2014年08月

2014年08月30日 12:13

selected_best 2014年1月22日発売、2010年元旦に2枚同時リリースされたデビュー20周年記念ベスト「Best LIFE」「Best LOVE」の中から13曲をセレクトして収録したベストアルバム。日本全国の高速道路PA、SAでの販売がメインですが、一部地域のサークルKサンクスでも販売されているようです(筆者は旅行先の宮城県のサンクスで入手)。

 いわゆる高速道路での売店専用流通CDとして企画されたと思われる本作ですが、販売・発売は原盤制作のエイベックスが引き続き担当。槇原本人の公式サイトにもリリース告知がされるなど、公認作品のようです。選曲は「Best LIFE」から6曲、「Best LOVE」から7曲とほぼ半分ずつ。曲順も新たに組み直され、歌詞カードは原盤のセルフライナーノーツやスタッフクレジットこそないものの、歌詞掲載部分は原盤のレイアウトを色付きで再現しているなど、細かい拘りが感じられます。

 さて、「LIFE」「LOVE」からのセレクト基準ですが、ワーナー、ソニー、東芝EMIと、様々なレコード会社を渡り歩いてきた彼の作品をレーベルの壁を越えてまとめた2枚のベスト盤の中から、当時在籍のエイベックスが権利を持つ曲を12曲(残りの1曲「遠く遠く'06」のみは東芝EMI版権を例外的に)収録し、「エイベックス期(2007〜2010年)の槇原敬之ベスト」としてまとめ直した印象。原盤発売当時にリメイク済みだった「もう恋なんてしない'08」や、原盤の売りでもあった「どんなときも。」「冬がはじまるよ」「世界に一つだけの花」といった往年のヒット曲をリメイクした「Renewed」も8曲中7曲選ばれており、オリジナル音源ではないものの、耳馴染みのある曲が並んでいます。
 以前から何度か書いている通り、筆者は90年代の彼の作品を中高生時代に愛聴した身であることもあり、「LIFE」「LOVE」ではやはり後者のほうに思い入れがあったのですが、本作はいわゆる「ライフソング」「ラブソング」のカテゴリを取り払い、上手くシャッフルして1枚に収めており、代表曲の他、「君は僕の宝物」「LOVE LETTER」のような隠れた名曲、「GREEN DAYS」「君の後ろ姿」などの近年の楽曲が取り揃った点では、実は2枚のベストを別々に聴くよりも聴きやすいかも・・・と感じました。

 「Best LIFE」「Best LOVE」がありきの作品であり、この2作を持っていれば特に所持の必要のない抜粋ベストではありますが、代表曲のリアレンジたっぷり&近年のシングル曲+αを1枚に収めて2,000円ちょいというのは、ネットには流通しておらず手に入れるのに少々手間がかかるという難点を差し引いても、90年代の彼の作品は聴いていたけど最近は…というリスナーにとっては買って損はないかも。ヒット曲もある程度揃っているので、ドライブのBGMにも適していると思いました。

2014年08月23日 14:15

yuzusinsekai 2014年2月19日発売、ゆずの通算12枚目となるオリジナルアルバム。シングル「友 〜旅立ちの時〜」「雨のち晴レルヤ」「守ってあげたい」「表裏一体」「ヒカレ」を含む全15曲収録。初回限定盤には未発表ライブ&デモ音源(2曲)を収録したCDが同梱。なお、本エントリーは通常盤のレビューとなります。

 前作「LAND」からわずか9ヶ月でリリースされた本作。ここ近年のゆずのオリジナルアルバムのリリースペースは2年に1作ぐらいだったのでこのスパンの短さには驚かされました。そんな今回のテーマは「懐か新しい」とのことで、従来のアコースティックなゆず像と、近年積極的に行っている若手ミュージシャンと組んでの新境地を組み合わせたアルバムだと思います。前者は「よろこびのうた」「素顔のままで」など、アルバム「FURUSATO」辺りからの付き合いである蔦谷好位置とのタッグによるアコ主体のナンバー、後者は前山田健一との「ユートピア」や、サウンドプロデュースチーム・CHRYSANTHEMUM BRIDGEとの「レトロフューチャー」などのデジタル色の濃いナンバーが顕著。
 ゆずの単独プロデュース作もありますが、こちらは「Ultra Lover Soul」のような弾け系から「四間道路」のようなフォーク調のものまでバラエティ豊か。各楽曲としては積極的に新しい方向に進もうとする北川悠仁、初期のゆずの作風から逸脱しない岩沢厚治、という両者の攻守のバランスは相変わらずですが、「LAND」ほど各担当楽曲数の偏りもなく従来通り、といった感じ。

