2008年05月

2008年05月28日 23:46

completesinglecollection1998-2008 2008年5月21日発売。デビューから10年を迎えたGOING UNDER GROUNDの、インディーズ、メジャーでリリースしてきた全シングル+αを収録した2枚組シングルコレクションアルバム。初回盤のみ「初恋」のアコースティック・バージョンをボーナストラックとして収録。

 1998年から現在に至るまでの音源を時系列順に並べているので、この10年で彼らの音楽がどう変化してきたかが良く分かるアルバムになっています。演奏も荒削りだし、ヴォーカルもどこか青臭さが残る(まあこの頃の松本素生は二十歳そこそこだろうし)序盤から、メジャーデビューを経て、演奏力、ソングライティング力をメキメキと着け、名刺代わりとも言える名曲「トワイライト」を産み出し「ゴーイングの音」を確立したDisc1。バンド以外の音も取り入れ、試行錯誤しながら、代表曲「STAND BY ME」を世に放ち、より洗練されていく過程を感じることができるDisc2。この2枚でゴーイングの10年の成長ぶりを実感できると思います。新曲の「My Treasure」も、今も成長を続ける彼らの現在進行形を表した曲なんじゃないでしょうか。

 値段もお手ごろだし、初心者からコアなファンまで幅広く楽しめるシングルコレクションではありますが、ひとつ気になることが。前回のベスト盤から2年しか経っていないこの時期にこのアルバムが出たということで、もしやレコード会社移籍?などといらぬ勘繰りを入れそうになってしまうのですが、メンバーは順調にレコーディングを行っているようだし、近いうちに新しい音源も出るのではないかと思うので、余計な心配ですかね。あともうひとつ、ディスコグラフィのアルバム「ハートビート」「h.o.p.s」の曲目の誤植がひどい(苦笑)。内容とは関係ないところでツッコミを入れてしまうのはファンの悲しい性なのでしょうか^^;

2008年05月25日 19:53

punkishrockfuture いきなりこのブログに似つかわしくないようなこのおっかない写真は何?!と驚きの方もいらっしゃるかもしれませんが(?)、これは小島のメジャー1stアルバム「punkish rock future」(1999年4月21日発売)のジャケット写真。この作品を「今週の1枚」としてご紹介したいと思います。

 小島とは、Vo.のヒッチャメンを中心とした名古屋出身のスカ・パンク・バンド。よってメンバーにはアコーディオンやトランペット、サックスまで含まれる大所帯。J-POP好きの筆者としては本来の音楽的嗜好とはやや離れているジャンルなわけですが、この当時、バンド活動を通じて「バンドアンサンブルの楽しさ」に目覚めつつあった頃であり、今まで聴いたことのないジャンルを開拓していくべく、手広く色々な音楽を聴いていた時期でもありました。そんな中、某ローカルテレビのPVリクエスト番組で、彼らのシングル「plastic on the dogman」がオンエアされて興味を持ち、その曲が入ったアルバムに手を出してみたら、これが結構ハマりまして、この年はこのアルバムをかなりヘビーローテーションで聴いていた思い出があります。通学中にウォークマンで聴きながら自転車を爆走させていたっけなぁ(苦笑)。

 さて、彼らの音楽性は基本的にコアっぽいサウンドを軸にして、その上にブラス隊が乗っかっているという感じ。ただ、あまり重い印象は受けず、抜けの良い音でまとまっています。「back step information」「Dr.skulls」のように少々構成が凝っている曲も中にはありますが、基本的には最初から最後までイケイケドンドン的に突っ走っていて、ライブでかなり威力を発揮しそうな曲が揃っています。そして、メロディーラインはその風体に反して(?)かなりキャッチー。この辺りが(筆者的に)敬遠しがちなこの手のサウンドにもすんなり入っていけた要因だったのかもしれません。
 また、ヒッチャメンによる独特の散文的かつ哲学的な歌詞はなかなかに個性的。興味を持った方は是非歌詞検索などをしてみてください(笑)。彼らの曲のほとんど、特にこのアルバムに関しては、歌詞にストーリー性は感じられない作風になっていて、溢れる衝動をそのまま詞にしたかのような攻撃的な歌詞が多い一方で、意外なほどにヴォーカルの滑舌が良く、聴き取りやすいというのもポイント高いです。そういった意味ではこの手のジャンルへの入門編というアルバムと呼んでもいいのかも。

