2012年12月

2012年12月31日 17:25

 2012年もあと数時間で終わろうとしています。
 毎年、私の大晦日の過ごし方は、カウントダウンライブなどのイベントに参加するために夜から出かけることが何年も続いていたのですが、今年は珍しく実家でゆっくり過ごす一日となりました。
 紅白も久々に何となく見ようと思っております(笑)。

 本ブログ「一進一退days〜J-POP Archives〜」は、本日で開設満5年。新年から6年目がスタートします。
 今年は新規開拓もそこそこ行いましたが、「CD Review Extra」にてアーティスト毎に深く狭く切り込んだレビューを年間を通じて更新することのできた一年でした。
 また、今年の秘かなテーマとして「一週間に一度は必ず更新する!」という目標を達成できたのは何気に感慨深いです(笑)。
 開設以来のユニークアクセス数もお陰様で30,000を超えました。来年も今年と同じペースで更新していく予定ですので、引き続きお付き合いくださいませ。

 それでは、今年一年、ご閲覧いただきありがとうございました。
 2013年もまたどうぞよろしくお願いいたします。
 皆様、良いお年を。

 管理人:SASA 拝

2012年12月30日 10:57

 2012年も残りあと1日と少し、ということで、毎年恒例の発表企画です。
 「CD Review」でご紹介してきました、2012年に出会ったアルバムの年間私的ランキング10傑をご紹介。
 基準は「2011年末〜2012年に聴いたアルバム」が対象。今年は以下のように相成りました。

 1位:JPN/Perfume
 2位:DEEN AOR NIGHT CRUISIN'〜1st Groove〜/DEEN
 3位:How's it going?/さかいゆう
 4位:20TH Anniversary COMPLETE SINGLE BEST/TRF
 5位:オオカミ青年/藤巻亮太
 6位:【(an imitation)blood orange】/Mr.Children
 7位:エレベスト/風味堂
 8位:了〜はじまりの風〜/樋口了一
 9位:Perfume Global Compilation"LOVE THE WORLD"/Perfume
 10位:Mr.Children 2001-2005<mirco>/Mr.Children


 以上が今年のTOP10です。
 正直、TOP3はほぼ同率で、どうしてもランキングを決めるなら現時点ではこの並び、ということで今年の1位は管理人にとって新たな収獲のひとつであったPerfumeのオリジナルアルバム(発売は昨年11月末の作品ですが)。2位はオリジナルアルバムを差し置いて(苦笑)DEENのビルボード大阪でのライブアルバム。3位のさかいゆうは去年も2位と、ランクはひとつ下がりましたが成長を感じさせる1枚を作ってくれたので、今後に更に期待です。

 オリジナルアルバムはTOP10内に5枚ランクイン。レミオロメンを活動休止しソロデビューを果たした5位の藤巻亮太が予想以上に良かったです。6位のMr.Childrenはレビューにも書きましたが楽曲だけを評価するなら年間1位候補だったのですが、それ以外の要素でこの位置としました。8位の樋口了一は年内に間に合わなかったので(汗)年明けにレビューいたします。

 今年は多くのベテラン勢がオールタイムベストをリリースした一年であり、今回ランクインしたベスト4作も「総まとめ」的なラインナップ。中でも超リーズナブルな価格でお得感のあるベストをリリースしたTRFが最上位の4位。キャリアを積み重ねたベテランのベストアルバムには内容に重みがありますね。

 さて、2012年はTOP3の大混戦が示しているように、「この作品はダントツで素晴らしい!」といったアルバムには残念ながら巡り会えず。それでも一年間通じて「良い音楽作品」には結構出会えた年だったと思います。来る2013年はどんな音楽が待っているのでしょうか、楽しみです。

2012年12月29日 00:18

childrenorange 2012年11月28日発売、Mr.Childrenの約2年振りとなるオリジナルアルバム。トリプルA面シングル「祈り〜涙の軌道」「End of the day」「pieces」、配信限定シングル「かぞえうた」「hypnosis」を含む全11曲収録。

