2011年07月

2011年07月31日 17:26

BILLYSHEA J-POPではありませんが、今回は筆者の敬愛するビリー・ジョエルの作品をご紹介。2008年7月、メジャーリーグ球団ニューヨーク・メッツの(元)本拠地球場、シェイ・スタジアムにて行われたライブ公演を収録したDVD。2011年4月6日発売。

 ビートルズが1965年に史上初のスタジアムライブを行ったことでも知られるこのシェイ・スタジアム。老朽化に伴い2009年に取り壊されてしまったこの球場での最後のイベントとして、本公演が行われました。公演は7月16日と18日の2DAYS。今回収録されているライブの模様は、この2日間からのベストアクトや、日替わりで登場したゲストアーティストのシーンもうまく織り交ぜて、ひとつの公演として自然に繋がるように編集されているようです(封入のブックレットのセットリストとDVDの収録曲順が結構異なる点が多いので)。
 ちなみに彼のライブが日本国内で映像化されたのは相当久し振り。1993年発売の「RIVER OF DREAMS」のワールドツアーのライブビデオ以来ではないでしょうか。まあ、あれ以来オリジナルアルバム出してないから仕方ないかもしれないのですが(苦笑)。約15年を経過した現在(2008年夏)のビリー・ジョエルは、頭髪も寂しくなり、体型もいささか丸くなって、活発にリリース活動をしていた頃の彼の姿を知るファンの方は今の姿を見ると驚かれると思うのですが^^;ピアノを弾いてパワフルに歌うステージパフォーマンスは健在。代表曲「Piano Man」をはじめ、「My Life」「We Didn't Start The Fire」「Scenes From An Italian Restaurant」などの往年の名曲を次々と披露してくれています。個人的には「Miami 2017」「Summer,Highland Falls」を収録してくれたのが嬉しいところ。

 先述のゲスト陣との共演も豪華。ラストに出てくるポール・マッカートニーとのセッションとラストの「Let It Be」では完全にポールに持っていかれちゃっている気はするのですが(笑)、ビリー本人が何より楽しそうだから良し。この球場の最後のイベントということの雰囲気、熱気、それはまさに一本のライブステージというよりも、お祭りのような賑やかさ、楽しさが溢れているライブステージだと観ていて思いました。最初から最後まで2時間以上を超える内容になっていますが、あっという間に観終わってしまうこと請け合いの、ビリーファン必見のDVDですね。

 …ちなみに、本作品の国内での販売形態は、私が購入したライブ盤DVD1枚のみの通常盤(3,990円)。それとは別に、ライブ盤DVD+ライブ盤CD2枚+ドキュメント盤DVDの豪華盤(8,400円)、そしてドキュメント盤DVD(3,990円)の3種類だそうです。豪華盤のほうも確かに魅力的ではありますが、お金が…(汗)。ということなので、本作品をご購入の場合は、どのパターンを購入されるかをじっくり検討してください^^;

2011年07月25日 12:36

SIAM4 なんと、奇跡的に月2枚もご紹介できた(←自虐)「今週の1枚」。今回ご紹介するのはSIAM SHADEのメジャー3rdアルバム「SIAM SHADE IV・Zero」。1998年1月21日発売。

 SIAM SHADEは1995年にメジャーデビューし、2002年にバンドの歴史に幕を下ろした5人組ロックバンド。解散後はそれぞれ独自の活動をしつつ、2007年、そして今年2011年にも限定での復活を果たしていて、今後の活躍も期待したいところなのですが、そんな彼らがブレイクした90年代末期、最大のトップセールスをあげた作品が本作です。

 彼らは、ポップなメロディーにハードロックを基調としたサウンドのバランスの秀逸さ、ユニーク…とまでは行かないまでも、分かりやすいメッセージを含んだテーマの歌詞。そして抜群の楽器隊によるレベルの高い、時にプログレッシブ・ロックを彷彿とさせる演奏技術を持つという、ライトなファンにも、コアな音楽ファンにもアピール出来るポイントがそれぞれあるという、稀有な音楽性を持ったバンド。それだけでも、十分ヒットシーンの前面に立てるポテンシャルを持っていた彼らが、本作に含まれるシングル「PASSION」からプロデューサーとして明石昌夫氏を起用。B'zの共同アレンジャーをはじめとして、ZARDやWANDS、T-BOLANといった、90年代前半〜中盤のビーイング系の数々のアーティストをブレイクに導いた、いわゆるヒットのツボを隅々まで心得ている明石氏と彼らのタッグは、まさに「鬼に金棒」といったところ。当時の音楽業界で彼らが徐々に注目されはじめていたこと、某アニメのエンディングテーマに「1/3の純情な感情」がタイアップされたこと、そしてSIAM SHADEと明石昌夫のタッグ、すべての要素が良い方向に動き、完全にブレイクに至った経緯があったように記憶しております。

