2016年11月

2016年11月27日 21:54

yasuoburger 2016年4月4日発売、井上ヤスオバーガーの通算4枚目のオリジナルフルアルバム。シングル「自転車乗りの唄」を含む全12曲収録。

 井上ヤスオバーガーは、バンド活動を経て現在はソロとして活動中の京都在住のシンガーソングライター。一年の大半をほぼライブツアーに費やし、全国を渡り歩いて歌い続けているとのこと。基本的にはギター一本で弾き語るライブスタイルなのですが、本作は全曲「井上ヤスオバーガーバンド」なるバンド形態にコーラスやパーカッション、アコーディオンなどのゲストミュージシャンを招いてのバンド演奏。また、収録曲中、既発表音源である「ココロの旗」「シンガーソングライター」は新たに再録されたもののようです。

 そんな彼の作品、一聴して強いインパクトを受けるのはやはりその歌声。やや高めのハスキーなボーカルは、分かりやすく例えるならば真心ブラザーズのYO-KINGの声を少し甘くしたような感じ…と形容すればイメージしていただけるでしょうか。個性的な声質の一方で活舌は良く、歌詞はとても聴き取りやすいという長所があり、「雨が降ってるの?」「君なんかいなくなっても」など、日常の身近な出来事から書き起こした心象風景をリスナー側にダイレクトに伝える役割をしっかりと果たしている「シンガーの声」という印象を受けました。

 楽曲を構成するメロディー自体は親しみやすく、フォーク寄りのロック調といったところ。アレンジ自体も「花と雨の詩」などでは一部打ち込みを導入しつつも、斬新な試みをせずに一般的なバンドスタイルで、アップテンポな曲でも土のようなボーカルと相俟ってどこかのどかな雰囲気も感じてしまうのですが、これがまた相性が良いと言いますか、ボーカルとバンドがちゃんと喧嘩しないで溶け合っているのは聴いていて心地良さがあります。その最たる例が冒頭のタイトルチューン「すべてを音楽にかえる」。ピアノ一本とパーカッションのみの歌い出しから始まってどんどん楽器がレゲエ風のリズムを刻んで重なっていき、最後はコーラス隊も加わって壮大になり盛り上がっていく展開は歌詞も含めて鳥肌モノ。

 全編を通してキャッチーなメロディーと独特の歌声が淡泊すぎず、過剰すぎず、1時間弱の演奏時間もスルっと聴ける良盤。公式MVとしてアップロードされているシングル「自転車乗りの唄」の雰囲気を気に入った方にはその延長線上のアルバムとして、是非お薦めしたい作品ですね。

2016年11月24日 21:07

 昨日、本ブログのユニークアクセスが、来年1月の開設10年目突入を前にして100,000hitsを突破いたしました。
 開設当初はまさかここまで続けられるとは思わなかったのが本音です(笑)。これまでにご来場下さった皆様、相互リンク先の方々にも心より御礼申し上げます。

 さて、そんな昨日はDEENの武道館公演が開催。
 昨日から検索で去年の武道館のライブレポートを辿って本ブログに来訪下さる方が結構いらっしゃいますが、筆者は所用により今年は残念ながら参加できませんでした。
 バラードナイトということでレアなバラードが演奏されたり、アンコールでKYADEENが出たり(笑)なかなか面白そうなステージだったようで。映像商品化を楽しみに待つことにします。

 それでは、改めまして今後とも本ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

2016年11月19日 16:09

tutu 2016年9月21日発売、TM NETWORKのボーカリスト・宇都宮隆がTMN活動休止期(1992〜1994年)に活動していたソロプロジェクト「T.UTU with The BAND」形態でリリースされた楽曲+αの全29曲を網羅したCD2枚組に加え、当時のライブ映像を収録したDVDをワンパッケージにした、全曲最新リマスター、Blu-spec CD2仕様による3枚組アルバム。

 T.UTU with The BANDはその名の通り、宇都宮隆が率いるロックバンド。メンバーは完全固定ではないものの、葛城哲哉&是永巧一のツインギター、FENCE OF DEFENCEの山田亘のドラム、そして元REBECCA(当時)の土橋安騎夫のキーボードを核に据え、TMN活動休止から「TMN終了」直前までの約2年間、宇都宮のソロワークを担っていました。その後はこの名義での活動はありませんでしたが、今年の秋に22年ぶりの全国ツアーを展開。本作はそれを記念したプロダクトであり、収録内容は活動2年間にリリースされた3枚のシングル、2枚のアルバム、更にビデオに付属していたCDに収録されていた楽曲を一部バージョン違いを除いてすべて収録、その上に当時の未発表カバー曲、2016年に制作された新曲を1曲ずつ収めた全曲集となっています。

