chageotomichi 2018年5月16日発売、Chage名義では通算2作目となるベストアルバム。全16曲収録。初回プレス盤にはプレイパス対応の映像特典が封入とのこと。本エントリーは通常プレス盤でのレビューとなります。

 1996年にCHAGE&ASKAが、1997年にソロワークのMULTI MAXがそれぞれ活動を休止。1998年に単独名義でソロ活動をスタートするにあたってリリースされたのが前作のベストアルバム。この時はチャゲアス、マルチからの楽曲のコンピ盤だったので、それから20年が経過した本作は、ソロのシンガーソングライターとしてのChageにとっては初のベスト。その内容は、これまでにリリースしてきた通常・配信・限定シングルのA面曲を全曲+ボーナストラックで計80分30秒という、CD1枚の収録時間限界にまで達するボリュームになっています。

 まず冒頭を飾るのは彼の代表曲たる「終章(エピローグ)」の新録音版(MEMORIAL VERSION)。何回かリメイクされているこの曲ですが今回は亀田誠治が普遍的なアプローチでリアレンジ。続く賑やかなディスコナンバーの新曲「Viva! Happy Birthday!」を経て、3曲目の昨年リリースの最新シングル「たった一度の人生ならば」から時系列を遡り、1998年の初のソロシングル「トウキョータワー」に辿り着くのが14曲目。この後でボーナス的に収められた「ふたりの愛ランド」(石川優子とチャゲ名義)、そして昨年のシングルのカップリングとして世に出された、チャゲアスの「愛すべきばかちんたちへ」のソロセルフカバーバージョンで締め、という歴史を辿ってまた現在に戻ってくる、という構成。なお、アルバムに初収録された曲は「たった一度の〜」「愛すべき〜」の他に「永い一日」「GO! GO! GO!」「TOKYO MOON」「遠くへ行きたい」と、ベストならではのお得感もバッチリ(?)。

 20年間の活動の軌跡ではありますが、実質はソロ活動に力を入れたここ10年で発表された楽曲が大半。この10年間といえばチャゲアスの無期限活動停止やASKAの事件などがあり、従来とは違うスタンスでChageが音楽活動を続けてきたという経緯があるのですが、繰り出されてくる曲は意外なほどカラフル。もちろん「equal」のようなシリアスなバラードもありますが、トーキング調の「永い一日」、ミディアムの「天使がくれたハンマー」、アッパーな「GO! GO! GO!」、バンドサウンドの応援歌「まわせ大きな地球儀」など、チャゲアスの活動では隠れがちだった彼のソングライティングセンスの多彩さを改めて感じさせられました。オリジナルアルバムも結構出ているので、何から聴いていいのか…というリスナーには決定盤の内容だと思います。

 なお、ボーナストラックの「ふたりの愛ランド」は石川優子のキーに合わせた曲なので一緒に歌っているChageのキーがところどころキツそう…(苦笑)。明らかに他の作品との雰囲気が異なるのですが、オリジナルバージョンがChage側のアルバムに収録されるのは初めてということで、彼のヒストリーベストとしてここに収められるのは喜ばしいことだと思いましょう(笑)。