2012年08月

2012年08月26日 13:11

MORITAKASINGLES 2012年8月8日発売、森高千里がリリースしてきたシングルのA面曲を完全収録したCD3枚組45曲収録のコンプリート・シングルコレクション。初回生産限定仕様版は三方背ケースのパッケージに入ったデジパック仕様に、48ページのフォトブックレットが付属。

 今年でデビュー25周年を迎える森高千里ですが、オリジナル作品をリリースしていたのは1999年まで。ということで本作もデビューの1987年から1999年までの実質12年間のシングル作品が時系列に並んでいます。さすがにデビュー当初の曲までは聴いていませんでしたが、個人的にJ-POPを愛聴していた筆者の90年代と彼女の活動全盛期は見事にマッチしておりまして(笑)、新曲が出る度にチェックしていたことを思い出します。

 さて、本作は3枚組なのですが、上手い具合に活動のスタンスを3期に区切って3枚のディスクに結果的に分割できたなぁ、といった感じ。DISC1はデビュー当時の80年代汎用アイドルポップ路線から、森高本人が歌詞を手がけるようになった「ザ・ミーハー」を皮切りに「ザ・ストレス」「臭いものにはフタをしろ!」「勉強の歌」など、デジタルポップなサウンドに個性的な歌詞世界が乗っかる独自性が確立されるまで。DISC2は「私がオバさんになっても」あたりから、アイドルファン以外の一般リスナー層にも彼女への認識が広がっていき、「私の夏」「気分爽快」といったポップな作品の合間に、「渡良瀬橋」「風に吹かれて」「夏の日」といったアーティスティックな路線の曲も顔を出し始め、アイドルからアーティストへと活動イメージを徐々にシフトできた時期。DISC3になると作風にも円熟味が増して、ポピュラリティーが強くなる一方、強烈なインパクトを持つ曲は少なくなってやや落ち着いた感もあるのですが、「ジン ジン ジングルベル」「ララ サンシャイン」「Let's Go!」「SNOW AGAIN」など、楽曲を聴くと当時タイアップされていたテレビ番組やCMなどが浮かぶ、記憶に残る楽曲がチラホラ。一番安定感があるのはこの時期の楽曲達でしょう。余談ですが、実質的な(現時点での)ラストシングル「一度遊びに来てよ'99」は歌詞を読むとこれがラスト、というのが意味深な内容ではあるかな、と邪推してしまうのですが…^^;。

 活動休止後も何枚かベストアルバムはリリースされている彼女ですが、全キャリアを総括した本作はまさしく待望の作品で、こういうアイテムが出ることを10年ぐらい待っていた身としましては(笑)大変嬉しいです。2000年代にはオリジナルのリリース活動がないこともあり、現役感が薄いことは否めず、筆者のようなリアルタイム世代が一番の購入ターゲットなのかもしれませんが、あまりに唯一無二すぎてフォロワーが存在しないという彼女の作品、若いリスナーの方々にも是非聴いてみてもらいたいものです。
 ちなみに初回のフォトブックレットは当時未発表のCDシングルジャケット写真がメイン。せっかくの公式ベストなんだから、森高本人のライナーノーツもあればなぁ…と思ってしまったのが本作への唯一の不満点です(笑)。

2012年08月19日 11:49

DEENMARIAGE 2012年8月8日発売、DEENの通算12枚目(サマーアルバム「クロール」を除く)のオリジナルアルバム。完全新作「マリアージュ」と、セルフカヴァーアルバム「Triangle Cover Version」の2枚組の通常盤、そしてライブDVD+豪華装丁の初回生産限定盤での2形態での発売。今回レビューするのは初回生産限定盤のほうです。

 DISC1、「マリアージュ」はDEENのメンバー三人だけの音で作り上げた(ダビング等はかなりありますが「三人の手で」という意味でしょう)オリジナルアルバム。シングル「心から君が好き〜マリアージュ〜」を含む全11曲収録。
 今回は作詞担当として樹林伸が4曲参加。既にシングルで2曲参加していたので新曲としては2曲(「神の雫」と「ハリネズミのジレンマ」)提供なわけですが、この2曲はかなり独自性が強いというか、色々な意味でDEENらしくない歌詞(笑)というのが正直なところ。また、前作「Graduation」では若々しい歌詞を書いていた池森秀一の作詞が今回は少し大人びた歌詞になっているのは「マリアージュ」というアルバムタイトルに引っ張られてのものかも。
 楽曲は田川伸治が7曲、山根公路が4曲と、今までにない作曲バランス。コンセプト上アコースティック調のアレンジが多く楽曲的には変化を付けにくいところを、田川アコギソロ曲、山根ヴォーカル曲でバラエティ感を出そうとしているのかな、というのがアルバム一枚を通した感想です。突出した「このアルバムはこの曲!」といった曲はないのですが、聴き込むと良さが出てくるようなスルメ的なアルバムのような印象を受けました。

