先日、東京・世田谷区民会館ホールにて開催された中西圭三のワンコインコンサートに参加してきました。
 ワンコイン、つまり入場料金500円という超破格のリーズナブルな公演を詳細にレポートいたします。
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中西圭三「せたがやふるさと区民まつり ワンコインコンサート」
2018年8月5日 世田谷区民会館ホール



 筆者の在住する世田谷区で、毎年夏に開催されている「せたがやふるさと区民まつり」
 長い歴史があるそうで、今年は第41回目。
 毎年8月頭の土日の2日間、世田谷区役所付近で出店やステージが設置されるお祭りなのですが、そのフィナーレイベントとして区役所敷地内にある世田谷区民会館ホールにて500円で入場可能のワンコインコンサートが毎回行われており、今年は中西圭三が出演とのこと。
 あの中西圭三が500円で見られる!という、90年代J-POPファンにとってはまさに美味しいイベントということで(笑)参加を決めることに。

 なお、チケットの売り出しは特殊で、前日(4日)の午前11時から区役所庁舎前で順次配布という仕組み。事前のネット販売などは一切なしで、その場に行かなければならないので近くに住む世田谷区民優先といったところでしょうか。なお筆者は区役所最寄駅までの定期を持っており(まあ駅から区役所までは15分ぐらい歩くんですけどね・笑)、実質0円で配布所に行けるので問題なし。
 午前11時半前ぐらいに現地に到着して難なくチケットをゲットしたのですが、この時点で整理券番号は以下。調べたところによると、売り出し開始時には行列ができていたようです。

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文字が小さくて見えにくいですが「0231」番。たぶん231人目?

 そして翌日、開演19時に間に合うように区民会館へ。
 開催に関しての大きい看板などは特になく、普通に係員の人にチケットをもぎってもらって入場。
 1,000人キャパの区民会館、サイドに2階席もあって結構広めでした。満員とはいきませんでしたが8割は埋まっているような雰囲気。熱心なファンらしき方々が前の方の席を埋め、他はお祭りついでに寄ったようなお年寄りから親子連れ、筆者のように一人で来てるような同年代まで、客層はかなり広めでした。

 定刻の19時過ぎに開演。
 二日間の祭りのフィナーレイベントということを登場した女性司会者が説明し(この辺は「コンサート」ならではかと)、次いで中西圭三の紹介。
 会場拍手の中、小西貴雄(Key)鈴木英俊(G)、そして中西圭三がステージに登場。

1.Woman(3rdシングル)
2.You And I(8thシングル)
 いきなりヒット曲2連発でスタート。「Woman」はイントロのイントロ(?)みたいな形の鈴木氏のアコギのソロから始まり、CD通りのイントロへ、という始まり方。
 なお、2曲共にオケを流し、その上でギター、エレピの生演奏+中西氏の生歌唱という、DEENでいうところのトライアングルスタイルでした。

 2曲終わって中西本人からサポートの紹介を含めてのご挨拶。
 自己紹介の時に、「よく(中西保志の)『最後の雨』は歌わないんですか?と聞かれます」と、中西ネタで笑いを取っていました(笑)。
 なんでも彼の作品はだいたい千歳船橋のスタジオでレコーディングされるらしく、そういった意味で世田谷に縁がある、とのこと。更に、世田谷と言えば祖師谷大蔵ウルトラマン商店街、という話題から、過去にウルトラシリーズに提供した曲、ということで。

3.愛のしるし(企画シングル両A面)
 熱い名ロッカバラード。これもオケあり、ギターはエレキに持ち替えての演奏。
 この曲は2008年にBSで放映された「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY」という特撮番組のエンディングテーマだったそう。そう言われると歌詞にもそれっぽさが…。

4.眠れぬ想い(9thシングル)
 余韻を残しつつバラードの代表曲へ。この曲以降の伴奏はエレピとアコギのみの完全生演奏がしばらく続きます。中西氏いわく「当時は自分の曲はテンポのある曲がヒットしていたが、大好きなバラードでもヒット曲が欲しくて頑張って作った」(要約)とのこと。

5.STORY(11thアルバム「I'm home」収録曲)
6.帰り道(11thアルバム「I'm home」収録曲)
 朝の趣味の散歩が高じて(?)今やCSで散歩番組を持つようになった彼ですが、かつて「ぶらり途中下車の旅」のテーマソングを1年間担当したことがあり、今回はその中から2曲を続けて。
 一応最新オリジナルアルバム(2008年)からのこの選曲はかなり意外でした。オールタイムベストに収録されなかったので忘れられてるのか…と思いきや、ここで2曲も聞けるとは。