 スタジオ録音の新作アルバムとしては実に17枚目を数える本作。これまでレパートリーのほぼ全曲の作詞作曲を手がけてきた桜井和寿ですが、その楽曲創作のセンスは枯渇するどころかますます勢いを増し(?)、今作でも彼らしい言葉遊びが光る軽快な「Marshmallow day」、デビュー当時のラブソングを彷彿とさせる愚直なまでにシンプルな言葉で綴られたバラード「常套句」、どこまでが本音なのかちょっと判断に困る(笑)シニカルな「過去と未来と交信する男」などなど、数々の佳曲が生み出されました。アルバム曲の中で時々登場する毒を吐くような作品は本作はなく、曲誕生の経緯をみるに「かぞえうた」、そしてシングル曲や「イミテーションの木」といった、苦しみや悲しみの中から少しでも前に進んで行けたなら、といった背中を押してくれるかのような、いわゆる励まし系のメッセージを込めた曲が多い印象でしょうか。楽曲だけで評価するならば、個人的には2012年に聴いたアルバムの中でも1、2を争うクオリティの高さだと思います。

 …とはいえ、このアルバムについて手放しで喜べないのは、共同プロデューサーである小林武史の方針なのか、彼の手によるキーボード、そしてストリングスが潤沢に盛り込まれているアレンジメントの面。もともと以前のレビューでも書きましたが、筆者にとってMr.Childrenは「バンドサウンド+鍵盤やストリングスのアレンジが基本」というスタンスは昔も今も変わっていないのですが、本作はそのバンドサウンドと上モノのバランスが明らかに崩壊していると感じてしまいました。特にギターの音は完全にピアノやストリングスに「覆われて」しまって、意識して耳を澄まさないと聴き逃してしまいそうな居場所の無さで、これは桜井のソロプロジェクトか、あるいは桜井と小林のユニットか?!と思ってしまうほど、他の三人(特にギターの田原)がこれほどまでに「その他大勢」と化してしまっているアルバムは彼らの作品の中でもかつてないのではないでしょうか。一応プロデュースは小林+ミスチルということなので、メンバーの意見が反映された作風なのだとは思いますが、ここまで上モノ過剰だと、「バンド」としての彼らの姿がイマイチ見えにくい作品でもありました。そこが少し…いや、結構残念。

 なお、初回限定盤は本作の中から4曲のPVを収録したDVDが付属。暗闇から夜明けを経て陽射しが射し込むまでの心象風景を映像にしたかのような「hypnosis」、ポップで80年代MTVっぽい(?)「Marshmallow day」、線画がメインの切ないアニメの「常套句」、まるで桜井ソロ作品のような(苦笑)「祈り〜涙の軌道」と、バラエティ豊かな映像作品が収録されています。今年リリースされたベスト2作同様、DVD付き初回盤も通常盤(CDのみ)も同じ値段(本作は3,059円)、というのはなかなか良心的な価格設定ですね。

2012年12月24日 12:09

 先週末の未明(土曜日かな?)、本ブログの訪問者のユニークアクセスが30,000を突破いたしました。
 20,000hits到達が今年の1月末だったのですが、それから1年経たずに延べ1万の閲覧をしていただき、本当にありがとうございます!
 最近では「BEING LEGEND」のライブレポートや、「CD Review Extra」の各記事から来訪された方、そして新たにリンクを結ばせていただいた5つのサイト様からの来訪者が増えたこともあり、一日のアクセスが約40〜50前後。ありがたいことです。これを糧に、毎週末に気合を入れて更新しております(笑)。
 今後とも、「一進一退days」並びに管理人SASAを、どうぞ宜しくお願いいたします。