 あと、このアルバムの前に彼らはインディーズから1枚アルバムを出していて、筆者も後追いで聴いてみたのですが、その作品と比較して、今作の演奏レベルの格段の上昇ぶりには驚きました。発売当時、音楽雑誌のインタビューで相当根を詰めてレコーディングした、という話を語っていた記憶があるのですが、その成果が見事に出ていて、両作品に収録されている「bad time rolling」などは、聴き比べるとその差が一目瞭然。当時、メジャーとインディーズの間にあった高い垣根が徐々に取り払われはじめようとしていた時期だったと思いますが、そんな中、メジャーデビューへの意気込みを音で示したかのような勢いのある熱いアルバムを生み出した、彼らの情熱には感服することしきりです。

 あれから9年経った今、改めてこのアルバムを聴いてみると・・・全11曲、ほとんど同じアプローチで駆け抜けていくのは今聴くと少々ツラい^^;(年取ったせいでしょうか?)とか、また違う感想を抱いたものの、当時の自分自身のことも色々と思い出されて妙に懐かしく感じました。
 なお、この作品で足場をしっかりと固めた彼らは、この後も、何作かシングル、アルバムをリリースして2003年に解散。メンバーの一部は別のバンドを結成して現在も活動しているそうです。

 ところで、最後に余談。最初におっかないジャケットについて語りましたが、実はこのCDの裏のジャケットのほうがある意味怖いかもしれません^^;そして、なぜかこのアルバムのCD盤面は裏(読み取り部分)が真っ赤。でもちゃんと正規格のCDなので、ご安心してCDプレイヤーにセットして下さい(笑)。

2008年05月21日 23:32

jpoptmn 今回はCDレビューとは少々趣向を変えて、最近発売された「別冊宝島」のJポップ批評シリーズの「TMN&小室哲哉」編をご紹介。

 TMNが特集された雑誌となれば買うしかない!というわけで購入(680円だったし・・・)したのですが、あくまでタイトルの「TMN&小室哲哉」の通り、本書の後半は小室プロデュースのアーティストに焦点が当てられた内容になっていて、ウツや木根さんのソロ活動はさらっと触れている程度。まあそれは仕方ないか。
 TM部分の内容は、全オリジナルアルバムのレビューと時代背景の説明などがあり、こういった各ライターの手による客観的な視点から見た、TMの活動履歴が特集されるのはかなり貴重だと思うので、興味深く読ませてもらいました。
 欲を言えばあまりに多い(笑)ベストアルバムの比較とか、各ライブツアーの紹介なんかもあれば嬉しかったのですが、それもまあ前述の理由があるいうことで。

 TKプロデュースの項では、trfや安室奈美恵、globeなどの代表的なアーティストから、H.A.N.D.SやYOSHIKIとのユニットV2(懐かしい!)まで幅広く紹介。あくまで筆者はTMファンなのですが、こうして彼の作品の一覧をまじまじと眺めてみると、TKプロデュース作品もよく聴いてたんだなぁ、と改めて思いました。
 それにしても、小室先生の「消しゴム発言」までもが掲載されていたのには驚き^^;。他にも名(迷?)言集なんかがあるんで、興味のある方は立ち読みがてらパラパラめくってみても面白いかも。

 ・・・ところで、巻末の「TKワークスベスト50」では、往年の名曲が取り上げられているのですが、この中に「永遠と名づけてデイドリーム」が入ってないのが残念です。あれは名曲ですよ〜。小室先生のヴォーカルも含めて(笑←?)。

2008年05月18日 15:55

R35 週イチペースで新旧問わずにお薦めCDを紹介する「今週の1枚」。今回で第20回目を迎えました。ちょうど節目の良い数字ということで(?)、今回は特別編として、コンピレーション・アルバム「R35 Sweet J-Ballads」をご紹介。2007年4月25日発売で、今なお根強いロングセールスを続けているアルバムでもありますね。

