2014年05月

2014年05月31日 12:16

sakaiyurose 2014年1月15日発売、さかいゆうの3rdオリジナルアルバム。シングル「僕たちの不確かな前途」「薔薇とローズ」を含む全12曲収録。初回生産限定盤にはメジャーデビュー以降のMUSIC CLIPを収録したDVDが同梱の2枚組。

 完全単独制作の「ONLY YU」、固定バンドメンバーでの演奏作「How's it going?」と、ここ数作はアルバム単体で制作スタイルの異なる作品をリリースしてきたさかいゆうですが、本作では演奏は基本バンド形態を取りながらも、曲ごとにバンドメンバーが目まぐるしく変わる構成。プレイヤーのカラーによって曲ごとに個性がバラバラに…という印象を受けないのは、ミディアム、バラードが中心の、全体をモノトーンで統一した作風によるものかも。
 従来のアルバムに数曲あったアグレッシブな曲が今回はない分、構成上のテンションの浮き沈みの少ない1枚ではありますが、その代わり(?)ゲストボーカリストとしてEmi Meyer、KREVA、そして秦基博がそれぞれ1曲ずつ参加しており、ともすれば地味になりがちなアルバムに彩りを与えています。計3曲、さかいゆうとほぼ対等のバランスでボーカルやラップを繰り広げており、各アーティストのファンも満足いく内容なのではないでしょうか。中でも、さかいと秦基博が交互に平メロを歌いまわす「ピエロチック」は、各々の表現力の違いを楽しめる逸品です。

 一方、歌詞のほうでは森雪之丞をはじめ、複数人の提供を受けていますが、クレイジーケンバンドの横山剣の手による「EMERGENCY」はまったくもってCKB節で、剣さんがバンドでカバーすれば完全に彼らの曲になりそうなまんまな歌詞なのが強烈(笑)。次にKREVAとの「オトコFACE」が控えているので、1曲だけアルバムから浮きまくりということはないと思うのですが、異色作です^^;。なお、さかい本人の歌詞も前作に比べると増えましたが、手慣れた感のある提供作家の作品と比べると粗削りながら、デビュー当時に比べると段々と練れた歌詞を書くようになってきたなぁ、と思います。個人的に初期のキラキラした歌詞が正直ちょっと苦手だったのですが(苦笑)、本作では「きみなんだ」のような、メロディーとのハマり方もピッタリと合った曲が増え、作品を重ねる毎に、作詞家としての成長を感じられる1枚になっています。

 今までの煌びやかなアルバムと比べると地味な構成であることは否めませんが、今回の路線も彼が持つ多数の引き出しの中のひとつなのでしょう。インパクトには欠ける分、普遍性が増し、長く聴ける作品だと思います。前々作、前作に続いてまたまた名盤。お薦めです。

2014年05月24日 22:14

TMN 去る2014年5月21日、TM NETWORKがかつてTMNと名乗って活動していた(1990年〜1994年)時期にリリースされた2枚のオリジナルアルバム「RHYTHM RED」「EXPO」が、2014年New Remaster+Blu-spec CD2仕様でSONY MUSICから再発売されました。オリジナルアルバムのリマスターに関しては、他のTM NETWORK時代のアルバムに比べるとやけに冷遇されてきた感がありますが、ようやく単品で永続発売となりファンとしては嬉しいところ。今回の「CD Review Extra」では、TM30周年の波にも乗って(笑)TMN時代の全アルバムを1枚ずつレビューいたします。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

2014年05月17日 20:14

INOCHIKUOKAERI 2014年4月9日発売、井乃頭蓄音団のセカンドアルバム。全10曲収録。

 前作「素直な自分」から3年、途中ライブアルバムを挟んでの久々のオリジナルアルバム。この1年間でメンバーの脱退と加入があり、現時点ではボーカルギター、ツインギター、ベースの四人のメンバーという、バンドとしてはやや変則的な編成に、サポートでドラムス二人+曲により鍵盤系が入ってレコーディングが行われた模様。「素直な自分」では更にバイオリンや女性コーラスなどが入って大所帯の様相を呈していましたが、本作ではそれらの要素はなく、基本的なバンドの音で構成されています。サウンド的には「フォークロック」というカテゴリーに分類されるのではないかと思いますが、「この人は誰だろう」や「けんちゃん」などではマンドリンやラップスティールの音も入っており、これは昨年秋リリースの「松尾よういちろうと井乃頭蓄音団」名義のシングルからの延長、発展系と捉えてもいいのではないでしょうか。

 一方、歌詞のほうは前作と比べ、ある意味衝撃的なほどの(笑)変化に驚かされます。従来の彼らの十八番的な「どうしようもなくダメな自分」を自虐的だったり下品な言葉で曝け出すという作風は見受けられません。これは今までほぼ全ての作品で作詞を担当してきた松尾よういちろうが本作では10曲中6曲、残りの曲は作曲も含めて他のメンバーが手掛けているからかな?と思いましたが、インタビューで本作では下品さを意図的に減らしたとのことが語られているように、松尾本人の作品にもお決まりのエロいフレーズ(苦笑)は一切登場せず、「泣き上戸」など、自分の弱さ、もどかしさをどこか別視点から叙情的に描写しているかのような曲が目立ちます。

 「渋谷ステーション」や「東京五輪」など、自分自身の身近な出来事をモチーフにして作品を作っている、という点においては今までと変わりませんが、表現方法が普遍的になり、聴きやすくなった一方で、あの強烈な下品さが彼らの個性でもあったわけで、その色を失くすことで今までのような独自性が減った、という点は否めないと思います。それを目当てに聴いてきたファンにとっては少々物足りない内容ではあるかも。かくいう筆者も全面的にエロ歌詞は求めませんが(苦笑)本作唯一の訳が分からないけどパワーに満ち溢れた「アンゴルモア」のような曲がもう1、2曲ぐらいあっても良かったかも…と思いました。本作を受け入れられるか否か、井乃頭蓄音団からリスナーへの挑戦状的なアルバムであるのかも?

