2014年06月

2014年06月28日 11:27

tmdress2 2014年4月22日発売、TM NETWORKのセルフ・リプロダクション・アルバム。昨年のライブツアーで会場限定販売されたCDに収録されていた「I am 2013」を含む全10曲収録。

 1989年にリリースされたリプロダクション・アルバム「DRESS」から実に25年の時を経ての第2弾。本作の制作発表当初には仮タイトルとしてまったく違うタイトルが付けられていたので、まさかここに来て「DRESS」の名前を冠するアルバムがリリースされるとは思っていなかったのが正直なところ(笑)。コンセプトとしては海外のプロデューサー陣にボーカルトラックを除く全てを作り変えるように依頼した前作とは異なり、今回は小室哲哉自身が全曲のリアレンジを担当。ボーカルも新録の完全新作となっています。なお、意図的なのか、「I am 2013」以外、この度選曲された9曲はすべて1984〜1988年にリリースされた楽曲(つまり選曲範囲は「DRESS」と同じ時期)となっています。

 さて、今回新たに生まれ変わった楽曲群。一言で言うと…イントロが長すぎる!!(苦笑)各曲イントロ2分超えなどザラで、おかげで7分超えと8分超えの曲がそれぞれ3曲ずつあり、全10曲にも関わらずトータルタイム71分という長編作品に…というのは一応理由があり、本作はつい先月終了したばかりの30周年ライブツアーのライブアレンジをCD音源としてリリース、というコンセプトだそうで、まあそれならステージ転換などでの時間繋ぎとしてはこの長尺イントロ&間奏アレンジも納得なのですが、あくまでこれは「CD作品」なわけで、ただ延々と音だけを聴かされるのは正直辛い部分があったので、CD向けにもっと短めにエディットしてくれても良かったんじゃないか、と思いました。

 …と、イントロだけでここまで語ってしまいましたが(笑)、各楽曲のアレンジは全編EDM調で徹底で、バラード曲は一切なし。先日小室哲哉もソロアルバムでEDM作品を発売しましたし、自然な流れだと思います。曲順はヒット曲が前半に集められ、後半は「Rainbow Rainbow」「Accident」「永遠のパスポート」といった初期の佳曲が並んでいます。「Get Wild」のリメイクはこれでもう何度目か、という気もしますが、各楽曲とも長いイントロを抜けて歌が始まれば、原曲のアレンジのフレーズを活かしたり、メロディーを潰さずに歌モノとしてもしっかり聴ける内容になっているので、コアファン向けの要素はありつつも、意外にも(?)1999年の活動再開後の作品の中では一番の良作品かも。ただし、これはEDM云々よりも、「メロディーラインを活かしているアレンジ」という点での評価。今後おそらく発売されるオリジナルアルバムで、過去の名曲のようなメロディーを作り上げられるかどうか、がファンとして一番気になるところです。

 なお、本作と同日にはニューシングル「LOUD」が発売。「DRESS2」と併せて30周年アニバーサリーイヤーのスタートとしては順当な滑り出しといったところ。アニバーサリーが終わる来年の4月までに次のアイテムのリリースもあると思うので、それを期待半分、不安半分(笑)で、楽しみに待ちたいと思います。

2014年06月22日 13:25

deensummer 2014年6月11日発売、DEEN初の洋楽カバーアルバム。ボーナストラックとして収録された「瞳そらさないで」の英語バージョンを含む全9曲収録。初回生産限定盤はライブDVD+歌詞カードを兼ねたオールカラーフォトブックレット付きのトールサイズパッケージ仕様。

