yokohama1998 横浜DeNAベイスターズ、祝・球団史上初のセントラルリーグ・クライマックスシリーズ出場!!長年ベイスターズファンをやっている筆者にとっても2016年シーズンは忘れられない年になりそうです。というわけで(?)今回の「今週の1枚」は番外中の番外編。今から遡ること18年前、ベイスターズが(現時点では最後の)日本一を決めた1998年末、12月2日にリリースの「'98 日本シリーズ優勝記念オフィシャルCD」と銘打たれた、「VIVA!横浜ベイスターズ」をご紹介。

 横浜大洋ホエールズから横浜ベイスターズに球団名を変更して6年目のシーズンを迎えた1998年、数年前から若手生え抜きの戦力がチームを牽引するようになり、バッテリーチーフコーチを経てこの年より監督に就任した権藤博のもと、「マシンガン打線」と「大魔神」の活躍で38年ぶりのリーグ優勝、続く日本シリーズでは西武ライオンズを4勝2敗で下し、本拠地横浜スタジアムで日本一を決めた…というベイスターズ球団史において最高の輝きを放った一年でありました。
 そんな「横浜ブーム」に沸いたこの年、関連商品も数々リリースされたのですが、本作はセ・リーグ優勝記念として選手別応援歌に実況をプラスした「VIVA!YOKOHAMA」に続いての日本一記念盤。なんと日本シリーズ全6戦のニッポン放送でのラジオ実況中継ダイジェストを収録するという驚きの内容(笑)。プロ野球選手が歌を歌ってCDリリース、というのはかつてはシーズンオフでそれなりに見られたのですが、本作のような「試合の中継実況録音」がメインのCD、というのはなかなかないケースだったと思います。正直、この企画よく通ったな…と当時思いましたし(苦笑)。

 さてそんなこんなでようやく本編解説。まずオープニングは現在でも一部歌詞とアレンジを変えて球団歌として受け継がれている「熱き星たちよ」のオリジナルバージョン。ボーカルは個人的には「勇者シリーズ」での熱唱が思い出深い高尾直樹が担当。以降は日本シリーズ第1〜6戦までのダイジェストとなりますが、「完封!炎の連勝」とか、「西武の反撃」とか、「マシンガン打線沈黙」とか、1戦1戦ごとにサブタイトルが付けてあるのが心憎い演出。ダイジェスト部分は主に試合開始直後、得点シーン、最終回の攻防を中心に各4〜5分程度にまとめられていますが、横浜の得点シーンのみならず、西武の得点シーンや、横浜が守備のエラーで失点するシーンなどもピンポイントで挿入されており、「野球の試合を聞いてる」という感覚で聴き進めることができる構成になっています。

 第6戦のサブタイトル「38年ぶり再び頂点へ」で大魔神・佐々木主浩投手が最後のバッターを併殺で打ち取り日本一を勝ち取った瞬間を追体験した後は、既に94年に解散していたアイドルグループ・CoCoが歌うベイスターズ公式応援歌「WINNING」。現在でもアンオフィシャルながら球場での応援団の演奏に使われています。そしてボーナストラックとして1960年の初優勝時の実況をリメイクした「'60 日本シリーズ"V"実況」というオールドファン垂涎の企画を経て、ラストは日浦孝則(元class)が作曲&ボーカルの壮大なバラード「勝利の輝き」でフィナーレ的にまとめられています。

 あれから18年、その後のベイスターズの歴史は聞くも涙語るも涙…という暗黒低迷期になってしまった、という経緯は調べていただくとして、親会社が変わり、横浜DeNAベイスターズにチーム名が変わって5年目にあたる今年、ようやく11年ぶりのAクラス(3位)でシーズン終了、9年前から導入された、Aクラスチームによるポストシーズン「クライマックスシリーズ」に初出場を果たすという快挙(?)を遂げ、今週末より東京ドームにて読売ジャイアンツと戦います。現在、本作発売時に在籍していた選手は三浦大輔投手ただ一人、その三浦も先日引退を表明し、シーズン最終戦でユニフォームを脱ぎました。もう「98年を知るV戦士」は誰もいなくなってしまったという一抹の寂しさと、これからは筒香嘉智ら新しい世代でチームを盛り立てていって欲しいという期待、加えて何となく現在のチームの雰囲気が、かつて石井琢朗や鈴木尚典が台頭してきた96年ぐらいの状況に似ていると感じたりと、色々な感情が渦巻く10月のポストシーズン、ひと試合でも多くファンを楽しませてくれるように願います。

 …というわけで熱く書いてしまいましたが(?)、次週からはまた通常運転に戻りますので、今後とも本ブログをよろしくお願いいたします(笑)。