2019年05月

2019年05月26日 13:17

sukimahanataba 2018年9月19日発売、スキマスイッチ初のセレクションアルバム。全13曲収録。初回限定盤は収録曲のMVやライブ映像入りのDVD付属+上製本パッケージ仕様。通常盤はカスタムジャケット仕様(CDの収録内容は同一)。本レビューは通常盤となります。

 3〜4年おきにオリジナルアルバムをリリースする傍ら、ライブアルバムや周年ベスト、セルフカバーや外注プロデュースアルバムなど様々なコンセプトでオリジナルアルバム「以外」の作品にも力を注ぐ彼ら。今回はデビュー15周年ということもあってのアニバーサリーアルバムという意味もあるのでしょうか、表題の通り、既発音源の中からラブソングをメンバー自らがセレクトした企画盤として、装丁も含めて豪華仕様でのリリースとなりました。

 選曲は名刺代わりの「奏」「ボクノート」、後にベストにも収録されたことのある3rdアルバムのリード曲的な「藍」、最新アルバムからは某ドラマの主題歌に起用された「Revival」、デビューシングルのカップリング「小さな手」など、リリース年代を問わず幅広く選曲。加えてピアノとボーカルだけの演奏でアルバムに収録され、後にアビイ・ロード・スタジオにてバンドバージョンでレコーディングされ配信された「未来花 for Anniversary」、2008年の大橋卓弥のソロ作品をピアノ+オーケストラ仕様で新録した「ありがとう re:produced by 常田真太郎」の2曲が初CD化。これまでの音源を大体所持しているようなコアファンにも所有欲をそそる嬉しいポイントと言えるかも。

 「パラボラヴァ」「アイスクリーム シンドローム」「ラストシーン」といったシングル曲も適度に散りばめられているのでライトリスナーにもセルフセレクションでよくありがちな「知らない曲が圧倒的に多い」ということはないと思われバランスは良好でしょうか。ただ、ラブソング選集というお題目上仕方がないことかもしれませんが、ミディアム〜バラードの曲に偏り気味で、彼らの音楽的魅力の一部分のみを抽出したアルバムになっているので、スキマスイッチ最初の1枚にこれ、というのはあまりお薦めできないかも、と思いました。

2019年05月19日 13:49

fujimakiacoustic 2019年4月3日発売、藤巻亮太がレミオロメン時代にリリースした楽曲をソロ名義でレコーディングしたセルフカバーアルバム。全15曲収録。

 今年の年明けに公式サイトにて「レミオロメンの弾き語りアレンジアルバム」のリリースの告知と共に楽曲リクエストを開始していましたが、インタビューによるとリクエストを完全に反映した収録楽曲ではなく、投票結果を考慮しつつ、最終的には本人の選曲に投票での選曲も参考にした、といった感じでしょうか(ちなみに投票1位は「永遠と一瞬」)。デビュー曲「電話」、彼(彼ら)の代表曲「3月9日」「粉雪」「太陽の下」「もっと遠くへ」「Sakura」といった著名楽曲に加え、「ビールとプリン」「透明」などのアルバム楽曲も盛り込み、基本的には発表時系列順に並ぶ構成になっています。

 アルバムタイトルに「Acoustic〜」とあるので、てっきり秦基博の「GREENMIND」シリーズのような全曲アコ編成を想像していたのですが、ほとんどの楽曲でエレキギターがガンガン入っていたり、曲によっては生ドラムの中に打ち込みっぽい音が混ぜてあったりと、一概にはアコースティックとは呼べない曲もチラホラなのですが(笑)、アレンジに関しては原曲を忠実に再現、という曲は全くなく、例を挙げるとピアノ主体だった「太陽の下」が小編成のバンド仕様になったり、バンド感満載だった「恋の予感から」がピアノ演奏をバックに歌い上げるバージョンにお色直しされたりと多種多様。編曲は藤巻名義になっていますが、前掲のインタビューによるとレコーディングエンジニアと色々と試しながら作り上げていった結果このようになった、ということで、藤巻ソロとして新たな解釈で練り直され、生まれ変わった楽曲がなかなか新鮮でした。

 全体的に「ソロである」ことを意識したのか、アコギのストロークがセンターに固定され、そこで歌う藤巻にスポットが当たっている印象を受けるミックスで、レミオロメン時代と比べると歌声が柔らかくなり粗削りな部分が減ったという部分も含め、特にスリーピース時代の彼らの演奏に拘るリスナーには抵抗があるかもしれません。ですがバンドとしての活動を停止してはや7年、メンバー(前田啓介)が音楽界から離れている今、安易な復活はできないでしょうから、ここでレミオロメンの楽曲に今一度光を当てておく、という意味で非常に意義のあるアルバムだと思います。

2019年05月12日 17:23

inotopia 2018年10月10日発売、同年に結成10周年を迎えた井乃頭蓄音団通算5枚目のオリジナルアルバム。全10曲収録。

 日本のフォークの大御所達からは結構な評価を得ていながらも基本的にはアングラ界隈で活動をし続ける彼らの約2年ぶりの新作オリジナル。ここ数作は松尾、佐藤、加藤の三人が共作を含めてほぼ均等の割合で楽曲作りに名を連ねていましたが、本作では初めてベースの大貫真也が1曲作詞で参加。これによりバンド史上初のメンバー全員が作詞作曲に関わった作品となりました。

