pjeat6 2017年7月5日発売、→Pia-no-jaC←がクラシックの名曲をカバーする「EAT A CLASSIC」シリーズの第6弾(公式アルバムとしては15枚目にカウント)。全6曲収録。CDのみの通常盤、同日に開催されたライブのそれぞれ異なる楽曲を収録したライブDVD付きの初回限定盤、ヴィレッジヴァンガード限定盤(こちらはさらに数量限定でコメンタリーCDが付属)という3種形態での発売(CDの収録内容は同一)。

 同シリーズの共通デザインであった、ハンバーガーに通算ナンバーの付いた旗を刺したジャケットが廃され、代わってグランドピアノとカホンが鎮座する妙にシックなレイアウトのジャケットに。クラシックナンバーを破壊&再構築の度合いが行きつくところまで行ってしまった前作から約二年半、ここに来て明確な路線変更か?!と思いきや、いざCDを聴いてみればいつものピアノ×カホン×掛け声(笑)のPJ節である意味安心(?)。とはいえ、今回はシリーズの積み重ねの中で徐々に過剰にも思えてきた「原曲ブッ壊し感」を一旦リセットし、メロディー部分をある程度は尊重。これはシリーズの合間に映画音楽カバーアルバムに取り組んだ影響が出ているような気がします。

 曲目のアレンジはバリエーション豊か。軽快なステップが小気味良い「アヴェ・マリア」、スピード感溢れる「四季」「主よ、人の望みの喜びよ」、リラクゼーションインスト的に奏でられる「シューベルトの子守歌」、スパニッシュ風の「フィガロの結婚」の後で、大団円的に盛り上がりつつもピアノのアウトロでしっとり締める「悲愴」の流れは、ハンバーガージャケットこそ無くなりましたが(笑)、フルコースで様々な音の食材を堪能できる「EAT A〜」のコンセプトにピッタリとマッチ。聴いていて「次はどの音がどう来るかな?」というワクワク感を愉しむことができました。

 ナンバリングを重ねる毎に過激に実験的にマニアックに…という傾向にあった同シリーズでしたが、悪ノリみたいな要素も極力減らした初期作寄りの「原点回帰」が果たされた好印象の作品でした。