sukimahanataba 2018年9月19日発売、スキマスイッチ初のセレクションアルバム。全13曲収録。初回限定盤は収録曲のMVやライブ映像入りのDVD付属+上製本パッケージ仕様。通常盤はカスタムジャケット仕様(CDの収録内容は同一)。本レビューは通常盤となります。

 3〜4年おきにオリジナルアルバムをリリースする傍ら、ライブアルバムや周年ベスト、セルフカバーや外注プロデュースアルバムなど様々なコンセプトでオリジナルアルバム「以外」の作品にも力を注ぐ彼ら。今回はデビュー15周年ということもあってのアニバーサリーアルバムという意味もあるのでしょうか、表題の通り、既発音源の中からラブソングをメンバー自らがセレクトした企画盤として、装丁も含めて豪華仕様でのリリースとなりました。

 選曲は名刺代わりの「奏」「ボクノート」、後にベストにも収録されたことのある3rdアルバムのリード曲的な「藍」、最新アルバムからは某ドラマの主題歌に起用された「Revival」、デビューシングルのカップリング「小さな手」など、リリース年代を問わず幅広く選曲。加えてピアノとボーカルだけの演奏でアルバムに収録され、後にアビイ・ロード・スタジオにてバンドバージョンでレコーディングされ配信された「未来花 for Anniversary」、2008年の大橋卓弥のソロ作品をピアノ+オーケストラ仕様で新録した「ありがとう re:produced by 常田真太郎」の2曲が初CD化。これまでの音源を大体所持しているようなコアファンにも所有欲をそそる嬉しいポイントと言えるかも。

 「パラボラヴァ」「アイスクリーム シンドローム」「ラストシーン」といったシングル曲も適度に散りばめられているのでライトリスナーにもセルフセレクションでよくありがちな「知らない曲が圧倒的に多い」ということはないと思われバランスは良好でしょうか。ただ、ラブソング選集というお題目上仕方がないことかもしれませんが、ミディアム〜バラードの曲に偏り気味で、彼らの音楽的魅力の一部分のみを抽出したアルバムになっているので、スキマスイッチ最初の1枚にこれ、というのはあまりお薦めできないかも、と思いました。