2016年09月

2016年09月25日 12:00

yamazakiunder 2015年8月19日発売、デビュー20周年時企画としてシングルカップリング曲、配信限定曲、提供楽曲のセルフカバー他を収録した山崎まさよしの裏ベストアルバム。全18曲収録。

 同時発売のA面シングル集「ROSE PERIOD 〜the BEST 2005-2015〜」の兄弟盤であり、デビュー10周年記念時にリリースされたカップリング集「OUT OF THE BLUE」の続編たる本作。2004年以降にリリースされたシングルのカップリング曲のうちオリジナルアルバム未収録曲を一部バージョン違いを除いて収録、さらに配信限定シングルだった「心の手紙」の初CD音源化、山崎まさよし名義の作品には初収録となる「ホームタウン」「黄昏のビギン」の各カバー曲、タイアップソングとして既に発表されていた「青いタペストリー」「うたたね」の初音源化、さらにラストにはインディーズ時代に録音された「ビートルズメドレー」がボーナストラック的に収録されるなど、まさに全編ごった煮の内容になっています。

 曲順は発表時系列…と思いきや、なぜか最終盤に2004〜2005年の作品が収録されていたりと、若干意図が読めない並び方(笑)。楽曲の流れを考慮したオリジナルアルバムとは一線を画す混沌感が漂うのですが、曲単位で聴いてみると、実は彼のオリジナルアルバムや、「山崎まさよし」のイメージを重視せざるを得ないA面シングル集よりはっきり言って面白い、という印象。「non ignition」「幸せのBefore&After」のようなロック色強めの楽曲、往年の名曲を朗々とカバーした「君が好き」「浜辺の歌」、Eテレ教育番組に提供した「おなかとせなかがぺっタンゴ」のセルフカバーでは、言われなければ山崎本人だと判別できなさそうなバリトンボイスで熱唱するなど、アナザースタイル的な遊び心を加えた楽曲がとても愉快。

 今やオフィスオーガスタの屋台骨としてベテランの風格も漂ってきた山崎まさよし。もちろんそんな彼のパブリックイメージに沿った曲も良いですが、シングルカップリングを実験の場として、一定のクオリティを保ちつつ、良い意味で好き放題やっている、というナイスな「裏」を見せてくれていることを再認識した1枚でした。

2016年09月19日 22:37

kobukurotimeless 2016年6月15日発売、前作から2年半ぶり、通算9枚目となるコブクロのオリジナルアルバム。シングル「陽だまりの道」「奇跡」「未来」、配信限定シングル「42.195km」「Twilight」「hana」「SNIFF OUT!」を含む全15曲収録。初回限定盤はジャケットフィルム封入+学園祭ライブ映像を収録したDVDが同梱。本エントリーは通常盤のレビューとなります。

 現時点での最新CDシングル「未来」が、かつての「桜」を彷彿とさせるスプリングパッケージで発売されたり、その「桜」を収録した約10年前のオリジナルアルバム「NAMELESS WORLD」を捩ったアルバムタイトルを冠するなど、過去の作品との関連性が少なからず話題に上がった本作。とは言っても特に「NAMELESS〜」の続編、というコンセプト的なものはないようで、従来通りのコブクロ節(小渕節?)が奏でられるファン安心安定の楽曲集となっています。

 そんな中で今回面白いな、と思ったのは、既発のシングルも含めてアルバム全体でちょくちょくと顔を出す実験的路線。カーナビを恋愛に喩えた「tOKi meki」、ロカビリー調の「SNIFF OUT!」、バンド演奏が基本の彼らのサウンドにプログラミングを導入した「サイ(レ)ン」、更にEDM的要素も取り入れた黒田俊介作の「Tearless」。コブクロの代名詞たる壮大バラードが良くも悪くもいつも通り…な感想しか抱けなかったのに対し、あくまで「コブクロの枠内」ではありつつ、バリエーション、実験色、さらに布袋寅泰に作曲を依頼し、彼のギターとコラボした「NO PAIN,NO GAIN」など、新たなステップに進む模索のような意志が見受けられたのは嬉しいポイント。中でもマラソンをモチーフにした全編関西弁のアップテンポ「42.195km」のようなコミカル路線は、終盤へと向かうアルバムの良いアクセントになっていて好感でした。

 全15曲(うち新曲8曲)、総演奏時間75分と、相変わらずアルバム1枚の情報量が多く、筆者の持論ではオリジナルアルバムにしては長過ぎる、というのは毎回書いているような気もするのですが(苦笑)、前述の楽曲のバラエティ感と、長尺の作品も目立ってないということもあり、近年のコブクロのアルバムの中でも比較的聴きやすい作品ですね。

2016年09月10日 22:55

seiyasongselection 2016年8月24日発売、今年で漫画連載&アニメ放送開始30周年を迎えた車田正美のコミック「聖闘士星矢」を記念してリリースされたベストアルバム。2枚組全33曲収録。「2016年最新リマスタリング」の表記あり。

 連載元の「週刊少年ジャンプ」の看板作品でもあり、同年には早くもアニメが開始され、連載・放送終了後も根強い人気を誇り、派生作品を数多く生み出した本作。それだけに各媒体作品での主題歌なども数多く、実際過去に「主題歌&BEST」(2006年)、「SONG BEST」(2012年)という主題歌中心のベストも発売されており、今回は3度目のベストアルバム。各映像作品ごとの挿入歌集やサウンドトラックなどがそれぞれのレコード会社から数多くリリースされ、その中から選りすぐった30年間のベストオブベストに相応しい内容とボリュームに溢れた2枚組となりました。