 このアルバム、いかにも明石昌夫的!(というかビーイング的?)と感じたのは、やはりキラキラしたシンセ、そして硬質のピアノ、それが彼らの楽曲の中に散りばめられているという点。先述のシングル2曲もそうですが、「Dear...」「Bloody Train」(のイントロ)あたりもまた然り。「Bloody〜」のほうは詞も曲もハードでヘビーな印象を受けるのですが、イントロにキーボードサウンドが入ることである程度そのハードさが緩和され、従来の彼らの同様の作品よりも聴きやすくなっています。これを「SIAM SHADEらしさ」で論じると賛否両論まっぷたつになるのではないかと思いますが、個人的にはこの聴きやすさこそが彼らをブレイクに導いたこということあり、またこのテイストがなければ彼らの音楽を聴くきっかけにはならなかったかな、と思うので、明石昌夫エキスの注入、大いにアリです(笑)。
 といっても、本作に収録中の楽曲は、すべて明石色に染め上げられた、というわけではなく、従来のSIAM SHADEの路線を打ち出している曲もバランス良く収録されています。タイトなビートに日常的なぼやきから始まってサビでは内面吐露に展開する歌詞が面白い「No!Marionette」や、歌の内容が聴き取れなくて、歌詞カードを見てびびった記憶がある(苦笑)「Money is king?」ではヌケの良いドラムの音が印象的な、ライブで盛り上がりそうなサウンドの曲があったりと、従来志向と、新しい志向(いわゆるビーイング的な)がアルバムに上手いこと収まっている1枚となっています。
 また、HIDEKIとKAZUMAのツインヴォーカルを活かしたバラード「誰かの気持ちを考えたことがありますか?」が中盤の6曲目に入っていることでメリハリが効いているのもポイント。もともとSIAM SHADEは純バラード曲がほとんどないということもあって、こういう壮大なバラードが入るだけで結構なアクセントになるんですよね。そして演奏隊の腕を存分に見せつけるインスト「Virtuoso」も目まぐるしい楽曲の構成、展開、変拍子っぷりに、その系の音楽ファンを悶えさせること必須だと思います(私のことか?)。

 冗談はさておき、以上のようにとにかく楽曲がアルバム全編にわたってバラエティに富んでいて、従来からのファン、「1/3〜」をきっかけに興味を持ったファン、どちらの層も楽しめる作品になっていると思います。リスナーへの聴きやすさ、というアピールポイントでいえば、このアルバムの次作「SIAM SHADE 5」のほうが上かな、とは思いますが(あっちのほうが収録ヒットシングル多いし)、前作「III」までのようなハードさと、次作「5」でのポップさ、それらの中間地点にある、非常にバランスの取れたアルバムです。一番売れたので中古市場にもそこそこ出回っているようだし(笑)、SIAM SHADE復活に合わせて未聴の方は是非お聴きいただきたい作品ですね。

2011年07月17日 12:58

kimisira 2010年11月3日発売、「ソングライターズヒストリーvol.2」と銘打たれたASKAのセルフカヴァーアルバム第2弾。全12曲収録。

 チャゲアスやソロ時代のヒット曲を中心に収録した第1弾「12」に続く本作は、「生涯忘れられない人との出会い、別れ、ノスタルジー、ASKAのラブソングで綴るストーリーアルバム」というコンセプト。そのコンセプトに沿って過去の作品から独立した12作品をピックアップした作品になっています。
 「めぐり逢い」で始まり、過去の恋を振り返る「C-46」で終わる、という構成になっているのですが、単に出会って、恋して、そして別れて…といった起承転結になっているのではなく、「パラシュートの部屋で」「B.G.M」といった幸せな時代を描いた曲は序盤に集中、「MIDNIGHT 2 CALL」を境に、終わってしまった恋を追想する「明け方の君」「くぐりぬけて見れば」などの曲が続き、そして「201号」というひとつの部屋の意味が「君の好きだった歌」で明かされ、そして最後の「C-46」に繋がるという楽曲構成はなかなか凝っていて、この1枚のアルバムに出てくる主人公とその恋人は、出会って、どうして別れてしまったんだろう?今は何をしているんだろう?何故今になって夜中に電話をかけてくるんだろう?(笑)などと、想像の余地が膨らむ内容になっていると思います。
 また、「君の好きだった歌」は元々約15年前の「Code Name.1 Brother Sun」の1曲目に収録された短めの曲だったのが、今作に収録されるにあたって歌詞やメロディーが追加され、今作のコンセプトに沿った内容にリメイクされているのがポイント。個人的には「C-46」で歌われている「近く」が、「201号」と繋がる辺りの妙技(?)に感動してしまいました。

