2010年02月

2010年02月27日 00:08

root いよいよ50回目の大台にリーチをかけた(?)「今週の1枚」。今回ご紹介するアーティストは、先日12年間の歴史に終止符を打ち、解散宣言を行ったSURFACE(surface)。そんな彼らの3枚目のアルバム「ROOT」を取り上げたいと思います。2001年6月27日発売。

 SURFACEはヴォーカリスト・椎名慶治、ギタリスト・永谷喬夫による二人組ユニットで1998年にデビュー。ほぼ全ての作詞をヴォーカルが、作曲をギターが担当、そしてハードなギターを前面に押し出したロックサウンドが特徴…と書くと、やはりそこには「B'z」の影がちらつくし、実際デビュー当時から現在に至るまで「SURFACEはB'zに似てる」という世間一般の認識はもう覆されることはないと思うのですが、ではB'zと異なる点を挙げるとすれば、生音を基調としながらも、B'zよりも幾分かデジタルな面を強調した永谷氏によるサウンドメイク、そして椎名氏による「日常生活や恋愛模様を時にユニークに、時にシニカルに、それでいて嫌味っぽさを感じさせない歌詞」…こんなところでしょうか。特に後者は、哲学的な難解さが無い(=俗っぽい?)という点で(90年代中盤以降の)B'zとは大きく異なる点だし、そこがSURFACEの個性というか、独自性であると思っています。

 そんな彼らがセカンドアルバム「Fate」発売後、本作までの一年間に発表された3枚のシングルを最初に聴いた時は「えっ?!」と思ってしまったものです。「ボクハミタサレル」、「.5(HALF)」、そして「その先にあるもの」。これらのシングル曲は、従来のSURFACEの、特にシングルで顕著に見られたおちゃらけながらも芯は真面目にやってます、みたいなラインから逸れて、ほぼ100%シリアスなメッセージで占められていて、ちょっと前の「ゴーイングmy上へ〜♪」みたいなオヤジギャグ(苦笑)とかも一切なし。サウンドもいつもの軽快さでグイグイ引っ張るのではなく、音を多く積み込んだ重ための響きのものに変化してきたような気がして、う〜ん、どこへ行くんだSURFACE?と思ったところでこのアルバム「ROOT」がリリースされたわけですが、今作もまたシングルで見せた、彼らにしてはシリアスな面を打ち出したストイックなアルバムになっていました。

 この「ROOT」はかなりメッセージ性の強いアルバムだと思います。…といっても社会風刺とか批評精神といったものではなく、「現在の状況から抜け出してその先へ行こう」(超簡潔なまとめですいません)といった楽曲がズラリと並んでいるのが特徴でしょうか。
 例えば「Route3」はハードなサウンドに「不完全と思うなら完全になりましょう」というサビのフレーズが力強く響くロックナンバー。続くシングルタイトル「.5(HALF)」も「逃げる一歩も 進む一歩も 同じ一歩だから」自分自身と向き合って前に進め!と煽るアッパーチューン。この2曲に代表されるようなテーマの曲がこのアルバムには満載。ただひたすら真っ直ぐに突き進め!という一直線な曲ばかりではなく、「らしさ らしく」では誰でもありそうな「自分をそれらしく努めて演じて、僕はそれでいいの?」と自問自答、そして「その先にあるもの」では「自分の弱さと向き合うことで、変われるような気がする」という気持ちを、クラシカルなストリングス+バンド演奏と共にマイルドに綴るなど、ひとつのテーマを様々な角度から描いた歌詞は、熱く語りながらもどこかウィットに富んだ椎名氏の言葉選びのおかげで、こういったモラトリアム的なテーマの楽曲にありがちな説教臭さが薄く、ごく自然に耳に飛び込んでくる印象です。

 そんなシリアスな作風の中で、彼らの持ち味のひとつでもあるラブソングも健在。しかしこのアルバムに入っている以上一筋縄ではいかないテーマの恋愛ばかり(苦笑)。水と油のような二人でもどこか引き合ってしまう「Super Funky」、煮え切らない二人の関係にモヤモヤしつつ愛を求める「about love」、行き場のない喪失感に覆われる「R.O.S」(雨を模したピアノの音が◎)…どの曲もそのロックサウンドと相俟って従来よりも濃厚に感じられます(笑)。そんな中でも極めつけは「ボクハミタサレル」。シングルでもあるこの曲、長いイントロでの扇情のギターソロをはじめ、大幅に手を加えられたバージョンで収録されているのですが、「君」への悶え苦しまんばかりの熱い想いを綴った歌詞とこのアルバムバージョンの相性は抜群。個人的にはSURFACEの中で一番好きな曲どれ?と言われたら、迷わずこの曲(のアルバムバージョン)を挙げてしまうほどお気に入りの曲です。この年の暮れのベストアルバムになんでこの曲は収録されなかったんだ…(独り言)。

