2014年01月

2014年01月25日 12:54

nagaigold 管理人お薦めの1枚をピックアップするコンテンツとして、ブログ開設当初から続けてきた「今週の1枚」。昨年は1年間で2枚しか紹介できなかったという事態を反省して(苦笑)今年はもうちょっと更新の頻度を上げていきたいと思っております。そんな中、今回は珍しくベストアルバムを選出。2011年8月17日にリリースされた、永井真理子の全シングル34曲をCD2枚組に収めた「GOLDEN☆BEST」をご紹介します。

 永井真理子…と聞けば、80年代後半から90年代の音楽シーンをリアルタイムで体験した方なら「ああ、懐かしいなぁ」と思うことでしょう。一方、2000年代以降の音楽ファンからは「(作詞提供などで)名前は知っているけど…」という反応になってしまうのは仕方のないことでしょうか。彼女は1987年にファンハウス(現アリオラジャパン)よりデビュー、80年代末から90年初頭にかけてブレイクを果たし、当時黎明期だった「ガールポップ」の第一人者として人気を博したシンガーです。1993年に結婚、1997年に東芝EMIに移籍し、2003年にオーストラリアに家族で移住。その後は自主レーベルにて長めのスパンで音楽活動を続けているそうです。本作はそんな彼女がファンハウス〜東芝EMI時代(自主レーベル以降はシングルのリリースなし)に残したシングルA面曲を時系列順に網羅。90年代に活動全盛を迎えたアーティストにありがちな、移籍に伴う非公認ベストも数多く発売されている彼女ですが、今回の「GOLDEN☆BEST」企画にあたっては、どうやら本人公認となっているようで、歌詞ブックレットの最終ページには本人からのメッセージが寄稿されています。そんな彼女の「シングル史」を振り返ってみたいと思います。

 まずDisc1、「Oh,ムーンライト」でデビューを果たし、ポップなサウンドをバックにボーイッシュスタイルで元気に歌い上げる…というのが初期の彼女のパブリックイメージ。「瞳・元気」「Ready Steady Go!」といった佳曲がこの時期に登場していますが、80年代後半のこれらの最初期の曲はシンセ音を重ねまくったアレンジが中心で、今聴くとかなり時代を感じさせる点は否めないでしょう^^;。まあこれは予想の範囲内。予想外だったのは彼女のヴォーカルで、てっきり「元気全開、ファイト一発!」みたいな(←何だそりゃ)背中をバシバシ叩く系のパンチのある歌声が炸裂…と思いきや、張りのあるヴォーカルの中に若干の哀愁のようなものが漂っており、単にガンガン行くぜ!というだけの歌い方をしていなかったのが新鮮な驚きでした。
 サウンド的に垢抜けてくるのが9枚目のシングル「ミラクル・ガール」辺りから。アニメ「YAWARA!」のオープニングテーマに起用され、知名度を一気に上げて以降、佐野元春が詞曲を提供した「White Communication〜新しい絆〜」、シングルでは初めて自身が作詞に名を連ねた「23才」、元気で前向きなキャラクターとして象徴的な「ハートをWASH!」などを次々とヒットさせており、この時期(89〜91年)の楽曲は今聴いてもブレイク直後の勢いを感じることができます。