 基本的に楽曲は時系列順。DISC 1は原作漫画のアニメ化として1986〜1989年に放送されたテレビシリーズ全114話で起用された主題歌や関連楽曲を主に収録。「星矢」の看板たるオープニングテーマ「ペガサス幻想」(MAKE-UP)を筆頭に、「永遠ブルー」(同上)「聖闘士神話」(影山ヒロノブ&BROADWAY)などの80年代アニソン王道の熱いテーマソングに加え、MAKE-UP、影山に加えて堀江美都子も参加した各劇中挿入歌もバッチリ収録。「氷原の貴公子」「ネビュラチェーン・兄弟の絆」(MAKE UP PROJECT)などの濃い目のキャラソンもセレクトされているあたりも嬉しいところです(笑)。歌詞の大半が英語という異色作品の劇場公開作品「真紅の少年伝説」のエンディングテーマ「YOU ARE MY REASON TO BE〜愛は瞳の中に〜」(当山ひとみ&OREN WATERS)や、主人公のペガサス星矢を演じる古谷徹自らが歌う「ペガサス幻想」(色々な意味で一聴の価値あり)などもピックアップされ、この1枚でテレビシリーズに関しては完全網羅されていると思います。

 DISC 2はテレビシリーズが終了、漫画連載も完結して時を経た1997年に企画されたドラマCD「1997〜少年記〜」からの楽曲を経て、2003年からOVA作品として展開された「冥王ハーデス編」の主題歌を完全収録。時代が移って楽曲の作風にも変化が起こり、従来路線の熱いテーマ曲もありますが、「地球ぎ」「君と同じ青空」(まつざわゆみ)といった穏やかな中にも芯を感じさせる作品が出色。中盤以降はさらに時代が下った2012〜2014年のテレビシリーズ「聖闘士星矢Ω」、2015年にWebアニメとして展開された「黄金魂-soul of gold-」の各派生作品の主題歌で締め。この辺りになると21世紀の類型的なアニソンとして「星矢」も現代的になったなぁ、という気がする中、サビ頭にアニメタイトルを持ってくるというスタイルの「新星Ω神話」(ROOT FIVE)のインパクトが抜きん出ている印象でした。

 全映像作品のうち、2014年公開のCG映画「Legend of Sanctuary」の主題歌のみが未収録(YOSHIKI絡みの音源未発売の曲なのが原因?)、その代わりにミュージカル風劇中歌「Mr.Deathmask」(平田広明)が収録されるというウルトラCには驚きましたが(笑)、とにもかくにも「星矢」ファン必聴のオールタイムベスト。また過去二作のベストでは明言されなかったリマスタリングも今回は気合が入っており、特に80年代作品の音の広がり・奥行きは文句ナシ。今年は30周年を祝うイベントもぼちぼち開催されているようですが、その一環として各作品を知っていればいるほど楽しめるベストアルバム。価格も2枚組で3,000円+税と安価ということもあり、お薦めです。

2016年09月04日 15:47

aikomaydream 2016年5月18日発売、aikoの通算12枚目のオリジナルアルバム。シングル「あたしの向こう」「夢見る隙間」「プラマイ」「もっと」を含む全13曲収録。今回レビューするCD1枚の通常盤の他、昨年末のカウントダウンのライブの模様を収録したBlu-ray、DVDがそれぞれ付属する初回限定仕様盤A、B、CD1枚+既発4曲のライブアレンジをスタジオ録音で収録した「The Live Versions」が付属する初回限定仕様盤Cの、計4形態での発売。なお、どの形態も本編CDの収録曲は同一となっています。

 約二年ぶりのニューアルバムとなる本作の最大のトピックは、前作発表以降、メジャーデビュー以来長い付き合いであったアレンジャー・島田昌典から離れ、新たなアレンジャーを招聘した、という点。収録シングル4曲を含めて8曲を初音ミクで頭角を現したOSTER projectが、5曲を川嶋可能がそれぞれ担当。今までの島田昌典、吉俣良などの歴代ベテランアレンジャーとの違いは果たして…?と興味津々だったのですが、基本的には生演奏であり、演奏ミュージシャンに関しては従来の面々と同様ということで、あまり決定的な違いは感じられませんでした。ただし、前述二名のアレンジと比較するとキメが多め、演奏の情報量がやや多め、という点では若干の変化が見られ、マイナーチェンジ的な役割は果たしているかな、と感じました。

 アレンジャー陣に変更はあったものの、aikoのソングライティングについては従来通り。飛び跳ねるようなメロディーを軸に適度なバリエーションの曲調、周囲の身近な出来事をラブソングに昇華させる彼女の手腕は相変わらず健在というか、いつも通りと言いますか。彼女の楽曲自体に大きな変化は今後もなさそうなので、今後は本作ぐらいのチェンジではなく、思い切ったアレンジ転換(EDMとかに走るのではなく、演奏楽器の引き算をする、という意味で)を図っていけば面白いかな、とも思いましたが、はてさて。

記事検索
Recent Comments
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Archives
Profile

SASA

  • ライブドアブログ