2019年02月

2019年02月24日 20:44

going20th 2018年12月12日発売、通算3作目となるGOING UNDER GROUNDのベストアルバム。2枚組全30曲収録。

 メジャーデビュー5周年時、武道館公演を目前にしての2006年に1作目、CDデビュー10周年時の2008年に2作目のベストアルバムを、当時所属のビクターからそれぞれリリースしている彼ら。その後、五人いたメンバーのうち二人が脱退、レコード会社を移籍、さらにインディーズに移行し、所属事務所からも離れるという激動史を経て新体制となって約10年。通常のリリース活動やライブの他にも特設サイトを作り、初期作3枚のセルフカバーアルバムを制作するなど精力的に活動を続けてきた2018年の締めくくりとして、ファーストCD「Cello」のリリースからちょうど20年を経た12月12日に20年間の活動を総括したオールタイムベストをリリース。ビクター、ポニーキャニオン、インディーズレーベルといったレーベルの枠を超え現メンバー三人が選曲、加えて今まで一般流通されていなかった「parade」「Winding Road」の2曲が初CD化。全曲リマスター仕様となっています。

 収録順は時系列順。DISC 1は1998〜2006年の途中までを選曲。この収録範囲は過去の2作のベストと完全に被っており、3曲目の「グラフティー」以降は本作同様メンバー選曲だった1作目のベストとほぼ重複の内容なので正直真新しさはなし。それでも1曲目の「チェロ」のいかにも当時のインディーズ、といった演奏・歌唱技術の荒々しさからのスタートから、メジャーデビューを果たすと共に楽曲も演奏もどんどん垢抜けていき、今でも一般的にも彼らの代表曲と呼ばれ続ける「トワイライト」、かつて呼ばれた青春センチメンタルバンド(?)ド直球の「ダイアリー」「ハートビート」「サンキュー」「同じ月を見てた」、最大ヒットの「STAND BY ME」あたりが連発される中盤からの流れは最高。後年ボーカルの松本素生はこの辺りの曲をインタビューで「一番売りに走っていた時期」的な発言をしていて若干ショックだったのですが(苦笑)、それでも本作では選曲してくるあたり、彼らの歴史上大事な曲だということなのでしょう。ベスト初収録となった5thアルバム曲「パスポート」もシングル級の名曲だと思っていたので、この機会に陽の目を見て個人的に嬉しいところです。

 DISC 2は2006年の途中から2017年までを選曲(2018年のシングルやアルバムからの選曲はなし)。こちらは万遍なく選曲していたDISC 1とは異なり、キーボードの伊藤洋一が在籍していた2009年春までの3年間(1〜5曲目)と、四人編成時代の2015年初頭までの5年間(6〜8曲目)、ドラムスの河野丈洋が脱退して三人になったそれ以降3年間(9〜15曲目)と、四人時代あまりに選ばなさすぎ、三人時代選びまくり、という偏ったラインナップ。四人時代の選曲がポニーキャニオン移籍1年目のシングル2作(+今回初収録の「Winding〜」)のみというのも極端っぷりに拍車をかけている印象がしてしまうのですが、これもメンバーにとっては近年のインタビューで度々発言している「四人時代は辛いことが多すぎて思い出したくないようなことばかり」(大意)だった時期だそうなので、メンバーが主観的に選曲したという要素が最も色濃く出ている部分だと思いますが、筆者としては末光篤とのコラボなどは好印象だったので選曲漏れしてしまったのは残念。とはいえ新体制後の初シングルでアルバム初収録となった「もう夢は見ないことにした」を始め、「Teenage last」「あたらしい」といったアルバムリード的な佳曲はしっかり選ばれており、現状のゴーイングの順調さを見せてアルバムを締めた点は良い流れですし、帯にあった「入門編としても完璧!」という煽り文も(メンバーにとっての迷走期をカットしたという意味で)納得の内容になっていると思いました。