 そんなわけでストーリーを中心に楽しめるアルバムではありますが、セルフカヴァーとしての作品としては、こちらは「12」と同様、過去の曲を現在用にブラッシュアップしている印象というのは変わりません。アレンジャーも前作と続投なこともあり、ある意味安心して聴けます。原曲ではフォーク色の強かった「201号」が、葉加瀬太郎、押尾コータロー両氏のアレンジ参加によって陽の空気が導入されたサウンドに生まれ変わったのが一番の聴きどころでしょうか。選曲的には12曲中11曲がチャゲアスの曲という偏りを見せているのが気になりますが、ASKAのソロ曲って結構概念的な曲が多いような気がするので、ストーリーアルバムとして相応しい楽曲はチャゲアスの曲から選んだ、ということなんでしょうかね。

 「めぐり逢い」以外にヒット曲らしいヒット曲がなく、またアルバムの収録曲が中心の選曲なので、ライトリスナーには敷居が高めですが、ベテランらしくなかなかに深い作品です。しかし、次はそろそろオリジナルアルバムをお願いしたいところですね…^^;

2011年07月09日 20:43

greenmind2010 2011年6月15日発売。ニューシングル「水無月」の期間生産限定盤として同梱リリースされた、秦基博のアコースティック・ライブアルバム第2弾。単品販売は行われていないのですが、シングルとはCDケースも別々になっているということで(笑)、独立したいち作品としてご紹介。全14曲収録。

 昨年リリースの「best of green mind '09」(以下「'09」)の後で行われた、野外会場でのライブツアー「GREEN MIND 2010」の公演の中からのベストテイクを選曲した本作。「'09」以降に披露された新曲はライブの時点では「透明だった世界」と「今日もきっと」の2曲のみ。しかし本作に収録されている楽曲は前述の2曲と、「'09」に収録されなかった楽曲が中心。「青」「トブタメニ」など、隠れた初期曲の収録などもあり、「'09」と重複している「風景」「鱗(うろこ)」「虹が消えた日」「フォーエバーソング」などは、前作とは異なるアレンジで演奏されているのが嬉しいところです。

 なお、「アコースティック・ライブアルバム第2弾」と銘打たれていますが、完全に秦基博の独奏・独唱だった「'09」とは変わって、彼一人の弾き語り曲もありますが、ギター、ベース、ドラムスのツアーメンバーを従えてのバンド演奏での構成がメイン(アコと言いながらエレキを使っている曲もあったりするわけですが…^^;)ということもあり、今作では秦基博の「素」の演奏を聴くアルバム、というよりも、彼を中心にバンドメンバーとのセッションを楽しむライブアルバム、といった感が強いです。「鱗(うろこ)」の久保田光太郎氏とのギター同士の絡み合いが特に出色。「夜が明ける」のウッドベースをブリブリ言わす鹿島達也氏の熱いプレイも必見…じゃなくて必聴です。

 「アイ」などの代表曲を押さえつつ、アルバム曲を中心に組み立てた、ややファン向けの選曲ではありますが、MCもポイントごとに織り込まれているということもあり、1枚でひと公演のライブのセットリストを味わえる、という面では前作よりも「ライブアルバム」的な印象でした。今年の12月末までの期間限定生産ということもありますが、シングルとこのアルバムで2,730円ははっきり言ってお買い得ですので(笑)、ファンの方は是非お買い求めることをお勧めいたします…レンタル出てるかな?

2011年07月03日 13:01

karasimarennai 2011年もあっという間に7月。早くも後半戦に突入してしまいましたが、今月一発目は久々に「今週の1枚」の更新をさせていただきます。新旧年代問わずにアーティストのお薦めアルバムをご紹介していく本カテゴリー。今回ご紹介するのは、辛島美登里の通算8枚目のオリジナルアルバム「恋愛事情〜reasons of love〜」。1996年1月31日発売。

 名刺代わりといえる代表曲「サイレント・イヴ」を始めとして、女性の切なくも細やかな恋愛心理を巧みに描いた詞の世界で、いわゆる妙齢の女性の方々に多くの支持を誇る、現在においても日本の音楽シーンの中でも稀有な存在感を持つ辛島美登里。そんな彼女ですが、自身がプロデュースに参加するようになったファンハウス後期時代(アルバム「Night and Day」あたりから?)から、従来の「辛島美登里像」…淑やかで一歩引いた大人の女性の視点、から逸脱しないまでも、もう少し幅を広げたアプローチを試み始めていたような気がします。1995年に東芝EMIに移籍してからはその傾向が更に加速し、今作「恋愛事情」をリリースする辺りでは「大人しいだけではない辛島美登里」的な、脂が乗り切った(と女性にこの表現を使うのは失礼か?!)作品を発表していて、いわゆる彼女のひとつの到達点を迎えていたのがこの頃ではないでしょうか。ビジュアル面でもこの頃の辛島先生は妙に若々しいアーティスト写真が多いと思います(笑)。

