2008年04月

2008年04月26日 21:05

number9 今週の1枚は、1998年6月20日発売の斎藤誠のアルバム「Number.9」。ちなみにこのCDジャケットの写真はご存知、俳優・柄本明氏であり、本人ではありません(笑)。なぜこのジャケット?!

 近年、サザンオールスターズや桑田佳祐のサポート(帽子かぶってギター弾いている人です)として、お茶の間での発見度も少しアップしたような気がする斎藤誠。他にもプロデューサーとしての顔やアレンジャーとしての顔を持つ彼ですが、実は今年でシンガーソングライターとしてデビュー25年を迎えています。どんな音楽性を持つかと言われると・・・う〜ん、強いてたとえるなら和製エリック・クラプトンと言った感じでしょうか(言い過ぎか?)。今回ご紹介するこのアルバムは、デビュー15周年にリリースされた9枚目のオリジナルアルバム。気がつくとレコード会社を移籍している(苦笑)マコト氏ですが、ソニー系列での発売は2作目。前作をリリースしてすぐに次のアルバム製作に取りかかるつもりが、じっくり取り組んでいたら完成まで1年半以上かかってしまったという今作は、ミディアムを中心にバラード、ディスコナンバー、そしてカヴァー曲と、彼の独特の中音域を活かした声に合った曲たちを数多く収録。聴き疲れのしない、良質のポップアルバムとしてまとまりの良い1枚になっています。

 現在では「Mr.AOR」なる二つ名を授かっているという彼ですが、80年代後半〜90年初頭あたりに発表された作品は、その時代を象徴するようなシンセサウンドをけっこう使っていて、当時の録音技術の限界もあり、今聴くと音圧を含めてけっこう隔世の感ありなのですが、6年ぶりのオリジナル作品だった前作「Dinner」あたりから、より生楽器を前面に押し出すという試みが見受けられるようになったと思います。アナログレコーディングを行った前作に続き、今回も生楽器を基本に据えてほとんど打ち込みはなし。レコーディングではもちろん本人によるギタープレイに加え、常連の成田昭彦、片山敦夫など、気心の知れたベテランの面子が参加。彼らが鳴らす楽器のグルーヴが心地良く耳に迫ってきて、スタジオレコーディングにも関わらず生演奏の即興感を感じられる楽曲が多いです。
 また、プロデュース、レコーディングでの人脈の広さを活かしてか、ゲストミュージシャンも豪華。アルバムしょっぱなからPUFFYの掛け声で始まる「沸点」をはじめ、スカパラのホーン隊が参加している「SIGN!」、古内東子、近藤名奈ともそれぞれデュエットという形で競演しており、これによりアルバムにアクセントが付いています。ここではゲスト参加者をも適材適所にアルバムに取り込んでしまう、プロデューサー斎藤誠の職人的な腕も体感できるのではないでしょうか。

 さて、このような盤石の演奏陣・ゲスト陣に支えられて、語られる彼の歌詞の世界はというと、恋愛以外がテーマの「THE DOCTOR」「空にお願い」などではシュールな世界を描くマコト氏ですが、ラブソングになると途端にピュアになるんですね(笑)。だいたい彼のラブソングに登場する男主人公は、「気弱で自信がなくて、それでもこんな僕を好きになってくれてありがとう」みたいなタイプのキャラクターが多いんですが、今回のアルバムではラブソングのほとんどがそれです(笑)。「どんな君でも構わない 愛してる」と歌う「It's Alright」、遠距離恋愛の不安な気持ちを素直に歌った「それもそうね この恋は」(この曲が近藤名奈とのデュエット)など、この当時の彼の実年齢(40歳)を考えても、擦れてないな〜この主人公・・・という感じなのですが、この傾向は今現在でも続いているので、これが今のマコト氏の作風なのでしょう。逆にいきなり世相を斬ったブラックな曲とかやられたらビックリするかも(笑)。
 ただ、単に優しいだけではなく、「大切な人を自慢したいけど 無作法なものでブルースなんか歌っている」んだけど、「悲しい時は絶対に離れずにいる」「誰にも言えないけれど それなりの歌を君にあげたい それだけ」と不器用な男の恋心を歌った名曲「ギターマンの純情」、終わった恋を「すべて忘れてみせるよ」と切なく決意するラストナンバーの「HOLDING ON」など、ある意味「優しさの中の男らしさ」を感じさせる曲も散見され、歌詞の世界が一本調子ではないのはさすがベテランという感じ。筆者もこんな男になれるように頑張ってみたいと思います(何だそりゃ)。