 DEENの近年の夏の活動の定番となっている「リゾートライブ」に焦点を合わせたかのような本作。この度選曲されたのは70年代末〜80年代を中心とした、ビーチ・ボーイズやビージーズなどの往年の名曲の数々。それらの曲をアコギや爽やかなコーラスワークで構成したアレンジは、同じくリゾートライブ用のアルバムとして制作された2010年夏の「クロール」と同一のコンセプトを感じさせます。今回は「So Much In Love」ではカサリンチュ、「Lucky」では彩葉をゲストボーカルとして迎え、池森以外のメンバーもボーカルとして目立つような出番が用意されているのが特徴でしょうか。全体的に「クロール」同様、真夏の暑さの中でというよりも、それこそリゾート地のような涼しい場所で聴きたいアルバムだと思いました。中でもメンバーのコーラスを存分に活かした「How Deep Is Your Love」がお気に入りです。ただ、「瞳そらさないで」の英語バージョンは以前のリメイクアレンジを再利用してボーカルだけ英語で録り直したようなので、トラック的に変化は欲しかったところですが…。

 ところで選曲に関してですが、本作の謳い文句に「あの頃がよみがえる」とあるのですが、現在のDEENのメインのファン層は私ぐらいの30代中盤〜アラフォー世代ぐらいだと思うのですが、今回選ばれた曲は聴いたことはあっても、青春時代とはほとんどリンクしない曲ばかりで、筆者の世代よりもだいぶ上の世代の「あの頃」を意識したような節があります。最近では上海ロックスターやライブの振付など、固定ファンをターゲットにした(と思われる)活動が目立っていた彼らですが、今回はナタリーのインタビューで全曲解説もしていますし、少なくともコアなファン世代以外に向けてのアピール的な選曲、プロモーションをしてくるとは意外でした。

 DVDは年跨ぎで行われた最新ライブツアー「DEEN LIVE JOY-Break18 〜CIRCLE20→21〜」の最終日、2014年3月9日の中野サンプラザでの公演を抜粋して収録(約72分)。こちらはアルバム「CIRCLE」収録曲を中心に、「このまま君だけを奪い去りたい」などのどうしても外せない代表曲、そして当日のみのダブルアンコール曲「Birthday eve〜誰よりも早い愛の歌〜」など、全16曲(メドレー含む)が選ばれています。
 中野サンプラザ公演が映像化されるのは2011年のBreak15以来ですが、その時よりもVTRの数も増え、カメラワークも良くなって、迫力のライブ映像が楽しめる作品になっていると思います。また、当日私もライブに参加しており、ライブレポートにも書きましたが、2人のホーン隊がステージを盛り上げる様子もバッチリ収録され、DEENと他のサポートメンバーも含めた「7人の大所帯バンド」としてのステージが映像作品として世に出たのは嬉しいところです。欲を言えば、これから演奏されなそうな「永遠のジャンヌダルク」や田川伸治のソロ「Twist of fate」も収録して欲しかったのと、長時間作品にも関わらずメニュー画面が存在しないのは何とかならなかったのか…ということぐらい、でしょうか(苦笑)。

 ライト層を狙った本編CD、コアなファン向けの特典DVDと、相反する二つの組み合わせの本作。とりあえずコアファンな私としては、DVDをリピートして観まくっています(笑)。

2014年06月14日 13:37

fkora 2014年3月26日発売、マクロスシリーズ放送開始30周年を記念したコラボ企画作品(正確には30周年は2012年10月からの一年間だと思うのですが…)。歴代のマクロスシリーズの楽曲を最新作「マクロスF」(以下「F」)のキャラクターを演じる声優達がメインでカバーを務めるデュエット集。ボーナストラックを含む全10曲収録。

 収録曲は、「F」のドラマCDに収録されていた各カバー曲の再録(一部ボーカル変更有)も含まれていますが、半分以上が新録作品の模様。歴代楽曲には新たにアレンジャーを迎えており、原曲からかなり印象の変わった曲もチラホラ入っています。ボーカルの面々に関しては、「REMEMBER 16」ではオリジナルを歌唱した「マクロス7」の福山芳樹が、「アイモ〜鳥のひと」では「マクロス ゼロ」に出演の南里侑香がそれぞれ参加していますが、本編の他の楽曲は「マクロスFのキャラクター同士の組み合わせ」のデュエットに終始しているので、作品(時空?)を超えたコラボ、というよりも「F」のオールスターによるお祭りボーカルアルバムといった要素が濃く、あくまで「F」ファンターゲットのアルバムであり、もうちょっと本格的に他作品とのコラボを増やして欲しかったかな、とは思います。

