deenforever 2018年3月10日でデビュー25年目を迎えるDEEN。まずはメモリアルイヤーに合わせての周年ベスト「DEEN The Best FOREVER 〜Complete Singles+〜」を2月28日にリリースすることを昨年大晦日の夜に告知。これはまあ予想の範囲内でしたが、年明けにギターの田川伸治がデビュー日開催の日本武道館公演をもってDEENを脱退することが発表されるという衝撃的なニュースがあり、DEENファンにとっては波乱の幕開け的なアニバーサリー突入となってしまいました。
 今回のCD Review Extraは久々の長期企画。今回発売されるベストアルバム収録曲全曲を1曲ずつレビューいたします。第1回の今回は1993年のデビューから1997年までの全シングルを収めたdisc 01の全14曲。「続きを読む」からご閲覧ください。
「DEEN The Best FOREVER 〜Complete Singles+〜」
全曲レビュー・disc 01編



1.このまま君だけを奪い去りたい
 作詞:上杉昇/作曲:織田哲郎/編曲:葉山たけし
 1993年3月10日発売。当時WANDSとしてブレイク真っ只中の上杉昇が作詞、既にヒットメイカーとしての実績のあった織田哲郎が作曲を担当。当時全盛期だったポケットベルのCMソングに起用され、折からのビーイングブームと重なって大ヒット。デビューシングルにしてミリオンセラーを達成した。
 様々な媒体でメンバーがコメントしているように、ソロデビュー予定だった池森秀一が試しに歌ってみたところ採用が決定。バンド形態でのデビューとなり、プロデューサー(長戸大幸)の意向によりメンバーが集められた、という、如何にもビーイングらしいやり方で始まったのが今日まで続くDEENの第一歩であった。なお、発売当時の表ジャケットには池森と山根公路、裏ジャケットには池森が単独で写っているが、後のプレスでは裏ジャケットは仲居辰磨(ギター)、倉澤圭介(ドラムス)のツーショットに変更されている。
 代表曲中の代表曲という一般認識は当時も現在も変わらず、LIVE-JOY、武道館、リゾートライブ、47都道府県ツアー等、どのライブでもほぼ演奏される超定番曲。さすがに最近のツアーでは日替わりメニューになる場合もあるが、名刺代わりの曲としての役割を果たし続けている。

2.翼を広げて
 作詞:坂井泉水/作曲:織田哲郎/編曲:葉山たけし
 1993年7月17日発売、2ndシングル。
 同年に開幕し、爆発的人気を誇ったJリーグの日テレ中継テーマソング。今回は直前に大ブレイクを起こしたZARDの坂井泉水が作詞を手掛けた。坂井は大黒摩季や生沢祐一らと共にコーラスも担当。
 前作に続いてシンプルな演奏から徐々に盛り上がる熱唱型バラード。ラストの部分では観客の大歓声のようなものも入るなどタイアップ先を意識したような作りになっている。ライブでもよく本編の締めやアンコール時に演奏される大団円的なポジションを築いている。
 なお、翌年リリースのデビューアルバム「DEEN」には未収録。アルバムへの初収録は1998年の初ベスト「SINGLES+1」まで待たされた。

3.Memories
 作詞:池森秀一・井上留美子/作曲:織田哲郎/編曲:葉山たけし
 1993年9月22日発売、3rdシングル。
 表題曲で初めてメンバー(池森)の名前が入ったシングルだが、共作なのでどこまで池森が書いたかは不明。テレ朝の深夜のショートドラマ枠「ネオドラマ」主題歌だったが、番組自体は発売翌週で最終回を迎えるなど、タイアップ効果があったかどうかは微妙なところ。
 ファンク調のアップテンポで、前奏や間奏にラップもあり、前二作のDEEN=バラード的なイメージを覆す意欲作で、元々ブラックミュージック志向だった池森の声質とも合っていると思う。英語のコーラスで大黒摩季のパンチのある声が合間合間に入ってくるので、DEEN feat.大黒摩季的な雰囲気も。
 ライブでは盛り上げ枠として長年常連曲ポジションだったが、他の盛り上げソングの台頭(?)もあり、近年では演奏の機会は若干減りつつある。

4.永遠をあずけてくれ
 作詞:川島だりあ/作曲:栗林誠一郎/編曲:葉山たけし
 1993年11月28日発売、4thシングル。
 ビーイングの屋台骨を支える川島・栗林の両者によるバラードナンバー。「このまま〜」同様ポケベルのCMソングとしてクリスマス時期のTVを彩っていた。このシングルのジャケットで当時のメンバー(池森・山根・仲居・倉澤)の名前がようやく初クレジットされる。
 安定のバラードでヒットしたものの、「このまま〜」や「翼を広げて」に比べると一般認知度の低い曲である。クリスマスを舞台にした曲だからか、ライブでも年末開催の公演の時ぐらいしか演奏されず存在感はいまいち薄い。二度のリメイク機会があったがどちらもアカペラバージョンでの録音。原曲よりこちらのほうが独自性を感じさせるアレンジだと思う。

