zard25th 来月2月10日に発売となる、ZARDのデビュー25周年記念オールタイム・ベスト「ZARD Forever Best 〜25th Anniversary〜」。4枚組全52曲という重量級ベストの本作を1曲ずつ「CD Review Extra」にてレビューする連載企画の第2回目は、disc-2 初夏-からの13曲。「続きを読む」からご閲覧ください。
ZARD Forever Best 〜25th Anniversary〜
全曲レビュー/disc-2 -初夏-


※表記のない場合の全曲・作詞:坂井泉水。


1.星のかがやきよ
 作曲:大野愛果/編曲:葉山たけし
 2005年4月20日発売、40thシングル。
 オープニングテーマとしては「運命のルーレット廻して」以来となる「名探偵コナン」主題歌に起用。また、前年カップリング曲にて久々の復帰を果たしたアレンジャー葉山たけしが本作以降再びZARDに本格的に携わることに。
 曲調も歌詞もかなりシンプル。「みんなのうた」あたりに採用されても良さそうな唱歌風のアップテンポナンバー。勢いのあるバンドサウンドはさすがの葉山の手腕、といったところだが、サビが高音連打されるためか坂井のボーカルがかなりキツそうなのが気になる。この傾向は同年9月の11thアルバム「君とのDistance」でも感じられたので、この時期特有のコンディションだったようだ。

2.夏を待つセイル(帆)のように
 作曲:大野愛果/編曲:葉山たけし
 2005年4月20日発売、40thシングル両A面曲。
 こちらは「劇場版名探偵コナン 水平線上の陰謀」の主題歌。
 擬人的なタイトルではあるが、歌詞の内容は普遍的なラブソング。アレンジはレゲエ調の軽やかさにポップスの爽やかさを適度に融合させた、今までになかった曲調。ドラマチックなメロディーラインが美しく、ZARD第2章のシングル曲の中でも頭ひとつ抜きん出た楽曲だと思う。
 11thアルバム「君とのDistance」では1曲目に収録。イントロのストリングスの展開がまさに開幕!といった雰囲気なので絶妙な配置であった。なお、映画館の予告編で流れたというバージョンではこのイントロ部分がハーモニカの別フレーズで演奏されており、そちらは2012年の「ZARD Album Collection」のPREMIUM DISCに収録されている。

3.君がいない
 作曲:栗林誠一郎/編曲:葉山たけし
 1993年4月21日発売、7thシングル。
 元々は栗林誠一郎が1991年にソロとして発表した同タイトルの作品を、ZARDバージョンとして坂井が歌詞をリメイクした楽曲。ある意味カバー曲である。
 栗林バージョンは男性の視点から、ZARDバージョンは女性の視点から「失恋」を描いているが、歌詞のすわりは後者のほうが良い出来だと思う。セピア調で不貞腐れ気味の表情のジャケット写真も含めて、「喪失感」をうまく切り取った作品。ドラマ「彼女の嫌いな彼女」主題歌。
 同年7月の4thアルバム「揺れる想い」では、キーを原曲のCからBに半音下げた「B-version」で収録。

4.心を開いて
 作曲:織田哲郎/編曲:池田大介
 1996年5月6日発売、18thシングル。
 90年代のビーイングの第一級タイアップであった「ポカリスエット」のCMソングとして、「揺れる想い」以来3年ぶりに起用された。
 この頃になるとビーイングサウンドも徐々に変化が始まり、派手なシンセやオーケストラヒットの音を抑えてより生音バンドサウンドを意識した音作りがZARDにも浸透。加えてこの曲は12弦ギターの演奏が効果を上げており、夏に向けてのタイアップ時期に爽やかさを演出していた。
 歌詞の出だしの「私はあなたが想ってる様な人ではないかもしれない」というフレーズは、既に映像メディアから姿を消して久しく、神秘的なイメージが強調されてきた坂井泉水というひとりの女性からの世間へのメッセージ…のような気がする。

5.揺れる想い
 作曲:織田哲郎/編曲:明石昌夫
 1993年5月19日発売、8thシングル。
 「ポカリスエット」CMソングとして採用、大量にオンエアされ、「負けないで」に続いてこの年二度目のミリオンセールスを達成。ZARDのアーティストとしての人気を決定づけた一曲である。
 青い波を連想させるシンセのキラキラサウンド、打ち込みながら重厚感のあるドラムなど、これぞ当時のビーイングメイドのヒット曲という風格を備えた代表曲。
 ZARDの主要ベストには当然の如く選ばれ、オリジナルバージョンの他、1999年の船上ライブバージョン、2007年の追悼ライブバージョンもそれぞれ音源化されているが、一番異色なのは2001年の9thアルバム「時間の翼」収録の10分を超える長尺リミックス「Gomi's New York Remix」。

