kubotalive 2017年9月27日発売、久保田利伸のキャリア初となるライブアルバム。全15トラック収録。ライブ本編を収録したCDのみの通常盤、加えてライブドキュメンタリーやアンコールを収録したDVD+フォトブックレット付属の初回限定盤の2形態での発売。本レビューは通常盤となります。

 デビュー30周年を記念した記念企画の一環として、今年の6月から9月にかけて行われた全国ライブハウスツアー10公演の中からのベストアクトを抜粋してセットリスト順に並べられた構成。豊洲、大阪、札幌、仙台、名古屋といった順でライブは敢行されたようですが、曲の途中で「大阪!なにわ!」などと絶叫する曲以外はどの会場からのチョイスなのかは歌詞カードには記載されていないので明確には分からず。MCなどは丸々カットされていますが、本編で披露された曲は全て収録された模様。総演奏時間も73分とたっぷりです。

 久保田以外にはギター、ベース、ドラムス、キーボード2名、コーラス3名、さらにDJもバンドメンバーに加わる大所帯。ピックアップされた曲達で一般的にも特に有名なのは「LA・LA・LA LOVE SONG」「LOVE RAIN 〜恋の雨〜」の月9ドラマ主題歌が双璧でしょうが、デビュー初期の「Shake It Paradise」から現時点の最新シングル(といっても2014年)「Upside Down」「Free Style」までの幅広い選曲や、ブレイク期を中心としたメドレーを矢継ぎ早に披露する「Go Go Old School Medley」など、タイアップソングを多めに演奏しつつもヒットパレードというよりも若干コアファン向けの演目のような。

 そんな30年間のナンバーを時にファンキーに、時にしっとりと歌い上げる久保田利伸のボーカルの安定感はさすが。本来ライブアルバムといえばボーカルも含めて演奏の熱量やスタジオレコーディングとは異なる粗さも魅力のひとつだと思うのですが、本作に関しては久保田も演奏陣もあまりにも上手すぎて観客の手拍子や拍手がなければ普通のスタジオアルバムと錯覚してしまうほど(苦笑)。ただ、長めのイントロを加えた「LA・LA・LA〜」や観客を煽りまくりのメドレー、ラスト近くで披露された「SUKIYAKI」の英語詞カバーなどはライブならではの熱気が感じられました。改めて彼と彼らのパフォーマンスレベルの高さを実感させられる1枚でした。