 前述の通りレコード会社をすぐ移籍してしまう(笑)マコト氏なだけに、本人選曲の全レーベルからのベスト盤は2004年の「BALLAD'S BEST」のみ。しかも読んで字のごとくバラードのみの選曲で、斎藤誠の音楽に触れてみたいという方にはちょっと曲調的に限定されてしまうかも。なので、「興味を持った人が最初に聴く斎藤誠のアルバム」としては、アルバム全体のバランスの取れたこの「Number.9」を積極的にオススメしたいところ・・・なのですが、このアルバム、既に生産中止だとか(泣)。勿体ないなぁ。アコギを軸としたポップ・ロックサウンドが好きな方が、もし中古CD屋さんなどでこのアルバムを見つけた際には、ぜひ救出してやってください。損はさせません、多分(笑)。

2008年04月23日 21:50

デビュー20周年を迎えたB'zが、ベストアルバムを6月と9月にリリース。

 6月18日にシングルタイトル中心の「ULTRA Pleasure」、9月17日にインターネット投票による選曲の「ULTRA Treasure」をリリースするそうです。

 20周年ということで、それを記念するベストが出るんじゃないかとは思っていましたが、思ったよりも大規模な企画ですね。
 「ULTRA Pleasure」のほうはすでに選曲30曲が決定していますが、近年の曲まで万遍なく選んだな〜・・・という感じ。あ、でも「太陽のKomachi-Angel」が入ってない^^;あと個人的には「MOTEL」が外されたのが残念。「Don't Leave Me」が外されたのは意外です。「Pleasure」「Pleasure供廚らの選曲が多いので、この2枚の存在が微妙になってしまいそうなベストアルバムではありますが・・・。
 初回盤は未発表のライブDVD付き、あとCDでは「BAD COMMUNICATION」の新録と「Pleasure 2008」が収録されるということで、う〜ん、ほとんどの音源は持っていますが、買おうかどうしようか、ちょっと迷いますねぇ〜。

 むしろ、自分で投票参加できる「ULTRA Treasure」のほうが興味あります。1人3曲までのエントリーだそうなので、これから何を入れるか決めよう(笑)。

2008年04月21日 22:12

imhome 2008年3月19日発売。「ぶらり途中下車の旅」のエンディングとして一年間流れたエンディングテーマ4曲に、新曲1曲をプラスした中西圭三久々のニューアルバム。

 近年では「みんなのうた」に楽曲提供をしたりと、マルチに活動していたらしい圭三氏。オリジナルアルバムとしては「Sunshine Groove」以来約9年ぶり(!)。本当に久しぶりのリリースなわけですが、相変わらずのハスキーボイスは今でも健在。ちょっと見た目ふっくらしてきた感じですが(苦笑)、表現力に衰えは見られません。むしろ中音域の芯に当たる部分が90年代よりも太くなってきて、より優しさが増したような気がしました。
 楽曲面では、作曲のみならず、歌詞も共作を含めて本人がすべて担当。「エンディングテーマ」という枠にこだわらない、軽快なアップテンポあり、ノスタルジックなバラードありの幕の内弁当的な内容。良い意味で「中西圭三らしさ」が良く出ている作品です。
 驚いたのは、2曲のアレンジをZAIN PRODUCTSの池田大介氏が担当しているところ。ビーイングに外注頼んだのかな?思わぬコラボでしたが、相性はなかなかだと思います。