 それでは皆様、メリークリスマス。

2012年12月22日 18:32

deenchristmastime 「今週の1枚」を更新するのも2012年はこの回がラスト。今年は今回を含めて全6回の更新ということで、まあまあ例年並みのペースだったと思います(苦笑)。さて、本年最後のお勧めの1枚は、ちょうどクリスマス直前ということもあり、今の時期を舞台にした「コンセプトマキシシングル」という特殊な形でリリースされた、DEENの「Classics One WHITE Christmas time」をご紹介いたします。

 1993年にデビュー、ヒット曲の数々を世に送り出し、ビーイングブームの一翼を担ったDEEN。プロデューサー主導で結成され、いわゆる「ビーイングらしい」楽曲制作活動を行っていた彼らにとって、1999年という年は大きな節目の年だったのではないでしょうか。前年レコード会社をビーイング御用達のB-Gramから、BMGファンハウス(現アリオラジャパン)に移籍し、この年の夏からは本格的なセルフプロデュースを開始。彼らの原点ともいえるバラードシングル「JUST ONE」、「MY LOVE」をリリースした後、初の試みである「DEENのアナザーサイドを見せる」というテーマの「classicsシリーズ」と銘打って、1999年11月25日に発売されたのが本作です。

 収録されているのは全7トラック。うちストリングスによるインストゥルメンタルが1、4、7曲目に前奏、間奏、後奏的に配置され、シングルでありながら、極めてミニアルバムに近い内容の構成。歌入りの楽曲はタイトル曲を含む新曲2曲と、当時のDEENとしては初となるセルフカヴァー楽曲が2曲。これらの曲にはストーリー的な繋がりはなく、作品全体として「冬(クリスマス)」に材を採った短編小説的な趣となっています。
 1曲目から順にご紹介していくと、柔らかな冬の朝の日差しのような前奏「Christmas time〜morning light〜」に続き、2曲目は雪の降る主人公の故郷へ恋人を初めて連れて行く、「忘れられない旅の始まり」を描いた物語を、オーケストラをバックにヴォーカル池森秀一が雄々しく歌いあげる表題曲「Christmas time」。うって変わって3曲目は打ち込みR&B調のトラックに、別れた彼女との思い出を回想しながらクリスマスの夜に一人で過ごす悲しみを綴った「The Room」。この曲で、リスナーの気持ちをド〜ンと重たくさせること間違いなしです(苦笑)。
 12月特有の乾いた空気を連想させる間奏「Christmas time〜twilight breeze〜」を挟んで5、6曲目は代表曲のセルフカヴァー。まずは「このまま君だけを奪い去りたい〜Acoustic version〜」。デビュー曲をアコースティックギターをメインに弾き語り風にリアレンジ。ギター担当の田川伸治はアコギの演奏に関してはアタックの強い奏法をするギタリストだと思うのですが、この曲はその強さが歌詞の溢れそうな感情を表現しているかのよう。途中で入ってくるバイオリンも上手く楽曲世界に溶け込んでいます。もう1曲は「永遠をあずけてくれ〜Millennium a capella version〜」。既に前年、アルバム「The DAY」にてアカペラに挑戦している彼らですが、今回はクリスマスナンバーをアカペラにてお色直し。原曲のビーイング王道バラードアレンジから一転、メンバー自身による多重コーラスワークが美しく、個人的にはこのバージョンでこの曲の評価が高まりました。ラストには静かな夜に深々と降り積もる雪をストリングスで表現したかのような「Christmas time〜evening snow〜」が奏でられ、本作は静かに幕を閉じます。

 これらの歌モノ4曲、アナザーサイドという観点から眺めると、スケールの大きいオーケストラバラード、R&B風ミディアム、アコースティックセッション、そしてアカペラと、常にDEENはバンドであるということが前提であった従来のアレンジの縛りを取り払い、曲のイメージに合わせた的確なサウンドメイクが光っていることを感じさせる楽曲が揃っています。全編を通して聴いても20分足らずではありますが、コンパクトな冬の小品集として、リリースから10年以上経過した現在、改めて聴いても色褪せない普遍的な(=classic?)魅力を放ち続けているとも思いました。

