2016年08月

2016年08月28日 10:48

tmr2020 2016年5月11日発売、今年でデビュー20周年を迎えたT.M.Revolutionのオールタイム・ベストアルバム。CD3枚組全40曲収録。初回生産限定盤はヒストリー映像を収録したDVDが同梱。本レビューは通常盤のレビューとなります。

 T.M.R.のベスト盤はこれが通算3枚目。これまでの活動に一区切り、という時期の2002年の「B★E★S★T」、デビュー10周年時にリリースされた「1000000000000」と同様、この時点での全シングルを基本的には網羅し、本作ではデビューシングル「独裁 -monopolize-」から、最新シングル「Committed RED」までを時系列に沿って収録。ただし、「BLACK OR WHITE?」はシングル(version 3)ではなく、カップリングであるオリジナルアレンジの再演(neo classic)を収録したり、アルバム曲からも「Meteor -ミーティア-」等が選曲されるなど一部例外もあり。

 さて、20年のT.M.R.のシングル史をCD3枚で一気に味わえる本作。やはり聴いていて思うのは、この20年間でほとんど変わらない音楽性。初期はプロデューサー浅倉大介=access直系のデジタルロック、中盤以降になると加えてトランス色が濃くなっていきながらも、音の隙間を埋めまくるシンセ中心のアレンジはもはやお家芸、と呼びたいぐらいに「THE 浅倉大介」仕様。これは決して悪いことではなく、以前にも書きましたが、彼の師匠格の小室哲哉が多ジャンルに手を広げていく音の開拓者ならば、浅倉はひとつのジャンルを深くまでとことん突き詰める音の職人というイメージ。終始一貫してのその姿勢は移り変わりの激しい音楽シーンでは貴重な存在といえるでしょう。

 一方歌詞の面では、「HIGH PRESSURE」「WHITE BREATH」「HOT LIMIT」などのユニークな内容の曲は初期に集中。T.M.R.の詞はデビュー以来井上秋緒が手掛け続けていますが、西川自身のセルフプロデュースとなる「Out Of Orbit -Triple ZERO-」と前後してシリアスで意味深な歌詞が増えていくのが本作を聴いていくと良く分かります。特に活動後半はアニメやゲームのタイアップソングが多く、タイアップに沿った内容の歌詞もあるようですが、それらもしっかり「T.M.R.ブランド」のフィルターを通して書き上げられた曲という印象が強く、テンションの高いサウンドと相俟って、アニソン系タイアップの機会に恵まれ続けるのも納得の内容でした。

 なお、DISC 3の最後にはボーナストラックとして、水樹奈々とのコラボシングル「Preserved Rose」「革命デュアリズム」を収録。この2曲を含めてもこのディスクはまだまだ収録時間に余裕があり、どうせならこれまでのベストでもスルーされ続けのT.M.R-eのシングル3曲も入れてあげれば良かったのに…と思わずにはいられませんでした。活動20周年を総括したベストという好機会だっただけに、この点のみが残念です。

2016年08月21日 12:32

ukasutag 2016年7月13日発売、Mr.Childrenの桜井和寿とラッパーGAKU-MCのユニット・ウカスカジーのセカンドアルバム。実質5曲+コメンタリーを収録したボーナストラック+αの全10トラックで構成。

 2014年のFIFAワールドカップを盛り上げるために結成されたというウカスカジー。その当時にリリースされたアルバム「AMIGO」から約二年振り、今年6月から7月にかけて行われた初の全国ライブツアーを経てのニューアルバム発売となった模様。次回のW杯を待たずに(?)作品が発表されたことにまず驚きでしたが、彼らが「所属選手」として在籍するMIFAの公式サイトによると、音楽とフットボールというコミュニケーションツールを体現するユニットとして、ある程度断続的な活動をしているようです。

 作風としては序盤の「Anniversary」、結婚式の定番ソング的な「Celebration」、そしてGAKU-MC独壇場のラップが炸裂する「HAPPY HOUR」など、明るくハッピーな楽曲が耳を惹きます。この頭3曲のイメージが強烈で、その後に出てくるタイトル曲「Tシャツと私たち」がいささか地味に聴こえてしまうのはご愛嬌でしょうか(苦笑)。また、前作はW杯を意識したかのような「目的を一つにする仲間意識」のようなものを押し出した曲が多かったのですが、本作はスポーツ的なテーマは前作収録の「勝利の笑みを 君と」とマッシュアップした「前を向け!」ぐらいで、よりポップさ、ライトな感覚を押し出しており、特に目玉のコンセプトを設けずに、作り手の恐らく楽しく制作した(と思われる)空気が聴き手にも伝わるリラックスした内容に仕上がっていました。

 演奏面では、前作の大物ミュージシャンの多数参加ほどではありませんが、引き続き日本のポップミュージック界を支えるスタジオミュージシャンが参加して盤石。桜井とGAKU-MCのパートバランスもほぼ平等でバランスが良く、既発曲の手直しもあった前作よりも「二人組」っぽさが出ているのは良いですね。また、どうしてもミスチルではストイックに音楽を追求する傾向にある桜井が、文字通り「音を楽しむ」姿を見せる場所、という意味でも、このユニットの意義はあるのではないかな、と思います。

