DEENPARADE 2017年8月9日発売、「25周年イヤー メモリアル・オリジナルアルバム」と銘打たれたDEENの通算17作目のオリジナルアルバム。シングル「君へのパレード♪」「ずっと伝えたかったI love you」のアルバムバージョンを含む全11曲。本編CDのみの通常盤、昨年末のカウントダウンライブを全曲収録したBlu-ray付きの初回生産限定盤A、収録シングル曲のMV他を収録したDVD付きの初回生産限定盤Bの三種で発売。今回ご紹介するのは初回生産限定盤Aとなります。

 現在、メンバー三人で来年のデビュー25周年に先駆けて47都道府県を回る全国ツアーの真っ最中。そのタイミングで発売されたアルバムと言えば、完全にメンバーのみで作り上げた5年前の「マリアージュ」と同様。本作もそれに倣ってか基本的にはメンバー三人のみの演奏(例外としてストリングス隊が4曲参加)。先行シングル「君へのパレード♪」は冒頭にストリングスが追加され、EDMに挑んだ二年前のシングル「ずっと伝えたかったI love you」は新録のアナザーバージョンに。そして95年発表のシングル両A面曲「少年」が二回目のリメイクで収録。他、田川伸治、山根公路のソロナンバーも並べて収められています。

 制作体制は「マリアージュ」と類似するわけですが、アコギを中心にアコースティックコーナーが延々と続くイメージのあった「マリアージュ」と異なり、今回はリズム隊などの非生音部分をパーカッション的な要素よりも、ドラムとベースをバンドスタイル前提で打ち込んだかのような楽曲が多いです。なので全編通じて生のリズム隊は不在ながらも「疑似バンド演奏」的な聴き心地。いっそ生バンドでやっても良かったのではないかと思ってしまうぐらい(笑)。

 楽曲としては前作前々作のような明確なコンセプトは持たせず自由な印象。曲調もバラエティ豊か…というより各曲とっ散らかってるような気もしますが、近年のDEENとしてはアダルトに攻めた「ミステリーなガール」、ボサノバ調の「Te Amo」、DEENの歴代の夏歌タイトルを歌詞に散りばめたその名も「サマーソング」などの遊び心、ド直球のメンバー全員歌唱ソングの「キズナ」など、ノンコンセプトならではの詰め込み放題感は「DEEN NEXT STAGE」以来かも。楽曲のコンパクト化が進んでいる近年のアルバムの中でもライト層が入りやすく、各ソロでのコアなファンへのサービスも意識した好盤に仕上がっていました。

 Blu-rayにはZepp Tokyoにて開催された「DEEN LIVE JOY-COUNTDOWN SPECIAL〜マニアックナイト W(`0`)W Vol.3〜」の全編を完全収録。筆者も足を運んだこの日のライブレポートはこちら。三年連続のマニアックナイト、今回は直前に発売のカップリングベストを引っ提げてと公言されていたのでそれと連動したようなセットリストになっていました。タイトル通りマニアックな曲が満載なのですが、マニアックライブ用定番曲のようなものもチラホラ出てきはじめたような気も…(苦笑)。演奏や映像部分には特に文句はないですが、中盤のMCコーナー、本編最後の曲の前の挨拶、アンコール後の締めコメントなどがことごとくカット、特にカウントダウン直後のニセ・リクエストコーナーのやり取りも完全に無し。LIVE-JOYはMCも含めてのエンターテイメントとして構成されているステージ、と思っているので、近年のMC部分切り過ぎの編集には少し不満を覚えました。