 以上のように選曲的にはメンバーの意志が読み取れるベストアルバム。歌詞ブックレットには現メンバーの下に「ex.GOING UNDER GROUND」として伊藤・河野の両名の名前が記載してあったり、彼らの脱退後にレコーディングに参加した橋口靖正(故人)をはじめとしたミュージシャンの名前があったりという配慮が嬉しい一方、クレジットの誤植(「Teenage last」の歌詞が…)が見受けられるなどアチャーな部分も見受けられる(2作目のベストの時もやらかし誤植の前歴あり)のが玉に瑕?イメージとしては1作目のベストのやり直し拡大オールタイムという感じなので、これからゴーイングを聴きたい人には現時点では一番適したアイテムだと思われます。

2019年02月17日 21:17

deenmirai 2019年2月6日発売、DEEN通算47作目のシングル作品。スペシャルパッケージ+DVD付きの初回生産限定盤仕様、ボーナストラックが1曲追加されたCDのみの通常盤仕様の2形態で発売。本エントリーは初回生産限定盤のレビューとなります。

 表題曲「ミライからの光」は、「夢であるように」(1997年)、「永遠の明日」(2008年)に続くテイルズシリーズ「テイルズ オブ ザ レイズ フェアリーズ レクイエム」のテーマソングに起用。であると同時に、昨年の3月にギターの田川伸治が脱退し、池森・山根の二人体制になっての初のCDパッケージ音源。レコーディングメンバーも歌詞カードに詳しく表記されていますが、「ミライ〜」は昨年夏からサポートメンバーとして加わったギタリスト・侑音がアレンジも担当。リズム隊のサポート2名も新たに刷新され、そのままレコーディングに参加している模様。なお、ストリングスチームの顔触れは従来とほぼ変わらずのようです。
 楽曲はタイアップ先を意識したのか、過去二作のタイトルが織り込まれていたり、「世界が変わる瞬間」や「僕らを乗せた星」など、普段DEEN(池森)の作品からはあまり見られないスケールの大きな歌詞が特徴。山根作のメロディーのほうも近年の朗らか系(?)とは距離を置いたシリアスなメロディーライン。そしてアレンジは前述のギタリストが手掛けているものの、ギターの存在感がこれまでと比べてだいぶ薄いバンドサウンド(間奏も田川在籍時では恒例のギターソロではなくバイオリンソロ)という、これが新生DEENの方向性になるのか、タイアップもあり今回だけが特別なのかは分かりませんが、「ちょっと変わったな」という印象は受けました。

 カップリングの「離さない君を、離れない僕は。」は山根作・編曲。ロングトーンの普遍的なラブバラードというDEENの十八番ですが、この曲では古井弘人がピアノを担当。キーボードの山根がいるのにピアニストが招かれる、というのはAOR期以来?という意外性あり。以上2曲のoff vocal versionを挟んで、ボーナストラックとして「永遠の明日」のテイルズ オブ ハーツ Versionが収録。ゲーム用の2分程度のショートサイズで、オリジナルよりもキーが半音上がり、ミックスもかなり異なるというアナザーバージョンですが、過去にCD音源化はされているのでまあオマケですね。なお、通常盤ではさらに1曲「夢であるように」のテイルズバージョンのパチスロ用新録テイクが収録されています(過去に映像付きのDVDで音源化済。CD化は初)。

 DVD「Journey to the light 〜DEEN in Taiwan〜」は、タイトル通り、本作、そして来月発売のニューアルバム用のジャケット撮影で訪れた台湾でのロケを追った13分の映像。スチール撮影の他は観光地を回っている映像がメインで、妙にテンション高くスマホで写真を撮りまくる池森、対してナチュラルに観光を楽しむ山根、という両者のコントラストが面白いといえば面白いのですが、二人体制になったことでの新たな決意表明といったような映像はなく、本当に撮影と観光と食事してるだけ(笑)という映像が続くので、例えばテイルズファンで本作をパッケージ購入されるような方は、こちらではなく600円ほど安い+ボーナス1曲の通常盤でよろしいかと。

