zard25th 今週水曜日、ZARDの25年目のデビュー日にリリースされた「ZARD Forever Best 〜25th Anniversary〜」。本ベストの全曲レビューも折り返しを迎えて後半戦。第3回目の今回は、disc-3 -盛夏-の全13曲。「続きを読む」からご閲覧ください。
ZARD Forever Best 〜25th Anniversary〜
全曲レビュー/disc-3 -盛夏-


※全曲・作詞:坂井泉水。


1.かけがえのないもの
 作曲:大野愛果/編曲:小林哲
 2004年6月23日発売、38thシングル。
 生涯唯一のライブツアー「What a beautiful moment Tour」の開催中にリリース。レコーディングにはライブ出演メンバーも参加している。直近の作品に比べるといわゆるGIZA的な装飾音を排した「バンドっぽさ」をシンプルに押し出し、ライブで演奏すれば熱い感動を呼びそうな雰囲気の楽曲。実際ツアーの最終日、日本武道館の公演ではショートバージョンながら披露されたとのこと。歌詞は素直に読むと、疎遠になった男性と偶然再会して愛が再燃…といった内容だが、視点を変えてみるとZARDを応援してくれるファンへの感謝のメッセージが込められているような気もする。
 発売当時は飛び抜けた人気曲ではなかったと思うが、逝去後の2008年「ZARD Request Best」では投票順位堂々の第3位にランクイン。また、2006年の映像集「Le Portfolio」ではフルサイズバージョンMVが収録されている。

2.遠い星を数えて
 作曲:栗林誠一郎/編曲:徳永暁人
 1997年7月2日発売、シングル「風が通り抜ける街へ」c/w。
 ロックバンド前提の音作りを続けていたZARDの中では珍しく、ライブでいえば中盤辺りに登場しそうなアンプラグド的な編成のミディアムバラード。シンプルながら味わいがある、とはまさにこの曲の事だと思う。
 坂井のお気に入りだったのか、1999年の8thアルバム「永遠」にも収録、同年の船上ライブでも披露、さらに2001年の「ZARD BLEND II -LEAF & SNOW-」にもシークレットトラックとして収録されるなど、歴代のカップリング曲の中で扱いは最上位に位置する。

3.風が通り抜ける街へ
 作曲:織田哲郎/編曲:徳永暁人
 1997年7月2日発売、21stシングル。
 JRA夏競馬のCMソング。ポップなメロディーながら、ギャンブル系のCMだからか「ニュースステーション」(当時)の後などの、深夜時間帯にオンエアされていたような記憶がある。
 後にZARDの主力スタッフとなる徳永暁人のシングル表題曲アレンジのデビュー作になるのだが、この曲に関しては同時期の葉山たけし、池田大介と比べると打ち込み色が際立って濃く、従来の王道アレンジに慣れた耳には戸惑いが大きかった。この後、徐々に実験的サウンドに移行していくきっかけになった曲なのかも。

4.DAN DAN 心魅かれてく
 作曲:織田哲郎/編曲:池田大介
 1996年7月8日発売、7thアルバム「TODAY IS ANOTHER DAY」収録曲。
 FIELD OF VIEWの4thシングルに歌詞提供した楽曲のセルフカバー。原曲はアニメ「ドラゴンボールGT」のオープニングテーマに起用された。
 原曲のアレンジャーは葉山たけし。セルフカバーにあたってはオリジナルアレンジを土台に、間奏に手を加えたり、所々フレーズを変えたりしたマイナーチェンジ版といったところ。ボーカルが2コーラス目から機械処理でキー修正をしているらしく、普通に歌っている1コーラスの流れからすると急に息苦しそうに歌うように変わるのが気になる構成である。

