2019年03月

2019年03月31日 17:02

hirose19922018 2019年1月23日発売、「コンプリートベストアルバム」と銘打たれた、広瀬香美の通算7度目となるベストアルバム。新曲「歌いたいわ」から始まりこれまでリリースされた全CDシングルを時系列順に収録したディスク2枚+DJ和によるノンストップミックスを収録したディスクのCD3枚組。初回限定盤はLPサイズジャケット、本作リリース直後に開催された全国ツアーでの握手会チケット、プレイパスでMV22曲がDL可能の特典有のスペシャル仕様。本レビューは通常盤のレビューとなります。

 2000年代後半あたりから2〜3年程度の間隔で「新曲入りのベストアルバム」をリリースする傾向のある彼女。本作は2年前のセルフカバーアルバムを挟んで約4年ぶりのベストですが、これまでのベストは重複はある程度避けられないもののアルペンCMベスト、アルペンを含めたタイアップベスト、アッパーな曲を集めたベストなどコンセプトがそれぞれに存在していましたが、今回は2011年にリリースした全シングル集「SINGLE COLLECTION」とコンセプトがほぼ同じ(本作のDISC1の2〜15曲目は「SINGLE〜」のDISC1の1〜14曲目と同一、DISC2に至っては1〜12曲目までが完全に同一)。かろうじてDISC1の新曲や、DISC2のラスト3曲(配信シングルなどからの選曲)で差別化を図ってはいますがまったく真新しさの感じられない構成。ただし、「DEAR...again」は(Ver.2.05)での収録、表記はありませんが「愛はバラード」もバラードべスト収録の際の歌い直しバージョンで収録されており、「SINGLE〜」と選曲は同じですが完成度の高いバージョンを採用している辺りはポイント。さしずめマイナーチェンジを加えた最新シングルコレクション+αといったところでしょうか。

 さて、改めてシングルを時系列順に並べている本ベストのCD2枚の雑感ですが、DISC1は「ロマンスの神様」「ゲレンデがとけるほど恋したい」など、当時の時代にマッチしたヒット曲の数々、DISC2は実験、バラード、スカなど、シングルということを意識せずに本人の興味や意志に(多分)沿ったフリーダムな曲の数々、と結果的に2枚のディスクの性格がはっきり分かれています。特に編曲に本間昭光を迎え、「promise」「ストロボ」等の名アレンジが曲を輝かせるDISC1後半(+DISC2冒頭の「I Wish」)の時期が最高、というのは今も昔も変わらない筆者の主観である一方、DISC2の「恋のベスト10」「BEGIN〜いくつもの冬を越えて〜」というパッと聴きインパクトの薄い曲達も耳に馴染んでくると好きな曲になっていったので、王道に浸れるDISC1、実験曲を楽しむDISC2と、彼女の音楽的変遷を堪能することができると思います。

 DISC3はDJ和による「"雪" Set List Non-Stop Mix」。その名の通り約1時間にわたり、全国ツアー「THE WINTER SHOW "雪"」でのセットリスト全19曲をスタジオ音源をノンストップで編集。てっきりセルフカバーベストの時の新録メドレーのようなものか…と思っていたのですが、今回はほぼ既存の音源を流用し、強引にノンストップで繋げた、というある意味斬新な1枚。DJ和についてはこの記事を読むと本作での仕事ぶりは納得なのですが、コンサートにすると2時間を超える楽曲を短縮バージョンの半分の時間で一気聴きできる、広瀬香美オンリーのドライブ用MixCD、という以外に特にこれといった特徴はなく、ベスト付属のボーナスディスク的な存在かな、といった感じでした。

2019年03月24日 12:28

tagawasinger 2018年12月19日発売、田川伸治通算3作目(THE SONIC TRICK名義を含めると4作目)のオリジナルアルバム。全12曲収録。

 2018年3月10日をもってギタリストとして24年間在籍したDEENを脱退し、完全なソロ活動を開始した田川伸治。本作はDEEN在籍中にリリースしたようなギターメインのインストアルバム…と思いきやタイトルは「Singer」。と言っても、シンガーソングライターとしての再出発…というわけではなく、複数のシンガーを招いての歌モノアルバム。本人歌唱も2曲含まれ、インスト作品は1曲のみという、かなり意表を突いた形での独立後第1作となっています。

 本作の制作過程は所属レーベルのセルフライナーノーツに詳細が記されていますが、田川が独自に発掘したシンガー達からまず「言葉」を集め、それをベーシックにメロディーを書いた、いわゆる詞先(DEENの時はほぼ曲先だったそう)での楽曲作りだった模様。田川を除く9人のシンガー達はほぼ無名といっていい知名度であり、先入観にとらわれることなくフラットな気持ちで聴くことができましたが、どのシンガーも男女それぞれ声質も異なり、書いてきた歌詞世界もバラバラではありますが、「ボーカリスト」としての表現力をしっかり持っているように思えました。

