
全50公演の中から「オデオン座」(徳島県)での公演をメインに、一部は「松山市民会館 小ホール」(愛媛県)からも収録。こちらは山根・田川の両ソロを含む日替わり楽曲のフォローのようです。本編の流れは前回の47ツアーの映像作品同様、ライブ映像の合間にツアー終了後にメンバーを揃えて撮影したアフタートークや、池森が録画した各会場の公演前後の自撮り集「Ikesta動画 47tour篇」などを挟んだ、CSで制作されている音楽番組的なフォーマット。
トークに関しては前作は写真を見ながらのコメンタリーが最終的に食レポになってしまったのを省みてか、テーマを決めての「47 Tour Episode Talk」、各都道府県で発売した漢字一文字を誂えた缶バッヂに関する「47 Can-badge Episode Talk」など、今回は工夫の跡が見受けられます。ただ、池森の自撮り録画は長尺な上にカメラアングルが毎回同じ(まあ自撮りなので…)、言ってることも毎回だいたい同じ…ということで、さすがに全会場それをやられると観ていて飽きがきてしまったのが正直なところ。
ライブ曲目は最新アルバム「PARADE」からの披露は半分以下で、DEENの歴代ヒットソングをこれでもかの固め打ち。アフタートークでのメンバーの発言で「今回のツアーは定番曲をより多めに」ということだったそうで、なかなか映像化機会に恵まれない「君がいない夏」、最新リメイクバージョンでの初披露となった「少年」、アコースティックセットでは久々の「未来のために」「Memories」などの収録は嬉しい一方、「このまま君だけを奪い去りたい」「瞳そらさないで」「ひとりじゃない」などのライブ超鉄板ソングが新曲を差し置いてここでも…というのは辟易気味。ただ、今回のツアーではかなり初DEENの観客が多かった(池森談)そうなので、そういった層にはヒット曲のオンパレードは需要があったのかもな…と思ったり。
演奏スタイルはここ数年のアコースティックコーナー同様のメンバー三人+同期。今回はリズム周り以外のキーボード類、コーラスに至るまで同期に頼った仕様になっており、例えば山根がステージ上に一人でキーボード弾き語りで歌う曲にも普通にオケが鳴りまくる…という、何とも見栄えのしない構図になる場面も散見。全都道府県を回る過密日程にサポートメンバーを呼べない苦肉の策なのかもしれませんが、最初の47ツアーの時は三人+リズムボックス程度でも何とかなったし、LIVE-JOYでのアコースティックコーナーは元は完全生演奏だったし…ということを踏まえると、この形態で「アコースティック」を掲げていいのか、という疑問点も沸いてきてしまいました。
Blu-ray盤の特典映像は山根・田川の日替わりソロ曲の映像と、各メンバーが一人ずつ違った視点でツアーを振り返るVTRが収録。ツアー中に廻った蕎麦屋について熱く語る池森、音響的・歴史的背景からの思い出会場を語る田川、実父経営の居酒屋で昼間から呑みながら(笑)ツアーに関する質問に答えていく山根と、三者三様の個性が色濃く出たコアファン向けの映像集。この特典映像も含め、本作に関してはライブ以外のドキュメント部分のほうが面白かったなぁ…と思ってしまいました(苦笑)。前作から約2倍に増えた総映像時間201分、観終わった今はお腹いっぱいです(笑)。
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