 「R35」コンピのヒットで、彼が活躍していた90年代のヒット曲が再注目されている今、中西圭三を聴いてあの時代を過ごした人達にも、ぜひ聴いてもらいたい1枚です。

2008年04月19日 22:45

sistermoon 今週の1枚は、CHAGE&ASKA(当時の表記)の1996年4月22日発売のアルバム「CODE NAME.2 SISTER MOON」をピックアップ。このアルバム、ミニアルバムを含めると彼らの通算20枚目のオリジナルアルバムにあたるそうです。さすが15年活動を続けてきたのは伊達じゃない!といったところでしょうか。

 アルバムタイトルにも含まれていますが、このアルバムは1995年6月に出た「Code Name.1 Brother Sun」に続くコードネームシリーズ(?)の後編。ライナーノーツによると、前作の時点で既にCD2枚組のボリュームの楽曲数が完成していたところを、敢えて曲数を振り分け、まず「Brother Sun」として1枚でリリース、そして1995年の年内にもう1枚リリース・・・という計画だったところが、追加録音や追加収録で年明けの4月まで発売が延びた・・・ということらしいです。とはいえ今作のベーシックな部分の録音は前作の時点で済んでいたということで、事実上の同時期録音、つまりは兄妹盤といっても良いでしょう。

 前作「Brother Sun」、そして今作「SISTER MOON」、どちらのアルバムも、チャゲアスが大ブレイクした1991年〜1994年頃のアルバム「TREE」「GUYS」「Red hill」で見受けられた、キーボードや管弦楽器を多数用いた重厚なアレンジの要素が薄くなり、代わりにエレクトリックギターの音を前面に押し出した、ざっくりとしたロックサウンドでまとめられているのが特徴。実際サウンド的にこの2枚に明らかな差はほとんどなく、敢えて言うなら後出しの「SISTER MOON」のほうがよりUKロック調に傾いているといったところ。むしろ、ASKA、CHAGE、それぞれの手がけた曲のタイプが前作、今作でずいぶん異なる、というのが最大の違いであり、比較するに面白い点だと思います。

 まずASKA。前作ではヒットシングル以外では、シリアスで重く、ストイックな面を前面に押し出してきていたように感じたのですが、この「SISTER MOON」でのアプローチは真逆。「river」「好きになる」のような王道の純愛バラード、「もうすぐだ」「One Day」といった前向きでキャッチーな作品、後追いのコーラスと、学生時代を回顧する歌詞が楽しい「青春の鼓動」などなど、いわゆる一般的な「チャゲアス像」ど真ん中な作品を多く収録。それでありながら、マンネリに陥らずに一定以上のクオリティで仕上げているところはさすがというべきでしょうか。
 一方のCHAGE。彼のアルバムでの従来の曲の役割はわりとマニアックで難解、というイメージがあり、それは前作でも同様に感じたのですが、今作では実に様々なアプローチで意欲的に幅の広い作品を提供。前述のロックサウンドに乗せて変拍子で紡ぐ「Sea of Gray」、まったりとした小品的な「ピクニック」、ファンクサウンドで恋人の浮気を歌う(苦笑)「港に潜んだ潜水艇」などなど。マニアックな「濡れた夢」みたいな曲もあります(しかしこの曲があの「めぐり逢い」のカップリングというのは・・・^^;)。そして圧巻なのは「NとLの野球帽」。少年時代のノスタルジーを叙情的に綴る(この詞には文面以外にも深い意味がありそうですが)この曲の歌詞を筆者は非常に気に入っていまして、個人的にCHAGE史上屈指の名曲だと思っております。
 ・・・このように、ASKAは全力で直球勝負で突き進み、CHAGEはその間隙を縫うように変化球を投げるといった具合に、両者のコントラストが面白いこのアルバム。1枚通してのまとまりは前作に一歩譲るものの、(当時)デビューして15年を経て、熟練した彼らの音楽世界を見せつけるに十分な作品だと思います。それでも「On Your Mark」をラストに置いて締めるあたり、「まだまだスタートライン、これからだよ」という力強い決意表明が感じられて、なかなかに心憎い演出だよチャゲアス!と思ったものでした(笑)。

