2011年08月

2011年08月17日 21:44

41eVBT9cYrL__SL500_AA300_ 連日続く猛暑の中、甲子園球場にて高校球児達が勝利を目指して熱い試合を繰り広げる夏の高校野球選手権大会。いよいよ大会も今週末クライマックス、ということで、今回ご紹介する「今週の1枚」は、2002年7月24日にリリースされたコンピレーションアルバムをピックアップ。その名も「一番熱かった夏〜熱闘甲子園の歌〜」。全10曲収録。

 夏の高校野球大会開催中の夜に毎年オンエアされる、テレ朝(ABC)系の高校野球ダイジェスト番組「熱闘甲子園」。レギュラー番組の初オンエアから今年で31年目を迎えるというこの長寿番組(データの詳細が載っている私設サイトはコチラ)、汗にまみれて白球を追う高校球児達のバックに流れていたテーマソングの数は数えきれないほど。実際、J-POPアーティスト達の曲をテーマソングとしてオンエアするようになったのは1990年大会の「金網ごしのBlue Sky」(大塚純子)からということで、残念ながらこの曲は収録されていないのですが、翌年1991年から2001年までの主題歌をセレクションしたのが本作品です。ちょうど1990年辺りからJ-POP、そして野球(プロ・アマ問わず)に興味を持ち始めた筆者にとっては、まさに本作は青春ど真ん中(笑)のコンピレーション作品となっています。

 約11年間の間にテーマソングに起用されたアーティストはベテランから若手までと実に様々。既にキャリアを築いていた浜田麻里渡辺美里TUBEから、当時人気急上昇中だった石川よしひろ、当時マイナーだった(残念ながら今も…)TSUNAMI安藤秀樹、そしてベテランの西浦達雄までと、結果的に幅広い世代のアーティスト達が集ったアルバムとなりました。

 こうして集められたテーマソングの数々も、各アーティストの個性を反映してバラエティ豊か。「熱闘甲子園」だから真夏の太陽のように熱く!という超王道の直球ソング「傷だらけのhero」(TUBE)、爽やかに熱い「Precious Summer」(浜田麻里)、球児達を見守る側の立場で描かれた「Dear…」(TSUNAMI)、燃えた季節を回想するノスタルジックな「手の中の青春」(西浦達雄)など、色々な角度から心の琴線に触れる曲が多数。直接的に「野球」をテーマにしていない曲もチラホラありますが、それでも当時「熱闘〜」で毎日のようにオンエアされていたということもあり、これらの曲を聴くとその年の試合ハイライトが目に浮かんでくるような、そんな気持ちになれる曲が満載です。

 一方、サウンド面に関しては2011年という年から振り返ってみると、良くも悪くも、90年代に主流だったサウンドアプローチの曲が多いかな、という印象。基本的に曲順は1991年から1年ずつ年を追って収録されている(飛ばされている年もありますが)ということもあり、1994年のTUBEはビーイング全盛的なサウンドだったり、1997年のTSUNAMIは「あ、このシンセの入れ方がなんかSIAM SHADEっぽい」と思ったら、編曲を明石昌夫氏が手掛けていたり、皆谷尚美の「セピアの日」は1999年の流行らしいR&Bテイストを含んだアレンジになっていたりと、音楽的世相がそのまま反映されているのが面白いです。そんな中で真心ブラザーズの「FLY」(2001年)は普遍的な輝きを放っていて、この曲は例えば今年あたりにリリースされていても違和感はないかな、と思ったりしました。

 また、ブックレットに収録年代の決勝試合の解説や、永きにわたって「熱闘〜」のキャスターを務める長島三奈のテキストが掲載されていて、それも読みどころ。今や福岡ソフトバンクホークスの不動のエース・杉内俊哉投手や、メジャーに進出した松坂大輔投手の高校時代のエピソードがわずかですが書いてあったりするのは「わぁ、懐かしいなぁ」と思いましたし、同じく甲子園で活躍してプロ入りしたものの、現在では現役引退している選手の名前を目にした時はちょっと切なくなったりと、音楽以外でも懐かしい気分に浸らせてくれる、付加価値のある作品でした。

 なお、2001年以降のテーマソング集として「熱闘甲子園のうた〜夏の高校野球応援ソング〜」が2010年にリリースされています。実質上の続編ですので、併せて聴いてみると約20年分の「熱闘甲子園」の主題歌が楽しめます。甲子園もいよいよ大詰め、熱いコンピレーションアルバムを聴きながら、折り返し地点を迎えた夏を過ごしてみるのはいかがでしょうか。

2011年08月13日 11:14

BEGINTAKEO 2011年7月20日発売。2000年より始まった、BEGINのオリジナル島唄=オモトタケオ(彼らが島唄を作る時にだけ現れる心の住人の名前だそうです)シリーズの集大成としてリリースされた、初の「島唄ベストアルバム」。全16曲収録。

 このオモトタケオシリーズは第1弾が2000年、第2弾が2002年、そして第3弾が昨年の2010年にリリース。今作は基本的には上記3枚のアルバムからのセレクトになっていますが、通常シングルとしてリリースされた「ユガフ島」「三線の花」といったシリーズ未収録の曲も選ばれています。これらはオモトタケオのリリースが止まっていた第2弾と第3弾の間に発表された作品。本ベストアルバムは実質的にこの2000年以降11年間にわたる全オリジナル島唄からのベストセレクション、と言えるでしょう。

 収録曲に新曲、あるいは未発表テイクはなく、リマスタリング以外はすべて既発の音源からの収録なので、コアなファンを引き付けるポイントは残念ながらないのですが、彼らの代表曲「島人ぬ宝」、「涙そうそう(三線バージョン)」、「オジー自慢のオリオンビール」、「かりゆしの夜」、「オバー自慢の爆弾鍋」、「パーマ屋ゆんた」など、一概にオリジナル島唄といってもバラードからアッパーなナンバーまで様々なアプローチを試みた楽曲が一同に会しているのは圧巻。個人的には「オジー自慢の〜」の直後にその続編「アンマー我慢のオリオンビール」が即座に始まるという構成にニヤリとしてしまいます(笑)。そして、本シリーズ開始以前に発表されていた、大島保克氏の作品でもある琉球音階の美しい旋律のバラード「イラヨイ月夜浜」(オモトタケオ「1」で再録音)がセレクトされたというのも嬉しいポイントです。

 コアファン狙いではない分、ジャケットも従来の濃い感じとは異なりポップで手に取りやすいと思います(笑)。ただし、従来の作品のブックレットに細かく書かれてあった、歌詞に登場する琉球方言の解説などは本作にはありませんので、「爬竜舟」などは解説なしに聴いても「?!」となるかもしれません^^;。でもまあ、BEGINのベストアルバムを聴いて興味を持った方が、手軽にオモトタケオシリーズを楽しめる、という点ではライトリスナーにはうってつけの作品だと思います。

 ところで今年デビュー20周年のBEGIN、「シングル大全集」も特別盤が出て、「オモトタケオ」のベストも出て、となると次は、意外にもリリースされていない「ブルーズバンドとしてのBEGIN」のベストアルバムも出してほしいところですね。無理かなぁ…。まあその前にオリジナルアルバムに期待でしょうかね(笑)。

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