 アルバム全体的な印象としては、前作同様賑やかで、良くも悪くもまとまりの無さを感じさせる1枚。2000年代中盤あたりからデビューから関わっていたプロデューサー・寺岡呼人の手を少しずつ離れ、音楽的にどんどん自由になっていたゆずの行き着いた先、という気もするのですが、活動年数的にはもはやベテランと言ってもいい彼らが、落ち着くことなく新たな音楽を模索する姿は、日本の音楽界では稀有な姿勢だと思うので、今後ともマンネリとは無縁の新世界を切り拓いてもらいたいものです。ただひとつ、「懐か新しい」を掲げるのならば、ストリートミュージシャン出身という出自を活かした二人だけの演奏の曲も1曲ぐらい欲しかったところでしょうか。

2014年08月17日 17:05

skyline 2014年3月11日発売、シンガーソングライター・今西太一と、ピアニスト木村ゆかがタッグを組んだファーストアルバム。ボーナストラックを含む全13曲収録。販売は今西太一の公式サイトやライブ会場で行っているようです。

 この二人が音楽活動を共にするようになってから既に14年とのこと。過去に今西太一のレコーディングに木村ゆかがピアノで参加、というCD作品はあるものの、この二人の名義で作品をリリースするのは今作が初めて。曲目は「スカイライン」や「どうでもいい詩」、「HELLO」などの初音源化された曲もありますが、「四条河原町」「しゃがれたトロンボーン」「ランドリー」「春だよ」「私は祈る」など、今までのキャリアの中から選ばれた曲をリ・レコーディングしたものが大半。ラストに木村ゆか作曲の14小節のピアノソロ、その名も「14(instrumental)」で締めるという構成になっています。

 そんな本作、クレジットでは今西太一はアコギも担当していますが、実際アコギが登場する曲は3曲で、他の作品では純粋なボーカリストとして登板。そのせいなのか、普段アコギを掻き鳴らし、何かと戦っているような雰囲気(例えるなら忌野清志郎のような)を醸し出すいつもの彼とはまた違う、少年性のようなものを感じるボーカルが多い印象。50歳を間近に控えた壮年の男性にそういう表現をするのも何なのですが(笑)、木村ゆかが担当するピアノ、アコーディオンの優しい響きとの相乗効果なのか、彼の穏やかでピュアな表現部分を垣間見た思いです。一押しは「秋冬歌」。

 前作「GOD SAVE THE TAICHI」とは異なり、フルカラーの歌詞ブックレットに、木村ゆかによる1曲ずつのライナーノーツも掲載。そして本作は何といっても通販で扱ってくれたのが一番ありがたい(笑・前作はライブ会場限定発売だったので…)。インディーズシーンのCD制作も色々大変なのかもしれませんが、こうして作品としてリスナーの手元に残るのは嬉しいことだと改めて実感しました。

2014年08月10日 13:33

spacebrothers 2014年7月23日発売、2012年4月から2年間にわたって放映されたTVアニメ「宇宙兄弟」でオンエアされたオープニング・エンディングテーマ16曲+ボーナストラックとして今週末より公開のアニメ映画「宇宙兄弟#0」の主題歌「早口カレー」を加えた全17曲をCD2枚に収め、さらにノンクレジットのオープニング&エンディング映像を収録したDVDが付属の3枚組。