 このclassicsシリーズ、翌年2000年にはSEPIA(秋)、そして7年後の2007年にPASTEL(春)、そしてBLUE(夏)とリリースを重ね、この年の暮れにシリーズを総括したベストアルバム「DEEN The Best クラシックス」のリリースによって完結。発表された歌入り楽曲はこのベストに全曲収録(Mix違いもありますが)されており、現在、今回ご紹介した「WHITE」の中でしか聴けないのはインストの3曲のみなのですが、春夏秋冬をまとめたベストとは別に、本作は冬、特にクリスマス間近に通して聴くことによって、年の瀬をしみじみと感じることができる1枚です。
 あと数日でクリスマス。そしてあと一週間あまりで今年も終わり。慌ただしい師走ですが、ふとした時間の合間にこのCDを聴きながら、暮れゆく一年を回想してみるのはいかがでしょうか。

2012年12月16日 11:52

ISHIKAWABEST 2012年9月5日発売、TSUTAYA限定販売の999円の廉価盤ベスト「The Best Value」シリーズの1枚としてリリースされた、石川よしひろの通算3枚目のベストアルバム。全15曲収録。ちなみにジャケットは3rdオリジナルアルバム「青空を待ちながら」のジャケット写真をそのまま流用しています。

 2000年代以降はインディーズでの活動になり、若い音楽リスナーには知名度がイマイチのような気もしますが(汗)、彼は90年代初頭〜中盤あたりの日本の音楽シーンで人気を博した男性シンガー。オールナイトニッポンのパーソナリティーを長年務めていたこともあるそうで、当時の中高生を中心に根強い支持を誇っていました。本作はそんな彼がかつて在籍したPIONEER LDC.(現ジェネオン)時代に残したナンバーの中からの選曲。帯にセルフセレクションと書いてある通り、彼自身の意見が反映されているようです。

 PIONEER在籍中にリミックスベスト、そして移籍後に全シングル13曲をオリジナル音源で収めたベストアルバムが既に2作出ているのですが、今回は在籍中のシングルから10曲を時系列順に並べた後で、初期〜中期にかけてのアルバム曲を5曲配置という構成。デビューシングル「Spirits」、甲子園関係のテーマ曲としてオンエアされた熱いロックナンバー「どしゃぶりの夏」「明日への卒業」、名バラード「いつかまた会える」、色々な意味で当時話題になった(苦笑)「二十歳の夜」、最大ヒットの「ENDLESS DREAM」と、PIONEER時代の彼の代表曲を一通り押さえつつ、ライブの定番曲「Just Only Love」や、この曲が収録されたのが個人的に嬉しい(笑)「Still On The Beach」、ラストはデビューアルバムのタイトル曲「Dream Road」で締めるという、ファンにとってツボを心得た選曲となっています。
 さすがにこの価格でリマスターはされていないと思われ(音量は発売時の音源より若干大きめ)、恐らく当時の音源のまま収録されているのだと思いますが、彼の作品は生音メインの骨太ロックナンバーが主体なので、音質的には90年代のミックス具合が若干気になるものの、「その時代の音」といった古臭さはほとんど感じずに最後まで聴くことができました。

 「最強のベストを価値ある価格で!」というキャッチコピーのこのシリーズ。確かに素晴らしい選曲ではあるのですが、過去のベストとも曲がかなり被っているので、今回のベスト、仮に3,000円とかだったら石川ファンの筆者でもさすがに購入には至らなかったとは思いますが(←おい)、この値段なら「代表曲一曲ぐらいは知ってるけど…」といったライトリスナーの方に対しては彼の90年代の活動を十分に知りうることができる良盤だと思います。この調子で、未だにベスト未発売のメジャー時代後期のファンハウス〜ポニーキャニオン時代を総括した作品も出してくれれば嬉しいのですがねぇ…。