 DISC2、「Triangle Cover Version」は「マリアージュ」同様三人の音で再録された全10曲収録のカヴァーアルバム。「キセキ」やclassicsで既にカヴァーされた曲が10曲中8曲もあり、特に「瞳そらさないで」はもう何度目のセルフカヴァーか、という気がするのですが(笑)、どの曲も基本的には原曲のアレンジを重んじたアコースティック・カヴァーといった感じ。初カヴァーの「哀しみの向こう側」はエレピの音の効果もあって、なかなかの好作品。どの曲も外れなし、なのですが、せっかくの機会なんだからライブのアコースティックコーナーでリアレンジされただけで音源未発表の作品(特に「JUST ONE」あたり)も音源化すれば良かったのに…と思うのは筆者だけでしょうか(苦笑)。

 DISC3は今年の1月に行われたライブツアー「DEEN LIVE JOY-Break16〜Graduation Party〜」の最終日、ZEPP TOKYO公演での模様を収録したライブDVD。MCなどはカットされているものの、アルバムに同梱されるライブDVDでひと公演の全演奏楽曲が完全収録されるのはこれが初めて。「心から君が好き」(池森単独作詞バージョン)も収録。また、SEの流れるオープニングや転換のシーンも省略されずに収録されており、チャプターも丁寧に分割されてあるなど、単品販売で発売されてもおかしくないレベルの内容です。
 ライブ本編のほうは当時の最新アルバム「Graduation」を引っ提げての全国ツアーということもあり、アルバム11曲中から10曲を演奏。LIVE JOYを意識した作りだと思われる「Graduation」からの曲はどの曲もライブ映えする曲が多いです。その他はヒット曲を中心に新旧の定番メニューを揃えたいつも通りの楽曲が並ぶのですが、「このまま君だけを奪い去りたい」は久々にキセキバージョンで演奏されるなどある程度変化を持たせたメニュー。女性ダンサーを引き連れての池森のダンスシーンや、アンコールでの上海ロックスターがまさかのカラオケネタライブ(笑)など、新しい試みも行われ、ライブタイトル通り「パーティー感」の強い楽しい内容の公演だったようです。個人的にはアコースティックコーナーの「セレナーデ」が一押し。

 ところで、この初回生産限定盤はアルミ製ケースに入って定価8,400円という高額アイテム。3,990円の2枚組CDに4,430円のライブDVDをセットにした…と書けばそこそこの値段設定のようには見えますが(笑)、ライブDVDは単品では販売されないために「ちょっとDEENのライブ観てみたい」と思うようなライトリスナーにとっては敷居の高すぎる価格な点は否めません。筆者はコアなファンなのですが、それでも高いと思いネットで2割引で購入してこれぐらいが妥当な値段かな、と思ったぐらいです(笑)。作品内容は悪くないだけに、最近のこの販売形態、価格設定、DEENデビュー20周年に向けて再考していただきたいところです。

2012年08月11日 12:28

wandsbest 2012年8月8日発売、ビーイングより発売された「BEST LIVE & CLIPS」シリーズ全3作の中の一作、WANDSの映像作品集。同日にT-BOLAN、LEGEND of 90's J-ROCKの同作品もリリース。本作は1991年デビュー、メンバーチェンジを経て2000年に「解体」したWANDSが残したライブ映像からの選りすぐり集「BEST LIVE」とPV集「BEST CLIPS」のDVD2枚組。

 DISC1は「BEST LIVE」。彼らがライブを行ったのは上杉、柴崎、木村が在籍時代の第2期のみだったので、ライブ映像も当然1993年〜1995年に行われたライブツアーの中からの映像を抜粋した全20曲。ライブ映像は時系列順ではなく、1993年末のVIDEO SHOOTING LIVEを中心に年代が行ったり来たりしていますが、観客の歓声をうまく繋ぐことでひとつのライブ公演として観ることができる編集になっていると思います。演奏のほうは、基本的に打ち込みがほとんどだったCD音源を生演奏に置き換えて忠実に再現しているという印象。ドラムスがいかにもダンス系の打ち込みだったデビューアルバム「WANDS」からのアルバム曲に関しては生演奏になったことでロック色がかなり増したように思えました。また、「Mr.JAIL」は2コーラス目の歌詞が変わっていたりと、原曲との違いを楽しむことができます。上杉の喉は曲によっては高音が掠れたりする場面もありますが、基本的にはイメージ通りのワイルドなパフォーマンス。柴崎もギターソロが多いこともあり、見せ場が多い一方、木村はこの二人に比べると映る確率がガクンと減るのはやはりキーボーディストの宿命なのでしょうか(泣)。ともあれ、貴重なライブ映像を堪能できるディスクに仕上がっています。