 Disc 1は1993年2月発売の1stアルバム「BUTTERFLY」の全10曲、シングルカップリングの「Midnight Calling You」、ビデオ付属CDの中から1曲、ラストに未発表の「シーサイド・バウンド」(ザ・タイガースのカバー曲)を収録の全13曲。ソロデビューシングル「Trouble In Heaven」(のアルバムバージョン)で始まる本作は、宇都宮のルーツであるという正統派ロックサウンドを標榜したような雰囲気の作風。キーボードの音色は90年代初頭…という印象は否めないものの、野性的なボーカルで熱く歌う宇都宮はTMではあまり見せない路線で生音のバンドサウンドと相俟って比較的新鮮。なお、「シーサイド・バウンド」はクレジットによれば1992〜1993年にレコーディングされたそうですが、バンドメンバーは全く異なり、どういった経緯で録音されたのかが不明ですが、ラフなデモ音源的なものではなくしっかりとしたテイクで収められており、これはこれでアリかな、といった感じ。

 Disc 2は1994年1月発売の2ndアルバム「Water Dance」の全13曲、ビデオ付属CDから2曲、さらに新曲の「flow」で構成された全16曲。特筆すべきはバンドのメンバーである石井恭史(コーラス→ベース担当)と宇都宮が共同で作曲を手掛けた「BOYO-BOZO」名義の楽曲が7曲収録されている点なのですが、本作のクレジットではなぜかユニット名ではなく「宇都宮・石井」の連名名義に。そんな話はさておき(?)Disc 1の前作よりも当時の音楽シーンの主流(まあ言ってみればビーイング的な)に接近したポップロックな内容で、打ち込みナンバーや穏やかなバラードもあり、TMフォロワーにはこちらのほうが取っつきやすい楽曲群だと思います。唯一の新曲「flow」は作曲・編曲が初のバンド名義で勢いのある生音サウンドを聴かせてくれています。

 Disc 3はDVD。1994年リリースの日本武道館ライブビデオの完成前映像を初商品化した「THE VIDEO “Live Water Dance” prototype」として全8曲収録。「Hothouse Fruit」以外は既発映像(の編集前映像?)のようですが、当該のビデオは筆者は未見。本作においては純粋にライブパフォーマンス映像をそのまま収録しているようで、音はライン録りがメインなのかあまり会場の臨場感は拾えていないのですが、カット割りもきちっとされており、「普通のライブビデオ」として十分楽しめる内容だと思います。しかしウツを始めとしてメンバーの皆さん、さすがに若いなぁ(笑)。

 「T.UTU with The BAND」で駆け抜けた2年間を総括、ライブ映像も付いて4,000円+税という、ベテランによくありがちな高額ボックス商法が当たり前の時代に良心的な定価も嬉しい本作。願わくば今後のTM関連のリリースがもしあれば、本作に倣った価格設定にしてもらえるとありがたいです、SONYさん(苦笑)。

2016年11月13日 16:23

perfumecosmic 2016年4月6日発売、Perfume通算6枚目となるオリジナルアルバム。シングル「Sweet Refrain」「Cling Cling」「Relax In The City」「Pick Me Up」「STAR TRAIN」を含む全14曲収録。本エントリーでは本編CD(通常盤と内容同一)+特典CD+特典Blu-ray(初回限定盤Bでは内容同一のDVD)が厚紙ボックスに収められた初回限定盤Aをご紹介。

 ポップス寄りの楽曲が多かった前々作「JPN」、転じて従来の攻撃的テクノサウンドに重きを置いていた前作「LEVEL3」。本作はこの二作の折衷とでも呼ぶべきでしょうか、アルバム全体で良い意味での「これまでのPerfumeの美味しいところどり」な雰囲気。実質1トラック目のタイトル曲「COSMIC EXPLORER」のドラマチックなイントロのリフにまず耳を惹かれ、軽快かつキャッチーな「Next Stage with YOU」、バキバキのEDMサウンドで歌詞がほとんど無いに等しい実験的な「STORY」、後半に進むとちょっと可愛らしい「Baby Face」「TOKIMEKI LIGHTS」を経て、アッパーな「Pick Me Up」、ラストは「Hold Your Hand」で大団円という流れ。