 …まあ、それはともかく(笑)、前作で言うところの「たまり場」みたいな過去のアルバム収録曲にあった息抜き的な役割を果たすナンバーや、しっとりとしたバラード曲が最後まで登場せず、ラストの「そっちじゃない」(この曲も未来に向かって行こうみたいな楽曲)もスピード感溢れるブラスロックで締めという、最初から最後まで良い意味で息をつかせる暇のないエネルギーに満ち溢れた1枚。終始ヘビーな音が鳴り響くにも関わらず、聴いた後は爽快な気分になれる全12曲。総演奏時間は43分ちょいと、オリジナルアルバムにしてはやや短めですが、本作に漲るエネルギーの質量を考えるとこれでもう十分お腹いっぱいになります(笑)。

 2010年の6月をもって残念ながら解散という道を選んだ椎名・永谷両氏。彼らSURFACEの歴史の中で、個人的にはこのいわゆる「ROOT」期が、一番勢いがあって好きな時期です。前二作に比べるとあまり売れなかったので市場で見つけるのは結構難しいかもしれませんが(汗)、いずれ発売されるシングルベストを聴いてSURFACEに興味を持たれた方がいたら、是非一度聴いてみてもらいたい、埋もれさせるには惜しい1枚です。

2010年02月21日 21:07

greatvacation2 2009年10月21日発売。メジャーデビュー15周年を記念してのGLAYのベストアルバム第2弾。通常盤はCD3枚組全42曲収録。初回限定盤にはPV集付きのDVDまたはライブ映像集の2枚組DVDが付属とのこと。

 今回は1994年〜2000年までの全シングル曲(「Vol.1」に収録済のシングル「MERMAID」「Missing You」除く)とアルバム人気曲のセレクト、再録からなるDisc1&2、そして全曲新曲のDisc3といった構成。
 全シングルが網羅されたということで、今までの「REVIEW」「DRIVE」、そしてバラードベストなどでことごとく選曲から外されていたデビュー曲「Rain」がついにベスト初収録。個人的には「Yes,Summerdays」と「ここではない、どこかへ」がようやくベストアルバムに収録されたのが嬉しいです(逆に両方ともヒット曲なのになぜ今まで収録されなかったのか…)。
 さすがにDisc1、そして2に関しては前述のベストアルバムに収録された曲ばかりで、そういった意味では過去のベストの再構成的な側面が多い音源集であることは否めないのですが、まさにこの頃のGLAYを青春時代に聴いて過ごしてきた身としては非常に懐かしく、そしてやはり大ヒットするのに相応しい煌めきを持った楽曲が多く揃っているな、と思います。
 特にDisc1の10曲目「グロリアス」から、Disc2の4曲目「I'm in Love」ぐらいまでの勢いは、向かうところ敵なしのオーラを今でも楽曲から感じてしまいます。

 そしてDisc3は完全な新曲が11曲。1枚のオリジナルアルバムとして聴くには若干の物足りなさはありますが、「GREAT VACATION」を皮切りに、どの曲も下手に実験に走らず、「これぞGLAY」といった安定感、盤石感がある楽曲で、聴き手を裏切らない構成。
 個人的には「FAME IS DEAD」「RainbirD」「1988」辺りが好みでした。そして「おまえと供にある」という曲を聴いていたらTERUでもJIROでもないヴォーカルが…と思ったらこれTAKUROがリードの曲なんですね。感情剥き出しのその歌声にはかなり驚かされました。

 2009年のベストアルバム2枚で、今までのGLAYの15年間を一気に振り返るには絶好の作品が揃いました。入門編としても、当時のGLAYを振り返るアイテムとしても意味あるリリースだったと思います。

2010年02月13日 21:16

hajimarinouta 2009年12月23日発売。いきものがかり通算4枚目のオリジナルアルバム。シングル「ふたり(Album version)」「ホタルノヒカリ」「YELL」「なくもんか」他、全13曲収録。初回限定盤はライブDVD付きだそうです。