 さて、最近のCHAGE and ASKA(←近年はこれが正式表記らしいです)は、それぞれのソロ活動を主軸に置いて、オリジナルアルバムは3〜4年に1枚、という、リリースの点ではいわゆるベテランアーティスト的な活動形態になってきているようです。90年代の精力的な活動を知る身としては近年の寡作ペースには少々物足りなくも感じてしまいますが、「Man and Woman」(2007年)のような名曲を作り出せる力をアピールしてもらったことだし、次のアルバムはいつになるか・・・指折り数えてしばらくは待つことにします(笑)。その時はまた、今作のような名盤を期待していますよ!

2008年04月16日 21:30

completesinglecollection 2008年2月20日発売。タイトル通り、デビュー曲から最新シングルまでのタイトル曲を収録した、ブリグリことthe brilliant greenの初のベストアルバムです。

 UKロックをベースとした音割れバンドサウンドに、川瀬智子のちょっと体温低そうな(?)ヴォーカルが乗っている・・・というのが、一般的なブリグリへの認識だと思いますが、実際こうやって彼らのシングルを1枚のアルバムとしてまとめて聴いてみると、彼ら、結構バリエーションに富んだ曲作りをしているみたいですね。
 デビュー1、2枚目の全英語詞曲からいきなり個性的だし、出世作の「There will be love there」や「冷たい花」といったダーク路線の曲、「そのスピードで」「CALL MY NAME」「Hello Another Way」といったキャッチーな曲、「angel song」の三連譜系の曲など、奥田俊作の紡ぎ出すメロディーセンスはシングル曲を聴いただけでも多種多様。ブリグリの世界観を守りつつ、幅広いシングル曲を世に送り出してきていたことを改めて実感しました。

 デビュー10周年を機に、数年ぶりにシングルを続けて発表して活動再開となった彼らですが、ベストアルバム、PV集のリリースで終わらずに、その次の展開にぜひ期待したいところです。

2008年04月14日 20:58

YAMAZAKIBOON 2008年3月12日発売。2006年春の「アンジェラ」以来久々となる山崎まさよしのニューシングル。

 テーマはサラリーマンの悲哀?(ドラマタイアップもあったみたいですし)近年は内省的な世界観の詞が多かった山崎まさよしですが、今回は結構分かりやすい詞。途中でコンバットマーチみたいなのも流れて詞同様に野球をモチーフにした内容です。全体的にシングルにしてはちょっと地味めかな?と思いました。

2008年04月12日 23:41

hayabusa 早いもので「今週の1枚」も15回目。今回は2000年7月26日発売のスピッツの9枚目のオリジナルアルバム「ハヤブサ」をご紹介いたします。

 このアルバムが発売される年の前年の暮れ、メンバー非公認のベストアルバム「RECYCLE」のリリースを巡ってちょっとした騒ぎになったのを記憶している方も多いはず。筆者はスピッツに関しては今も昔もライトなファン(アルバムが出れば借りてさらっと聴く程度)なのですが、2000年の彼らの活動には前年の騒動もあり、いやがおうにも注目していました。
 この年はまず4月にシングル「ホタル」をリリース。曲調は王道ながら、ここまでリズム隊が力強いサウンドを構築しているシングルって少なくとも「ロビンソン」でのブレイク後はなかったんで、「ちょっと変わったかな?」と漠然と思った記憶が。続く「メモリーズ/放浪カモメはどこまでも」での変貌ぶりに腰を抜かし(苦笑)、そしてこれらの楽曲を収めたアルバムがこの「ハヤブサ」。これが想像以上に弾けていてこれまたビックリ、そして魅力的な一枚になっていたわけです。

