2015年07月

2015年07月26日 15:22

fujimaki2nd 2015年5月13日発売、現在活動休止中のレミオロメンのボーカリスト・藤巻亮太のミニアルバム。全6曲収録。初回限定盤には藤巻自身が撮影した写真集が付属。

 2012年10月にソロデビューアルバム「オオカミ青年」リリース後、ライブ活動はあったものの、その後のリリースが滞り、その間の藤巻は海外に登山に出かけたり、写真を撮影したり…と、約二年もの間ミュージシャン的な創作活動の話がまったく聞こえてこず、「藤巻亮太は一体何をやっているんだ!」と若干憤りを感じていたのですが(苦笑)、昨年秋に2008年までレミオロメンとして所属していたSPEEDSTAR RECORDSに復帰し、配信限定シングル「アメンボ」、そして12月にはシングル「ing」をリリース。そして本作はミニアルバムながら約二年半ぶりのアルバム作品。なお、「アメンボ」や「ing」の収録曲は今回は収録されず、全6曲すべてが初の音源化となる楽曲となります。

 前作は比較的ロックバンド的なアプローチの曲が多く、ギターロックから始まってピアノやストリングスを潤沢に使用したポップなサウンドへの移行を経て、「音楽性を一回りして戻ってきたレミオロメン」というイメージがあったのですが、本作に関しては前作のバンドサウンドを踏襲しつつも、ミディアムやバラードが中心ということもあり、割とポップ寄りでしょうか。藤巻本人が単独で全曲のアレンジを担当し、ギターのみならずベースやシンセを弾いている曲もありと、本人の成長が窺えるのが嬉しいところでもあります。
 楽曲制作について本人自身はインタビューなどで語るところによると「レミオロメンとソロとの差異を図ることに悩んでいた」、ということですが、本作はそこにうまく回答を見つけられたと語っており(大意)、実際に「旅立ちの日」や「名もなき道」など、過去の日々に手を振ってこれからの道を歩んでいこう、という決意を感じられる曲も収録され、ようやく吹っ切れたのかな、とひと安心(?)したり。斬新な驚きはないですが、楽曲、アレンジ、歌声と共に、以前よりも安定感を感じることができました。

 改めてソロミュージシャン・藤巻亮太の再始動宣言のミニアルバム、といった趣。本作に至るまでに空白期間が開きすぎたこともあってか、話題性としてはかなり厳しい現状であり、今後は如何に従来のファン以外に向かって自分の音楽を発信していくか、というのが課題になるのではないかと思います。筆者としては本作に収録されているヴァンフォーレ甲府の応援歌として書き下ろされた、彼の中では珍しいシンガロングタイプの「ゆらせ」という曲がちょっと新鮮であり、こういうタイプの曲も書けるんだ、と思いましたので、まだ新しい切り口が彼の中には幾つかあるのではないか…と期待しています。

2015年07月18日 14:58

kaharasingles 2015年6月24日発売、デビュー20周年を記念してリリースされた華原朋美の2枚組ベストアルバム。全30曲収録。初回限定盤には活動初期と後期を中心に収録したMV集DVD「SINGLES MUSIC VIDEO COLLECTION」が付属。

 本作はデビュー当時のORUMOK(パイオニア)、1998年より移籍のワーナー、そして現在所属のユニバーサルの各社レーベルの垣根を越え、これまでリリースしてきた全シングルA面曲を時系列順にコンプリート収録したオールタイム・ベストアルバム。2006年に発売された「華」「Keep On Running」「あのさよならにさよならを」の3曲、そして最新シングル「はじまりのうたが聴こえる」がアルバム初収録。さらに2枚目の最後に書き下ろしの新曲「Long way to go」が収録されています。

 まずDISC 1は1995年〜1999年までのシングルを収録。小室プロデュースの新人(恋人)として「keep yourself alive」でデビュー、「I BELIEVE」「I'm proud」「Hate tell a lie」等々、ミリオンセラーを連発してTKファミリーのトップに立っていた、このディスクの中盤まではまさに名曲の連発。小室も気合を入れて彼女のシンデレラストーリーを詞の面からも強力にプロデュースしており、ああ、この頃は二人とも順風満帆だったのだな、と思うことしばし(苦笑)。ただしディスクの後半「たのしく たのしく やさしくね」辺りに差し掛かると、徐々に実験路線の楽曲が目につくようになってしまうわけですが、今改めて聴くとサウンドメイク的にはそれほど突飛ではないのかも。この時期の迷走の一因は彼女の不安定なボーカル、そして誰が歌っても上手く歌えなさそうな怪奇なメロディー、さらに支離滅裂な歌詞にあったのではないでしょうか^^;。
 …やがて二人は破局し、小室プロデュースから離れて「as A person」なる本人作詞の恨み節(?)が登場。続く同じく本人作詞の前向きポップス「be honest」という、とりあえずひと安心といった形で本ディスクは締められていますが、振り返るにこの時期の彼女の状態は相当不安定だと思われ、聴いていて痛々しいものも感じてしまいました。