 1990年〜1994年までにリリースされ、ミリオンセラーをはじめとして大ヒットを記録したラブソングを選抜して収録しているこのアルバム。コンセプト的にはこの楽曲が発売された当時、大学生〜新社会人だった人たちにターゲットを絞ってのいわば「懐かしのヒット曲集」。「もう一度、妻を口説こう。」というキャッチコピーにもその年齢層へのアピールが表れていると思います。では、その年齢層以外のリスナーにとっては、単に「過去の曲」ということで済まされてしまうのか?というと、少なくとも筆者はそうは思わないわけで。
 当時中学から高校にかけてのいわゆる青春時代(懐かしい響きだな・・・)を過ごしていた私にとって、この時ほど熱心に音楽を聴きかじった時期はなかったんじゃないかと思います。ラジオ番組のエアプレイをカセットテープに編集したりとか、ヒットチャートを熱心にチェックしてみたりとか、友達と音楽の情報交換をしたりとか・・・そうやっていくつもアンテナを張り巡らせて、現在にいたる音楽バカの自分が形成されていった重要な時期であり、今回このコンピ盤に収録されている曲をはじめとして、この頃に出会った曲たちは、無意識に身体の中に染み込んでいて、当時の思い出と共に深く心に刻まれているものとなっていることに、このアルバム聴いて改めて気づかされました。

 記憶の一部を断片的に拾ってみると、ドラマの主題歌として起用された「SAY YES」(CHAGE and ASKA)、「君がいるだけで」(米米CLUB)、「TRUE LOVE」(藤井フミヤ)、「サボテンの花」(財津和夫)などはこれらの曲を聴くと各ドラマのワンシーンを思い出します。いわゆる「月9」ですね。結構ドラマ観てたんだなぁ、と思ったり。
 あとは、音楽番組。あの頃はバラエティ要素の少ないスタジオライブ重視の番組が多かったんですね。G-STAGEとか知ってる人っているのかな^^;「何も言えなくて・・・夏」(JAY-WALK)はMステで生演奏で披露されてカッコいい!と思った記憶が。そして「世界中の誰よりきっと」(中山美穂&WANDS)は、暮れの紅白で中山美穂が単独名義で出場して、ステージでは後ろの上杉氏たち三人が曲の途中で「演奏:WANDS」とクレジットされていてオイオイと思ったとか(苦笑)。
 個人的な回想としては、「夏の日の1993」(class)はこの年の夏に京都に旅行に行った出来事を思い出したり、「もう恋なんてしない」(槇原敬之)の発売日は月曜日で、その前の週の金曜日にすでにCDショップに入荷されていることを知って喜びいさんで買いに行った事とか(いわゆるフラゲ初体験)、「Get Along Together〜愛を贈りたいから〜」(山根康弘)を聴くとなぜか秋の学園祭を思い起こしたり(カラオケ喫茶が出店で出ていてこの曲を歌っていた人がいたからかな^^;)。喜怒哀楽含めて(笑)思い出は他にも尽きません。

 こういう些細で他愛ない思い出が、当時の曲を聴くことによって記憶として甦る。全部良い思い出ではないにしても、こういうことって多分皆さんあるんじゃないでしょうか。マーケティング的なターゲットの年齢に関わらず、リアルタイムでこの時の音楽やドラマに触れていた人なら、その当時を回想するキッカケとして、この手のコンピは結構効果があると思います。また、この時代の音楽シーンを体験していない若い世代の方にも、今のように音楽業界が多様化される前夜、当時の流行したサウンドはこういう曲が中心だったとか、また現在でも現役で活躍しているアーティスト達のカタログ的なものとしても、広い用途で楽しめるんじゃないかな、と思います。
 これでまた数年経ったら、1995〜1999年あたりのコンピも出てくるんじゃないんでしょうか。その時はどんな曲が収録されるんでしょうかね。その時はまた思い出に浸ってしまいそうです(笑)。

2008年05月16日 23:54

kokorowohiraite 2008年3月26日発売。ピアニスト羽田裕美による、ZARDナンバー11曲をピアノ・インストゥルメンタルで収録した作品集。ちなみにアレンジとディレクションを行ったのは池田大介とのこと。