 このアルバムは、スピッツと石田小吉の共同プロデュース。笹路正徳とのプロデュース時代、そして棚谷祐一との「フェイクファー」でも感じていたスピッツの「浮遊感があってフワフワとした、滅菌処理されたポップなバンド感」(あくまでイメージ)がほぼ陰を潜め、やたらに攻撃的に響くギター、走るベースライン、そして手数の多いドラムパターンと、ライトなリスナーにとっては「これホントに「ハチミツ」とか「インディゴ地平線」のスピッツ?!」と、1曲目の「今」から驚くこと間違いなし。これらのバンドサウンドに加えて、「いろは」みたいに打ち込みを駆使した曲もあり、ほぼSEのインストナンバー「宇宙虫」をアルバムの中心に配置してみたり。キーボードを使用している曲も、ピアノやオルガンといった生楽器ではなく、シンセパッドや電子音が中心になっていて、今までの曲とかなり異なる印象。「メモリーズ・カスタム」はシングル曲の「メモリーズ」にCメロが加わって、アレンジも更にサイケデリックにぶっ飛んでおります(笑)。比較的従来のスピッツ像的な「甘い手」「HOLIDAY」といった曲もありますが、前者はやたらに映画からの台詞を長々と引用してみたり、後者は油断しているとラウドなギターが耳に飛び込んできたりと、とにかく予断を許さない実験の塊。個人的には疾走感あふれる「8823」と、ラストを爽やかに締めくくる「アカネ」がこのアルバムのオススメトラックかな。
 メジャーデビューから10年近い(当時)彼らのようなベテランバンドが、安定路線に走らずに、冒険心と野心をふんだんに見せつけた一枚ですが、こんな感じに好き放題やっていながらも、草野マサムネの独特の詞の世界観(あまりに深すぎて理解できないところが多々ありますが・笑)とヴォーカルの力で、誰が聴いても「スピッツの音楽」になっているところがポイント。彼の声はたとえサウンドがオルタナ系に走っても、ギターと胡弓だけの演奏(「ジュテーム?」)でも変わることなく、存在感を示すところはさすがと言うべきでしょうか。

 筆者のようにライトな聴き手にとっては「スピッツが変わった!しかも面白い方向に!」という驚きよりも斬新さの方が勝って好印象だったのですが、「RECYCLE」で初めてスピッツを知って、直後のオリジナルということでこのアルバムをまず手に取ってみるのはちょっと危険かもしれません(笑)。まあ2006年に公認のシングルコレクション「CYCLE HIT」の発売に伴い「RECYCLE」は廃盤になったので、当時はともかく現在はその心配はないとは思いますが、スピッツのアルバムの中でも異色な作品なので、入門編としては向かないな、というのが正直なところ。
 ですが、この後のスピッツの作品を聴きかじってみる限り、この「ハヤブサ」ほどにアクセル踏み込みまくりのアルバムはないものの、「ハヤブサ」で培ったものをエキスとして、以後の曲たちに注入しているような気もします。そういう意味では、スピッツの歴史の中では、現在の彼らの音楽性を構築する過渡期的な作品という位置付けになるのかもしれませんが、単なる実験作ではなく、一枚のアルバムとしての完成度も高いと思うので、いまだに「スピッツのオリジナルアルバムで一番の作品を挙げよ」と言われれば、筆者はこのアルバムを推してしまう所存なのであります。

2008年04月10日 22:20

tsubasawohirogete 2008年4月9日発売、ZARDの44枚目のシングルは、坂井泉水が1993年にDEENに作詞提供した「翼を広げて」の初公開のセルフカヴァーと、ZARDのデビューシングルのカップリングだった「愛は暗闇の中で」のリアレンジバージョンを収録した両A面。

