2019年03月24日 12:28

CD Review:田川伸治「Singer」

tagawasinger 2018年12月19日発売、田川伸治通算3作目(THE SONIC TRICK名義を含めると4作目)のオリジナルアルバム。全12曲収録。

 2018年3月10日をもってギタリストとして24年間在籍したDEENを脱退し、完全なソロ活動を開始した田川伸治。本作はDEEN在籍中にリリースしたようなギターメインのインストアルバム…と思いきやタイトルは「Singer」。と言っても、シンガーソングライターとしての再出発…というわけではなく、複数のシンガーを招いての歌モノアルバム。本人歌唱も2曲含まれ、インスト作品は1曲のみという、かなり意表を突いた形での独立後第1作となっています。

 本作の制作過程は所属レーベルのセルフライナーノーツに詳細が記されていますが、田川が独自に発掘したシンガー達からまず「言葉」を集め、それをベーシックにメロディーを書いた、いわゆる詞先(DEENの時はほぼ曲先だったそう)での楽曲作りだった模様。田川を除く9人のシンガー達はほぼ無名といっていい知名度であり、先入観にとらわれることなくフラットな気持ちで聴くことができましたが、どのシンガーも男女それぞれ声質も異なり、書いてきた歌詞世界もバラバラではありますが、「ボーカリスト」としての表現力をしっかり持っているように思えました。

 一方で詞曲以外のアレンジ・プロデュース的な面ですが、本作を聴くことによって「近年のDEENのサウンド面での田川の貢献度はかなり高かったんだな…」ということを改めて痛感。そもそもレコーディングの一部ではありますがDEENのサポートメンバーだった宮野和也、HIDEのリズム隊、現在でもDEENのレコーディングに関わっているストリングスセクションが参加し、田川もギターのみならずパーカッション、プログラミング、コーラスを担当している影響もあるのでしょうが、本作の収録曲、特にミディアム〜バラードの曲はまんま最近のDEENサウンド、という印象は否めませんでした。また、田川がリードボーカルを取る「Shinin' Girl 〜遠くて近きはキミとの仲〜」でのキラキラした(?)歌詞を自作して嬉々として歌うあたり、サウンドのみならずやたら若々しかったここ数年のDEENの歌詞にも何らかの影響を与えていたのか?と思ってしまうほど(笑)。脱退理由が詳しく語られることもなかったので、てっきりこの路線から離れたくてDEENを脱退したのかと勝手に想像していたのですが…。

 田川伸治プロデュースによる各シンガーとのコラボレーションアルバム、と思えばこういうのもアリかな、という感じ。ただ、この方針を田川ソロとしてこのまま続けていくわけでもない(…と思いたい)でしょうし、個人的にこれまでの田川ソロを気に入っていた身としては、リードギタリストとしてのソロアルバムも要望したいところ。今後に期待です。

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