2020年02月

2020年02月29日 17:49

magokorotorantan 2019年9月4日発売、真心ブラザーズ初のセルフカバーアルバム。全12曲収録。CDのみの通常盤、CD+MV他を収録のDVD付きの初回限定盤、CD+ドキュメントDVD+Tシャツをセットにした特別生産限定盤の3種販売(CDの内容は同一)。本レビューで扱うのは通常盤となります。

 デビュー30周年の企画として、公式サイトでこれまで彼らが発表してきた全268曲を対象とした「真心全曲総選挙」が行われ、投票結果のTOP10楽曲、加えてボーナストラックとして代表曲「どか〜ん」もセルフカバー、さらに新曲「はなうた」を収録。セルフカバーにあたっては近年演奏を共にするLow Down Roulettesを中心に、東京スカパラダイスオーケストラ、奥田民生、サンボマスターなど、彼らと縁のある面々がフィーチャリングアーティストとして招かれ、それぞれの個性で真心30周年を彩っています。

 今回の選曲の中で一番古いのはデビューシングルの「うみ」(とそのc/wの「恋する二人の浮き沈み」)、一番新しいのは活動休止前の2001年のシングル「この愛は始まってもいない」。2005年の活動再開の後の曲は一切選ばれない投票結果に。これは昔の曲ほどセルフカバーで聴いてみたいというファン心理なのかも。更にこれまでに数点リリースされてきたベストアルバムに収録されているような曲は全体の半分程度。シングル曲がチラホラと入りつつも、「拝啓、ジョン・レノン」や「サマーヌード」などの名刺代わりの楽曲は選ばれず、全体的にコアなファン寄りのラインナップ。それだけ熱心なファンが多数投票に参加したのかもしれませんが、ライト層への敷居はかなり高めで、セルフカバー=一般的なベスト選曲的な要素はあまり感じられないのが正直なところ。

 とは言え、過去の彼らの楽曲を現在の彼ら+ゲストの感性によって再構築された演奏は素晴らしいの一言。スカパラ参加の「愛」ではゴージャスに、奥田民生がドラムとアコギのみならずボーカルでも参加した「素晴らしきこの世界」では熱いスリーピースロックを、古くから彼らを支える真心バンド・MB'sを迎えた「JUMP」のバンド感など、原曲よりもパワーアップしたナンバーが目白押し。極めつけはデビュー曲の「うみ」。この曲はメンバー二人のみの演奏で、その点では原曲と一緒なのですが、演奏、ボーカル共に「30年経過した良い意味での枯れ方」が良く分かるセルフカバーになっていました。ちなみに個人的なベストトラックはより一層の暖かみ(寂しい曲なんですが・笑)が増した「この愛は始まってもいない」

 歌詞ブックレットの中には、1曲1頁構成でYO-KING、桜井秀俊が座談会的に楽曲の当時の制作裏話、セルフカバーにあたってのコラボ相手の選出経緯などを語っている読み応えのあるライナーノーツが掲載。これも含めて「これまで真心を応援してくれたファンへの贈り物」的な要素が濃い目の作品。彼らの昔の楽曲にあまり詳しくないリスナーへは、既発のベスト盤を聴いて気に入った曲がこちらにも収録されていたら是非どうぞ、という感じでしょうか。

2020年02月23日 21:40

fov 前身バンドのviewでのシングルリリース2枚を経て、浅岡雄也(Vo)、小田孝(G)、小橋琢人(Dr)、安部潤(Key)の4人で1995年5月15日、シングル「君がいたから」で再デビューを果たしたFIELD OF VIEW。翌年の安部脱退後は新津健二(Ba)が加入、2001年にthe FIELD OF VIEWと改名するも2002年末のライブをもってバンドは解散。長らく時は流れてデビューから25年目直前の2020年5月13日、未発表テイクや未発表の新曲を盛り込んだCD2枚組+DVDの新たなベストアルバムをリリースすることが決定。今回の「CD Review Extra」ではベスト盤発売記念と称し、これまで彼らがリリースしてきたベストアルバム全6作(台湾限定盤除く)を一挙レビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2020年02月16日 12:58

deensobani 2020年1月29日、iTunes他、各音楽配信サイトにてリリースされた、DEEN通算4作目のデジタルシングル。

 同年1月10日に公式サイトでリリース決定の告知がされ、発売日は月末開催のライブツアーの初日に設定。実際に現在開催中のライブでも毎回演奏されているようです。オリジナルの新曲としては昨年3月のアルバム以来久々。作詞は池森秀一、作曲は山根公路のメンバー作で、編曲は近年ライブでのギターサポートやセルフカバーバラードベストのアレンジを手掛ける侑音が担当。彼のインスタによるとギターの他プログラミング(リズム隊が打ち込みっぽいので多分その辺りも)にも参加しているとのこと。

