2015年09月

2015年09月27日 17:20

tmgetwild 2015年3月21日発売、同日と翌日の二日間にわたり横浜アリーナで開催された「30th FINAL」にて会場限定で発売されたTM NETWORKの限定シングル。表題曲のインストを含む全3曲収録の紙ジャケット製CD。約1ヶ月後の同年4月22日にはiTunes等で配信がスタート。その際に新たに1曲を追加して収録しています。

 表題曲の正式名称は「Get Wild 2015 -HUGE DATA-」。ご存知(?)「Get Wild」のリアレンジバージョンなのですが、オリジナル(1987年)、「〜'89」(1989年)、「〜techno overdub mix」(1993年)、「〜DECADE RUN」「〜DECADE RUN -112 CLUB MIX-」(1999年)、「〜DECADE RUN '99 Version」(2003年)、そして昨年発売された「〜2014」と、TM名義のスタジオ音源だけでも今回のリリースで実に8回目(他、ライブ音源は無数に存在)という、TMを語る上で切っては切れない代表曲なわけですが、この度は2014〜2015年の各全国ツアーで演奏されていたバージョンを「Get Wild 2014」をベースに再構築。4分を超える派手なEDMサウンドの長尺イントロが過ぎると、原曲の印象的なイントロフレーズが顔を出し、歌が始まると意外と原曲を尊重したパート演奏(リズムトラックは全然違いますが)が続き、最終的にはまた長いアウトロで締め…という、演奏時間11分超の大作ですが、その大半を構成するインスト部分も結構動きがあるのでそれほど長さを感じさせず聴ける作品に仕上がっています。

 2曲目は「Children of the New Century -FINAL MISSION- 〔Instrumental〕」。原曲は5thアルバム「humansystem」収録曲で、2013年のライブ「START investigation」のオープニングナンバー仕様のインストアレンジ。オリジナルよりもテンポを落とし、歌メロ部分は完全にカット。変わってイントロのリフを核に据えたこちらもバリバリのEDMサウンド。このイントロが始まるまで一体何の曲なのかが分からない、という、TMのライブの醍醐味を体感できる楽曲です(笑)。

 3曲目の表題曲インストを挟み、配信用に追加で収録されたのは「Just Like Paradise 2015」。こちらは「30th FINAL」のオープニングムービーと共に流された、8thアルバム「EXPO」収録曲のリメイク。構成を簡略化した上で、原曲のハウスサウンドを洗練させたタイプのリメイクで、宇都宮隆はほとんど歌っていないものの(苦笑)、木根尚登や葛城哲哉のコーラス、原曲で使用された女性のコーラスも引用され、高揚感が強まった印象。昨年から続くリプロダクション作品の中で、最後にして最高の出来のナンバーが登場した、と筆者は思っております。

 現在はそれぞれソロワークに戻った彼ら。一連の30周年の活動の締めくくりは11月22日発売の横浜アリーナのライブ作品で恐らく打ち止め。以前にも書きましたが、予想以上の充実した30周年でした。次にまたこの三人がTMで動き出す時を気を長くして(笑)待っていたいと思います。

2015年09月19日 19:59

jacket3 KANがポリドールレコード在籍期に発売された三作の映像作品「東京ライブ」「発明王」「孔雀だもの」。当時VHS/LDとしてリリースされたまま廃盤となっていたこれらの作品、長い時間を経て、この度ユニバーサルミュージックより復刻DVDとして2015年9月30日にリリースされることになりました。
 今回の「DVD Review Extra」では、これを勝手に(笑)記念して、発売される三作のレビューを行いたいと思います。「続きを読む」よりご閲覧ください。続きを読む

2015年09月12日 16:51

kaharaselection 2015年6月24日発売、「ALL TIME SINGLES BEST」と同時発売の華原朋美のデビュー20周年記念ベストアルバム。全15曲収録。初回限定盤には昨年開催されたライブ映像を収録したDVDが付属の2枚組。

 レコード会社3社の垣根を越え、華原朋美の全キャリアの中からシングルタイトル曲以外を公式サイトのファン投票で募って選曲した「オールタイム・リクエストベスト」という本作。時系列に沿った曲順ということで、いきなり「Just a real love night」「summer visit」と、小室哲哉からの愛全開(笑)の作品からスタートするのですが、その関係も3曲目の「Every morning」から雲行きが怪しくなり、理解し難い歌詞+実験的なサウンドで早くも迷走期に突入。その迷走の極みともいえる「needs somebody's love」を過ぎ、破局後の2000年作品「True Mind」では明らかにボーカルが不安定…と、6曲目まで聴いたところでこのアルバムちゃんと最後まで聴けるかな…と不安になってしまったのですが(苦笑)、その後は一気に5年後の作品に飛んだことで、「好きは世界一長い言葉」「運命の糸」の2曲は歌唱力の上昇を実感できて一安心(?)。ここまでの8曲が長期活動休止までの作品となります。