 「翼を広げて」は、オリジナルのDEENバージョンにわりと忠実なアレンジ。違う点は、中盤〜後半にかけてコーラス陣が登場して力強く盛り上がる原曲とは逆に、最後まで坂井泉水の独唱で終わるところでしょうか。集団でエールを贈るというよりも、個人が個人に対してエールを贈っているような聴き心地という印象を持ちました。
 ところで、この曲の編曲クレジットは何と明石昌夫。明石氏は当時のビーイングの主力アレンジャーでしたが、脱退後近年は直接ビーイングとの関わりはないようなので、今回の音源は在籍当時のベーシックアレンジを元に作り上げたものなのか、それとも既にレコーディングまでしていたけれどお蔵入りになったものだったのでしょうか?

 もう一つのA面「愛は暗闇の中で」は、featuring 上木彩矢というクレジットの通り、坂井泉水と上木彩矢のダブルヴォーカル状態。常に二人が歌っていてどちらの声も均等に聴こえるのですが、この二人の声の相性は結構良いみたいです。最初で最後のコラボなのかもしれませんが・・・。
 アレンジは森下志音。追悼ライブでギターを担当していたNaifuというバンドの人だそうです。エッジの効いたギターが全編にわたって聞こえるデジタルロックに生まれ変わって、新曲のような気持ちで聴くことができました。ナイスアレンジ!

 ・・・何でも、5月下旬に全シングルを収めたボックスセットが発売されるそうで。これでZARDのシングルリリースは最後ということなのかもしれませんが、だとしても、有終を飾るのに相応しい2曲だと思いました。


2008年04月07日 21:42

 TM NETWORKが5月28日にシングルコレクションアルバムを発売するそうです。

 え〜、正直、またベスト?って気が^^;
 エピック時代のシングル集ということで、今回もレコード会社主導のベストであることは間違いなさそうですね・・・。

 ちなみに、これまでのTMのオリジナル音源使用のベストアルバムを並べていくと・・・

 1987年:Gift For Fanks(デビュー〜1987年まで。終了宣言前唯一のベスト)
 1994年:TMN BLACK(シングルセレクション)
 1994年:TMN RED(ダンスセレクション)
 1994年:TMN BLUE(バラードセレクション 以上3枚は同時発売)
 1996年:TIME CAPSULE all the singles(シングル全集。2枚組)
 1999年:STAR BOX TM NETWORK(ソニーの企画ベスト。〜1989年まで)
 1999年:STAR BOX TMN(同上。1990〜1994年まで。以上2枚は同時発売)
 2000年:BEST TRACKS(全時代の作品から選りすぐった1枚)
 2003年:THE LEGEND(ソニーの企画ベスト。1987年ぐらいまでの作品中心)
 2004年:WELCOME TO THE FANKS!!(ファン投票ベスト+カップリング集)

 以上です。いや〜、多すぎだ(苦笑)。
 そして、今回のベストアルバムはシングルコレクションということで、「TIME CAPSULE」のDisc1とほぼ曲が一緒・・・。なぜかシングルではないはずの「BE TOGETHER」が収録されてるのは1999年に「Get Wild」とセットで再発されたから?

 コアなファンにとっては、Disc2の未発表テイクのライブぐらいしか買いポイントがなさそうですね・・・。全曲リマスタリングは魅力的ではありますが。
 個人的には、同じような内容のベストを乱発するよりも、お蔵入りの映像をDVD化してくれれば・・・と思ってしまいます。
 例えば過去のライブのノーカット版とか。昔のライブビデオは収録時間の都合上か、大幅カットが目立つので、完全版的なものを出してくれればなぁ・・・せっかく25周年を迎えるんだし。そういった作品もぜひ企画してもらいたいものです。

