SUKIMASHINKU 2018年3月14日発売、スキマスイッチ通算7枚目のオリジナルアルバム。シングル「LINE」「ミスターカイト」(以上shinku-kan mix)「リチェルカ」を含む全10曲収録。CDのみの通常盤、シングル曲のMVやインタビューを収録したDVD付初回限定盤、豪華ボックス仕様にライブ映像を収録したDVD付のファンクラブ盤の3種形態での発売。さらに同年11月3日には収録曲「未来花」の配信限定バンドバージョンを追加収録したアナログレコード盤でもリリース。本エントリーでは通常盤のレビューとなります。

 カップリングベストリプロデュースアルバムを挟み、セルフタイトルを冠した前作から早くも3年3ヶ月が経過。発売時のインタビューでは今回は原点回帰を目指した、と語っており、常田のピアノと大橋のボーカルのみでレコーディングされた「未来花」を中盤に据え、ポップで明るい「パーリー!パーリー!」、ミディアムながらアンニュイな空気漂う「ミスランドリー」、詞曲共に切なさ満載の「Revival」など、これまでの彼らの持ち球を改めて繰り出してきたような、良く言えば盤石、悪く言ってしまえば尖った面がほとんどない割と保守的な内容。昨年のリプロデュースアルバムで外部アーティストに自分達の曲を全面的に「スキマ色」を払拭した楽曲に仕上げてもらった反動なのか、本作ではいつもながらの緻密なサウンドメイクで、「安定のスキマブランド」をいま一度作り上げている印象を受けました。

 そういった点では、近作のオリジナルアルバムと比べるとちょっと大人しいかな?とも思うのですが、デビュー時から続く「耐久性の高いポップミュージック」は健在。特にラストに配置された長尺バラードナンバー「リアライズ」を何度か聴いた後に漂ってくるジワジワ感(?)は彼らならでは。前掲のインタビューの発言を読むと、またしばらく当分はオリジナルアルバムはとても出そうにない(苦笑)のですが、一過性の流行に流されず芯を通した活動を続けている彼らのこと、今後ともマイペースに進んでいってほしいものです。