサウンドなので、ピアノトリオ期のコアなファンの我が身としては「このドラムが生だったらもっと良いのになぁ…」と思ってしまう曲もあるにはありますが、これが現在の彼のやり方、ということで納得(?)しています。8年間待たされただけのことはある良盤でした。

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