 前作からぴったり1年後のリリースの本作。シングル曲として先に出ていた「じょいふる」が詞曲共に(彼らにしては)アッパーなナンバーだったので、今作は若干作風全体に変化が?と思いきや、前作とは微妙に参加アレンジャー陣に変化はあるものの、基本的には全曲超王道のポップスにまとめられている印象。三人でヴォーカルを取っている「手のひらの音」あたりがちょっと異色なぐらいでしょうか。
 既出のシングル曲を聴いた時点では、若干「最近は似たような曲調が多いかな…」というイメージを抱いていたわけですが、こうやって1枚のアルバムにまとめて聴いてみると、どの曲も芯が通った王道のポップス、これこそが「いきものがかり」のブランドイメージなんだろうな、と考えるに至った次第です。アルバムは4作目を数えますが、メロディーラインはまだマンネリを感じさせないし、吉岡聖恵の真っ直ぐな歌声は個人的にもツボなので(笑)。

 また、今作で感じたのは「アルバムの曲もハズレがないな」ということ。1曲目のミディアムポップ「ハジマリノウタ〜遠い空澄んで〜」、2曲目のアップテンポの「夢見台」。この2曲を筆頭として、アルバム曲がどれもシングルに勝るとも劣らない楽曲レベルの高さなのには驚かされました。個人的には純和風のメロディーをしっとりと聴かせる「真昼の月」、マイナー調の「秋桜」が好きですね(どっちも本間昭光氏の編曲だ…)。「明日へ向かう帰り道」も、ラストをしみじみと締めくくるバラード曲で、これも良いかな。

 総じて、今回のアルバムも納得度の高い1枚となりました。王道J-POPを愛するリスナーには是非聴いていただきたい作品です。

2010年02月06日 00:39

lindbergbest 2010年2月3日発売。レコードレーベル企画によるリンドバーグのベストアルバム。2007年発売の同作品を「Blu-spec CD」仕様にて初回限定生産販売だそうです。

 そもそも2007年に本作が出ていたことすら私は知らなかったわけですが(汗)、数あるこの類のメンバー非公認のリンドバーグのベストアルバム、本作を購入に踏み切ったのは、発売元が(ベスト乱発元のテイチクではなく)徳間ジャパンコミュニケーションズで、JAPAN RECORDレーベルからのリリースという理由から。初期の版権を持っていると思われるこのレーベルからの作品となれば、リテイクバージョンではなくオリジナル音源でのベストなんだろうな、と考えてのことでした。

 収録楽曲は全16曲中、デビューから1991年前半までの作品が12曲、それ以降の作品が1996年までで4曲と、リンドバーグの歴史的にはかなり初期に偏って収められています。
 一聴してみると、基本的にほとんどの音源はオリジナルバージョン…だと思われます。「と思われます」と歯切れが悪いのはリンドバーグの初期のオリジナルアルバムを現在手元に所有していないので断言はできないのですが、「今すぐKiss Me」や「JUMP」、「MINE」などはリテイクバージョンと明らかに演奏が違うので「たぶんオリジナルバージョンなんだろうな」と判断しました。
 後年のリテイク版に耳が慣れているからか、デビュー当時の勢い重視な演奏、荒削りながらパワーのある歌唱がパッケージされた今回の音源集はなんだか新鮮。そして、やっぱりこの時代のリンドバーグには若さ溢れる疾走感というか、勢いがあるよなぁ…と改めて思った次第です。

 ところで、なぜか「Dream On 抱きしめて」と「BELIEVE IN LOVE」はリテイクバージョン音源で収録。あと「10セントの小宇宙(ゆめ)」もかな?(←どうやらオリジナルで収録のようです)この辺の選定基準が気になるところですが^^;不遇のデビュー曲「ROUTE 246」や、アルバム曲「RUSH LIFE」「TOUCH DOWN」など、普通のベストアルバムには収録されなそうな楽曲も少しですが収められているのが嬉しいところ。
 あと、なぜかラストにテイチク移籍後の「every little thing every precious thing」が収録。この曲だけストリングスが大々的に導入されていて、年代的にもかなり浮いているのですが、ごった煮ベストの最後を綺麗に締めるには良い配置かな、と思いました(笑)。名曲だし。

 …とまあ、若干「?」は残るものの、初期リンドバーグ+αを堪能できる作品ではあります。Blu-specで2,000円、これが高いか安いかは意見が分かれそうなところではありますが、私は楽しんで聴けました。

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