 9曲目以降は武部聡志をサウンドプロデューサーに迎えたセルフカバー「I'm proud -2013 Orchestra Ver.-」を皮切りに、活動再開後の2013年以降の楽曲が並びます。再開後は「DREAM -Self Cover Best-」(セルフカバー)、「MEMORIES」(邦楽カバーアルバム)を2作リリースにとどまり、オリジナル曲のリリースが無かった、ということで、カバー曲がズラリと並んだ構成に。「MEMORIES」シリーズをコンパクトにした内容とも言えるのですが、セルフカバーも含めて6曲も選曲されたのはファン投票の結果とはいえ、もっとオリジナル曲を収録して欲しかった…というのが正直なところ。最後にボーナストラックとして収録されたアップテンポの新曲「never give up!!」の出来の良さもそんな気持ちに拍車を掛けてしまいました。

 2枚組の「ALL TIME SINGLES BEST」が華やかなシングルヒストリーなのに対し、隠れた佳曲を集めた拾遺集、という趣の本作。構成は前述の通り若干物足りない感もありますが、2枚組にせずに1枚で20年の活動を収めたことでライト層にも訴求力のある作品だと思います。「ALL TIME〜」からもう一歩踏み込みたいリスナーの方にお薦め。

2015年09月06日 16:48

INOKASIRASUNAO ブログ開設当初からのコンテンツとして、管理人お薦めのアルバムをご紹介してきた「今週の1枚」。最初は毎週だったペースがいつしか月1回になり、やがて年3〜4回になり…と、この数年間どんどん緩やかなペースになってしまっていることを反省しつつ(苦笑)、今年初(…)の更新としてピックアップするのは、井乃頭蓄音団の初の全国流通盤(1stアルバム)「素直な自分」。久々のマニアックなアーティストのレビューにしばしお付き合いください(笑)。

 井乃頭蓄音団は、公式サイトの紹介によれば2008年に結成。本作には収録されていませんがJACCSカードのCMキャンペーンソングとして採用されていた「親が泣く」が代表曲といったところ。最初期は松尾遥一郎(Vo&G)と寺中イエス(Ba)の二人が中心になって活動する可変ユニットだったようですが、次第にバンドメンバーが固まり、2013年春までは上記二名の他、ジョニー佐藤(G)、ヒロヒサカトー(G)、とがしひろき(Dr)を加えた計五人が中心となった「ロックバンド」としての形態を取っていました。また、2011年4月6日にリリースされた本作では同列でのメンバー扱いとして沙知(Key&Cho、現・ハリネコ)やTHEラブ人間の谷口航大(G…とクレジットには書いてありますがバイオリンでは?)なども参加。なお、本作のCD盤は既に販売終了。現在はダウンロードでの音源販売にシフトしています。

 そんな彼らの作風、王道を行く「フォークロック」なバンドサウンドと反比例するかのように、とにかく歌詞のテーマが強烈。本作帯の作品紹介を引用すると「郷愁・愛・性・友情…普遍的なテーマでありながらも、オブラートに包むことなく、直接訴えかけてくる心の叫び」。その内容はほぼ全ての楽曲を手がける松尾の私小説風な歌詞が多いのですが、上京して売れない現況を故郷の親に話せない「帰れなくなるじゃないか」、失踪や逮捕、この世を去った友人達のことを想う「ともだち」、別れ歌の「さよならと言ったわけ」「会いたくて仕方ない」、そして本人の性癖(?)を赤裸々に綴った「夏子さん」「公衆便所で」…等々、綺麗ごと一切なし、赤裸々に吐き出されるリアルな感情を込めた作品が並んでいます。

 このリアル感が実に痛々しい…のですが、これを「カッコ悪い」と思わず、タイトル曲の「素直な自分」をはじめ、むしろちょっと共感をしてしまうのは、彼の描く詞の内容に筆者が当てはまる部分があるからなのかも(苦笑)。また、「今の自分が駄目なのは世の中が悪いからだ」的な主張や「こんな惨めな自分に同情してくれ」的なフレーズがなく、あくまで自分と向かい合った結果出てきた自虐的な世界観をメロディーに乗せて歌う、という作風だからか、自虐的なのに聴いていて不快な気分にならない(引いちゃうようなエグくて下品な表現は多々ありますが・苦笑)詞の世界を、シンプルながらダイナミックなバンドを従えて歌うというスタイルは好印象を受けました。

 そんな井乃頭蓄音団、本作発売から4年を経過する間に寺中、とがし両氏の脱退、新メンバーの加入があり、現在のメンバーは四人。この後ライブアルバム1枚、本作で感じた「癖」を意図的に減らしたオリジナルアルバム1枚をリリースと地道な活動が続いており、一部の愛好家(?)には知られているものの、まだまだアングラなバンドという印象が漂う彼らですが、最近では渋谷のB.Y.Gやフジロックにも出演し、今年末には渋谷WWWでワンマンが決定しているなど、少しずつその知名度を広げつつあるようです。かくいう筆者も彼らのライブには何度か観に行ったことがありますが、失笑しつつもなぜかスッキリした気持ちになって帰路につく、という経験が結構病みつきです(笑)。万人に受けられるタイプのアーティストでは決してないとは思いますが、他に類を見ない彼らの作風、もっと世の中に浸透したら嬉しいですね。

記事検索
Recent Comments
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Archives
Profile

SASA

  • ライブドアブログ