 本編は5曲。6トラック目に「Celebration」のインスト(桜井の声も入っているカラオケ仕様)、各10秒程度の無音の7・8トラックを経て、9トラック目に本作の収録曲について20分以上桜井とGAKU-MCが語るコメンタリー、10トラック目にMIFAのキャラクターの絵描き歌「ミファンダえかきうた」を収録しているので、内容的にはミニアルバムですが収録時間は50分越え。まあ後半はオマケですが、なかなかの良作品でした。

2016年08月15日 16:59

 皆様ご存じの通り、今月14日未明、SMAPが今年の12月31日をもって解散する、という発表が公式になされました。
 筆者はNHKの深夜のオリンピック中継のニュース速報で知りましたが、その後の数分間のニュース番組でも即取り上げられ、各テレビ局の報道・ドキュメント系、ワイドショーの番組でも特集されるなど、国民的アイドルグループならではの存在感の強さを最後まで示した印象を受けました。

 久々のエントリーとなる「COLUMN」では、そんなSMAPの25年間を、彼らの音楽を最も良く聴いていた90年代を中心につらつらと綴ってみることにしました。
 「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2016年08月06日 23:53

nettou2 実に半年ぶりのエントリーとなる「今週の1枚」。前回から季節は二つ過ぎ、早くも真夏を迎えた8月。真夏といえばやはり甲子園!ということで、本日開幕したリオオリンピックに負けじと今年も高校球児達の熱い戦いの季節がやってきたことを踏まえ(?)、今回は2010年7月28日発売のテレ朝(ABC)系列で使用された夏の高校野球の応援ソングコンピレーションアルバム「熱闘甲子園のうた〜夏の高校野球応援ソング〜」をご紹介いたします。

 1981年から現在まで続く、甲子園での夏の高校野球開催期間中に連日オンエアされるその日の試合のダイジェスト番組「熱闘甲子園」。ドキュメンタリータッチを基本に汗と涙の勝ち抜き戦を伴走するJ-POPアーティストによるオープニング、またはエンディングテーマを12曲収めたのが本作。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この「今週の1枚」では、既に2011年時に「一番熱かった夏〜熱闘甲子園の歌〜」というコンピをご紹介しているのですが、本作はその純然たる続編にあたり、前作以降の2001〜2009年の間に使用されたテーマソングを収録対象(選曲されなかった曲もあり)としています。タイトルが若干被っているので分かりづらい、という声もありそうですが(苦笑)、00年代の「熱闘甲子園」関連楽曲のほとんどが一同に会した作品となっています。

 続編ということで各年ごとの出場校、各大会の簡易的な説明をその年に起用された楽曲の歌詞と並べて記載するという、前作のフォーマットを踏襲しつつ、収録曲順に関しては時系列だった前作とは逆に、2009年から年代を遡っていく構成。聴き進めていけば21世紀のJ-POP史を遡っていくタイムトラベル的な内容になるわけですが、既に多様化に次ぐ多様化が進んでいた2001年時点の楽曲でもそれほど時代性を感じることなく聴くことができるのは前作とは大きく異なるポイント。
 参加アーティストもブレイク直後の森山直太朗、セールス全盛を迎えていたガールズバンドZONE、既に安定した人気基盤を獲得していたBEGIN、一時期毎年のように枠を確保していたこともあった秦基博スキマスイッチスガシカオ福耳といったオーガスタ系アーティスト、そして高校野球中継のテーマソングといえばこの人!という西浦達雄等々…と、若手からベテランまでが集結し、それぞれに彩りを添えています。

 そんな中で個人的にピックアップしたいのは「泣き声のようなサイレン/陽射し吸い込むダイヤモンド/この熱さだけはきっと忘れない」という歌詞から試合の光景が浮かぶ「Halation」(秦基博)、一発逆転への高揚感と試合終了の無常感をそれぞれに感じる「奇跡」「夏陰〜なつかげ〜」(スガシカオ)、選手の父親目線で描かれた「やさしさにかわるまで…」(西浦達雄)、甲子園出場経験のある実弟に材を採ったという、実感が伝わる応援歌「終わらない夏」(我那覇美奈)。直接的であれ間接的であれ、それぞれのフィールド、それぞれの体温で放ったこれらの楽曲は夏の甲子園の映像にピッタリとハマっていました。また、普段はクロスしなそうな面々が一つのテーマで1枚のアルバムに収められる、というのはコンピ盤ならではの大きな魅力。各アーティストのカタログ市、という要素もしっかりと併せ持った作品だと思います。

 筆者も年を重ねて、子供の頃は憧れのお兄さん的な眼差しで見ていた高校球児達の年齢の倍ぐらいを今や生きてきてしまいましたが(笑)、一球に賭ける彼らの全力勝負の姿はいつの時代も輝いて見えるもの。明日より開幕の2016年大会も高校野球史に残る熱戦を期待したいと共に、そのお供に本作(と前作)を傍らに暑い夏を乗り切りたいと思っております。
 なお、本作発売後も毎年様々なアーティストによって「熱闘甲子園」テーマソング史は続いています。いつの日か初代からの全テーマソングを収めた「熱闘甲子園主題歌集・完全版」をCD3枚組ぐらいで出してもらえないかな…と、この季節になるといつも願っています(無理かな・苦笑)。

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