2013年10月

2013年10月26日 23:08

hatahitomimi 2013年10月16日発売、秦基博自身が選曲を担当したセルフセレクションアルバム。全16曲収録。初回生産限定盤はDISC2にボーナスディスクとして新旧代表曲のライブバージョンをコンパイルした全14曲収録の「Live Selection 2007-2013」を同梱した三方背ボックス仕様の2枚組。

 DISC1の自選ベストで選ばれたのは、「アイ」の弾き語りバージョン、「鱗(うろこ)」の新録弾き語りバージョン、提供楽曲「スプリングハズカム」のセルフカヴァーの3曲を除くと、全てアルバム収録曲やシングルのカップリング曲(EPのカップリング扱い曲含む)。その13曲を最新アルバムからの「Girl」を先頭に、年代を遡って収録されています。本作で初めてアルバムに収録されたのは「月に向かって打て」「トラノコ」「My Sole,My Soul」の3曲。リマスタリング担当はStephen Marcussen。なお、秦本人のライナーノーツはこちら。
 選曲の傾向としては、各オリジナルアルバムから2曲程度、各アルバムの中でも印象に残る楽曲をピックアップした印象。ポップな「Girl」、バンド色の強い「SEA」、やや王道を外れた「Honey Trap」、そしてじっくりと聴かせる「風景」など、佳曲が満載です。聴き進めていくうちに時代が下っていくので、終盤(つまり初期)はアコギ中心の少々地味なミディアムが続くのですが、この辺りが秦自身の「素」に一番近い音楽性のような気もします。個人的にはカップリング曲として世に出て、後にミニアルバムの再発版にも収録された「プール」が選曲されたのが嬉しいですね。

 DISC2のライブ選集のほうは、DISC1とは対照的にシングル曲を中心にリリース順に楽曲が並べられているのですが、ライブ収録の年代は2011年の後に2009年が来たりと、時系列順とはやや異なる並びになっています。武道館ライブなど映像化されている音源もあるようですが、直近のツアーからの音源や、最新シングル「言ノ葉」が(ライブバージョンですが)早くも収録。こちらのマスタリングは柴晃浩が担当。
 「僕らをつなぐもの」「フォーエバーソング」「朝が来る前に」「Halation」「水無月」などの代表曲がアコギ一本弾き語りから、バンド編成、更にはストリングスを従えたライブまでと様々な会場・形態での収録で、選曲的には文句なしなのですが、編集がシームレスではなく、「一本のライブを聴いている」という感じではないのが少々残念かも。

 「BEST OF GREEN MIND」シリーズなど、期間限定生産でのライブ盤ベストのような作品は世に出ているものの、「代表曲をオリジナル音源で集めたベストアルバム」は未だにリリースされていないので、本作のDISC2で代表曲をライブバージョンで、DISC1ではオリジナル音源での隠れた佳曲を、という聴き方であれば、ややボリュームはありますが秦基博に触れてみたい層には良い作品。初回生産限定盤のDISC2付きのものがレンタルなどでも出回ると思われますので、ライトリスナーには通常盤ではなくそちらをお薦めします。DISC1のみの通常盤は…新録音源を入手できるという点が売りなので、コアファン向けでしょうかね。初回盤と通常盤が本来の立ち位置と異なるような気もしますが…(笑)。

2013年10月19日 16:32

battenblues 2012年4月15日発売、日田弁(大分の方言)に乗せてブルースを奏でる「弁ブルース」の第一人者・コージー大内の2ndアルバム。全12曲収録。

 4年前にリリースされた「角打ブルース」同様、アコースティックギターを基調にしたブルースナンバー、コミカルかつ哀愁漂う「オール日田弁」の歌詞、歌い方によって英詞にも聴こえる空耳的な楽しみ方、そして標準語/日田弁の「歌詞対訳」の歌詞カードがもれなく付いてくる辺りも前作を踏襲しています(笑)。構成もオリジナルに混じって洋楽のカヴァーや短いインストを挟みつつということで、CD1枚が1本のステージのような印象を受けるのも前作の路線を引き継いでいる、発展系といったところ。

 前作と異なる点は、曲によってはバンドでレコーディングを行ったり、ライブ録音のチョイスも1曲あったりと、編成的には幅が広がったところですが、それに反比例するかのように歌詞に関してはちょっとマニアック度数が増したような気がします。バンドバージョンと弾き語りバージョンで収録された、亡き母のことを歌った「大鶴村のサイレン」はグッと胸に迫るものがありますし、なぜか日田弁のサンタが登場する(笑)「クリスマス×(ばってん)ブルース」の掛け合いには笑わせてもらいましたが、前作では実父をネタにした曲が多く、リスナー的にもとっつきやすい内容だったのに比べると、私のような普段ブルースをほとんど聴かない層にとっては、少々コージー大内自身のプライベートに斬り込んだ曲が多いということもあり、若干ハードルが上がったかな、という気もしました。

 ジャケットで不敵な笑みを浮かべている大内氏の姿はなかなか決まっていてカッコ良いのですが(笑)、「角打ブルース」が初心者向けという位置付けとすれば、本作はその応用編といった趣で、ブルースというジャンルに慣れていない、あるいは日田弁がストレートに理解できない層には、本作からいきなり彼の音楽世界に入るのは結構リスキーだと思いますので、「角打〜」から入って気に入れば本作も、という流れで聴いていただくのをお薦め。ブルースに馴染みのあるリスナーであれば、すんなりと聴ける1枚だと思います。

2013年10月15日 18:47

 先週末の土日に2daysで開催されました、DEENのデビュー20周年記念の武道館ライブ。筆者も土曜日の公演に参戦してきました。
 その模様を記憶が薄れないうちに(笑)レポートいたします。
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2013年10月11日 23:19