2019年02月11日 15:28

moriguchibest 今年初の「今週の1枚」は、本ブログではちょっと珍しいタイプのシンガーの作品で始めたいと思います。1995年11月22日発売、当時も今も歌手としてよりもバラエティタレントとしての露出で有名(?)な、森口博子の通算4枚目のベストアルバム「Best of My life -Moriguchi Hiroko Single Selection-」をご紹介。

 90年代前半から中盤にかけて、バラドル(=バラエティアイドル)としての活動全盛期を迎えていた森口博子ですが、元々は純粋なアイドルシンガーとして、1985年にアニメ・機動戦士Zガンダムの主題歌「水の星へ愛をこめて」でデビュー。この曲はアニメ人気と相俟ってヒットになったのですが、その後の作品はセールス的に低迷していたこともあり、徐々に歌手としてではなく、バラエティもこなせるアイドルタレントとしての活動にシフトし、一定の知名度を上げてきた1991年、再びガンダムシリーズの映画主題歌として「ETERNAL WIND 〜ほほ笑みは光る風の中〜」が起用され、現在に至るまでの本人の最高売上を記録。この時は曲の良さも勿論ありますが、ガンダム人気+森口の知名度との相乗効果もあったロングセラーだったと記憶しています。その後は90年代中盤を過ぎる頃までは大きなヒットはないものの、シングルで10万枚程度をコンスタントに売り上げ、「夢がMORI MORI」という看板番組を持つなど、歌手としてもタレントとしてもバランスの良い活動を続けてきました。そして満を持してリリースされた本ベストは、彼女がこの時点まででリリースしてきた全20枚のシングルの中から15曲を選曲し、リマスターを施した、タイトル通りのシングルセレクションとなっています。

 ざっと内容を紹介すると、収録順は時系列ではなく、緩急の流れを感じさせる曲順。冒頭に車のCMソングとしてオンエアされ自身の2番手ヒットとなった「もっとうまく好きと言えたなら」を配置、続いてDual Dreamとのコラボシングル「Let's Go」広瀬香美からの楽曲提供で広瀬自身もカバーした「LUCKY GIRL 〜信じる者は救われる〜」と、まずはアッパーチューンで攻め。前述の「水の星〜」を通過した後はミディアム〜バラードゾーンへ。1986年作品なのでやたら声が若い「Still Love You」、80年代末リリースにしてアーリー90'sサウンドを予感させる(?)「夢の合鍵」などでしっとりと聴かせた後、当時PRINCESS PRICESSの奥居香が提供した「スピード」から曲名通りに加速。現在は日本を代表するアレンジャーとして名を馳せる本間昭光のほぼ無名時代の編曲作品「誘惑してよね夏だから」(ラテン風)「あなたのそばにいるだけで」(アロハ風)を経由し、最大ヒットのバラード「ETERNAL〜」、最後に当時の最新シングル「あなたといた時間」で締めるという、ライブを意識した構成が光っています。

 さて、このベストを聴いて思うことですが、森口博子はデビュー時から当時に至るまで、かなり良質の楽曲を提供してもらっている…というか、制作スタッフにかなり恵まれているのが、上述の提供関係者を挙げるだけで一目瞭然。まあDual Dreamも広瀬香美もかなり自身の作品に寄せている感じだし、奥居香提供の「スピード」「ホイッスル」の2曲に至っては生バンドアレンジということもあり、ボーカルを奥居にすればまんまプリプリじゃん、という感じで(笑)提供者寄りの楽曲カラーになっている点は否めないのですが、森口のボーカルはあまり特徴的な声質ではないものの、当時のアイドルの中では上手い部類に入り、与えられた曲にはバンドサウンドから打ち込みバラードまで、順応性をもって対応できているところは好印象。秋元康が作詞を手掛けた「夢がMORI MORI」などは今回改めて聴いて何なんだこの歌詞?!と思ったのですが(苦笑)彼女が元気気味に歌うと許せてしまう雰囲気を作っていけるのは築いたキャラクターのおかげでしょうか。また、同じレコード会社繋がりなのでしょうが、「ETERNAL〜」を提供し、93年には正式に歌手デビューを果たした西脇唯が関わった楽曲(本作では5曲収録)は秀逸なものが多く、提供作家としての西脇の実力もしっかりと見せつけられました。