 タイトル通りのピアノソロ作品。他の楽器は一切登場しないし、オーバーダビングもされていないようです。選曲された楽曲はほとんどがシングル曲で、知名度のある曲が選ばれた感がありますが、中でもメロディラインが流麗な曲を選んだかな、という気もします。「もっと近くで君の横顔見ていたい」のように結構マイナーな(?)曲も取り上げられていてちょっと嬉しい(この曲個人的に好きなので)。
 アレンジは、どの曲も比較的原曲に忠実で、一音一音丁寧に弾いている印象。例外として「君がいない」の跳ねるようなアレンジが少し斬新ではありました。ピアノの音は曲調に合わせてか、やや軽快。全体的にコンサートホールの演奏というよりも、小さな部屋で奏でられているような感じです。
 仰々しいアピールがない分、インパクトという点ではやや欠ける気はしますが、耳あたりがよく、静かな夜にまったりと聴いていたいアルバムですね。

 ちなみに、このアルバムは全編インストですが、ブックレットには今回の収録曲の全曲分の歌詞が綴られているので、インスト楽曲を聴きながら坂井泉水さんの遺した歌詞を一行一行噛みしめてみるのもいいかも・・・。

2008年05月12日 21:15

beginlive 2008年3月26日発売。デビュー〜最新のライブ音源までをセレクトして収録したライブ・トラックの2枚組ベスト盤。

 DISC-1はブレイク以降の曲を中心に近年のステージからの音源を収録。「島人ぬ宝」「恋しくて」のアコーステイックバージョンや、「オジー自慢のオリオンビール」などなど・・・彼らのライブには行ったことはないですが、15周年ライブのDVDを観ているのと同じような感覚、「現在のBEGINのライブ」を1枚に凝縮している感じ。
 これに対してDISC-2は、90年代からのライブ音源や、ヒット曲ではないものの、ライブの定番曲を中心に収録。鬼気迫る迫力のカヴァー「青い瞳のステラ」、原曲よりもこっちのほうがいいじゃん!と感じた(笑)「東京Ocean」、諫早湾ライブでの「イラヨイ月夜浜」など、彼らの歩んだライブの歴史が垣間見れるようなラインナップになっています。
 BEGINのライブってどんな感じなの?という人向けのDISC-1、より深くBEGINを知りたい人向けのDISC-2といったところでしょうか。

 ブックレットにはメンバーの対談が載っており、今回収録された楽曲とその時々のライブの感想についてかなり濃くコメントされています。曲によっては反省会みたいになってるのも面白い(苦笑)。

 あくまで記録用に録音された音源もあるようで、音質的には微妙な曲もありますが、ライブでの勢い溢れる彼らのパワーがこの2枚には詰まっていると思います。

2008年05月10日 20:59

saiai 今週の1枚は、2005年9月2日にリリースされた、The LOVEの6枚目のオリジナルアルバム「彩愛」をご紹介。

 このアルバムの内容の前に、まずは彼らの紹介を。The LOVE(通称「ラブ」)は福岡県出身のバンド。メンバーは、ほぼすべての作詞作曲を手がける平義隆(Vo)、内田敏夫(G)、中村勝男(Ba)による3人編成。1996年の「P-STOCK」というテレビ番組(らしい。この頃は彼らを知らなかったもので^^;)をきっかけに、翌年メジャーデビューを果たし、2000年までに3枚のオリジナルアルバムをリリースして活動。以降はインディーズシーンに活動の場を移し、2003年にアルバムの収録曲だった「再会」が関西方面を中心に脚光を浴びシングルカット。メジャーレーベルからのベストアルバムの発売を経て、現在も地道に活動を続けています。

