
今年の年明けに公式サイトにて「レミオロメンの弾き語りアレンジアルバム」のリリースの告知と共に楽曲リクエストを開始していましたが、インタビューによるとリクエストを完全に反映した収録楽曲ではなく、投票結果を考慮しつつ、最終的には本人の選曲に投票での選曲も参考にした、といった感じでしょうか(ちなみに投票1位は「永遠と一瞬」)。デビュー曲「電話」、彼(彼ら)の代表曲「3月9日」「粉雪」、「太陽の下」「もっと遠くへ」「Sakura」といった著名楽曲に加え、「ビールとプリン」「透明」などのアルバム楽曲も盛り込み、基本的には発表時系列順に並ぶ構成になっています。
アルバムタイトルに「Acoustic〜」とあるので、てっきり秦基博の「GREENMIND」シリーズのような全曲アコ編成を想像していたのですが、ほとんどの楽曲でエレキギターがガンガン入っていたり、曲によっては生ドラムの中に打ち込みっぽい音が混ぜてあったりと、一概にはアコースティックとは呼べない曲もチラホラなのですが(笑)、アレンジに関しては原曲を忠実に再現、という曲は全くなく、例を挙げるとピアノ主体だった「太陽の下」が小編成のバンド仕様になったり、バンド感満載だった「恋の予感から」がピアノ演奏をバックに歌い上げるバージョンにお色直しされたりと多種多様。編曲は藤巻名義になっていますが、前掲のインタビューによるとレコーディングエンジニアと色々と試しながら作り上げていった結果このようになった、ということで、藤巻ソロとして新たな解釈で練り直され、生まれ変わった楽曲がなかなか新鮮でした。
全体的に「ソロである」ことを意識したのか、アコギのストロークがセンターに固定され、そこで歌う藤巻にスポットが当たっている印象を受けるミックスで、レミオロメン時代と比べると歌声が柔らかくなり粗削りな部分が減ったという部分も含め、特にスリーピース時代の彼らの演奏に拘るリスナーには抵抗があるかもしれません。ですがバンドとしての活動を停止してはや7年、メンバー(前田啓介)が音楽界から離れている今、安易な復活はできないでしょうから、ここでレミオロメンの楽曲に今一度光を当てておく、という意味で非常に意義のあるアルバムだと思います。
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