 一方で詞曲以外のアレンジ・プロデュース的な面ですが、本作を聴くことによって「近年のDEENのサウンド面での田川の貢献度はかなり高かったんだな…」ということを改めて痛感。そもそもレコーディングの一部ではありますがDEENのサポートメンバーだった宮野和也、HIDEのリズム隊、現在でもDEENのレコーディングに関わっているストリングスセクションが参加し、田川もギターのみならずパーカッション、プログラミング、コーラスを担当している影響もあるのでしょうが、本作の収録曲、特にミディアム〜バラードの曲はまんま最近のDEENサウンド、という印象は否めませんでした。また、田川がリードボーカルを取る「Shinin' Girl 〜遠くて近きはキミとの仲〜」でのキラキラした(?)歌詞を自作して嬉々として歌うあたり、サウンドのみならずやたら若々しかったここ数年のDEENの歌詞にも何らかの影響を与えていたのか?と思ってしまうほど(笑)。脱退理由が詳しく語られることもなかったので、てっきりこの路線から離れたくてDEENを脱退したのかと勝手に想像していたのですが…。

 田川伸治プロデュースによる各シンガーとのコラボレーションアルバム、と思えばこういうのもアリかな、という感じ。ただ、この方針を田川ソロとしてこのまま続けていくわけでもない(…と思いたい)でしょうし、個人的にこれまでの田川ソロを気に入っていた身としては、リードギタリストとしてのソロアルバムも要望したいところ。今後に期待です。

2019年03月16日 18:04

cityhuntervc 2019年2月6日発売、同月8日の公開に先駆けて、オリジナルサウンドトラックと共に発売された「劇場版シティーハンター」の主題歌・挿入歌を収録したボーカルコンピレーション。全12曲収録。全曲リマスタリング。2020年1月末までの限定生産商品。

 「シティーハンター」は1985年から1991年まで「週刊少年ジャンプ」にて連載された北条司の代表作。87年にアニメ化開始、休止を挟んで99年まで何らかの形でのアニメシリーズを発表。今回は約20年ぶりのアニメ化(映画作品としては29年ぶり)となり、様々なメディア展開がなされている真っ只中ですが、本コンピもその一つ。収録曲はかつてのテレビシリーズ「シティーハンター」「同2」「同3」で使用され、今回の映画でもアバンタイトルで使用されたPSY・Sの「ANGEL NIGHT 〜天使のいる場所〜」(「2」前半のオープニング)、エンディングテーマに起用されたTM NETWORKの「GET WILD」(初代エンディング)をはじめ、劇中の街中のシーンでBGM的に流れたり、緊迫したシーンでのキメ的に挿入されたりと、使い方は違えど起用された各曲を流れた順に収録。ですのでリリース時系列的にはバラバラになっていますが、映画鑑賞後に聴くと「ああこの曲、あの場面で流れていたな」という記憶の追体験ができるようになっています。

 収録曲は旧シリーズの全主題歌を網羅というわけではないので(「3」のエンディングと「'91」のオープニング、エンディングは未収録)、シリーズの主題歌を全部聴きたい!という方には不向き(旧作映画やテレビスペシャルまで含めたテーマソング全集は過去に発売済)。ですが、うち4曲は「3」までのサウンドトラックに入っていた楽曲からのピックアップで、テレビシリーズでも頻繁に流れていた曲達。筆者としては久し振りに「MR.PRIVATE EYE」(大滝裕子)や、「FOOTSTEPS」(北代桃子)が聴けて嬉しいやら懐かしいやら。「シティーハンター」のアニメシリーズは当時としては珍しく、挿入歌も数多く作られた作品なのですが、このような主題歌セレクト+挿入歌セレクトという、ある意味ベスト盤に近いような美味しい楽曲を50分程度にまとめたライト向け(あるいは今回の映画を観て何か1枚シティーハンターのCDが欲しいと思った人向け)な作品はこれまでなかったので、そういった層にはコンパクトで最適のコンピだと思われます。欲を言えばあくまでカタログ作品の再編集盤なので、もう少し価格を下げても良かったんじゃないかな、と思ったぐらいですか(笑)。

2019年03月10日 15:41

 今年の4月でデビュー35周年を迎えるTM NETWORKが、1984年のデビューから10年間在籍していたEPIC/SONYレーベル時代の映像作品をBlu-ray10枚組BOXでリリースするとのこと。

 SONY内特設サイト 
 billboard JAPANの記事

 本作の重要点は、
 ・既発作品を含む全ての映像・音声のレストア・リマスタリング
 ・1994年の終了ライブ2daysの二日目に演奏された「GET WILD'89」が初映像化
 ・同日の「You Can Dance」、一日目の「RAINBOW RAINBOW」が再編集
 ・全10枚のうちボーナスディスク2枚、1枚は初商品化の1985年のツアー映像

