2016年07月

2016年07月31日 14:46

battari19 2016年6月22日発売、2014年10月から翌年6月にかけて開催されたKANのピアノ弾き語り全国ツアー「弾き語りばったり」の模様を収録したライブアルバム。全15曲収録。

 「弾き語りばったり」はバンドライブツアーと交互して2005年より定期的に行われている単身弾き語りツアー。今回は「#19」とありますが、素数を好むKANの意向で「#1」「#2」(2005)「#3」「#5」(2006)「#7」(2008)「#11」(2009)「#13」(2010〜11)「#17」(2012〜13)とナンバリングを飛ばして今回は9ツアー目の開催。こういうことに拘るのが彼らしいといえばらしいですが(笑)、2008年に「#7」の公演がライブCDとして発売されており、本作は久し振りに発売された通算2作目のライブアルバムということになります。1作目は開催された全会場からのライブ音源で構成されていたのに対し、今回は全28公演行われた中から、北海道、愛媛、香川、福井、福島の五会場からのライブ音源を選りすぐって収録。曲順は各会場共通のセットリスト通りとなっているようです。

 選曲は元々弾き語りを前提としたイメージの「世界でいちばん好きな人」「東京ライフ」「君が好き胸が痛い」などに混じって、最初期の作品で本人が作詞を手掛けていない「GOOD NIGHT」、90年代中盤の作品からは弾き語りでこれやるんだ、と思わせた(笑)「ひざまくら」など、結構変化球もあり。中でもツアー中に発売されたシングル「桜ナイトフィーバー」はオリジナル音源のディスコ風から一転、哀愁漂うピアノバージョンとして演奏され、この曲こういう表現方法もあったのか!と驚かされた次第。また中盤ではビリー・ジョエルの「Laura」、秦基博の「アイ」のカバーも披露されていますが、違和感なく完全にKANのステージの中に溶け込んでいる印象です。弾き語りという形ながら「よければ一緒に」「愛は勝つ」が登場する終盤ではバンドツアー同様オーディエンスが盛り上がっている様子も感じ取れました。

 本作はライブ演奏に特化しており、彼特有のフザけた(褒めてます・笑)MCはまったく収録されていませんが、ベストテイクを選りすぐったこともあり、前作よりも演奏のクオリティも高く、やはりKANはピアノ上手いな〜、と改めて認識した1枚。ライブアルバムなのでコアファン向けの要素もありますが、ベストを聴いたぐらいのKANライトリスナーにもお薦めできる作品だと思いました。

2016年07月24日 16:48

kppbest 2016年5月25日発売、きゃりーぱみゅぱみゅ初のベストアルバム。CD2枚組全24曲収録の通常盤、+トータルプロデュースを手がける中田ヤスタカによるセルフミックスCD+DVDが付属の「超限定リアルお顔パッケージ」と名付けられた初回限定盤の2パターンでのリリース。本エントリーでは通常盤のレビューとなります。

 2011年のCDデビューから早5年(もうそんなに経ったのか!)。本作はそれを記念したベストアルバムとなっており、「つけまつける」「ファッションモンスター」「にんじゃりばんばん」「もったいないとらんど」等々、CDメディアでリリースされたシングル曲を全曲、さらに「きゃりーANAN」「トーキョーハイウェイ」など、これまでに発売されてきた各アルバムからの収録曲も交え、未発表曲「5iVE YEARS MONSTER」も収録するなど、彼女の活動の軌跡の美味しいところどり、取りこぼしなしのまさにベストアルバムのお手本のような作品。なお、曲目はリリース順というわけではなく、結構時期が前後したりしています。

 さて、彼女の曲の特徴といえば可愛い雰囲気のトラック、中毒性の高いメロディー、そしてあまり深い意味のなさそうな歌詞…という3点。まあこれに加えてインパクトの大きいMVなどの視覚的効果も合わせて彼女の作品なのでしょうが、CDで聴くには映像がない分、だいたい似たような雰囲気の曲が多い…と感じてしまうのは仕方のないところでしょうか。今回はベストということもありキラーチューン満載な点を考慮したのか、CD2枚組ながらDISC 1は45分、DISC 2は48分と控え目なボリュームとなっています。確かにこれをCD1枚70分以上聴かされるとさすがに辛い(苦笑)のですが、ディスク毎に時間を置いて聴けばその問題(?)もある程度は解決。そういう意味ではCD2枚組にした利点が活かされていると思いました。

 何度も彼女のレビューで書いてはいるのですが、本作収録のノリで今後も活動を続けるのはさすがに年齢的にもキツい…と思います。ただ、前作以降に発売された作品群は若干毛色の違うマイナーなノリの曲も散見されるので、ちょっと違ったアプローチを試しているのかもしれません。まあどう転んでも色々な意味で(笑)今後もリスナーとして気になる存在であることは間違いないかな、と。

2016年07月17日 23:56

goingbox 2016年7月現在、松本素生(Vo&G)、中澤寛規(G)、石原聡(Ba)の三人で活動しているGOING UNDER GROUND。伊藤洋一(Key)、河野丈洋(Dr)の脱退を経て、ここ数年はインディーズ流通での販売を続けてきましたが、来月に発売となる約2年半ぶりのニューアルバムはかつて所属していた古巣・ビクターからのリリースが決定。
 そしてこれは個人的な話ですが、2014年12月末に発売のビクター時代の音源ボックスセット「THE BOX」を最近ようやく入手、というタイミングもあり(?)今回の「DVD Review Extra」ではそのボックス内のMV集DVD「Music Video Collection」収録の全26曲をレビューいたします。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2016年07月10日 22:04

deenbutterfly 2016年6月1日発売、「Summer Special Album」と銘打たれたDEENの企画アルバム。全11曲収録。CDに加えて初回生産限定盤Aには昨年夏のライブツアー公演を収録のBlu-ray、初回生産限定盤Bには今年春のビルボード公演を収録のライブCDがそれぞれ付属。今回ご紹介するのは初回生産限定盤Aとなります。