 そんな彼らの楽曲のコンセプトは、ひとことで言ってしまえばバンド名の通り、ずばり「愛」。愛といっても恋愛だけではなく、家族愛、親子愛、友愛など、様々な愛の形を作品として発表し続けています。今回ご紹介するこの「彩愛」もタイトルを読んで字の如く、「日々を彩る愛の歌」が詰まったアルバムになっています。
 「愛の歌」、と一概に言っても、一個人の人間としてのささやかな楽曲から、地球規模に至るまでの大きなテーマを持った楽曲まで、ミュージックシーンでは様々なアーティストが様々な切り口で挑戦していると思いますが、彼らの場合、デビューから一貫しているのが、「ごくごく身近な、ありふれた日常の中で見つけたり感じたりした愛」を歌っていっているところ。平義隆の作風は主にそこに着眼点を置いていて、彼の歌声と相俟って良い意味で「土の匂い」がします(田舎臭いというのではなく、日常に根付いている、という意味で)。日常的な歌詞だからこそ、聴いているこちらも「ああ、あるある」と共感できる点が多いんですね。こういう類の歌詞は、壮大でグローバルな世界を書くよりも、より根気のいる作業なんじゃないか?と筆者は思うのですが、実際のところはどうなんでしょうね?

 さて、アルバム曲を実際に見ていくと、先述の「日常感」が顕著なのは「サボテンが枯れる瞬間」「コロッケ買ってくね」あたり。タイトルを見るだけでなんか身近な風景が浮かんでくる気がしますね(笑)。友情をテーマにした「耳を澄まして」や、恋愛の初期衝動を描く「コイノチカラ!」などは、誰もが一度や二度は経験したことがあるような描写にハッとしたりニヤけたりしてしまうのではないでしょうか。また、平氏は女性の目線から描いた曲も数多く手がけていて、「禁断の林檎」「長い髪の人」などでその手腕を発揮しています。こういう曲もある意味武器になっていて、女性ファンが多い理由もこの辺かな?そして、すでに社会人となった主人公が大学時代を回顧するという内容の「未完の自画像」。かつてデビュー当時は高校卒業をリアルタイムに描いた曲があった彼らですが、それから数年が経ったこの時点で、主人公の年齢が上がった曲を書いてみることで、The LOVE自体もリスナーと同じくリアルタイムに成長している、そんな印象を受けました。
 平ワールドが炸裂しているアルバムの作品中、1曲、「雨と夢のあとに」だけは奥田美和子に提供した曲のカヴァーで作詞は柳美里。よって世界観はこの曲だけ少し浮いているかな?という気がしますが、柳美里の儚さのある歌詞が、良いアクセントになっていると思います。

 歌詞については語り出すと長くなるので(苦笑)この辺にしておいて、音楽性に関して書くと、メジャーで活動していたという経緯もあって、基本は王道のロックサウンド、普遍的なアレンジがデビュー以来続いていると思います。一曲目の「カナヅチ」はオープニングを飾るのにふさわしいまさに王道ロック。インディーズに移行してもその作風は変わることはないのですが、アルバムの枚数を重ねるにしたがってループ的な打ち込みサウンドやアンビエント的なSEを含めたアレンジを徐々に導入していったり、このアルバムでも「禁断の林檎」でスカを、「存在理由」ではジャズ風味を濃くしてみたりと、微妙な変化をつけることによってマンネリを感じさせないのは、さすが活動歴の長いベテランバンドといったところでしょうか。

 このように、普遍的な日常を描いた詞と、キャッチーで飽きのこないメロディー、ロックサウンドを聴かせる音楽が特徴のThe LOVE。今作のラストに収録された「あの駅で待ってる」もJR九州のイメージソングに採用されたほどの親しみやすく、美しい旋律のバラードで、音楽を積極的に聴きにいかないライトな層にも十分アピールできる作品だと思います。たぶん、彼らの音楽は昔も今もメジャーシーン向けなのではないかな?と思う反面、セールス的には急にグンとは伸びないのも事実。ただ、最近では地道な活動が実り出して、西日本を中心に徐々にファンが増えつつあるという情報(?)も風の噂で耳にしますので、いつか、日本中に「愛の歌」を響かせる日が来るといいなぁ、と思っています。レンタル屋などでもあまり見かける機会はないかもしれませんが、ここまで読んでみて「ああ、ちょっと聴いてみたいかな」と興味を持たれた方がいましたら、ぜひ探してみてほしい一枚ですね。

