t-bolannatsu 2017年8月16日発売、復活後初となるT-BOLANのCDリリースは新曲1曲を含むメンバー自身の選曲によるコンセプト・ベストアルバム。2枚のCDに全26曲+1992〜1995年までのライブ映像を11曲収録したDVDが付属の3枚組。なお、筆者は本作をレンタルで手に取ったのでDVDは未見。CDのみのレビューとなります。

 2012年に再結成、同年の「BEING LEGEND」ツアーのメインアクトを務めた後は目立った動きがなく、2014年に3本のワンマンライブを行って活動休止。2016年末のカウントダウンライブで一夜限りの復活を果たし、明けた2017年に再始動宣言を行ったT-BOLAN。本作はそんな彼らが直接関わった久々のCD作品。1992年、1994年にアコースティックミニアルバムとしてリリースされた「夏の終わりに」シリーズを核に、楽曲のコンセプトを「LOVE」と「LIFE」に分けて2枚のディスクに収録。選ばれた曲は「夏の終わりに」シリーズを意識した基本的にはアコースティック色の濃いミディアム〜バラードで、かつてリリースされたベストアルバム「BALLADS」の拡大版といった趣も感じさせる一品です。

 DISC 1は「LOVE SONGS +1」。21年ぶりの新曲「ずっと君を」を1曲目に収録。森友嵐士が作詞作曲、T-BOLANと葉山たけしの連名によるアレンジ。解散の遠因ともなった森友の歌声が90年代と結構違うのに少し驚きました(ソロ作品を聴いていないので)が、「バラードのT-BOLAN」の鉄板楽曲。2曲目以降は往年のラブソング集として「すれ違いの純情」「マリア」「離したくはない」などの代表曲のアコースティックバージョン、「遠い恋のリフレイン」「Dear」などの珠玉のバラードを収録。恋愛のみならず「BOY」は親から子へのラブソングだったりと捻りもあり。熱唱系バラードに酔いしれる1枚になっています。

 DISC 2は「LIFE SONGS」。こちらは新曲は残念ながら無し。ラブソング以外の人生や青春を歌った曲をセレクト。代表曲は少なめながら、アップテンポの原曲を大胆にリメイクした「泥だらけのエピローグ」や、彼らの作品の中では異色の明るさを持つ「Happiness」など、DISC 1に比べて楽曲の幅はある程度広め。また、2014年の全曲収録限定ボックスセットのみの収録となっていた「HOW DO YOU FEEL?」「いじけた視線を君に語るより 光を見たい」などのカップリング曲のリマスター版が一般流通でもようやく聴けるようになったというトピックもあり。ただ、どうせならそのボックスセットでも何故かはじかれた「Heart Of Gold 1996」(「Be Myself」のc/w)をこの機会に収録すれば…とも思ったのですが、実際は同曲のアコースティックバージョンが無難に(?)収録されていたのが残念。「〜1996」というタイトルだから収録できない、というルールでもあるのでしょうか…。

 ともあれ、久々の本人稼働によるベストアルバム。「LEGENDS」「FINAL BEST」などの入門編ベストとは異なり、待望の新曲も収録され、(筆者未見ですが)ライブDVDも含めて長らく待ち続けたT-BOLANファンへの贈り物といった作品でした。現在は本作を引っ提げた初のアコースティックツアーを敢行中とのこと。メンバーの体調問題もあると思いますが、次の活動はどんな一手を打ってくるのかをじっくり待ちたいと思います。