2012年12月09日 19:02

fujimaki 2012年10月17日発売、レミオロメンのヴォーカリスト・藤巻亮太のソロデビューアルバム。シングル「光をあつめて」「月食」「Beautiful day」を含む全11曲収録。初回限定盤にはレミオロメン名義で2011年にレコーディングされた「シーズンドライブ」を収録したディスクが付属の2枚組と、さらにPV+ライブ映像を収録したDVDが付属の3枚組の二種類。

 レミオロメンの活動を無期限休止として臨んだ2012年の藤巻ソロの活動を総括するかのような本作は、近年のレミオロメンの王道だった外に向かって前向きな歌詞が綴られるポジティブな作風から一転、どちらかと言うと初期の彼らを彷彿とさせる、内省的な歌詞が多め。活動停止のきっかけのひとつに震災からの出来事があった、ということもあるのか、「パーティーサイズ」など明るめの曲もあるものの、シングル曲をはじめとして歌の主人公が「これでいいのかな?」と明確な答えを出せないまま彷徨っているような曲が多い印象を受けました。そういった作風に合わせてか、あるいは藤巻が本当にやりたかった路線はこれだったのか、曲調やアレンジは上モノを必要以上には使用せず、レミオロメン後期で潤沢に使いまくっていたストリングスも導入せず、ロックバンド的なアプローチで全体をまとめています。

 今までの鍵盤やストリングスを前面に導入した路線を通過して、レミオロメンの音楽性が一回りして戻ってきた、という雰囲気で、詞も曲も初期に近いものの、初期特有の「泥臭さ」は洗練されており、経験値を付けつつ原点に戻ったかな…という感想なのですが、これをレミオロメンのアルバムではなく、藤巻ソロのアルバムで感じてしまう、というのが何とも皮肉といいますか。「四季追い歌」は歌詞の端々にレミオロメンを彷彿とされる言葉が出てきたりするあたりも、ちょっと複雑な思いがあるのですが、楽曲自体は派手さはないものの佳曲が並んでおり、新規リスナーの他にも、活動後期の路線で離れてしまった初期のレミオロメンのファンの方に特に一度聴いてもらいたい作品ですね。

 初回限定盤に付属の「シーズンドライブ」は、前述の通りレミオロメンとしてレコーディングされた(のを、藤巻亮太名義で今回発表したらしい)ということで、軽快なビートのブラスポップ。これまでのレミオロメンの活動の流れからすれば従来通りの作風といった感じで、インパクトはないものの良い曲。これを藤巻ソロにボーナス的に収録するということは、レミオロメンとしての活動再開はまったく白紙だから、幻の曲にならないようにとりあえずここに入れておくか、という配慮(?)なのかも。レミオロメンファンとしてはこの曲が彼らの最後のレコーディング音源にならないことをただ祈るのみです…。

2012年12月01日 21:28

trf20 2012年11月21日発売、来年のデビュー20周年を記念してのTRFの四ヶ月連続リリース企画の第1弾。デビューシングル「GOING 2 DANCE」から最新シングル「Memorial Snow」までの全シングルのA面曲(両A面タイトルの2曲目を除く)を時系列順にオリジナルバージョンで収録+新曲「EVERYDAY」をプラスした全32曲を収録したCD3枚+メンバー選曲によるライブ映像を収録したDVDが付属する4枚組と、CD3枚組のみの二形態でのリリース。

