47 2016年3月2日発売、吉田山田の通算4枚目となるオリジナルアルバム。シングル「キミに会いたいな」「未来(Album Mix)」「Today,Tonight」を含む12曲に加え、通常盤にはボーナストラックとして「日々」の弾き語りバージョンが収録。初回限定盤は50ページのフォトブックレット付属のBOX仕様。本エントリーは通常盤のレビューとなります。

 ベスト「吉田山田シングルズ」を挟んで約2年ぶりのオリジナルアルバムとなる本作。これまではほぼ全曲に吉田山田+アレンジャーの表記があったのですが、本作の収録曲においては全7名のアレンジャーのみの単独クレジットであり、表記上は吉田山田がアレンジには全く関わっていない(レコーディングには吉田結威がほぼ全曲ギターで参加)という点が目についたのですが、「吉田山田シングルズ」でのシングル各曲で見せた純度の高いポップス「タイムマシン」「新しい世界へ」や、「告白」「母のうた」等のバラード曲を本作でもバランス良く配置。どの曲も王道ポップスの範疇内で、メンバーが関わっているかどうか以前に、アレンジャー各々の明確な個性は感じられず、ある意味ではまとまりの良い作品集となっています。

 まとまりの良さ、という点では詞曲においても同様の感想。シチュエーションは楽曲毎に異なるものの、青年から大人に変わる時期の男性のモノローグを真っ直ぐなメロディーに乗せて歌う、という点は全編において共通しており、筆者のような30代も終盤に差し掛かった世代には衒いがなくて眩しいぐらい(?)なのですが、恐らく彼らと同じぐらいの世代(20代後半ぐらい?)には共通項を見つけられる歌詞なのではないか、と思います。ただ、この路線が一般的に爆発的な支持を集められるか、と言われると…楽曲全般において突き抜けた個性とは言わないまでも、もうひと押し欲しいと言いますか、ちょっと優等生っぽいな〜、という印象も抱いてしまいました。

 ちなみにタイトルの「47〔ヨンナナ〕」とは、4枚目のオリジナルアルバムということと、結成7年目であるということを捩った、とのこと。このアルバムを引っ提げて今年4月から8月まで「47」都道府県ツアーを二人で敢行するそうで、まだまだ伸び代の可能性のある年代である彼ら、このツアーでもうひと山乗り越えて成長していって欲しいですね。