 意外にも(?)最大ヒットであるバラード曲「ZUTTO」「やさしくなりたい」「泣きたい日もある」と、ミディアムも歌いこなし、徐々にシンガーとしての幅を広げてきた感のある彼女が、デビュー当時から続いていた金子文枝のプロデュース、根岸貴幸のアレンジから突如路線を変更し、セルフプロデュースに踏み切ったのは1992年、18枚目のシングル「Chu-Chu」から。シンセを中心とした旧スタイルから、エレキギターを中心に据えたロックスタイルへと劇的に変化し、ロングヘアーに70年代的ファッションという出で立ちでCDジャケットに登場するなど、ファンの間でも賛否両論が渦巻きまくった時期にDisc2では本格的に突入。永井真理子本人が作詞し、作曲は彼女とバックバンドのギタリスト・廣田コージ(=COZZi、後の旦那で編曲も担当、さらに後にYUIに楽曲提供)の共作、というクレジットがファンハウス末期の1995年まで続きます。
 この時期のシングル曲は、明らかに今までの「ポップでポジティブ、ボーイッシュな永井真理子像」を破壊しようとするアプローチが続き、「HYSTERIC GLAMOUR 2」「Cherry Revolution」なんて絶対ヒット狙ってないだろ!と思うような(苦笑)一般受けを無視した作品が次々とリリースされていったのですが、これが彼女の本当にやりたいことだったのか、新たにやりたくなったことだったのか…というのは判断に困るところで、個人的にもこれらの楽曲を今聴き返しても「う〜ん…」と頭を抱えてしまうのですが、そんな中でも「日曜日が足りない」「飛べないBig Bird」のような佳曲も聴けますし、セルフプロデュース自体のすべてが筆者の肌に合わなかった、とは思いたくないところです。

 その後、出産を経て東芝EMIに移籍した1997年以降になると、ドリカムの中村正人の作曲編曲となった移籍第1弾(29枚目)の「真夏のイヴ」を皮切りに、UKロックへの影響が見受けられる「私を探しにゆこう」、「泣きたい日もある」以来、久々に遠藤響子が登板した「あなたのそばにいて」「同じ時代」など、初期のシンセポップとも、セルフプロデュース期のロックともまた違った一面が新たに見えてきました。自作、提供に拘らずに、アレンジャーを含めて幅広く「音楽」を追求し始めた90年代終盤から2000年代序盤までの作品は、主婦業との兼任もあるのかリリース間隔が飛び飛びになり、セールス的には伸び悩み続けた時期ではありますが、母親になったからなのか母性を増したヴォーカルと相俟って、包み込まれるような柔らかさと強さを感じさせる楽曲が多い印象です。この後は前述の通り渡豪し、更にリリースタームも大きく開いてしまうようになるのですが、このまま日本で活動を続けていたら次はどんなシングルが制作されたのだろうか…と思うことしばしです。

 さて、改めて永井真理子の全シングルを聴いてみて、やっぱり彼女の曲の中で一番好きなのは「YOU AND I」(1992年・16枚目)だな、ということを再確認しました(笑)。この曲、初期とセルフプロデュース期の狭間にリリースされた曲で、オリジナルアルバムにも収録されず(ベストに収録されるのは今回で2回目)ヒット曲にも関わらず不遇な扱いを受けている曲なので、本人もスタッフもこの曲をもっと大切にしてもらいたいです^^;。と、冗談(?)はさておき、全シングル曲を収めた本作は、デビュー、ブレイク、路線変更、試行錯誤、そしてより幅広い音楽性へと徐々に変化していく「永井真理子の15年間」を成長アルバムのように楽しめる作品です。コアなファンならお薦めはオリジナルアルバムから、になるのでしょうが、私はライトリスナーなので、本作で十分お腹いっぱい(笑)。また、Disc2(特に後半)には世間的にはマイナーな曲ながら聴きどころの多い曲が揃っていますので、路線変更で離れてしまったかつてのファンの方にも、機会があれば是非チェックして欲しいベストアルバムですね。

 ちなみに、彼女の近況ですが、昨年、オーストラリアから日本へ帰国したそうです。アーティスト活動としては長年のブランクもあり、家庭のこともあるでしょうし、いきなり活動再開!というわけにはいかないでしょうが、12年振りに35枚目のシングルでもリリースしてくれれば面白いな、と思いつつ、久々の「今週の1枚」を締めさせていただきたいと思います。