 Disc.1は1993年〜1995年、「GOING 2 DANCE」から「Happening Here」までの全12曲。気合の入った小室の楽曲制作と熱心なプロモーションの成果もあり、「EZ DO DANCE」を皮切りに大ヒット曲を次々と世の中に送り出し、「BOY MEETS GIRL」や「CRAZY GONNA CRAZY」といったミリオンセラーを連発するなど、セールスがピークを迎えたあたりまでの楽曲を収録。デビュー当時のコンセプトだったフロア向けのテクノサウンドから、「寒い夜だから…」あたりから大衆向けのポップサウンドへとシフトしていく音楽性の変遷が見受けられたり、ユニット自体も初期は匿名性が強く、メンバーも流動的だったりと、試行錯誤を経ながらJ-POPシーンを席巻していったこの時期の曲は勢いに溢れており、今聴いてもかなりのクオリティの高さを感じさせる曲が続くということもあって、本作中、筆者のこのディスクのリピート率はかなり高いです(笑)。

 Disc.2は1996年〜1999年までの全シングル13曲を収録。ユニット名が大文字に変更になった「Hey!Ladies & Gentlemen」以降は実験的な楽曲を連発。TKブーム真っ盛りの当時、globe、安室奈美恵、華原朋美が大ブレイクし、それに押し出される形でTRFのセールスは後退していった時期なのですが、今改めて聴くと小室が手を抜いている、という印象は受けず、売れ線以外でのTRFのアプローチに腐心していた様子が伺えます。結局小室プロデュースは1996年末の「LEGEND OF WIND」で終了、1年のブランクを置いて「Unite! The Night!」からは富樫明生や原一博、木村貴志といった外部作家陣による楽曲提供を受ける形となり、小室色が薄れ、一気に「avex勢」というポジションに落ち着いてしまったかな、という印象。とはいえ、TK時代には見せなかったフェミニンな「Frame」や、壮大なバラード「JOY」など、佳曲も散見されます。しかし1998、1999年の2年間でシングル8枚って多すぎるだろ^^;。

 Disc.3の表記は2000年〜2012年とありますが、実質は長らくのリリース停止期間を経ての再始動シングル「Where to begin」が2006年、最新シングルの「Memorial Snow」は2009年リリースなので実質は3年間の活動でのシングルは6曲。この時期は原点回帰を図ったのか、外部提供は続くものの、ブレイク期の音楽性を再現したかのような勢いのある曲が並んでいます。久々の小室曲「We are all BLOOMIN'」よりも他の作家が手掛けたナンバーのほうが「TRFらしい」というのも皮肉な話なのですが(苦笑)、中でも「Silence whispers」はかなり魅力的。そして新曲の「EVERYDAY」は実に16年ぶりの小室哲哉プロデュース作品(「We are all〜」は楽曲提供という扱いらしいです)。小室なりの「最新TRF」としてプロデュースしたのか、懐古的というよりも、次の活動に繋がりそうなナンバーで好印象でした。

 DVDは歴代のツアービデオ(DVD)からの全20曲の選り抜きライブ映像集…なのですが、曲目を見るとマニアックな曲が並んでおり、一見すると「?」という感じ。ライブ中のダンスパフォーマンスを中心にセレクトされたラインナップのようです。歌モノは極端に少なく、チラホラ入っている代表曲に関してもダンスを前面に出したものが多いですが、これがなかなか見応えがあります。CD音源では発揮できなかった「ダンサーが3人いる」というユニットの独自の利点を活かした視覚的効果を、コアな選曲でも楽しむことができました。それとは別に「WORLD GROOVE 3rd Chapter」はやはりライブ映えのする名曲だと改めて再確認。

 TRFは1998年にTK時代を総括した「WORKS」、2007年に15周年記念のオールタイムベスト「MEMORIES」をリリースしており、本作とは選曲の大部分がダブってしまうのですが、本ベストは他の二作とは異なりリリース順に楽曲が並べられていることもあり、楽曲の変遷が一番分かりやすいという点、また通して聴いても聴き疲れしないリマスタリングの良さも相俟って、初めてTRFを手に取るリスナーには最適なアイテムではないでしょうか。さらに、どうせ購入するのなら+500円で彼らのライブを堪能できるDVD付の形態を強くお薦めいたします。

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