2019年06月

2019年06月30日 14:42

kobayashishuffle 2019年3月27日発売、ドラマー小林陽一によるアート・ブレイキーのトリビュートアルバム。全9曲収録。

 今年はかつてジャズ・メッセンジャーズ(活動時期ごとにメンバーの入れ替わりがある可変バンド)を率いたアメリカのジャズドラマー、故アート・ブレイキーの生誕100周年。本作品はそれを記念し、「日本のアートブレイキー」という異名を持つ彼の手によるトリビュート作。小林が自身のバンド、ジャパニーズ・ジャズ・メッセンジャーズとして活動している時は基本的にメンバーは日本人メインなのですが、本作では日本人は小林一人。毎年来日しているヴィンセント・ハーリング(Alto Sax)を筆頭に、かつて在籍経験のある本家ジャズ・メッセンジャーズのメンバーを中心にニューヨークで録音が行われた一作となっています。

 トリビュート作ということで選曲はジャズ・メッセンジャーズ関連の楽曲がメイン。アート・ブレイキーの一般的な代表曲といえる「Moanin'」「Along Came Betty」「Dat Dere」など歴代メッセンジャーズのメンバーによる著名作をピックアップ。小林も1曲目のタイトル曲を自作。この曲はいかにもブレイキー!みたいなドラムロールで始まるあたりコンセプトを踏まえたナイスな導入。他の曲は各演奏陣が原曲(といっても年代ごとに何パターンも録音されている楽曲が多いのでベーシックな部分、と言うべきでしょうか)を極端に弄ったりはせずに、往年のメッセンジャーズを忠実に再現している感じ。ブレイキーのドラムはとにかく目立つ!というイメージがあるのですが、インタビューの通り本作での小林のドラムプレイは全体のリードをしながらソロもぼちぼちという感じで、CDブックレットでも解説していた彼の描くブレイキー像を形にしたとも思える聴きやすい演奏に終始しています。

 個人的にはラストに収められたバラード「For Heaven's Sake」での各プレイヤーの情感溢れるソロ回しには感動を覚えました。スタジオ録音ということもあり各曲の演奏時間も比較的コンパクト。ライブ的な熱いノリとは無縁の、リラックスしたジャズ作品として聴ける1枚です。

2019年06月23日 22:36

mllcover 1995年5月1日、シングル「Man & Woman」でデビューしたMy Little Lover。最初期はakko(Vo)と藤井謙二(G)の二人編成、同年末にプロデューサーの小林武史(Key)が加わり三人組で活動を続けていましたが、2002年に藤井が、2006年に小林が脱退して現在はakkoのソロプロジェクトになりマイペースに活動中。今回の「CD Review Extra」ではこれまでにリリースされたベストアルバムを1枚ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2019年06月15日 18:07

azcook 2019年4月24日発売、通算13枚目を数える東野純直のニューアルバム(セルフカバーを除くオリジナルアルバムでは11作目)。全10曲収録。

 前作から約8年、現在はラーメン屋の店主として厨房に立ちながら音楽活動を継続している東野純直。アルバムタイトルはまさに現在の彼の姿を表したものでしょうか。リリース活動としては昨年8月に3曲入りシングルで久々に再開。本作もシングル同様にキングレコード傘下のインディーズレーベル・Star Radio Recordsから発売されていますが、収録曲にシングル曲は未収録。全10曲とも初出の楽曲となっています。

 レーベルの紹介ページでは「自身の飲食店経営を通して感じた事を楽曲制作に反映し、毎日に活力のスパイスを!愛には甘い言葉を!不条理には怒りの火力を!自身の毎日を音楽に反映した、今までとは全く違うアプローチになっている。」と結構大仰なことが書いてあるのですが、実際聴いてみると従来の路線から大きく転換、ということは正直感じられず、良い意味で安定の東野ポップスが並びます。序盤の「ネガイ」「Mr.cook」は、彼らしいキャッチーなメロディーが魅力的な曲だし、この度初音源化され4曲目に配置された「大地のように」はデビュー当時からテイチク時代あたりまでのライブで演奏されていた曲ということもあり初期の爽やかさを感じさせるロッカバラード。終盤にかけては2000年代以降の作品で顕著だったハスキーボイスを絡めたミディアム〜スローナンバーを並べるなど、これまで辿ってきた彼の音楽性の変遷史をCD1枚にコンパクトに収めた構成で、過去の作品を聴き続けてきたファンには「この曲はあの時期っぽい」的な、何らかの引っかかりを感じることができるアルバム、という印象です。