5.突然
 作曲:織田哲郎/編曲:葉山たけし
 1996年7月8日発売、7thアルバム「TODAY IS ANOTHER DAY」収録曲。
 前年に歌詞をFIELD OF VIEWに提供した(2ndシングル)楽曲のセルフカバー。原曲は「ポカリスエット」CMソングとしてオンエアされ、ミリオンセラーを記録している。
 アレンジは原曲と同様に葉山が担当。オリジナルにほぼ忠実であり、ZARDバージョンはキーを上げた以外はテンポ、曲の構成、間奏のギターソロまで原曲に倣っている。セルフカバーでここまで同一な例は他にない。なお、曲の冒頭でコーラスを重ねているのは男性シンガーの楠瀬誠志郎。ビーイング外の人物が招かれ、ここまで絡んでくるのは珍しいケースであった。
 原曲の人気もあってか1999年の「Request Memorial」では投票数第10位にランクイン。その際にリズムトラックを中心にミックス変更されている。

6.Today is another day
 作曲:織田哲郎/編曲:池田大介
 1996年7月8日発売、7thアルバム「TODAY IS ANOTHER DAY」収録曲。
 坂井泉水名義での初プロデュースアルバムとなった「TODAY〜」は、既発曲やセルフカバーが多いなどオリジナルアルバムとして試行錯誤が見受けられる作品だったが、アルバムタイトルを冠したこの曲は盤石の出来。特に生のホーンを導入したことで、煌びやかなシンセ中心であった従来のビーイングサウンドとは一線を画したアレンジは出色の出来である。アニメ「YAWARA!スペシャル」テーマソング。
 ライブツアー「What a beautiful moment Tour」や2006年の「Golden Best」でも選曲されたので知名度は高いか。2007年の本人選出による架空のベスト企画「LOVE & POWER」でも選ばれていたが、この選曲を基にした追悼ベスト「soffio di vento」の収録曲からは外されてしまった。

7.Season
 作曲:栗林誠一郎/編曲:葉山たけし
 1993年7月10日発売、4thアルバム「揺れる想い」収録曲。
 道を行く制服姿の学生を見て、当時の片想いのまま終わらせた恋を回想する歌詞をキラキラしたサウンドに乗せて歌い上げる、何とも甘酸っぱい作品。
 アルバム「揺れる想い」はシングル曲以外の曲があまりスポットを浴びない傾向に長らくあったのだが、2008年の「ZARD Request Best」では票を集めて第23位にランクインしてベスト初収録。意外と人気のあった曲だったのかもしれない。

8.眠れない夜を抱いて
 作曲:織田哲郎/編曲:明石昌夫・池田大介
 1992年8月5日発売、4thシングル。
 デビューから一年半を経て、歌謡ロック的な路線からポップス寄りに路線変更した「ZARDスタンダード」の第一歩的なナンバー。低迷していたセールスも急回復し、「負けないで」に至る大ブレイクのきっかけとなった記念すべきシングル曲である。深夜番組「トゥナイト」エンディングテーマ。
 特筆すべきはこの曲を引っ提げてテレビ出演を解禁したこと。その際、ZARDは「五人組バンド」と紹介されていた。また、坂井を中心にモノクロのライブ映像で構成されたMVも制作されたが、現時点では未商品化となっている。

9.こんなにそばに居るのに
 作曲:栗林誠一郎/編曲:明石昌夫
 1994年8月6日発売、12thシングル。
 「ブティックJOY」CMソング。倦怠期を迎えたカップルの真夏の夜のすれ違いを描いたアップテンポな楽曲。クラビネットの刻みやオーケストラヒットが耳を惹くアレンジで、デジタル寄りの攻撃的ロックナンバーである。最後はフェードアウトもカットアウトもせずに破裂音で強制的に終了するのがこの曲最大のインパクト。
 翌年の6thアルバム「forever you」では池田大介が編曲に名を連ね、構成もいきなりサビから始まったり間奏がまったく異なったりと、大きく手直しがされて収録された。