 とはいえ、各曲それぞれに様々なデュエットで、劇中では絶対になさそうな(笑)組み合わせもあり、特に原曲のアイドルポップスから勇ましく変貌を遂げた「小白竜」、ハモリも含めて一番デュエットらしい「突撃ラブハート」などは気に入りました。正統派から色物系まで選曲の幅は広いですが、本作では飛び道具的な「0-G Love」などは狂気スレスレのデュエットに耳が奪われそうですが(苦笑)、バックトラックも本格的に作ってあるところは好印象です。

 なお、ボーナストラックは豊口めぐみの驚異の一人二役デュエット(厳密には違うのですが)「ライオン」、そして1997年リリースの飯島真理と桜井智のコラボシングル「Friends〜時空を越えて〜」の2曲を収録。「F」中心の作品ながら、最後の最後で「F」と関わりのないキャラのデュエットで締めてはいますが、コラボレーション・ベストアルバムとしては値段も2,000円ちょいと比較的安価ですし、なかなかに楽しめたアルバムでした。

2014年06月07日 14:59

smiling3 6月突入当初の一時的な暑さはどこへやら、どうやら本来の梅雨の季節に突入した感のある今日この頃。皆様も体調にはお気をつけてお過ごしください。そんな中、今回ご紹介する久々の「今週の1枚」は、まさに今ぐらいの時期のBGMにピッタリの、槇原敬之のベストアルバム「SMILING III」。1998年5月10日発売。

 所属レコード会社からの移籍を数年おきに繰り返すイメージのある槇原敬之。その為か、レコード会社主導のベストアルバムがかなりの数リリースされているのですが、そんな彼の最初のベスト、一連の「SMILING」シリーズは最初期(1990〜1996年)に所属したワーナーミュージック・ジャパン(通称・第1期ワーナー時代)在籍時に残した音源を対象にしたベストアルバムシリーズ。ソニー移籍を表明した1997年5月にシングル曲+代表曲を収録の「I」、同年9月にアルバム曲を中心とした「II」がリリースされています。この二作は、既存音源のリマスタリング集ということで、スタンダードなベスト盤となっていますが、今回ご紹介の「III」に関しては、「究極のエクストラ・ベスト・アルバム」という煽り文句が付くように、前二作とは性格の異なる作品集となっています。

 本作の収録曲は全部で15曲。その内訳は、未発表英語セルフカバーが2曲、「'98 NEW VERSION」とクレジットされた既存曲のリミックスバージョンが5曲。それらに加え、シングルバージョンアルバム初収録のMAKIHARA名義の英詞シングル「SECRET HEAVEN」「COWBOY」、既存楽曲のリマスタリングが6曲という構成。つまり、今までまったく世に出たことのない、または本作のために新たに制作された楽曲が収録曲の約半分(7曲)を占めているということ。よって、公認・非公認も含めて濫発される彼のベストアルバムの中でも、最もオリジナルアルバムに近いコンピ盤ではないでしょうか。というわけで(?)、以下、本作に収められた全7曲の未発表バージョン楽曲の聴きどころを紹介していきたいと思います。

 まずは未発表英語セルフカバーから。「CLOSE TO YOU」「DANCING IN THE RAIN(原題:RAIN DANCE MUSIC)の2曲は、どちらもデビューアルバムに収録され、西平彰との共同アレンジ名義だった楽曲。これら90年代初頭の作品が、90年代中盤以降の槇原敬之のアレンジセンスでリメイクされ、かなり垢抜けた印象に生まれ変わっています。サウンド的には「PHARMACY」以降、「THE DIGITAL COWBOY」に至る雰囲気を感じられ、さらに英詞で歌われ、レコーディングには槇原本人はもちろん、当時のツアーメンバーの遠藤太郎がギターで、ミックスには槇原の長年来の友人である沢田知久が参加していることから、1995〜1996年あたりに制作されたものの蔵出し音源だと思われますが、確かに未発表にしておくには勿体ないクオリティの高さを感じさせる2曲です。