 筆者としては前述の序盤の楽曲、中盤のロックテイストの「僕が自分であるために」などが特に一押し。一方で制作環境によるものかもしれませんが、昨年のシングル同様、ギター(とベース)以外はバンド風の打ち込みサウンドなので、ピアノトリオ期のコアなファンの我が身としては「このドラムが生だったらもっと良いのになぁ…」と思ってしまう曲もあるにはありますが、これが現在の彼のやり方、ということで納得(?)しています。8年間待たされただけのことはある良盤でした。

2019年06月09日 14:13

tmvideos 2019年5月22日、TM NETWORK活動35周年を記念して、1984年のデビューから1994年の「終了」までの10年間にリリースされたライブビデオ作品をBlu-ray化、加えて2枚の初商品化ライブディスクを含めて全10枚、定価30,000円+税というメモリアルボックスがリリース。本ブログを閲覧されている方はご存知だと思いますが(笑)熱心なTMファンである筆者も当然購入を決め、先日無事に商品が届きました。大型ボックスなのでどうやってレビューしようかと思いましたが、「Blu-ray Review Extra」として数回に分けて変則的にレビュー。第1回の今回は【開封編】です。「続きを読む」からどうぞ。続きを読む

2019年06月01日 18:23

magokoroinner 2018年9月5日発売、真心ブラザーズ通算16枚目のオリジナルアルバム。初回限定盤は全11曲+MV、ライブ映像を収録のDVDが同梱。通常盤はボーナストラックとして2曲を追加した全13曲。なお、本編11曲を収録したLPアナログ盤も同年9月26日に発売されています。本レビューは通常盤を。

 前作と同様、真心の二人+岡部晴彦+伊藤大地の4人編成によるLow Down Roulettesでスタジオ一発録りのモノラル録音制作を本作でも踏襲。前作は完全に4人の音のみで構成されていましたが、今回は録音後に奥野真哉のキーボードを重ねた曲や、「バンドワゴン」ではトランぺッターを招くなど変化があり、これらの音色により適度にバンドサウンドに色が加わり楽曲に彩りが備わったという効果を上げています(特に序盤の曲でのピアノの音がかなり効果的)。インタビューによると、今回は一発録音の部分はほぼ打ち合わせなしのぶっつけ本番録音だったらしく、演奏者のスキルがかなり問われるライブ感溢れる現場だったようで、多少演奏は粗いと感じられる部分はあるものの、良い意味で「真心らしい整ってなさ」を感じさせるのはプラスポイント。

 本編の11曲中、飛び抜けてインパクトのある曲は冒頭に配置され、彼らにしては珍しい6分を超える曲で、トーキングロックの体裁で語るように歌う「メロディー」。MVも制作されリード曲扱いのこの曲にいきなり感動を覚えた後は、適度に力を抜いたナンバーが続いて、「ああ、いつも通りの真心」と思うわけですが(笑)、長年行動を共にしている愛車への想いを綴った桜井歌唱の「Z」、「木がそこにある」と繰り返すのがメインのYO-KING歌唱の、その名も「木」、桜井のエレキギターソロが炸裂する4人編成でのインストロックナンバー「ギター小僧」など、バリエーションも結構豊か。アルバムタイトルを訳すと「内なる声」ということですが、特に重たい風刺や世の中への不安を叫ぶ手段としての歌詞ではなく、「心に思ったことを思うままにちょっと書き出してみた」というカジュアルさが好印象でした。

 通常盤のボーナストラックには桜井・YO-KINGがそれぞれ詞曲を書いてリードボーカルを取った「みみ」「ズル」が収録。とはいえ通常のバンド演奏ナンバーで演奏時間も3分半前後という体裁なのですが、どちらもちょっと何を考えて書いたのか分からない謎の歌詞が乗る不可解なナンバー(笑)。言葉の反復がクセになりそうな一品で面白いといえば面白いのですが、本編でスッキリ終わっていたほうが収まりが良かったと思うのでファンサービス…にしても初回盤に入れておけばよかったのでは、と思ってしまいました(苦笑)。

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