
秦基博のメジャーデビュー満10周年を迎えた当日にリリースの本作は、彼の楽曲が主題歌として起用された過去10年間の作品を6曲収録。先行して発売されたシングル「70億のピース」の両A面曲「終わりのない空」、そして2013年にシングルのカップリングとしてリリースされた大江千里のカバー「Rain」がミニアルバムという形では初収録…という配信開始当時のトピックがあったのですが、その後のプレスリリースで今年の6月に全シングル曲+α収録のオールタイム・ベストアルバムの発売が告知され、「終わりのない空」は通常盤のほうに、「Rain」は楽曲を絞った「初回限定はじめまして盤」のほうにボーナストラックとして収録される、という発表があり、本作が一気に微妙な立場になってしまった感もあります(苦笑)。
とはいえ、選ばれた6曲は今や頭ひとつ抜けた代表曲となった「ひまわりの約束」、ロック調の「Q&A」、ストリングスバラードの「水彩の月」、ミディアムの「虹が消えた日」と、様々な曲調のナンバー。映画主題歌を集めてみました、ということなので結果的にではありますが、全6曲ながら秦基博の楽曲スタイルをバランス良く手軽に聴けるのは魅力的。また、ベストアルバム「のようなもの」はいくつか過去に出してきた彼ですが、どれもライト層には敷居が高い点が否めなかったのに比べると、本作は「ちょっと秦基博を聴いてみようかな」というリスナー向けの手引きにはなるんじゃないかな、とは思います。
なお、本作配信後に映画「しゃぼん玉」の主題歌として「アイ」の弾き語りバージョンが、そしてドキュメンタリー映画「FOR REAL -ベイスターズ、クライマックスへの真実。-」の主題歌として「青」がそれぞれ起用されました。もう少し配信の時期をずらせばこれらの曲も収録された8曲入りになったのでしょうかね。であれば、タイミング的にちょっと惜しかったかなぁ、と(笑)。
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