 1クール(3ヶ月)ごとに主題歌が変わった本作、ということで、2年間のオンエアでオープニングもエンディングも8曲ずつ。起用されたのはソニー系列のアーティスト達で、ユニコーンや真心ブラザーズのような大御所、スキマスイッチ、アンジェラ・アキ、秦基博などの実績のある中堅、カサリンチュやSerenaなど2010年代前後にメジャーデビューのニューカマーまで、実にバラエティ豊かな16組。曲のほうは作品世界を直接的に描いたものもあり、間接的なイメージで作られたものもあり、まったく作品内容と関係なさそうな曲もあり(苦笑)…なのですが、どれも親しみの沸く曲達であり、アニメや原作漫画を知らなくても、ソニーのアーティストカタログになりそうなCDだと思います。ただ、しょっちゅう主題歌は変遷していったので、どの曲が「宇宙兄弟といえばこれ!」かと言われるとちょっと考えてしまうのですが、ここは第1期の「Fell So Moon」(ユニコーン)と「素晴らしき世界」(Rake)の2曲を推しておくとしましょう。
 また、ボーナストラック「早口カレー」はユニコーンの作品で、既に彼らのオリジナルアルバムにも収録されているそうです。タイトルの奇抜さとは裏腹に牧歌的な楽曲で、映画のほうでどう使われるのかが楽しみです。

 DVDのノンクレジットのオープニング、エンディング映像は上記の16曲をTVサイズで収録の約25分。意外とテロップに気を取られて、オンエア時に見られなかった細かい映像部分もしっかりと見えます。初期は(特にオープニング)コミカルな路線なのですが、話が進むに従って新キャラが登場したり、真剣な表情の描写も増えていったり…中には南波兄弟のプロモーションビデオみたいな映像もあります(笑)。そんな中で印象深いのは物語がハードな方向に向かっていった中で一服の清涼剤的だった「グッバイ・アイザック」(秦基博)、同じくシリアスな時期に流れた「HALO」(tacica)の2曲といったところ。

 厚めの三方背ボックスケースに、中のプラケースにも描き下ろしのジャケットイラスト、歌詞の他にも各アーティストの細かい紹介文、アニメスタッフのクレジットなども事細かく記載されたブックレット、おまけのキャラクターステッカーなど、ファンサービス満載の仕様になっているので、「宇宙兄弟」ファン必聴の作品。来年1月末までの半年間の期間限定生産とのことなので、ファンの方はお買い逃しなく。

2014年08月02日 14:18

aikoawa 2014年5月28日発売、aikoの通算11枚目のオリジナルアルバム。シングル「4月の雨」「Loveletter」「君の隣」を含む全13曲。初回限定盤は恒例のカラーケース仕様に特典トークCDが付属。今回のレビューは通常盤になりますが、通常盤に数量限定で初回限定盤とは別の内容のトークCDが付属するそうです。

 本作はメジャーデビュー以来の長い付き合いのアレンジャーである島田昌典が全編曲を手掛けたこともあり、彼らしくピアノを軸にしたポップロックな生演奏で全編を統一。ストリングスがスリリングな効果を出している既発シングルの「Loveletter」、ブラスが彩りを添える「距離」「遊園地」など+αな要素を見せつつ、捻ったメロディーラインを駆使して歌い上げるという、突出したキラーチューンはないものの、実に「いつものaikoらしい」安定したアルバム。前述のようにピアノが全編をリードする中、1曲だけピアノを使っていない「大切な人」という曲は新鮮に聴こえました。こういった空気の違うアレンジの曲ももう数曲欲しいところかも。

 ・・・と、ここまでは毎度のaikoのアルバムレビューの口調になってしまいましたが(苦笑)、固有名詞が続いた最近のオリジナルアルバムタイトルから一転して、今回は余韻を残すタイトルが気になり、歌詞カードをじっくりと読んでみると…今回の全13曲中、順調に恋が進んでいる曲は辛うじて「君の隣」ぐらいで、別れた彼を思い出す「明日の歌」から始まり、許されない(?)恋心を描いた「染まる夢」、付き合いながらもどこか諦念を感じさせる「あなたを連れて」「サイダー」、破局後の未練をぶちまけた「透明ドロップ」、トドメはタイトルから察してくださいの「卒業式」でラスト…と、恋愛をテーマにしているのは彼女の楽曲の常なのですが、本作はかなり切ない愛の形(男の身からするとちょっと引いちゃうような詞もありますが・笑)を描いた楽曲が全編に渡って展開されている印象。メロディーよりもアレンジよりも、本作は詞の面からリスナーに強いインパクトを与える曲の多いアルバムだと思いました。

 aikoとしては恐らく初の特典複数商法が導入され、本編の内容とは別のところでの批判も伝え聞きますし、この売り方は残念ではあるのですが、本編に関してはここ近作で一番好感触の作品でした。

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