DEENBUDOHKAN 近々の作品のレビューが基本の本エントリーですが、今週はちょっと番外編。日本武道館2DAYSを直前に控えたDEENが、今から5年前、デビュー15周年記念として初めて武道館のステージに立った、2008年6月8日のライブの模様を記録した本作をご紹介。DVD2枚組&豪華パッケージ仕様の完全初回限定愛蔵盤として2008年12月10日発売。翌年に通常盤扱いでBlu-ray盤もリリースされています。

 ライブの正式タイトルは「DEEN 15th Anniversary Live in 武道館〜15年分のありがとう〜」。デビュー15周年を初の武道館でお祝い、ということもあり、セットリストは「歌になろう」を除いて全曲オリジナルのシングル曲。とはいえさすがにシングルはこの時点で30枚以上出ていたこともあり、楽曲のすべてがフル演奏ではなく、ほぼ多数がメドレーでの披露。当時の最新ベスト「DEEN PERFECT SINGLES+」を意識した内容とも思えますが、定番曲以外は発売直後のライブ以外ではほとんど演奏されなくなる傾向があるDEENのライブの中で、短縮バージョンとはいえ「JUST ONE」「君がいない夏」「Birthday eve〜誰よりも早い愛の歌〜」などが演奏されたのは嬉しかった記憶があります(その後も依然レア曲のままのようですし・苦笑)。
 一方、代表曲の「瞳そらさないで」「ひとりじゃない」「翼を広げて」などはフル演奏なのですが、広大な空間の武道館の中の演奏ということで、映像はもとより、通常のライブの時よりも音に宿った「空気感」のスケールがケタ違いに感じました。そして何より、ストリングス隊を従えた「MY LOVE」「夢であるように」の完成度は素晴らしいの一言。

 演奏以外の面に目を向けると、本作品はMCもノーカットで収録というのが謳い文句。まあ厳密にはダブルアンコールの「このまま君だけを奪い去りたい」の演奏の入りをミスったところはカットしてあるのですが(笑)、数ある彼らのライブDVDでは大半がカットされるMC部分が、本作ではばっちり収録されているので、ゆる〜いメンバーのトークがバッチリ堪能できるという点で、他のDVD作品よりも「DEENのライブの(MCを含めた)楽しさ」が伝わる内容になっているのではないでしょうか。

 …なお、本作をこの度レビューしようと思ったのは、翌年以降の3回の武道館公演のDVDはレビューしてあるのに本公演のDVDだけが未レビューだったということに今さらながら気がついたからです(苦笑)。今回の更新で今までのDEENの武道館関連はコンプリートしたので、これで心置きなく20周年ライブに足を運べます(笑)。今年は武道館で土日2日間という、空前絶後(?)のスケジュールなのですが、私は都合により12日のライブにのみ参加します。ライブタイトルにベストアルバム「DEENAGE MEMORY」の名前が掲げられているように、代表曲中心のアニバーサリーな内容になると思うのですが、楽しんできたいと思います。

2013年10月05日 16:23

yuzuland 2013年5月1日発売、ゆずの通算11枚目となるオリジナルアルバム。シングル「翔」「with you」「また明日」「REASON」、配信限定シングル「LOVE & PEACH」「イロトリドリ」に加え、昨年の提供楽曲「流れ星キラリ」のセルフカヴァーバージョンも含む全13曲収録。初回限定盤にはアートブックが付属のスペシャルパッケージ仕様。

 路上から生まれたフォークデュオ、というスタイルでデビューした彼らも既に活動15年を過ぎ、そのバイオグラフィーだけを見ればすっかり中堅〜ベテランの域…といったところ。しかし作風は「フォーク」に拘ることなく、どんどん貪欲に新しい音を積極的に吸収、模索していくという、守りに入らない姿勢は相変わらず若々しいものがあります。本作は前作までの蔦谷好位置との共同プロデューサー制も継続しつつ、ヒャダインこと前山田健一、JIN、そしてゆず自身のプロデュースもありと、シングル曲も含め多彩なアプローチを試みた曲が多く収録され、音数の多い打ち込みサウンドから生バンド、弦を使用したバラード、アコギを前面に押し出した曲などなど、作品世界はジャケットや歌詞カードのイラストが象徴しているような、派手で賑やかで、でもどこかに寂寥感も感じさせるという、「なんでもアリのテーマパーク」的な印象を全体に感じました。

 この「なんでもアリ」感に大貢献したのは、「砂漠のメリーゴーランド」では単独でアレンジをこなしたり、「ゼラニウム」ではピアノを弾いたり、何よりも静から動まで幅広いソングライティングを手掛ける北川悠仁の大活躍が挙げられるでしょう(インタールードの脚本を書いているのも彼か?笑)。一方、今回は共作も多いですが、彼が単独で7曲を担当したのに対し、岩沢厚治の単独作品は2曲(新曲は「灯影」のみ)。北川が斬新な曲を生み出すのに対し、彼はデビュー当時のパブリックな作風を守っているような曲が多く、古くから彼らの歌に親しんだ筆者としては、終盤で彼の曲が出てくると少しホッとするのですが(笑)、ここまで極端に作品数の割合が偏ったのは、アルバムのトータル性を考慮したのか、別の理由があるのか、とちょっと要らぬ勘繰りをしてしまいそうになるほど、二人のバランスが気になってしまいました。

 アルバム1枚のトータルとして、ひと言で言えば「賑やかで楽しいアルバム」。初期のゆずの音楽性が好き、というファンにとっては違和感は否めないとは思いますが、マンネリに陥らずに突き進む「2013年型のゆず」が見られる好作品。ちなみに本編終了後、ブランクのトラック14の後、トラック15にはシークレットトラックがありますので、最後までお聴き逃しのないように(笑)。

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