5.瞳そらさないで
 作詞:坂井泉水/作曲:織田哲郎/編曲:葉山たけし
 1994年6月22日発売、5thシングル。
 前々年は織田哲郎、前年はZARDが担当し大ヒットを記録したポカリスエットのCMソングに起用ということでかなり気合の入ったプロモーションが展開され、オリコン初登場1位、2作目のミリオンセールスを達成。
 ビーイングメイドのポップナンバーで、池森の声質とマッチした爽やかな聴き心地なのだが、歌っている内容は彼女に去られそうで内心焦っている主人公の心境・・・というのが何ともミスマッチ。
 なお、本作よりギタリストとして田川伸治が加入。当時は前任の仲居が脱退したという報や田川が加入したという報告もなく、いつの間にか裏ジャケットの写真のギタリストが変わったな・・・ぐらいの認識しかなかった。次いで倉澤に代わり加入するドラムス宇津本直紀と同様、同年のデビューアルバム「DEEN」でようやく名前がクレジットされた。
 「このまま〜」同様の圧倒的ライブ演奏回数を誇る。披露されなかったライブを数えるほうが早いが、後に複数制作されたリメイクバージョンのいずれかで演奏されたり、メドレーの中のショートバージョンでの登場であることも多く、それなりにバリエーションは多い。

6.Teenage dream
 作詞:坂井泉水/作曲:栗林誠一郎/編曲:葉山たけし
 1995年3月27日発売、6thシングル。
 現在まで続くTBS深夜のカウントダウン番組「COUNTDOWN TV」のオープニングテーマ。ビーイング黄金期メンバーによる作家陣の独占起用は結果的にこのシングルが最後となる。
 学生時代からの馴染みである登場人物三名による、青春のひとコマを描いたバラード。ZARDでは複雑な設定の歌詞を書くことも多い坂井にしてはストレートで分かりやすい。この曲もヒットしたが、ライブでは忘れた頃に演奏する程度の登場頻度。
 この曲で初めてフルコーラスでのMVが制作された。主にレコーディングスタジオでボーカルや楽器の録音をするメンバーというテンプレート的な内容だが、これまでろくにプロモーション用の映像も作らず、池森以外ほぼ誰?的な認識だったメンバーが動くシーンが地方局の音楽番組などで流れるのには感動を覚えた(笑)。

7.未来のために
 作詞:池森秀一/作曲:池森秀一、宇津本直紀/編曲:古井弘人
 1995年6月15日発売、7thシングル。
 初めて作詞・作曲がメンバー表記になった記念すべきシングル。日テレ系野球中継「劇空間プロ野球」の同年前半戦のエンディングテーマ。「瞳そらさないで」に続くオリコン1位(現時点で最後のシングル1位)を記録。
 タイトル通りの未来への希望を力強く歌ったミディアム。MVはショートバージョンで制作され、池森が笑顔で歌うバージョン、真顔で歌うバージョンの二種類が映像商品化されている。この曲でミュージックステーションやHEY!HEY!HEY!などの全国ネットの音楽番組に初出演していたのも印象深い。
 ライブでの披露はそこそこだが、個人的には東日本大震災の約二ヶ月後に開催された2011年の日本武道館公演でのオープニングナンバーとして、池森のサビのアカペラ歌い上げから始まる演奏が特に心に残っている。

8.LOVE FOREVER
 作詞:山本ゆり/作曲:田川伸治/編曲:葉山たけし
 1995年12月11日発売、8thシングル。
 田川伸治の作曲家デビュー作品。TBS系「スーパーサッカー」エンディングテーマ。
 メロディー構成は短めながら、ピアノ+アコギのバラード調のAメロから始まり、バンドインしてからはミディアムテンポのロックアレンジになるなどの工夫が見られる。2005年のセルフカバーベスト「DEEN The BEST キセキ」では曲構成を大胆に組み替えてリメイクされたが、その際のアレンジは田川本人が担当。
 山本ゆり(翌年にFIELD OF VIEW「ドキッ」の歌詞を担当)の手による切ない歌詞と相俟って秋を連想させる曲なので、年末近くの発売はややズレたような気も。ロケを含めた本格的なフルMVが作られた。なお、デビュー以来CDジャケットで使い続けてきたDEENの太文字斜体ロゴの出番は本作が最後。

9.少年
 作詞:池森秀一/作曲:山根公路・田川伸治/編曲:古井弘人
 8thシングル両A面曲。現在から幼い時代を顧みるノスタルジックな王道バラード。TBS系夜のミニ番組「少年時代」のテーマソングに起用。個人的にここまでのDEENのバラードでは一番思い入れのある曲である。
 発売当時や翌年の2ndアルバム「I wish」の貼り付けシールなどでは明確にA面シングル扱いされていたが、1998年の「SINGLES+1」、2008年の「PERFECT SINGLES+」などの全シングル集ではスルー。逆に2010年のカップリングベスト「Another Side Memories〜Precious Best〜」に収録されるなど一時期は完全にカップリング扱いだった。本ベストでようやくA面扱いに復帰してひと安心。