 DISC 2は2000年〜2006年まで、そして復帰後の2013年以降のシングルを収録。海外に留学したり、バラエティ番組に出演するようになったり…と激動の時期にあたりますが、楽曲は様々な作家からの提供によって定期的にリリース。バラード曲の割合が比較的多めなものの、「Keep On Running」のようなアップテンポナンバーや、肩の力を抜いた「あきらめましょう」といった個性的な曲もチラホラ。中でも中島みゆきが作詞作曲を手掛けた「あのさよならにさよならを」は頭ひとつ抜けている印象。歌唱力もリリースを重ねるごとに上昇していることを実感できます。しかし、歌詞のテーマは大きく分けて「過去の失恋を振り返る」系か「前向きに明日に向かって生きてゆく」系の二つが占めているのは戦略だとは思いますが、ちょっと狙い過ぎの気も。
 さて、復帰後のシングルは2曲。復帰作の「夢やぶれて-I DREAMED A DREAM-」と、約9年ぶりのオリジナル作品となった「はじまりのうたが聴こえる」。後者は作詞が華原、そして作曲が小室(プロデュースは復帰作以降と同じく武部聡志が担当)という、まさかのコンビ復活作は、小室らしいメロディーの良曲。そして新曲の「Long way to go」も未来へ向かっての決意を表明したオーケストラバラードで、約3時間に及ぶシングルヒストリーに幕を下ろすのには最適な楽曲だと感じました。

 ORUMOK期のみのベストや、ワーナー期までを収めたベストは今までもありましたが、紆余曲折を経て辿り着いた彼女の現在までを一気にさらえるという意味では待望の決定盤としてお薦め。なお、同日にはシングル表題曲以外の楽曲をファン投票を基に選曲した「ALL TIME SELECTION BEST」も発売。こちらのレビューもいずれ機会を見て行いたいと思っております。

2015年07月11日 20:17

tacicalocus 2015年5月27日発売、tacicaの通算5枚目となるオリジナルアルバム。シングル「HALO」「LEO」を含む全10曲収録。販売形態は通常盤CDの他に、7インチサイズの紙ジャケット仕様+Tシャツを同梱した完全生産限定盤が存在します(CDの収録内容は同一)。

 tacicaは2005年に結成された北海道出身のロックバンド。インディーズ活動を経て2008年にSME Recordsからメジャーデビュー。2014年1月にドラマーが脱退し、現在のメンバーは猪狩翔一(Vo&G)、小西悠太(Ba)の二人。本作は約1年10ヶ月ぶりのニューアルバムとなり、その間にリリースしたシングル「HALO」は三人時代の楽曲ですがアルバム収録に際しての変更などは無い模様(但し、元ドラマーの演奏クレジットは無表記)。他の9曲のドラムスに関してはサポートドラマーを起用して録音。プロデュースはYUKIやいきものがかりなどの楽曲アレンジを手掛ける湯浅篤が担当しています。

 彼らの持ち味…というか最も特徴的な部分を挙げるとすれば、何と言っても「言葉」でしょう。他のアルバムは未聴なので断言はできませんが、本作に限れば猪狩の書いた全10作の歌詞の内容、どの曲も抽象的過ぎて文学、哲学の域を超えて難解で訳が分かりませんでした^^;。明確なストーリーを描くのではなく、モノローグを思わせる文節を多く見受けたのですが、比喩や暗喩らしきものを散りばめ、リスナーに解釈を委ねていると思われるこの作風がtacicaの強烈な個性なのかも…と思いました。
 そんな難解な「言葉」とは逆に、「楽曲」のほうはかなりシンプルで明快。どこか哀愁を漂わせるメロディーに、ギター+ベース+ドラムスのスリーピースで演奏陣は完全に固定。ギターの音は重ねていたり、演出的にノイズを挿入したりという箇所はあるものの、イメージとしては一般的な認識としてのBUMP OF CHICKENやASIAN KUNG-FU GENERATION辺り、といった感じで、ギターロック系としては分かりやすい部類のバンドだな、という印象。