7.風雅(配信シングル)
 中西氏は昨年この季節に母親を亡くしたとのこと。この曲は2009年に発表された曲ですが、前向きに死別を歌ったバラードをここで。

8.糸(中島みゆきカバー)
9.さよならの向う側(山口百恵カバー、カバーアルバム「結晶」収録曲)
 カバーコーナー。ちなみに今回はステージサイドにリアルタイムでMCの字幕や曲の歌詞が大きめのスクリーンに表示される公演だったのですが、中西氏は結構歌詞の順番を間違えることが発覚(苦笑)。

 ここでゲストを迎えてコラボレーションを、ということで、寺尾仁志率いるコーラスグループ・human noteが登場。グループ自体は数百人規模の巨大な人数だそうですが、今回は20人ほどを引き連れての出演でした。

10.Bloom! Bloom! 〜サクラ咲け〜
11.Beginning
 中西圭三と寺尾仁志は数年前に知り合い、震災後の三陸鉄道の応援ソングを手掛けたということで「Bloom!〜」を。そして「Beginning」は2020年のパラリンピックに向けての応援歌として、寺尾氏が中西氏に依頼して作ってもらった曲とのこと。どちらの曲もオケがバックに流れましたが、それに負けないゴスペルコーラスの塊がホール内に響いていました。

 寺尾仁志&human noteはここで退場。この時点で既にチケットやプログラムに記載の終演時刻である20時30分ちょっと前。若干押したけどあと1曲ぐらい歌って終わりかな…と思いきや、「それじゃ後半戦飛ばしていくぞ〜!!」と、ここから後半戦突入宣言。予想外の展開でした(笑)。

12.タイミング(ブラックビスケッツ提供曲、セルフカバーアルバム「SONGS」収録曲)
13.Ticket To Paradise(5thシングル)
14.Choo Choo Train(ZOO提供曲、セルフカバーアルバム「SONGS」収録曲)
 提供楽曲の中で最大セールスの「タイミング」、そして自身で最もノリの良いシングル「Ticket〜」、寺尾&human noteを再び呼び入れての「Choo Choo Train」と、まさに持ちヒット全力出しコーナー。前半はバラードが多かったのでおとなしめの動きだった中西氏も熱唱しながら会場を煽る煽る。鈴木・小西の両氏にも間奏での見せ場多し。
 
15.ぼよよん行進曲(「おかあさんといっしょ」提供曲)
 「最後の曲はこれでいいんでしょうか!いいんです!」と、川平慈英のような(笑)ノリで本編ラスト。Eテレの子供番組への提供曲で前向きなメッセージソング。長らく歌い継がれていっている曲のようです。

 本編はここで終了。しかし当然鳴り止まないアンコールということで、中西、小西、鈴木のお三方が「I LOVE 世田谷」のTシャツ(祭りのブースで売っているグッズのようです)を着て再び登場。

16.ふるさと(文部省唱歌)
 最後の曲は「ふるさと区民祭りにちなんで」ということでこの曲。
 完全生演奏、青いライトに照らされて切々と歌い上げるその姿に感動。今回のライブで一番良かったのはこの曲だったかも。 
 

 以上で終演。21時ぴったりにほぼライブ終了の約2時間の公演でした。
 上述の通り、1時間半で終わると思いきや、まさかの2時間ライブ。しかも彼の代表曲と呼ばれる曲をほとんど披露、更にゲスト有で16曲も演奏してくれるとは。繰り返しますが(笑)これで500円ってはっきり言って安すぎお得すぎ。世田谷区に住んでて本当に良かったです(笑)。

 セットリストは、2年前にリリースされた25周年オールタイムベストの中から11曲でまさにベスト選曲。そして意外であり個人的に嬉しかったのが「I'm home」から2曲が披露されたこと。物販には残念ながら売っていなかったようですが、良い作品だったので生で聴けて満足でした。

 中西圭三のボーカルは、90年代のCD作品の声よりもややハスキーな感じながら、その声量には圧倒されました。音響に関してはオケを使う曲では鳴らし過ぎで、ここまで音量上げなくても良いんじゃないかという点もありました(ステージの上でもギターの鈴木氏がモニターで自分の音が聞こえにくいのか「ギター上げて!」みたいなジェスチャーをする場面がありました)が、完全生演奏の時はバランスも良好でしたし、何といっても500円(くどい?)なので文句なし。大満足で帰路につきました。
 来年のワンコインコンサートは誰が出演するのでしょうか。人選によってはまた観に行こうと思っております。