sakaifight 2018年6月20日発売、さかいゆうの通算2枚目のEP盤。全5曲収録。販売形態はCD盤の他に、表題曲のリミックスをプラスしたiTunes Store限定ボーナストラック付きアルバムとしてもリリースされています。

 表題曲「Fight & Kiss」は、さかいのピアノとボーカルに、現在十代後半のリズム隊ユニット・京陸を迎えてのトリオ編成でのファンクチューン。ギターレスですがかなりファンキー、特にうねるベースの自己主張が耳を惹きつけるナンバー。続く「SLOW DISCO」は発売同時期にオンエアされたドラマの主題歌で、タイトル通りスロー、というよりミディアム寄りな四つ打ち曲調。エレクトリックタムらしき音をリフで使用している箇所がインパクトがあり、打ち込みっぽい雰囲気も漂いますが、ベーシックなドラムの部分は沼澤尚が担当しているなど生演奏。かなり淡々としたフレーズを叩いており、何か贅沢な使い方をしているような気も(笑)。

 さかいのアルバムによく入っているような一人多重演奏のバラード「YAORA」に続いては、今年の春にNHKみんなのうたに採用された「父さんの汽笛」。父親が漁師、というさかいのプライベートな部分を、みんなのうた仕様なのかストレートな言葉で綴った暖かいナンバー。汽笛を意識したかのようなサックスやホルンなどの管も交えてのアレンジが光ります。ラストは往年のヒット曲「SWEET MEMORIES」のカバーを通常バンド編成でのスタジオライブで収録。他の曲がだいたい4分前後なのに対し、この曲は何と8分半、という長尺もいいところなのですが、一発録音ならではの緊張感がみなぎる良カバーでした。

 ピアノトリオ、ディスコサウンド、バラードからカバーまで、幅広いさかいゆうのポップスセンスを改めて実感できる1枚。お薦めです。