 DISC2は「BEST CLIPS」。全シングルのPVの他に、ショートバージョンのアルバム曲のPVも収録した全24曲。…といっても収録時間は65分ということで、フルサイズで作られたPVは8曲で、メンバーのスタジオでのレコーディング作業や、スタジオライブが1コーラス程度で収録された曲がその他大半を占めています。特にブレイク絶頂期だった1993年のリリース作品に関してはまったくフルPVが存在せず、本作に収録されているのは当時のCDTVでオンエアされた簡易的なものが収録されており、この時期のちゃんとした映像作品を残しておかなかったことは、結果的に当時のJ-POPシーンを振り返る資料に乏しくなってしまったのは本当に残念。上杉、柴崎、大島の第1期、和久、杉元、木村の第3期に関しては活動期間の割にそれなりのPVが存在するのがまだ救いでしょうか。
 ちなみに本ディスクの最後には「Secret Night〜It's My Treat〜」のフルサイズPVが初収録。他のPV作品とは一線を画すシュールなPVにはぶったまげました(笑)。恐らく蔵出し作品だと思いますが、これが発売当時普通にオンエアされていたら、音楽性の変化以上に話題騒然になりそうなクリップで、WANDSファンはある意味必見だと思います^^;。

 本作はライブ集、PV集共に、解体時にリリースされた「BEST OF WANDS VIDEO HISTORY」の完全版といったところ。動く映像が少ないビーイング系アーティストの中でも、特にWANDSは活動当時の映像露出が極端に少なかったので、ここに来て貴重な映像集をリリースしてくれたことに感謝ですね。

2012年08月05日 13:37

deenkokorokara 2012年6月27日発売、DEENのニューシングル「心から君が好き〜マリアージュ〜」の初回生産限定盤に付属した「Premium Live CD」を今回のCD Reviewでは単体のライブCDとしてご紹介。全9曲収録。

 今年の3月に東京、大阪でそれぞれ2Days4ステージずつ行われたDEEN初のビルボードライブ公演。本CDでは最終日にあたる3月17日に開催されたBillboard Live OSAKAでのライブ音源を収録。
 本公演はタイトルにも示されている通り、かつて2002〜2004年にリリースされたDEENのAOR路線のアルバム「pray」「UTOPIA」「ROAD CRUISIN'」(+シングルのカップリング)からセレクトされたセットリスト。当時のツアーで演奏されたきり、以降はまったくライブで触れられることのなかった「Re-Birth」「Lost time」、AOR路線終了後は披露されることのなくなった「magic」「空もハレルヤ」、アコースティックコーナーやアンプラグドライブでの演奏機会はあるものの、オリジナルアレンジでは相当久々の「ROUTE 466」「太陽と花びら」「ユートピアは見えてるのに」といった、今となってはレア曲扱いのAOR作品が満載。しかも今回の演奏陣は当時のツアーと異なり、DEEN三人+通常ツアーのベース&ドラムスに加え、トロンボーン、サックス、トランペットといったホーン隊がサポートで入り、アルバムの音を生演奏で再現しています。また、ヴォーカル池森秀一の歌声も作品発表時よりも力強さや低音での安定感が増し、「DEEN's AORの再演」だけには終わらない付加価値のあるライブだったのではないでしょうか。

 なお、各メンバーのソロコーナーも存在し、池森秀一と山根公路はカヴァーを、田川伸治はソロのオリジナル曲をそれぞれ披露。池森はチャゲアスの初期の名曲「終章」をゲストの大平勉のピアノをバックに歌い上げていて、これも良い感じ。田川の「NIGHT CRUISIN'」はジャズ的なインスト曲で、おおよそDEENらしくない(笑)ソロならではのアプローチ。山根はボズ・スギャックスの「Jojo」をカヴァーしたそうですが、洋楽の版権の問題なのか本CDには未収録なのが残念。ちなみに、池森と田川は日替わりで何曲か他の曲を演奏したそうです。

 そして特筆すべきは本作の音の良さ。通常ツアーのホールやライブハウスと比べ、小規模で音響自体が優秀というビルボードの会場で録音された、ということもあるのでしょうが、今までのDEENのライブCDの中でもこの作品の音質の高さはずば抜けていると思います。ヘッドフォンでじっくり聴くのも良いですが、部屋でコンポのスピーカーから大音量で鳴らすと、たちまち部屋がAORライブ空間に変化するので推奨いたします(笑)。
 そんなわけで選曲、演奏、音響の三拍子揃った良質のライブアルバム。代表曲やヒット曲が一切収録されていないので、ライトなリスナーやAOR期があまり好きではないファンにとっては敷居が高いかもしれませんが、通常盤シングル+1,000円弱で手に入ってしまう価格のリーズナブルさもあり、「心から君が好き」を購入される場合は是非ともこちらの初回生産限定盤がお薦めです。DVDが付くと値段がやけに跳ね上がる最近のアリオラジャパンですが、今回は良い仕事するなぁ、と思いました(笑)。

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