deing 2018年12月5日発売、同年に創設40周年を迎えた音楽制作集団・ビーイングが90年代中盤〜後半にかけて手掛け、大ヒットした楽曲を現在所属アーティストであるDAIGOがカバーした企画アルバム。全11曲収録。CDのみの通常盤、MVを収録したDVD付きの初回盤A、ライブ映像を3曲収録したDVD付きの初回盤Bの三種で発売。本レビューは通常盤となります。

 発売直後の本作制作の経緯のインタビューなどはこちらを参照。黄金期のヒット曲をカバーするということでなのか、ビーイング総帥の長戸大幸が直々にサウンドプロデュースを担当。選ばれた楽曲はWANDS、ZARD、T-BOLAN、DEENなどの90年代前半に大ブレイクを果たしたアーティスト達の著名曲がズラリ(特にビーイングブーム真っ只中の1993年の作品が5曲と圧倒的)と並ぶのは、当時を知る身としては納得かつ圧巻のラインナップ。DAIGOのボーカルは、オリジナルの各シンガーに比べると声質の高音域が高めだと思うのですが、「もっと強く抱きしめたなら」(WANDS)、「君が欲しくてたまらない」(ZYYG)、「甘いKiss Kiss」(REV)などのロック系楽曲には違和感なくジャストフィット。一方で女性ボーカルものや、原曲のボーカルが真っ直ぐな「突然」(FIELD OF VIEW)などでは彼のクセのあるボーカルでは若干の違和感を感じたりも。

 そんな中、本作の目玉は原曲を歌っていた先達のビーイング所属シンガーがフィーチャリングゲストとして参加していること。「離したくない」では森友嵐士(T-BOLAN)が、「あなただけ見つめてる」では大黒摩季が、そして「このまま君だけを奪い去りたい」では池森秀一(DEEN)がDAIGOとデュエットまたはコーラスという形でそれぞれ競演。三者とも原曲当時とは大なり小なり声色は変わっていますが、オリジナルシンガーの存在感を存分に示している内容に。筆者としては池森が原キーで「このまま〜」を25年振りに(一部分とはいえ)レコーディングするというのが大ニュースでした。このお三方、最後の「果てしない夢を」(ZYYG,REV,ZARD&WANDS)にも参加しているのですが、原曲では森友、池森は不参加、大黒はコーラスでの裏方参加だったので、DAIGOと共にメイン部分を熱く歌い上げるパフォーマンスには感動してしまいました。

 DAIGO自体には先述のインタビューに加え、リードMVの「もっと強く〜」をオリジナルと同じ場所で撮影したり、T-BOLANの「HEART OF STONE」を模倣したCDジャケットなど、黄金期ビーイングへのリスペクトが最大限に感じられ好印象なのですが、オケ制作には数年前にZARDのリアレンジアルバムで名前の出たd-projectの面々が起用され、基本的にはギター以外は原曲をトレースしたようなプログラミング、しかも妙に機械的な側面の目立つ打ち込みバンド仕様なのには何か意図があったのか…?と思わせるB級感がアリアリ。編曲に長戸総帥(+鶴澤夢人)の名が連ねてあるのにこの点はやや残念。当時のビーイングブームを体感したからこそそう感じてしまうのかもしれませんが、せっかく新旧のビーイングシンガー達が熱い競演を見せてくれているのだから、バックトラックももう少し捻っても良かったのではないかな、と思いました。