2008年05月06日 21:45

himitsu 2008年4月2日発売。aikoの1年半ぶり通算8枚目のオリジナルアルバム。

 今作も恋愛をテーマにした曲がずらり並んでいます。アルバムを8枚作っても尽きることのない多様なモチーフのラブソングを産み出し続けるaikoの恋愛職人っぷりは圧倒的。曲調は、「シアワセ」「二人」といったアッパーなシングル曲をアクセントにして、ミディアム〜スローテンポの曲が多く、パッと聴きは「地味だなぁ・・・」という感じだったのですが、何回か聴いていくうちに、じわじわと楽曲の良さがしみてくる、いわゆる「スルメ型」のアルバムではないでしょうか。

 といったわけで、相変わらずの安定感を持つaikoですが、前述の「スルメ型」のアルバムゆえに、シングル曲でのアッパーなノリを魅力に感じてアルバムを手にした方にとっては少々肩透かしだったかも?また、アレンジが全13曲ほぼストレートなバンドサウンドであり、アルバム1枚を通してのメリハリとしてはやや弱いかな、と思いました。ピアノオンリーの曲が1曲ぐらいあったらまた印象は違ったかもしれません。アルバム曲のレベルは今作も高いし、いちファンとしては満足なのですが、いずれは王道路線とはまた違ったaikoの一面も見てみたいかな・・・。

2008年05月04日 23:18

pieceofmysoul ゴールデンウィーク真っ只中、そんな中でご紹介する「今週の1枚」。今回はWANDSのオリジナル4thアルバム「PIECE OF MY SOUL」(1995年4月24日発売)をピックアップしてお届けしたいと思います。

 ご存知の方も多いかと思いますが、WANDSはその10年間に渡る活動の中、メンバーが脱退、あるいは加入し、構成メンバーが変わった時期を区切りとして第機銑郡とオフィシャルでも呼ばれており、今回採りあげる「PIECE OF MY SOUL」がリリースされたのは上杉昇(Vo)、柴崎浩(G)、木村真也(Key)の三人による第挟(1992年〜1997年)。この第挟は王道のビーイングサウンドが聴ける1994年まで(便宜上「第挟前半」)と、オルタナロックやグランジ系にサウンドが傾倒していった1995年以降(同「第挟後半」)と、音楽性の違いで2つに分割できると思います。今作は、先行シングルの「Secret Night〜It's My Treat〜」から始まる、過渡期にあたる前年の「世界は終るまでは・・・」も含めたWANDS第挟後半のいわば第一歩。今までとは違う彼らを発見することができる作品となっています。

 このアルバム、第挟前半で見せたビーイングサウンドから一変、リズム隊が生音になり、今まで前面に出ていたキーボードは、ギターの後ろに隠れて奥で薄く鳴っている(木村真也の立場が^^;)など、全体的にサウンドもハードになり、今までのWANDSとはかなり違った印象を受けます。従来のスタジオワークの結晶としての楽曲スタイルというよりも、ライブで演奏することを意識したようなスタイルで制作が進行されていったのではないでしょうか。第挟前半時代でアルバム未収録だった「Jumpin' Jack Boy」も収録されていますが、アレンジを大幅変更して全く違うテイストに仕立てていて、シングルバージョンと聴き比べると、大胆に変化したのがよく分かると思います(メロディー自体はキャッチーなので少々後半のサウンドとは相性が悪いような気がしますが・・・)。
 サウンドの変化に合わせてか、それとも歌いたいことが変わったのか、上杉昇による歌詞の変化にも目を引きます。「僕をごらん そしていくらでも 笑いとばして」と、1曲目からいきなり自嘲気味に自らを語り出す「FLOWER」からインパクト大。続く「Love & Hate」では、自分の本心に怯えるような表現を使ってみたり、アルバムタイトル曲「PIECE OF MY SOUL」では「少しづつ 消えるくらいなら ひと思いに散ればいい?」と自問自答を繰り返してみたり。これ以前にも世を拗ねたような作風もあった彼の詞の世界ですが、このアルバムでは内省的な部分が大幅にパワーアップ。一年ぐらい前までは「Just a Lonely Boy♪」と明るく歌っていた姿からは想像できないというか・・・。聴きようによってはかつて「愛を語るより口づけをかわそう」とか「恋せよ乙女」などのキャッチーなラブソングでヒット街道を邁進していた自分自身、そしてそれを書かせていた(と思われる)ビーイング自体を揶揄しているという受け取り方も出来るでしょう。