 全20枚のシングルのうち、漏れた5曲はいずれも90年までの作品(91〜95年のシングルはすべて収録)ということもあり、良い意味での「90年代中盤までのJ-POP(ガールポップ)の幕の内弁当」的な本作品。ちょうど「夢MORI」終了直後のリリースということもあって、彼女の活動全盛期のひと区切り、という感じだったのでしょうか、以降はシングル・アルバムリリースとも落ち着き、アニバーサリー的なベストアルバムを連発するようになってしまうので歌手活動としては第一線を退いた感があり、森口が歌手としてコンスタントに活動していた、というのをリアルタイムで知る世代というのも筆者ぐらいの年代がもしやギリギリ…?という感覚に時代の流れを感じてしまいますが、数ある彼女のベストアルバムでどれか1枚、と言われれば、現在中古屋で結構安く買えるということもありますが(汗)、良質のポップスが約70分にわたってぎっちり詰め込まれた本作を強くお薦めいたします。

2019年02月03日 11:45

askasceneaskascene2
 2018年11月21日同時発売、1988年、1991年にそれぞれ発売されたASKAのソロアルバムをリミックス・リマスター、高音質UHQ-CD仕様で再発したある意味「新譜」の2枚のオリジナルアルバムを今回は1エントリーでご紹介。

 チャゲアスの活動と並行しながらソロ活動を行っていた当時のASKAが、先行シングルを含む新曲+過去に作家として提供した楽曲をセルフカバー、という形でアルバムとしてリリースしていた2枚の「SCENE」シリーズ(シリーズとしては2005年に第3弾がリリースされましたがそちらは純粋なASKAのソロアルバム)。どちらも何度か再発されましたが、リマスター「だけ」をされたのは2005年の1回のみ。今回は「Producer for Remix」という肩書きでASKAの名前が、そしてリミックスエンジニア(2枚とも担当者が別)、マスタリングエンジニア(こちらは同一)の名前がそれぞれ表記。ASKAが監修して各エンジニアが作業を行った、という行程だったようです。ジャケット写真も新撮、遡ること一ケ月前の2枚のベストアルバムと同じデジパックジャケットと、2作品とも体裁は同一。なお、「SCENE」には今回ボーナストラックとして、アルバム未収録だったカップリング曲「大人じゃなくていい」がリミックスされてラストに追加収録で、こちらはCD音源化としては初収録になります。

 そのリミックスに関しては、原盤の演奏を抜き差ししたり、演奏時間を増やしたりするわけではなく、曲のサイズは原型のまま各楽器の鳴り具合や聴こえ方のバランスを変更、一番分かりやすいところではボーカル、ドラムにかかっていたリバーブをだいぶ薄くし、現代風に調整した、といったところ。例えば「SCENE」では「MIDNIGHT 2 CALL」では冒頭の秒針の音をカット、サビのハモリコーラスの音量を上げ、途中から入ってくるエレキギターの音も強めに。「SCENE II」では「けれど空は青〜close friend〜」で全体的にかけられた重厚なリバーブをほぼカットして各楽器の分離をはっきりさせた、などの違いがあります。リミックスといっても極端な変更は一切なく、原盤から時代性を取り除いた、という意味で純粋に音の違いを楽しむアルバムと言えるでしょう。

 ただ、どちらの作品も収録楽曲は全曲ほぼバラード尽くし…という、チャゲアス本体とASKAソロとの一線を引いていた時期らしいアルバムで、これ以降のASKAソロでの「ひとりチャゲアス」状態のアルバムと比べると敷居が高め。「SCENE」では6曲目のタイトル曲あたりで、「SCENE II」では「けれど空は青〜」が2曲目にしてクライマックス感が満載なので、両アルバムとも1枚通して聴くのがちょっと辛い、という感想は原盤もリミックス盤も同様(苦笑)。元々コア向けだったと思われるアルバムなので、直近のベスト等を聴いてASKAソロに興味を持ったライトリスナーが次にこれを聴くのはあまりお薦めできないかも、と思いました。

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