2014年01月19日 12:33

sakaagari 2013年9月18日発売、井乃頭蓄音団でヴォーカルを務める松尾よういちろうが「松尾よういちろうと井乃頭蓄音団」名義でリリースしたソロ作品で、ソロ名義としては初めて公式通販以外(関東近郊のDisk Union)で店頭販売中のマキシシングル。インストゥルメンタルを含む全4曲収録。

 井乃頭蓄音団と並行してソロ活動も積極的に行っている松尾よういちろう。既に「松尾な自分」「松尾な気分」などのアルバムを通販やライブ会場で販売していた経歴もある彼ですが、基本アコギ一本でガシガシ弾き語る攻撃性の強い路線から一転、今回は「アコースティック」「家族」がテーマということで、サウンド的には今までにないマイルドな一面を見せてくれています。自ら率いる所属バンドとの共同名義でのクレジットは矛盾を感じさせなくもないですが、松尾ソロの演奏を井乃頭メンバーの力を借りて行っている、という解釈が正しいのかもしれません。

 まずタイトル曲「逆上がり」。鉄棒を握りながら自らの生き方を振り返る…という妙なシチュエーションの曲なのですが、歌詞の「俺、もっと生きてたいよ」「人生最後は逆上がり」といったフレーズが何やら意味深なのが気になるところ。続いて2曲目の「弟」は、出来の良い弟に対しての屈折した想いを綴った愛憎渦巻く(?)楽曲。優秀な弟ネタは井乃頭の曲でも登場するので、これは松尾自身の実弟を基にした作品なのかも。「逆上がり」よりはシリアス度は低めですが、「両親の事は頼んだぞ」「兄弟で居させてくれないか」という歌詞が出てくるあたり、前曲に続いて聴き手に行間を読ませ、解釈を委ねるタイプの曲ではないでしょうか。
 軽快なアコギが奏でる高速インスト「テンテケテン」を挟み、ラストは「カニの缶づめ」。お歳暮に貰ったカニの缶詰めをいつか食べることを夢見つつ、事故でこの世を去った父親を淡々と偲ぶ字余り風の作品。珍しく作詞は松尾+鈴木匠(Recエンジニア)の共作ということで、若干他の松尾作品とは毛色が違う感がありますが、本作の中では一番分かりやすく、共感できた曲ですね。

 従来のソロ作品ではもっとエグい性世界(笑)や汚い人間の本性などを曝け出す楽曲を手掛けてきた彼ですが、今作は割とライトな路線。とはいえ井乃頭蓄音団の作品としてはプライベート色が強い、ということで、今回の名義でのリリースになったのかな、とも思います。歌詞はともかくとしてロックバンドの疾走感、爽快感を追求していた井乃頭とはまた違った、体温を感じさせる作品といったところでしょうか。完成度では過去の松尾ソロ作品の中では現時点で最高。なかなかにお買い得(1,000円)の作品でした。

2014年01月17日 21:25

 昨夜、本ブログの訪問者のユニークアクセス数が50,000を突破いたしました。
 開設から7年目を迎えている本ブログですが、20,000hitsがちょうど2年前。約2年間で3万人ものユニークアクセスをいただき今日に至りました。一日の来訪者数もここ一年ほど50前後で安定し、定期的に来訪いただいていることを感じております。本当にありがとうございます。

 50,000hits記念、ということではありませんが、四年前の記事をリニューアルしましたので、お時間のある方は是非ご覧ください。

 私のポータブルオーディオ遍歴

 では、今後とも管理人SASAならびに「一進一退days」をどうぞ宜しくお願いいたします。

2014年01月12日 13:30

level3 2013年10月2日発売、Perfumeの通算5作目となるオリジナルアルバム。シングル「Spring of Life」「Spending all my time」「未来のミュージアム」「Magic of Love」を含む全14曲収録。初回限定盤はカラーケース(三種類)仕様にPV等を収録したDVDが付属の2枚組。