 ・・・と、こう書くとこのアルバムはヘビーな曲ばかり?と思われそうですが、確かに大半はその作風で占めているという点は否めません。とはいえ、10曲中9曲の編曲を担当しているのが葉山たけし(「Secret Night」のみ池田大介)ということもあり、完全にハードな世界に突入というわけではなく、今作でのロック志向のサウンドに、かつてのWANDSのキャッチーなスパイスを加味することで、基本はハードなんだけども重すぎない、胃もたれのしないロックサウンド(っていう表現も変か)になっています。また、歌詞のほうも「Foolish OK」では「最上階の柵を越えて 自由を探すには まだ君は若い」と、少年少女の自殺に対してのメッセージを歌ったり、しがらみのある世の中、先は茨の道かもしれないけれど進もう、という決意表明のうかがえる「MILLION MILES AWAY」など、力強い曲もラインナップ。これらのおかげでアルバム自体が大分救われているというか、全編通してヘビーなのは間違いないですが、聴き終えての後味は悪くないと思います。

 このアルバムをリリース後、ライブツアーを経た彼らは、WANDSや柴崎浩名義による編曲のグランジ系サウンドに完全に移行し、歌詞も内省度をより濃くしたシングル「Same Side」、「WORST CRIME」を次々と発表。「以前とは全く異なる、新しい形としてのWANDS」をリスナーに示した形となりました。今までのファンを一気にふるいにかけたような状態になったわけですが、上記の2枚のシングルをもって上杉、柴崎両氏はWANDSを脱退。「Same Side」以降の作風でもう1枚オリジナルアルバムを作ってもらいたかっただけに、この脱退劇は今でもちょっと残念。

 その後、木村真也が新メンバー二人を抜擢して第郡WANDSがスタート。プロモーション方面で色々とあったことなど語りたいことはありますが(苦笑)、第挟とは別世界となり、切り離して考えるべきだと思うのでここでは詳しくは触れません。ただ、筆者は第機銑郡のどのWANDSのサウンドも好きな節操なしだったりするので^^;、期ごとの優劣を付けることはできませんが、いわゆる「ビーイング」という枠から一歩踏み出して、新たなサウンドを模索しつつ完成したこの「PIECE OF MY SOUL」が、WANDSのオリジナルアルバムの中では一番のお気に入りなのはこれからも変わることはないでしょう。

2008年05月02日 22:01

W-ARENA 2008年4月2日発売。スキマスイッチ初のライブアルバム。

 去年のベストアルバム「グレイテスト・ヒッツ」を引っさげてのアリーナライブツアー「W-ARENA」の全8公演(追加公演除く)の中からベストテイクをピックアップして、セットリスト順に編集したという意匠を凝らした2枚組全19曲収録。全シングル、そしてアルバムからの隠れた名曲もふんだんに演奏されていて、ライトリスナーからコアなファンまで存分に楽しめる内容だと思います。

 曲と曲の間は上手く編集してあって、ひとつの公演の音源を聴いているかのようなスムーズな流れになっています。どの曲がどの公演からのテイクかという記載はブックレットにはありませんが、曲によっては「大阪〜!!」とか叫んでいるものもあるので、分かる曲は分かるかな(笑)。

 もともと、スタジオ録音盤で彼らの音楽はほぼ完成されていて、ライブアレンジはあるとはいえ、劇的に変わった!!という印象は受けませんでした。バンド演奏のクオリティも高レベルで安定していて、生演奏なのに安心して聴けるのはさすがです。CDと比べての違いを強いて挙げるなら大橋卓弥のヴォーカルが結構くだけているかな、という感じ。その辺りの違いを楽しんでみるのも一興かも。

 ちなみに初回盤にはDVDが付いていて、各地でのライブ前の楽屋、リハ風景などを延々と44分収録(笑)。肝心のライブシーンはゼロなので、これは6月に発売されるライブDVDで観てね♪ということなんでしょうかね^^;

記事検索
Recent Comments
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Archives
Profile

SASA

  • ライブドアブログ