 続いて「'98 NEW VERSION」の5曲に関してのアレンジの方向性は大きく分けて2種類。前者はボーカルを含むオリジナル音源の楽器の音を一部使いながら、生音のバンドサウンドでカバーした「くもりガラスの夏」「まだ生きてるよ」。リズム隊にオマー・ハキム、ウィル・リーなどの豪華メンバー(SMAPの90年代中盤のアルバムに参加したフュージョン系ミュージシャン)を迎え、ホーンなども生演奏に差し替えられています。元々槇原の曲は打ち込みながらもバンドサウンドを意識した色が濃いのですが、これらが本格的な生演奏になったことでライブ感がグッと増し、打ち込み特有の時代の色(それはそれで良いのですが)を払拭した、スタンダードなサウンドに仕上がっています。

 後者はボーカルのみをそのままに、演奏をアレンジ面まで含めてガラリとお色直しされた3曲。こちらを担当しているのはイギリスのプロデュースチームのようです。「困っちゃうんだよなぁ。」はコードまで変えて原曲の学生ノリっぽい曲から一気にクールな印象に。同じくクールなオケにも関わらず、「80km/hの気持ち」ではデビュー当時の初々しい槇原の歌声をそのまま使用したことで、一生懸命なボーカルと余裕のあるサウンドとのミスマッチが面白いトラックに。「恋はめんどくさい?」はオリジナル作品ではほとんどフィーチャーされない女性ボーカルのフェイクが積極的に入っているなど、それぞれに聴きどころ満載で、純粋に「原曲の変貌っぷり」を楽しむならこちらの3曲でしょう。余談ですが、「困っちゃうんだよなぁ。」「恋はめんどくさい?」はサビの英語の歌詞の一部分を変えている箇所があるのですが、これはちゃんと槇原本人に許可取ったのかな?などと、変なところで心配してしまいます(苦笑)。

 …以上の7曲、そして先に挙げた英詞シングル2曲の他に選ばれたアルバム楽曲は、発売時期を考慮したのか、どことなく「夏」を意識した爽やかでポップな作品がピックアップされ、未発表作品とほぼ交互に配置されています。楽曲的にはミックスもオリジナル盤と同じなので特筆すべき点はないのですが、「DARLING」のような痴話喧嘩も、「雷が鳴る前に」のような告白も、「HOME WORK」のような幸せな時間も、ラスト(15曲目)に「PENGUIN」を配置することで、それまでに収録された曲で主人公が過ぎ去った昔の恋愛の出来事を振り返っているような印象を与え、切なくアルバムが幕引きを迎える構成にはやられました。そこまで考えて楽曲を配置したのかは分かりませんが、聴きようによってはストーリー性のあるオムニバスのような趣も感じられると思います。

 といったわけで、この「SMILING III」はコアなファンほど喜びそうな選曲、構成という点で、他のベスト類の追随を許さない(笑)、エクストラ・ベスト・アルバムと謳うのも伊達ではない作品。まあ「槇原敬之の代表曲」的な楽曲が1曲も入っていない曲目を見る限り、初心者がいきなり手に取ることもないベスト盤でもあるでしょう。この時期の彼の作品を愛聴した筆者としては、マニアックなコンピ盤出してくれて最高だなぁ、と当時思っていましたが(笑)、これから第1期ワーナー時代をイチから知りたいならば、「I」→「II」→各オリジナルと辿った後で最後に本作を聴くという順番が最も順当ではないかと思います。
 梅雨の入り口を迎えた今の時期にジャストフィットな本作ですが、やがて来る真夏の季節に爽やかな気分になりたい時にも重宝される1枚ですね。

記事検索
Recent Comments
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Archives
Profile

SASA

  • ライブドアブログ