 曲調はイントロのエレキギターのリフを曲中に終始持ち込んだマイナー調のロックナンバー。テンポはDEENの作品の中ではかなり速くスピード感に溢れ、熱いギターソロバトル(ライブでは山根と侑音のソロ合戦だった記憶)が繰り広げられたり、ラストで拳を突き上げてしまいそうな楽曲構成の一方、メロディーはどこか影が漂う歌謡曲っぽい雰囲気なのですが、「君のそ〜ばでそ〜ばで♪」を繰り返すサビ、(一応)ラブソングの体裁を取りながらも、蕎麦好きが高じて出版物まで出してしまった池森の蕎麦への365日の熱い思い(笑)を綴った歌詞がとにかく強烈。まあ愛を捧げる対象が蕎麦であるならばそれも広い意味でのラブソングということで、今までのDEENになかった作風であることはまず間違いありません。

 配信後にネタに走ったショートMVも作ってしまうなど、現在の池森のキャラクター性を上手く活用した戦略は賛否あるところでしょうが、個人的には楽しめた作品でした。ただこの曲、将来的にアルバム等に収録される際はボーナストラック扱いとかになりそうですよね…(苦笑)。

2020年02月08日 16:49

beginlive2 2019年11月20日発売、BEGINのライブ音源コンピレーションアルバム第2弾。CD2枚組全28曲収録。

 2008年に「シングル大全集」の兄弟盤として、デビューからの歴代のライブ音源を詰め合わせた前作(以下「1」)から11年、本作は基本的に「1」以降の各ライブ、直近では2019年8月のビルボードライブまでの音源からの選曲。今回は明確にコンセプトが掲げられており、今や彼らの代名詞である「島唄」、デビュー当時から地道に紡がれてきた「ブルース」、そして近年のライブで提唱する「マルシャショーラ」の3つのテーマで選曲されている、という触れ込みになっています。なお、ライブ写真がコラージュされたジャケット写真は「シングル大全集」に倣ったイラストジャケットの「1」とは対照的。1曲ずつ座談会形式でメンバーが語る楽曲解説も今回は歌詞ブックレットには掲載されていません。

 DISC-1は「島唄」をテーマにした全11曲。「島人ぬ宝」を筆頭に、BEGINのパブリックイメージに沿った代表曲がズラリと並んでおり、本作より一ヶ月先にリリースされたスタジオ音源ベストのライブ盤的な趣。ただ「1」にも収録された楽曲が多いことを考慮してか、1コーラスがウチナーグチ、2コーラスがヤマトゥグチで歌唱される「涙そうそう」、2015年のブラジル公演からピックアップされ、現地の言葉で盛り上がる「オジー自慢のオリオンビール」など、バージョン違いが結構あるのが特徴でしょうか。個人的には想像していたよりもライブ映えのする「風よ」や、琉球太鼓を一大フィーチャリングした「かりゆしの夜」などが特に印象に残りました。

 DISC-2は「ブルース」「マルシャショーラ」関連楽曲を1枚に収めた全17曲。看板楽曲はDISC-1に集中しており、近年の作品ではアルバム楽曲としてひっそりと(?)収められているブルース調ナンバーが次々と登場するわけですが、選曲はかなりマニアック。かつデビュー初期の「心ゆくまでBlues」やら「AM3:00」やらがまさかの選出で、収録曲リストを見た時はかなり驚きました(笑)。またもう一つのテーマである「マルシャショーラ」ですが、実際はマルシャバージョンで収録されている曲は「笑顔のまんま」他数曲で思っていたより少なく、「今宵BYGで」「国道508号線」のようなノリの良い曲まで含めての範囲の選曲だったのかも。これには若干コンセプトとは齟齬がある気がしますが、まあマルシャアレンジは結構画一的なものが多いので、数曲に留めて正解だったのかもしれませんが。そんなモヤモヤの中(?)、ラストにシンフォニックなバージョンで収録されたデビュー曲「恋しくて」は出色でした。

 DISC-1が鉄板選曲、DISC-2がマニアック選曲というのは「1」を踏襲している気もしますが、前述の通り楽曲解説などがなく、どういう経緯でこういったアレンジで演奏された、との副読本的なモノも欲しかったという意味では、「1」に比べるとちょっと物足りなさはあります。ただ、両ディスクを通じて「BEGINのライブの楽しさ」を音だけとはいえ体験できるという点では前作同様、良盤だと思います。

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