10.永遠
 作曲・編曲:徳永暁人
 1997年8月20日発売、22ndシングル。
 元々は前年からオンエアされていたキヤノンのCMソングだったが、ドラマ「失楽園」の主題歌として起用されるにあたってリメイク。背徳感の漂うロッカバラードに仕上がった。ドラマタイアップの数の割にドラマから楽曲が連想できないケースの多いZARDの曲としては珍しく、「失楽園」というドラマ内容のイメージをかなり強く意識した曲だと思う。久々にフルサイズMVが制作されたが、アメリカの一本道を青いオープンカーで走り抜ける坂井を空から引きで撮る映像がメインで、あまり面白みはない。
 バージョン違いが複数あり、上記のキヤノンCMバージョンは2001年の「ZARD BLEND II -LEAF & SNOW-」に、ショートサイズの英語バージョンは2012年の「ZARD Album Collection」のPREMIUM DISCに、ライブツアーで使用されたインストバージョンはシングル「かけがえのないもの」のカップリングに収録。さらにシングル盤では演奏が最後までステレオだが、1999年の8thアルバム「永遠」には2コーラス明けからモノラル(疑似?)に変化するバージョン、同年の「The Single Collection -軌跡-」ではイントロがピアノで最後までステレオの「Intro Piano Version」と、筆者が知るだけでもこれだけの数が発表されている。

11.サヨナラは今もこの胸に居ます
 作曲:栗林誠一郎/編曲:葉山たけし
 1995年8月28日発売、16thシングル。
 映画「白鳥麗子でございます!」主題歌。テレビドラマ版の「負けないで」「きっと忘れない」に続く三連投だが、基本がコメディであるこのドラマとは歌詞の内容はまったくと言っていいほど一致しないのも三作連続である(苦笑)。
 今回は「Guest Vocal」として栗林誠一郎の名前がクレジット。ZARDの他の曲でもバックコーラスで参加している実績のある栗林だが、この待遇はこの曲のみ。といっても主旋律はまったく歌わず、サビでハモっているぐらいしか出番がないのだが、他の曲と比べるとコーラス音量は大き目にミックスされている。
 翌年の7thアルバム「TODAY IS ANOTHER DAY」では坂井のボーカルのみをリテイク。アルバムバージョンでは力を抜いてゆったり歌っており、憂いの要素が新たに加わっていた。

12.眠り
 作曲:坂井泉水/編曲:池田大介
 1995年8月28日発売、シングル「サヨナラは今もこの胸に居ます」c/w。
 4年ぶりの坂井本人による作曲作品。この時期辺りのシングル群のカップリングで続いていた、まったり気味なミディアムスローを自身で作ってみた趣で、聴きながらその心地良さにタイトル通り眠りにつけそうなナンバー。
 7thアルバム「TODAY IS ANOTHER DAY」には大がかりなリミックスを施して収録。ベストアルバムへのCD音源収録は本ベストが初だが、2007年の追悼ベスト「Brezza di mare」には特典DVDに疑似MV的に収録されている。

13.あの微笑みを忘れないで
 作曲:川島だりあ/編曲:明石昌夫
 1992年9月2日発売、3rdアルバム「HOLD ME」収録曲。
 夢を追っていた過去を回想しつつ、前向きに明日へ走り出そう(大意)という直球の応援歌。情景描写が分かりやすくZARDの曲の中でも好きな歌詞のひとつであるが、中でも青春時代を「ぬるいコーラしかなくても夢だけで楽しかった」と表現するセンスには舌を巻いた。
 上記のように共感しやすい内容や、ポップな楽曲だからか人気の高い曲のようで、各種ベストに頻繁に選曲される。中でも2008年の「ZARD Request Best」では投票数第1位を獲得。また、2012年に公開された映画「ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オン・ザ・ウォーター」の主題歌として葉山たけしの手により現代風にリアレンジされた「2012 Movie-theme ver.」は、同年発売の「ZARD Album Collection」のPREMIUM DISCに収録された。


 以上、disc-3 -盛夏-の全曲レビューでした。
 さて、管理人独自の「この曲も今回のベストに入れて欲しかった!」コーナー、この時期(6月下旬〜9月初旬)ではシングルでは「瞳閉じて」。アルバムでは3rdアルバム「HOLD ME」から「遠い日のNostalgia」あたりも収録してもらいたかったかな、と思います。
 長期連載中の「CD Review Extra」、いよいよ「ZARD Forever Best」最後の1枚、disc-4 -秋冬-を残すのみとなりました。2月中のエントリーを目指していますので、引き続きお付き合いください。