 SONYはTM商売に関しては結構な前歴があるのですが(苦笑)、今回はなかなか、いやかなり頑張ってくれましたね。
 LD/VHS発売当時の1994年に、恐らくB'zの松本孝弘がゲスト出演した関係で(肖像権?)映像化されなかった「GET WILD'89」、映像化はされたものの松本の演奏カットがまったく入らない(ギターの音は聴こえる)「You Can Dance」が25年の時を経てようやく本来の形で世に出されるというのは感慨深いです。一方で「RAINBOW RAINBOW」の再編集は謎ですが(何か当時制約ありましたっけ?)。

 また、ライブ音源としては数曲商品化されてはいましたが、1985年の「DRAGON THE FESTIVAL TOUR」の日本青年館公演が映像作品として全16曲収録されるとは驚きです。これまでも周年時にリリースするチャンスがあったのに既存映像満載のダイジェスト映画ぐらいしか発表がなく、てっきり映像という形ではもう残っていないと思っていたので…。

 参考までに、彼らのEPIC在籍10年間でのライブツアータイトルと、映像化作品を対照させてみました(赤字は今回のBOXに収録される作品)。

1984年「DEBUT CONCERT」:映像未発売
1984年「ELECTRIC PROPHET」:「VISION FESTIVAL(journey to saga)」
1985年「DRAGON THE FESITVAL TOUR」:今回初商品化
1986年「TOUR'86 FANKS DYNA☆MIX」:「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」
1986年「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」:「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」
1987年「TOUR'87 FANKS! BANG THE GONG」:映像未発売
1987年「FANKS CRY-MAX」:「FANKS the LIVE 1」「2018 REMASTER」
1987〜88年「KISS JAPAN TOUR」:映像未発売
1988年「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX TOUR」:「FANKS the LIVE 2」
1988年「T-MUE NEEDS STARCAMP TOKYO」:映像未発売
1988〜89年「CAROL -A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991-」:映像未発売
1989年「CAROL TOUR FINAL CAMP FANKS!! '89」:「FANKS the LIVE 3」「CAROL the LIVE」「CAROL DELUXE EDITION」
1990〜91年「RHYTHM RED TMN TOUR」:「WORLD'S END Rhythm Red Live I・II」
1991〜92年「TOUR TMN EXPO」:映像未発売
1991年「TMN WILD HEAVEN」:映像未発売
1992年「EXPO ARENA CRAZY 4 YOU」:「EXPO ARENA FINAL」
1994年「4001 DAYS GROOVE」5月18日:「final live LAST GROOVE 5.18」(1曲再編集有)
1994年「4001 DAYS GROOVE」5月19日:「final live LAST GROOVE 5.19」(1曲追加、1曲再編集有)

 こんな感じでしょうか。昨年リマスター盤を発売した「FANKS CRY-MAX」以外は全て収録。何度か出ている「CAROL」のアリーナ公演は2014年リリースの最新編集版が収録されるようです(YOKOHAMA ARENA 2014 EDITION)。

 気になるのはボーナスディスクの残り1枚の詳細。「1980年代の極めて貴重なライブ映像が収められる予定」(billboard JAPAN記事より)とのこと。20周年時のリマスターCD-BOXの特典DVDからのデビュー初期〜中期のライブ映像とかかな?と思いましたが、SONYの記事には初商品化ボーナスディスクと記載されているので、何が入るか期待と不安が入り混じります(89年の「FANKS the LIVE」の全巻購入特典で抽選配布されたライブ映像とか、その辺りが現実的ですかね…)。仮に「BANG THE GONG」か「KISS JAPAN TOUR」(共に1987年のブレイク期のツアー)が初映像化されたら狂喜乱舞なのですが(笑)。

 …という感じで何だかんだ言っていますが(苦笑)、5月の発売が今から楽しみです。

【2019.4/7追記】残り1枚のボーナスディスクは1988年の東京ドーム公演「T-MUE-NEEDS STARCAMP TOKYO」のNHKオンエアバージョン60分だそうです。未発表映像ではありませんが貴重な映像ということで楽しみ。

2019年03月03日 14:46

kan0 1987年にポリドールよりデビュー、1990年にシングル「愛は勝つ」でダブルミリオンに達する特大のヒットを放ち、その後はレコード会社移籍やフランスへの移住での活動休止、帰国後は楽曲提供や企画ユニットに参加する傍ら、マイペースなリリース活動とエンタメ性溢れる(笑)ライブ活動で地道に日本のミュージックシーンを渡り歩いているKAN。今回の「Artist Archive」は、そんな彼がかつて在籍したポリドール時代約10年の中から、前半にあたる1990年までにリリースされた全オリジナルアルバムを1作ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

記事検索
Recent Comments
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Archives
Profile

SASA

  • ライブドアブログ