 「LUCKY」のような爽快なビートロックや、メロディーが美しい「幽霊のいない街」など、聴いていて「おっ!」と思った曲もありましたが、筆者としてはあまりにも歌詞が理解できなくて…という意味では嵌まることは出来なそう(苦笑)という感想を抱きました。相反する「言葉」と「楽曲」のミスマッチを楽しめるか、という意味で好き嫌いが分かれそうな作品であり、バンドであるかな、と。

2015年07月04日 18:40

goingoretabi 2015年5月16日発売、GOING UNDER GROUND通算6枚目の2枚組ライブDVD。販売は公式サイトの通販「松本屋」ならびにライブ会場のみの取り扱いとなっているそうです。なお、通販の注文、ライブ会場での販売にはそれぞれに収録曲違いの2曲入り未発表楽曲収録CDが付くとのことですが、通販のほうはCDの取り扱いは既に終了しているようです。

 年跨ぎのライブツアー「OReTABI 2014〜15」最終日、2015年1月31日、渋谷公会堂にて開催されたワンマンライブの模様を全曲完全収録。この公演をもってドラムスの河野丈洋が脱退する卒業ライブということで、チケットは公演数日前にソールドアウト。筆者も都合がつけば行きたかったのですがギリギリでチケットが取れず、ニコニコ動画での生中継は見られたものの、本公演の販売を心待ちにしていたので無事リリースの運びとなって何より。DISC 1は本編20曲、DISC 2はアンコール4曲+特典映像が収録されています。

 演奏曲目はかなり間口を広く取っており、セールスがピークの頃のベスト盤「BEST OF GOING UNDER GROUND with YOU」からは実に16曲中13曲がピックアップ。ベスト後の各アルバムからも数曲選ばれており、まさにGOINGのヒストリー・ベストな内容。河野のラストライブということも考慮したのか、彼の手掛けた楽曲が結構多めで、「アゲハ」や「南十字」、「9th Route」などで部分的に朗々とメインボーカルを務める曲が披露されると、ああ、今日でこの姿も見納めなのだな…と感傷的になってしまったりしますが、全体のライブ演奏は盤石そのもの。オーディエンスの声や拍手もやや小さめとは言えマイクで拾っているので臨場感があります。なお、アンコールでは元メンバーでキーボードの伊藤洋一が3曲登場し、「ボーイズライフ」など、往年の名曲をプレイ(そのアンコールの「ハートビート」でベースの石原聡が少々ミスっているのはご愛嬌?苦笑)。久々に「5人のGOING」が数曲ですが揃う見せ場も用意されており、今までの彼らの集大成ライブとして見応えのある内容になっています。

 さて、本DVDを観て思ったこと2つ。ひとつはサポートで入ったキーボードの橋口靖正について。伊藤が抜けた後のGOINGのキーボードのサポートは固定というわけではなく、数人で回しているようですが、彼は映像や演奏を観る限り、五人時代の彼らのキーボードパートをかなり忠実に具現化+独自のエッセンスを少々、という弾き方をしており、劇的なアレンジを加えることなく「当時」の演奏の空気を再現。また、曲によってはキーボードのスペースでエレキを手にして演奏したり、後方で観客を盛り上げたりと、出過ぎず引き過ぎずの、これぞサポートの鑑!といった支え方、非常に好感が持てました。
 そしてもうひとつはボーカルの松本素生。過去のDVDでは「ハミングライフ」(武道館)、「TWISTER」(伊藤洋一卒業ライブ)では涙ぐんで歌えなくなったり、泣き崩れて演奏どころじゃない場面を見てきたので、今回に関してはどうなるか…と思っていたのですが、上記2曲もしっかり前を向いて歌い、他の曲でも感極まる表情はあってもしっかりと歌い切り、笑顔で終演を迎えたあたり、彼も大人になったというか、MCでは若干強がりながらも(笑)次のステップへとちゃんと視点が定まっているんだな、と感じました。正直、伊藤脱退後のGOINGは迷走を続けていた感があったのですが、河野が抜け、三人となった彼らの次なる一手に期待したいところです。

 なお、特典映像には当日のドキュメンタリー映像(約14分)が収録。前半は松本、後半は河野のインタビュー中心の構成になっていますが、印象に残ったのは終演後のインタビューでメンバーにダメ出しする河野(苦笑)。GOINGの司令塔的なイメージのある彼でしたが、最後の最後までそのスタンスは変わることなくバンドを去っていったのは、彼らしいかな、ということで(笑)。

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