 夏をテーマにしたコンセプトアルバムは2010年の「クロール」以来。それ以前にも四季をテーマに展開したマキシシングル「classics」シリーズもありましたが、本作はこれまでの「夏=アコギで爽やかリゾート気分」的な路線から外れ、スカバンドSKAFF-LINKSのメンバーをレコーディングに招いての「DEEN de SKA!」とのことで、DEENにとって初めての取り組みとなるスカサウンドに挑戦。普段はライブメンバーと共にレコーディングを行う彼らですが、今回はSKAFF-LINKSがアレンジも含めて全面的にフィーチャリングされ、トランペットやトロンボーン、各種サックスがほとんどの曲で大活躍するという、通常のアルバムとは完全に雰囲気が異なるサウンドが新鮮です。

 本作の目玉はDEENの代表曲3曲、著名カバー2曲のスカアレンジによる新録音。前者は「ひとりじゃない」「Smile Blue」がSKA Style名義で大胆にアレンジ変更、「coconuts」はfeat.butterflyとクレジットされ原曲の引用部分と一部歌詞が変更のマイナーチェンジ。後者は「真夏の夜の夢」(松任谷由実)は比較的原曲に沿ってスカ風味に、「風になりたい」(THE BOOM)はかなりテンポを落としたビートでリアレンジされるなど、様々なタイプでのアプローチが展開。これらと比較するとオリジナルの新曲6曲は小粒な点が否めませんが、久々のAOR風ミディアム「アマルフィ」や田川伸治、上海…ではなく(笑)山根公路の各ソロ、近年のアルバムの締めでは定番の王道バラード「ひまわり」などを取り揃えた盤石の内容でファンも納得の構成ではないでしょうか。「クロール」は避暑地でまったり聴きたい雰囲気でしたが、本作は晴天の海岸沿いをドライブがてら聴いてみたい作品ですね。

 Blu-rayは昨年8〜9月にかけて開催されたライブツアー、DEEN LIVE JOY-Break 19 〜全開恋心!!〜の開幕公演となったZepp Tokyoでの2Daysの2日目、8月29日の模様を全曲ノーカットで収録。初日に観に行った筆者の感想はこちら(収録日とは日替わり楽曲に違いがあり)。当時の最新アルバム「全開恋心!! 〜Missing You〜」から全曲+シングルカップリング曲をフルコーラスで演奏することに重きを置き、定番曲やアコースティックコーナーでの楽曲が日替わり、あるいはメドレーなどで簡略化されるなど、レコ発ライブに相応しい内容で、MCはおろかエンディング部分もほぼカットされてしまったのが残念ではありますが、従来のマンネリを打破する意欲も感じられ、コアなファンほど嬉しい内容。記録映像を残す、という意味でも、これからも最低限、ニューアルバムを引っ提げたツアーではこれぐらい新作を全面に押し出して欲しいものです(苦笑)。

2016年07月03日 13:09

yuzutowa 2016年1月13日発売、ゆず通算13枚目のオリジナルアルバム。シングル「OLA!!」「終わらない歌〔Album Version〕」、配信限定シングル「ポケット」「かける」「TOWA」を含む全14曲収録。初回限定盤としてライブCD+ドキュメントDVD+フォトブックを同梱した「COMPLETE BOX」も同時発売(本編CDの収録曲は同一)。

 公式特設サイトによれば、「これから世の中に出ていく新曲たちを、まずライブでファンの皆さんに聴いてほしい」ということで、収録曲をツアーで先行披露してからのアルバムリリースという流れだったそう。そんな本作ですが、「LAND」「新世界」と続いてきた賑やかなミュージックパーク的な雰囲気は引き続き継続。ゆずとの共同名義で前山田健一、蔦谷好位置、CHRYSANTHEMUM BRIDGE、そして寺岡呼人が各曲にサウンドプロデューサーとして参加しており、新旧の関係者が会したここ数年の路線の集大成的な印象も。

 アルバム収録曲はデジタルミュージックに接近した「かける」「TOWA」、オーケストレーションを導入した「みそら」、アコースティック+αの「いっぱい」「夕焼け雲」、バンドサウンドで固めた「た Ri ナ ぃ」「二人三脚〔Album Session〕」、アルバム中盤で登場するお馴染み(?)の「Interlude」など、相変わらずのバリエーションの広さの中、久々に原点たる二人のみの弾き語りフォーク調で締める「終わりの歌」が妙に新鮮…というのが如何に近年のゆずが攻めの姿勢を崩さない、というのを象徴している気もしました(笑)。

 ロックバンド路線、ストリングス路線、そしてEDM風など、弾き語りだけではない可能性を次々と試しサウンドを磨いてきた彼ら。これらはほとんど実を結び、「何をやってもゆず」という下地が既に出来上がりつつある昨今、先ほども書きましたが本作はまさにその集大成的なアルバム。果たして次の一手はどう来るのか、音楽性が変わりまくって興味の尽きないベテランというのも珍しいですが(笑)楽しみにしていたいと思います。

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