 さて、今回ご紹介の「恋愛事情〜reasons of love〜」は、収録曲10曲すべてが彼女の十八番である「ラブソング」という、タイトル通り、数々の恋愛模様を綴った作品。といっても、全曲のストーリーに繋がりがあるわけではなく、1曲1曲それぞれテーマが異なる、いわゆる「短編オムニバス」。ということで、辛島恋愛ワールドを堪能できるアルバムになっているわけですが、この10作品に出てくる主人公、愛の形はまさに十人十色ということで、様々な恋愛がバリエーション豊かに描かれています。
 順不同に紹介していくと、1曲目の「Friends」。恋人になるきっかけを逃してしまってずっと彼とは友達のまま…というシチュエーションでのいきなり切ない幕開け。続く「プロミス・タワー」は、ある程度付き合っている彼の意外な一面を発見。この曲はアレンジの軽快さも相俟ってハッピーな印象を受けます。逆に、付き合い始めでまだ何も力にはなれないけど、そばにいたい、という想いを綴った「Be with you」みたいな曲もあり、恋愛の成就を心から喜ぶ、心が洗われるような美しいバラード「星に願いを」もしみじみと良い曲。また、前年の夏にリリースされていたヒットシングル「愛すること」も収録されているのですが、この曲は「愛が生まれてそして 息絶えるまで 時間はどのくらい?」と、焦燥感、切迫感を感じさせる「愛」についてのメッセージソングで、同じテーマでも切り口を変えることでここまで印象が違うことに驚かされます。
 一方、終わってしまった恋を悔やむ「悲しみのDestiny」は意外にもアップテンポのロック調ナンバー。本作と同時発売のシングル「くちづけは永遠に終わらない」(珍しく作詞が松井五郎氏=外部委託)ではサンバ調と、辛島先生定番の(?)失恋ソングでも従来とは味つけが違って新鮮。そして、「彼女の雨」は不倫をテーマにした本作中最も重い作品。何かが崩れていくことを感じながらも引き返せない恋に落ちていく、それを分かっていながらも愛さずにはいられない女性の心情、男の筆者にはうすら寒さすら感じます^^;。それだけリアルな歌詞ってことでしょうか…。ラストの「Bouquet」も結婚式が舞台なのに何か意味深だし…。

 …と、まあこう書くと、本作は「私は恋して幸せです」的なラブソングアルバムとは一線を画す作品が多く、聴きづらいヘビーなアルバムなのか?と誤解させてしまいそうですが、実はこの作品、辛島先生のオリジナルアルバムでは実は一番聴きやすいアルバムではないかな?と思っております。彼女のドラマチックなメロディーラインが冴えた曲が多く、また十川知司、大村雅朗両氏の手による完全分業のアレンジメントも音の彩りが豊かで、10曲というコンパクトな収録楽曲数ということもあり、オリジナルアルバム1枚聴き終わるのに適度な分数(約50分ぐらい)でまとめた点もポイントが高いです。
 最後に、本作中盤に収録されたダンサブルなナンバー、「Woman」をご紹介しましょう。働くアラサー女性が主人公で、役者志望の年下の彼と付き合っていて、さすがに若い娘にはかなわないけど、彼女達にはできない気配りや大人の優しさで包み込もう、という母性(?)を感じさせつつも、最後のほうで「それでも守ってほしいのよ」と本音をのぞかすこの曲。後のベストアルバム「EVER GREEN」にも収録されていたので結構人気があるのではないかと思うのですが、さすがにOL層を中心に支持を得ていただけのことはある歌詞だなぁ、と今回レビューを書くにあたって、改めて読み返して納得してしまいました。

 この年、「あなたの愛になりたい」という究極のラブソングを生み出し、こと純愛ソングに関しては円熟期を迎えていた感のある辛島美登里。2000年代に入ってからはリリースペースも緩やかになり、地道に活動をしている印象を受ける彼女ですが、相変わらずの凛とした歌声と繊細な歌詞、メロディアスな楽曲は健在です。「EVER GREEN」「オールタイム・ベスト」といったベストアルバムを聴いて、辛島美登里の楽曲に興味を持った方に、次に聴いていただきたい作品としては、まずこのアルバムをお薦めしたいと思います。

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