 かつてのイノチクといえば歌詞の世界において下世話なエロ路線、自虐路線、電波っぽいユニークな歌詞路線(にカッコ良い演奏が付随する)がセールスポイント(?)だったわけですが、近作ではそれらがすっかりと陰を潜め、例えるならば車でBGMで流しても同乗者がドン引きしない、誤解を恐れずに書くならばマトモな音楽(苦笑)路線を推し進めてきて、特に前作は2作目の「アンゴルモア」、3作目の「タスマニアエンジェル」といった飛び道具的な楽曲がとうとう無くなり正直残念に思っていたのですが、本作ではMVも制作された「THE財閥」で久々のノリが再び。その他の曲では普遍的なテーマを歌う「愛」、声をかけられた相手を思い出せない葛藤をユニークに描いた「佐々木です」、幼い我が子の初恋を朗らかに歌った「息子の恋」など、抒情的であったりユーモラスであったり基本的には近作の延長線上、といった歌詞が並ぶ中、インパクトのある「〜財閥」が良いアクセントになっており、前作よりも各曲一聴して印象に残る曲が多かったです。

 一方、サウンド的には久々にイノチクのストレートなバンドっぽさを感じた1枚でした。これは前作がアメリカーナサウンドを全面的に導入していたので特にそう思ったのですが、本作ではバンドサウンドを軸に、装飾的な要素は加えつつも、各担当楽器でのアンサンブルを重視している感じ。カントリー調の「違う次元に行こうよ」、佐藤・加藤の両ギタリストが長尺のギターバトルを繰り広げる「ナミダナミダ」のような曲もありますが、各曲の演奏分数も3分弱〜4分台の曲が多いなど結構あっさり気味。表出したテクニックよりも歌モノとしての演奏を大事にした、ということなのかも。この辺りはCDデビュー当時の面影を感じました。

 ここまで積み重ねてきた部分に初期の特徴をバランス良くブレンドした、「1周回った感」がある本作。イノチクもすっかり中堅バンドといったところでしょうか。個人的にはここ数作で感じた物足りなさから一歩抜け出した作品だと思います。

2019年05月06日 16:37

deennj 2019年3月13日発売、DEEN通算18枚目のオリジナルアルバム。配信シングル「Aloha」のアルバムバージョン、シングル「ミライからの光」を含む全12曲収録。初回生産限定盤AはライブBlu-ray付き、同BはMV収録のDVD付き、通常盤CDには昨年夏の配信限定シングル「瞳そらさないで」「Power of Love」のリメイクバージョン(Jawaiian Style)をボーナストラックで収録。本エントリーでは初回生産限定盤Aのレビューとなります。

 池森・山根の二人体制による初のオリジナルアルバムは、「DEENと旅する世界の音楽集」がコンセプト。冒頭とラストのトラックで航空機風のアナウンスが収録されているなど雰囲気を出しています。実質10曲の中、ウェストコースト風の「1985」、スパニッシュ+エレクトロの「君が欲しい〜Solo te quiero a tl.〜」、エスニックな「コリカンチャの祈り」、三線やお囃子を導入した「古里」、カリプソの「VIVA LA CARNIVAL」等々、確かに世界各地の音楽テイストを盛り込んだ曲が多数。思い切りワールドミュージックにどっぷり傾倒、というわけではなく、DEENのパブリックイメージに注入した、という感じなので、マニアック感はなく各曲どれも聴きやすいのが特徴でしょうか。先行シングルの「ミライからの光」ほどインパクトのあるドラマチックな曲は見当たらないものの、「DEENがワールドミュージックやるならこうだよね」という予想通りのアルバムではありました。

 なお本作の制作は基本的に池森作詞、山根作曲、アレンジは外注。田川伸治が抜けた分、作曲面でフル回転になった山根はこれまで相当数の楽曲を手掛けてきているので、さすがにメロディーに既視感がある曲もチラホラ見受けられるのですが、その点をアレンジが補っている印象。一方の池森の歌詞は近年の若者恋愛路線(?)からは離れたようで、ラブソングもそれ以外もストレートで普遍的な作風に。発売時のインタビューでは池森本人は自作曲での実績があるにも関わらず、過去に自分が作曲していたことに全く触れないのは現在は作曲から完全に撤退したという意味なのかもしれませんが、山根の作業量を考えると、たまには自作曲を…とも思ってしまいました。

 Blu-rayは昨年末から年頭にかけて行われたライブツアー「DEEN LIVE JOY-Break21 〜Best Songs 25 years〜」の初日、2018年12月31日(カウントダウンライブ)Zepp Tokyoでの公演を全曲収録。25周年記念のライブツアーであり、昨年のリゾートライブからサポートメンバーを一新した初のLIVE JOYとなった本公演は、「夢であるように」で幕を開けた後は、続く「このまま君だけを奪い去りたい」以降、リリース順に歴代シングル曲をフルサイズ・原キーで「遠い空で」まで演奏するという異色な時系列セットリストに。後半はアルバムの新曲4曲の先行披露や盛り上がり系のロックナンバーで構成されるなど、LIVE JOYの定番編成(アコースティックコーナー、長尺MC、1コーラスメドレーなど)を一旦リセットした新たな試みのライブだったようです。
 曲目を眺めるといつもの曲の数々…という感じですが、「果てない世界へ」以外はすべて原キー・原曲アレンジでの演奏というのはここにきてかなり新鮮。一新されたバンドメンバー(ギター:侑音、ベース:石田純、ドラムス:矢野顕太郎)の演奏も原曲を忠実に再現するという点では特に気になる箇所もなく…という感想。まあこれまで15年以上同じバンドメンバー5人で続けてきたのが一気に3人変わった、というのはDEEN史の中でも大きな出来事ですし、特に田川の後任を務める侑音のギタープレイにはファンからの厳しい目も向けられるとは思いますが、新生ライブバンドとしてのDEENもこのメンバーで長らく続けていって欲しいですね。

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