2014年05月11日 13:16

angelatape 2014年3月5日発売、アンジェラ・アキ初のベストアルバム。通常盤はメジャーデビューから最新シングルまでの全シングルタイトル(配信限定、両A面含む)15曲をすべて収録。初回生産限定盤はBlu-spec CD2仕様に加えて、本人選曲のアルバム曲15曲を収めたボーナスディスクに、PVやライブ映像を収録したDVDが付属の3枚組。今回のエントリーでは通常盤のレビューとなります。

 今年の秋にアメリカの音大に留学するということで、日本での音楽活動の無期限停止を発表した彼女。おそらく今回はそれに合わせてのベスト盤リリースということなのでしょう。そんな彼女のデビュー以来の歴史を辿る意図があるのか、曲順はシングルタイトルを時系列順に並べています。年齢的にメジャーデビューが遅く、既にインディーズでの活動実績もあったためか、彼女の作風やボーカル表現、アレンジなどはほぼ固まっており、1曲目のメジャーデビューシングル「HOME」から既に貫禄の域で初々しさなどは微塵も感じさせません(誉めてます・笑)。

 ただ、聴き進めていくと、シングル曲が並ぶということで、前半は曲によってアレンジャーが違っても、ピアノを軸にストリングスを絡めたバンドサウンド…というアレンジの方向性が同じ曲が多く、歌詞の内容は違っても同じような曲に聴こえてしまった、というのが正直な感想。その印象が変わってくるのは中盤の「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」あたり。演奏はピアノのみというこの曲を皮切りに、R&Bの要素を取り入れた「愛の季節」「告白」、ギター一本で彼女が弾き語る「輝く人」、そして最新シングル「夢の終わり 愛の始まり」では打ち込みサウンドを前面に出したりと、近年に近づくほど幅を広げて面白くなっていく彼女のシングルヒストリーを体感できました。

 コアなファン向けには特典満載の初回生産限定盤を用意し、筆者のようにアンジェラ・アキの曲を何曲か知ってるけどアルバムまでは…というライトリスナー向けへはこちら、といったところでしょうか。確かに入門編としては最適な1枚。ベスト盤ならではの、各楽曲を本人が一曲ずつ解説するライナーが付いているのも好ポイントです。男女問わず、ポップなピアノ弾き語りを核とするアーティストのファンの方に特にお薦めな1枚。

2014年05月04日 15:53

ukabros 2014年3月12日発売、1998年末から長らく「休眠」状態であったブルースバンド・憂歌団の活動を昨年から再開させた、メンバーの木村充揮と内田勘太郎によるVo&Gtのユニットのオリジナルアルバム。販売形態はLP盤と、同内容を収録したCDが付属している「LP(重量盤)+CD」のみ、という驚きの(?)1種発売。全12曲収録。

 リリースにあたってのインタビューはこちら。憂歌団活動休止から約15年、近年ではライブでの共演もたまにあったものの、基本的にそれぞれの音楽活動を続けてきた彼らが久々に交わった、そのきっかけの一つはおそらく、憂歌団のドラムス・島田和夫の一昨年の突然の訃報とというのが何とも切ないのですが、ともあれ久々に作り上げられた本作は、沖縄のスタジオでレコーディングメンバーを従えての一発録音。前半(LPのA面)は木村&内田のみの演奏をメインに、後半(同B面)はバンドとのアンサンブルが中心。バンド録音に関しては4曲あるのですが、4曲すべてに憂歌団のベーシスト・花岡献治が、3曲には新たに後任ドラマーとして憂歌団に加入した新井田耕造(元RCサクセション)が参加していることもあり、新生憂歌団のプレ・お披露目的な側面もあるのかも。

 収録楽曲は洋楽ブルースのカバーが2曲ありますが、他は全て新曲。木村、内田それぞれの単独作曲から共作もあり、憂歌団時代に多くの名(迷?)歌詞を残した沖てる夫も2曲に参加。相変わらず飄々とした作風の「つぼ」という曲が素敵です。「地獄谷クロスロード」のような、二人の真剣勝負!的な曲もありますが、基本的には穏やかで緩やかな作品が多め。個人的に気に入ったのは「オウエン歌」、「空高く」、そして故・島田和夫を偲んだとも思える「はるか遠い景色」あたり。

 久々に木村充揮のダミ声ボーカルの隣で、内田勘太郎のジャキジャキとしたアコギが響く曲を堪能でき、なおかつ花岡献治のベースにコーラス(叫び声?)も聴けて、ああこれは憂歌団だな、と思いました。今回はユニット名義ということで、木村&内田両氏のセッション的な曲が多かったので、いずれは憂歌団名義でのバンドアンサンブルのアルバムも作ってもらいたいところです。ただその時はLPプレイヤーを持っていないリスナー向けに、CD盤の単独発売を是非とも希望いたします(苦笑)。

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