2018年05月12日 14:38

Artist Archive:東野純直・テイチク時代全アルバムレビュー(1993〜1995+α)

az-a ブログ開設10周年を記念して…ということではありませんが、久し振りに新コンテンツを立ち上げました。筆者お薦めの新旧アーティストのカタログアルバム作品を年代を区切ってご紹介する「Artist Archive」。第1弾は今年デビュー25周年を迎えたシンガーソングライター・東野純直のデビューから3年間在籍したテイチクレコード時代の全アルバムをレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。

東野純直・テイチク時代全アルバムレビュー
(1993〜1995+α)


Actor & Actress
az-a
 1993年9月22日発売、デビューアルバム。全10曲収録。
 前年開催された「ミュージッククエスト」世界大会で審査員特別賞を受賞し、期待の新人として鳴り物入りのデビューを果たした東野。スマッシュヒットを飛ばしたデビュー曲「君とピアノと」、自己最大のセールスを記録した「君は僕の勇気」の両シングル曲は共にアルバムバージョンでの収録。
 90年代中盤に隆盛した男性ポップスシンガー特有の「爽やかさ」や「優しさ」を編曲を含めて徹底的に前面に出した1枚。YAMAHA所属ということもあり、村上啓介、船山基紀、大村雅朗などの著名アレンジャーが名を連ねている。1曲目の「JOY≒YOUR PRESSURE」に始まり、「KITTO」「BIG GAME」などのアップテンポ、バラードでは「せつないくらいに君しか見えない」「セピア色の片想い」等、ポップな佳曲が満載。
 一方でまだ東野自身の完全作詞作曲体制ではなく、佐藤ありす(作詞)や若松歓(作曲)の手を借りたり、ラスト2曲の「Waiting for the rain」「U&I」は洋楽カバーを東野が和訳して歌うなど、制作に関してはまだ試行錯誤の面が目立つが、デビュー盤にしてこの完成度の高さは特筆モノ。
 なお、中音域を強調したミックスで全体を統一しており、同時代の作品と比べてやけにモコモコ感がある。


Breath
az-b
 1994年6月22日発売、2ndアルバム。全10曲収録。
 年明けにリリースされたバラードシングル「君だから」(アルバムバージョン)、先行シングルでユーロビートに挑んだ「summer-est 〜一番眩しい夏〜」を収録。作曲はタイトルの曲の「Breath」、「ミュージッククエスト」で知り合ったイギリスのバンド・MIRACLE WORKERSの全英語詞カバー曲の「ORDINARY TOWN」以外の8曲は東野本人の手によるもの。
 基本的には前作の延長路線。ポジティブなメッセージソング「GO WEST」、平和をモチーフにした「僕らのSomeday」、アニソンライク(?)な「韋駄天Windyのテーマ」など、前作に引き続いてのポップなアプローチが盤石だが、全編で徹底的な爽やか好青年的印象が強すぎてもう少し毒の要素が欲しかった、と思ってしまうのはこの時点では望み過ぎか。


Colorful
az-c
 1995年6月28日発売、3rdアルバム。全11曲収録。
 シングル「愛し方も分からずに」「確かに愛したとき」「80's」(いずれもアルバムバージョン)を収録。ミックスはロンドンのスタジオで行われ、レコーディングクレジットにサウンドプロデューサーとして東野の名前が単独表記されている。
 本アルバムで全曲本人作曲を達成。澤近泰輔、清水信之、安部潤、井上鑑、小西貴雄、白井良明など、日本のポップス界の著名アレンジャー達がここまで一堂に会するアルバムもないのでは?と思うほど豪華な編曲陣に支えられ作り上げられた力作。
 前作路線の「南行きのプロセス」「僕は無敵に恋をする」、AOR風バラード「ふたり」、ロックバンドテイストの「Force」「One Way」等々、トータルバランス、各楽曲の振り幅が良好。結果的にテイチク時代における最後のオリジナルアルバムになったが、デビュー以来三年間のポップス路線集大成的な作品。初期作品の中で最もお薦めのアルバムである。
 なお、本作までの3枚のオリジナルアルバムが1999年に移籍先である東芝EMIより再発売された(現在は廃盤)。


GOLDEN☆BEST
az-gb
 2008年10月1日発売、各レコード会社の合同企画ベストシリーズの1作としてリリースされた初のベストアルバム。全15曲収録。
 テイチク時代の全7枚のシングル表題曲、各カップリング曲を時系列順にリマスタリングして収録。表題曲のうちシングルバージョンでの初収録は6曲、カップリング曲は全7曲すべてアルバム初収録(「Rain」「Lovers' Moon」は1997年のセルフカバーアルバムには新録で収録)という、かなり選曲的価値の高いベストアルバム。カップリング曲も上述2曲を筆頭に、表題曲に負けず劣らずの佳曲が揃っているので、この時代の東野作品が好きならば聴いておいて損はない。余談ながらテイチク時代の楽曲だがリリースはソニーから(ライセンスはYAMAHAが所持している模様)。
 ボーナストラックは未発表曲の「君を抱きしめてた」(1996年制作)。テイチクから東芝EMIに移籍する真っ只中の作品ということでどちらの作風にも属さない過渡期的な楽曲。ブックレットには東野本人の書き下ろしによる表題曲への詳細な楽曲解説も記載されるなど至れり尽くせりの内容。半公式的なベストながらファン必携。

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