 新曲が前半に集中、後半はアルバムミックスが複数あるとはいえ既発シングル曲が多いこともあって、ややハーフベスト的な雰囲気も感じられますが、オリジナルアルバムとしては多めの曲数・総演奏収録時間(約1時間)の割りにスムーズに聴ける構成になっています。前々作は好きだったけど前作は攻めすぎてちょっと…という感想だったリスナーにはバランス的にちょうど良い塩梅(?)の作品と呼べるのではないでしょうか。

 初回特典のCDには配信シングルとしてリリースされ、本編にもリミックスで収められた「FLASH」のシングルバージョンと同曲のインスト、そしてメンバーによる1時間弱のラジオ番組を模した「Perfumeのただただラジオが好きだからレイディオ!2」が収録。アルバム収録曲のタイトルを捩った質問コーナーやカルタ大会(笑)、本作を引っ提げたライブツアーへの意気込みなどが聴ける緩く楽しい内容。Blu-rayは「FLASH」「Hold Your Hand」のMVに、2014年発売当時の「Cling Cling」のライブシューティング、更に、昨年末のNHK紅白歌合戦での最新映像技術を大胆に使用して披露された「Pick Me Up」の舞台裏や前日までのリハ、本番でのパフォーマンスを収録したドキュメンタリーが収録。アーティストの出演映像作品をなかなか商品化しないNHKにしては大盤振る舞いな内容で、楽しませてもらいました。

2016年11月05日 19:09

deenkioku 2016年11月2日発売、DEEN名義の「記憶の影」、KYADEEN名義の「遊びにいこう!」の両A面スプリットシングル。通常盤には上記2曲に加え、ボーナストラックが1曲追加収録。初回生産限定盤Aの【DEEN盤】には池森秀一の街歩きドキュメンタリーDVDが、初回生産限定盤Bの【KYADEEN盤】には「遊びにいこう!」のMV+メイキング映像収録のDVDがそれぞれ同梱。本エントリーは通常盤のレビューとなります。

 DEENとしては通算45枚目のシングル作品となる「記憶の影」は作詞が池森、作曲がキーボードの山根、編曲が元GARNET CROWの古井弘人。近年の作風ではやたら歌詞の内容が若かったり、アレンジにEDMを導入してみたりと実験的な面が感じられたのですが、今回は久々のDEEN王道バラード。さらに失恋ソングとなるとシングルでは2009年の「Negai」以来。いつものサポートメンバーによるバンド演奏+ストリングスカルテットも招いて盛り上げる定石っぷりには目新しさはありませんが、安心して聴ける(?)1曲に仕上がっています。

 「遊びにいこう!」DEEN×キャイ〜ン=KYADEEN(キャディ〜ン)の企画作品。先日配信されたニコ生によると、元々はキャイ〜ンのラジオ番組に池森がゲストで出演して意気投合。さらにDEENのA&Rである山口氏が、かつて天野ひろゆきが在籍していたブラックビスケッツの担当だった、という縁もあり、今回のコラボが実現したとのこと。作詞は池森が1コーラス目、天野が2コーラス目を手掛けたそうです。「記憶の影」と対をなす元気なアップテンポナンバーで、ボーカル配分も池森・天野がほぼ半分ずつを担当するなどDEENとキャイ〜ンの両者の扱いはイーブン。元々天野は歌唱力があり、曲自体もネタに走ることなく正統派な作りなのが好印象。なお、ウド鈴木はクレジットによるとコーラス&エアサックスで参加しているようです(笑)。

 通常盤にはボーナストラックとして「Let's Show Time!」がDEEN名義で収録。ゲストミュージシャンを招かず、作編曲を担当した田川がほぼ一人でプログラミング&ギターを弾いたような打ち込みナンバーなのですが、ジャズテイストで歌詞も含めアダルトな雰囲気が最近のDEENとしては異色。大きなライブ会場よりもビルボードライブのオープニングナンバーに似合いそうな好楽曲。AOR期ファンの筆者としてはこういった路線もたまにはやって欲しいと思っていたので嬉しい作品でした。

記事検索
Recent Comments
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Archives
Profile

SASA

  • ライブドアブログ