2008年04月05日 22:26

fumido 4月最初の「今週の1枚」は比較的最近(といっても3年前か・・・)、2005年6月22日リリースの風味堂のアルバム、その名も「風味堂」をご紹介します。

 去年は原由子とのユニット・ハラフウミを結成したり、ここ数年でドラマの主題歌やCMソングなどに起用され、結構お茶の間に流れる機会も増えてきたのでご存知の方も多いのではないかと思いますが、風味堂はヴォーカル&ピアノ、ベース、そしてドラムスという、いわゆるギターレスのスリーピース編成
 彼らが注目されたのはシングル「ナキムシのうた」のスマッシュヒットがきっかけ。そしてこのアルバムがメジャーデビューアルバムなわけですが、すでにこの時点で風味堂名義でインディーズから2枚のミニアルバムをリリースしていました。この頃から彼らの音楽性は確立されていたようで、ヴォーカル渡和久の手による楽曲の芯はメジャーデビューに至ってもブレることがなく、デビューアルバムにしてある程度完成された音楽を聴かせてくれています。

 渡和久が紡ぎ出す詞の世界は、時に真っ直ぐ、時に軽薄、時にエロ(笑)という感じで、一曲ごとに様々な表情を見せるのが特徴。収録曲をざっと見てみると、ちょっと斜に構えつつも人生の決意を語る「眠れぬ夜のひとりごと」、一転して素直なラブソング「楽園をめざして」「ねぇ 愛しい女よ」、恋愛ドン詰まり状態(笑)の「もどかしさが奏でるブルース」、励まし系の「ナキムシのうた」、女性視点で綴る「笑ってサヨナラ」、そしていわゆる欲情系の「真夏のエクスタシー」。さらに本編ラストに感謝の意を込めた「ゆらゆら」など実に多種多様。
 曲調もアップからスローバラードまで幅広く、アレンジ面ではピアノサウンドを根底に、ジャズ風にまとめられたポップロックという印象。演奏がやや荒削りな感があると思いますが、前述のストーリーを奏でる詞曲の感情と上手くマッチしていて、風味堂の優しい部分と激しい部分がバランス良く混ざり合っています。

 彼らに限らず、ギターレスのバンドスタイル、あるいはテクニカルなピアノを前面に出すバンドというのは、最初に聴いた時は、「ギターの音を使わずにここまでの演奏ができるのか!」というインパクトを与えることのできる強みがあると思うのですが、ピアノ+リズム隊という限定されたバンドの構成上、作品を重ねていくと、どうしても音色や演奏の幅に限界、というか、いわゆるマンネリ感が漂ってきてしまうもの。むしろそこから先がギターレスバンドの課題になる点だと思うのですが、彼らはこのアルバムでは上記の楽器以外にホーンセクションを導入。曲によっては「散歩道」のようにむしろホーン隊が主役?と思えるかのような曲もあり、アルバム一枚で多彩な色を出すことに一役買っている感じ。
 この「風味堂」以降「風味堂2」「風味堂3」とアルバムリリースする度にサウンドが洗練されていき、演奏面でもより安定していくのですが、楽曲の粒の良さという点では、このアルバムが風味堂入門に適しているんじゃないでしょうか。

 ギターレスのピアノロックということ、そしてヴォーカル渡の独特の歌声。リスナーにとってはこれらの二点に関して好き嫌いが分かれるところかもしれません。逆に言うと、このジャンル、そして声が苦手ではない(って書き方も変ですが)人にとっては、このアルバム、バラエティ豊かな詞曲とアレンジが詰まった作品として、楽しめると思います。
 なお、初回盤には、渋谷のライブハウス「B.Y.G」で行われた「Swinging Road」(インディーズアルバム収録曲)のライブバージョンがボーナストラックとして入っています。原曲よりもハイテンポになり、風味堂のライブでの臨場感を1曲ながら体験できるので、興味を持たれた方はこの初回盤を探してみるのもいいかも。案外レンタルでも置いてあったりするんで(笑)。


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