10.ひとりじゃない
 作詞:池森秀一/作曲:織田哲郎/編曲:古井弘人
 1996年4月15日発売、9thシングル。
 アニメ「ドラゴンボールGT」の初代エンディングテーマ。人気原作漫画を基にしたオリジナルアニメのエンディングとして約半年オンエアされた影響か、「このまま〜」や「瞳〜」を知らない当時の児童層に幅広く認識されており、DEENといえばこの曲がリアルタイムで初、という現在30歳前後の世代も多い模様。
 スタジオと屋外での演奏を同じぐらいの割合で組み合わせたフルMVが制作された。屋外のロケは4月初旬ということだが、風が吹いておりメンバーが妙に寒そうな動きをしているのは気のせいか(笑)。
 上述2曲に並ぶ「DEEN三大ライブ頻発曲」の1曲。元気よく勢いのある楽曲ということで主にライブ序盤での盛り上げどころか、ライブ後半のメドレーに組み込まれる傾向がある。

11.SUNSHINE ON SUMMER TIME
 作詞:池森秀一/作曲:宇津本直紀/編曲:古井弘人
 1996年7月1日発売、10thシングル。
 宇津本が作曲に単独クレジットされた唯一のシングル。真夏の日曜の朝、この季節を目一杯楽しもう的な爽やかアップテンポナンバー。キリン「アイスビール」のCMソングに起用されたらしいがTVでCMを見た記憶がまったくない。
 この辺りからセールス的に陰りを見せ始めることもあり、あまり代表曲的な扱いはされなくなる。同時期のシングル群は2000年代以降次々アナザーバージョンが作られるが、この曲はかなり遅れた2007年に緩やかなボサノバ調でようやくリメイクされるなど、若干不遇の感がある。
 余談だが、デビューからほぼ同じ短いツンツンヘアだった池森が髪の毛を伸ばし始めた途中で撮影されたのか、完全に髪が伸び切っていない状態でのジャケット写真はかなりレア(?)。

12.素顔で笑っていたい
 作詞:池森秀一/作曲:織田哲郎/編曲:池田大介
 1996年8月5日発売、11thシングル。
 テレ朝系ドラマ「小児病棟・命の季節」主題歌。ほとんど縁のないゴールデンタイムのドラマ主題歌であったが、三浦友和主演のヒューマン医療系ということで地味な部類。楽曲もそれに合わせてか、織田哲郎の作曲にしてはドラマチックに盛り上がるというメロディーでもないが、詞の内容と合わせて癒しの要素のある佳曲だと思う。
 MVは幕張でのオールロケ。演奏シーン以外にもメンバーがキャッチボールをしたり、子役四人が駆け回ったりと、撮影に際ししっかりコンテを書いたかのような本格的な雰囲気。

13.君がいない夏
 作詞・作曲:小松未歩/編曲:池田大介
 1997年8月27日発売、12thシングル。
 過去最長のインターバルを挟んでの約1年振りのニューシングル。同年デビューし、前後してFIELD OF VIEWや第3期WANDSにも楽曲提供を行っていた女性シンガーソングライター・小松未歩による作品。
 アニメ「名探偵コナン」のエンディングテーマ。アニメファンには「ひとりじゃない」に次ぐ知名度の高さだと思われる。2001年のバラードベスト「Ballads in Blue」にもファン投票で選ばれるなど人気の曲にもかかわらず、ライブではまったく披露されないレア曲となっていたが、近年ではアコースティックバージョン(2006年シングル「Starting Over」c/w)を中心にある程度演奏されるようにはなってきた。
 当時のメンバーの演奏を撮影したMVに対し、シングルジャケットは一年前の「素顔で笑っていたい」と同セッション撮影の池森の姿をモノクロにしたと思われる。記憶する限りDEENの作品で過去の写真を最新シングルに流用したのはこの時が唯一では。

14.夢であるように
 作詞:池森秀一/作曲:DEEN/編曲:池田大介
 1997年12月17日発売、13thシングル。
 作曲は初のDEEN名義。プレイステーションゲーム「テイルズ オブ デスティニー」主題歌。デビュー以来連続して記録していたオリコンチャートTOP10記録はこの曲で途切れたが、シングルセールスの平均が10万枚程度になっていた当時としてはロングヒットを記録して20万枚越えを記録。この時期にファンになった層にはDEENの代表曲として「君がいない夏」と双璧を成す、記録以上に記憶に残る楽曲となった。
 失恋の悲しみを歌い上げながらも希望をもって前向きに締めるのは池森らしい。アレンジ面でもバンド感が強く出ており、間奏のギターソロ→ドラムのリフ→ピアノソロの流れで各メンバーをフィーチャーしている。イメージ映像やストロボなどの特殊効果が盛り込まれた、芸術性の高いMVは他の作品よりも完成度で群を抜いていると思う。
 ライブでは準定番曲的な扱い。リメイクバージョンなどの一部の例外を除いて常に原曲キーで披露される、この時期の作品としては数少ない楽曲。ライブ音源は大量に存在するが、2008年の初武道館の時のバンド+ストリングスのスペシャル編成で本編を締めたバージョンが一番印象深い。


 (以下、後日更新予定のdisc 02編へ続きます)