 徳間ジャパンからユニバーサルにレーベルを移籍して初リリースのアルバムとなる本作。2年前の前作「JPN」が歌をメインに据え、彼女達にしてはポップで音が主張をし過ぎないアレンジの曲が多かったのに対し、本作はかなり攻撃的なリフをはじめとしたシンセの音色、テクノ的なアプローチ、その上に歌がある、という恐らく「JPN」以前の従来のPerfume像に近づけた感のある作品。シングル曲も「Spring of Life」や「Magic of Love」などは本作の色に合わせてイントロやアウトロが加えられた他、曲全体のアレンジがアグレッシブに変更され(Album-mix)、音的にアルバムの序盤を牽引するのにひと役買っています。

 以前のレビューでも書きましたが「JPN」でPerfumeに興味を持ったものの、「Global Compilation〜」を聴いてコアなリスナーにはなれないかも…と思った筆者なので、本作に関しても前評判を聞くに敷居高そう…と戦々恐々だったのですが(苦笑)これが意外とすんなりと聴けました。当ブログを見回していただくと分かる通り、生音やアコースティック系のアーティストを好んで聴く傾向にある私ですが、元々TM NETWORKのユーロビート期に慣れ親しんでいた時代もあったせいか、いわゆるEDM系を聴くことに抵抗のない素地は無意識のうちに出来ていたのと、アルバムの全体の流れとして序盤は押しまくり、「未来のミュージアム」でひと息、「Party Maker」のような、ライブ用と思わしきインスト部分長尺楽曲も1曲ぐらいならアリですし、後半は「ふりかえるといるよ」「だいじょばない」などでちらちらとポップな部分を見せつつ「Dream Land」で大団円、という中弛みのしない構成が良かったのかも。EDMに抵抗がないとは言っても、さすがにシンセバキバキの楽曲が一時間強続いたらキツかったと思いますので(苦笑)。また、各楽曲のメロディーラインも印象に残る曲が多く、強気なサウンド面に埋もれずに良い勝負ができているな、と感じました。

 全体的には前作に比べポップなアプローチは随分と後退しており、代わってテクノ色を濃くしたサウンドが再び主導権を握ったかのように見える本作。前作以前と以後のどちらの路線が好みかという辺りで各リスナーの意見は分かれると思いますが、聴きごたえのある、楽しめる作品でした。

2014年01月04日 23:51

KAN 新春一発目のレビュー更新です。ここ数年、年明けの更新は企画モノ(?)で始まる本ブログですが、2014年も例年通りに突き進みたいと思います(笑)。
 今回は管理人の人生に大きな影響を与えたミュージシャンのひとり、KANの全ベストアルバムレビューに挑戦。レコード会社の移籍を何度か繰り返していることもあり、本人公認以外のベスト盤も多くリリースされているのですが、公認、非公認、カップリング集を含めた全8枚を一気にレビューいたします。ちょっとKANを聴いてみたいんだけどどのベスト盤がいいのか・・・という時のご参考にどうぞ。「続きを読む」からご閲覧ください。 続きを読む

2014年01月01日 15:57

 明けましておめでとうございます。
 今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 大晦日の夜は帰省先にて「紅白歌合戦」をほぼ全編にわたって鑑賞しました。
 進行や演出面などで若干突っ込みどころのある紅白ではありましたが(笑)美輪明宏や泉谷しげるといった「歌力」のあるシンガーの歌唱には圧倒されましたね。
 途中で「あまちゃん」関連のスペシャルライブ(?)が思った以上に長尺で、ドラマ未見の人にとっては長すぎるんじゃないかな〜、とちょっとヒヤヒヤしながら見ていました(笑)。
 そういえば、今回はアトラクション的なステージ(出演者が出番とは別に歌う番外編ステージみたいなもの)がほぼ皆無だったような…?

 それはさておき、一晩明けて、当ブログは7周年目のスタートを迎えました。
 今年も管理人お勧めの音楽を少しずつご紹介していきたいと思っております。
 2014年も「一進一退days〜J-POP Archives〜」ならびに管理人SASAに宜しくお付き合いくださいませ。

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