6.素直に言えなくて featuring Mai Kuraki
 作曲:坂井泉水/編曲:岡本仁志
 2009年5月27日発売、45thシングル。
 初出は2ndシングル「不思議ね…」カップリング曲。2ndアルバム「もう探さない」にも収録された最初期ZARD楽曲にして、坂井本人が作曲を手掛けた四作品のうちのひとつ。三回忌を迎えるにあたってリアレンジされ、シングル表題曲としてリリースされた。
 同様の経緯を持つ「愛は暗闇の中で」に倣ったのか、アレンジは原曲をベーシックに、90年代初頭の時代性を感じさせるフレーズをカットして仕立て直した雰囲気。今回はビーイングの後輩・倉木麻衣がハモりや英語コーラスで参加。こちらは「愛は暗闇の中で」とは異なり、あくまでバックで支える参加で、坂井のボーカルが単独ではっきりと聴こえる仕様になっている。
 坂井作曲としては初のシングルA面曲。また、これ以降ZARD名義でシングルは発表されていないので、2016年時点では最新のシングル作品である。

7.Oh my love
 作曲:織田哲郎/編曲:明石昌夫
 1994年6月4日発売、5thアルバム「OH MY LOVE」収録曲。
 両想いのカップルの穏やかな時間を描いた、アルバムタイトル曲にしてZARDのパブリックイメージに沿ったシングル級の爽やかミディアムナンバー。
 舞台が夏ということで1997年の「ZARD BLEND -SUN & STONE-」にも収録。他、1999年の「Request Memorial」にも6位という高順位で選出。2006年の「Golden Best」には強力な代表シングル曲に並び「Today is another day」と共に収録。ZARDのアルバム曲の中では一番知名度のある曲かもしれない。

8.雨に濡れて
 作曲:栗林誠一郎/編曲:明石昌夫
 1994年6月4日発売、5thアルバム「OH MY LOVE」収録曲。
 ZYYG,REV,ZARD & WANDS(後述)のカバー曲で、作詞は坂井と上杉昇(当時WANDS)の共作。原曲では1コーラスをほぼ単独で坂井が歌っていた。今回のセルフカバーでは全編メインを務め、ハモリで栗林誠一郎が参加している。
 まさに破局の瞬間を描いた歌詞が印象的だが、共作ということもあってか、1コーラスは女性視点、2コーラスは男性視点で描かれているような雰囲気で、女性が単独で歌うには若干の違和感を感じるのは筆者だけだろうか。
 なお、ユニットバージョンは1999年の「Request Memorial」に、ZARDバージョンは2008年の「ZARD Request Best」にそれぞれ収録。

9.I still remember
 作曲:栗林誠一郎/編曲:明石昌夫
 1994年6月4日発売、5thアルバム「OH MY LOVE」収録曲。
 エレピタッチのピアノという、いかにもビーイング的な音色で始まる王道バラード。二年付き合って別れた彼氏に今でも未練ありありの失恋ソングである。
 アルバム発売当時に波打ち際の少女の映像と共にアルバムタイトルが読み上げられるTVスポットが打たれていた。1999年の「Request Memorial」でも選出。

10.来年の夏も
 作曲:栗林誠一郎/編曲:明石昌夫
 1994年6月4日発売、5thアルバム「OH MY LOVE」収録曲。
 彼と知り合い、良い方向に変わっていくことを自覚する主人公が「来年の夏もとなりにいるのが どうかあなたでありますように」と願うラブソング。具体的な状況が多く登場するので、ZARDの歌詞の中でも情景が浮かびやすい曲だと思う。
 アレンジはギターとパーカッションで静かに始まり、途中からバンドインして盛り上がっていく構成で、間奏のギターソロ、サックスソロ、そしてアウトロのピアノソロなど、演奏的にも聴きどころ満載。生前唯一のライブツアー「What a beautiful moment Tour」でも披露され、ラストのテクニカルなピアノソロが完全に再現されていたのには感動した。
 1997年のセレクションアルバム「ZARD BLEND -SUN & STONE-」に収録された際にはボーカルのリバーブやコーラスの大きさ、ギターの定位の変更、さらに音質が詰まった感じにリミックスされている。

11.あなたに帰りたい
 作曲:栗林誠一郎/編曲:明石昌夫
 1994年6月4日発売、5thアルバム「OH MY LOVE」収録曲。
 アルバム曲だけでも本ベストには5曲も選出された「OH MY LOVE」のラストを飾るナンバー。失恋から立ち直り、新しい日々を生きようとする一方、まだどこかで元彼に未練があって…という主人公。この曲に限らずZARDのアルバムのラストナンバーは寂しげな曲が多いと思うのは気のせいだろうか。
 舞台は「もうすぐ桜の咲く頃」なのだが、2001年の秋冬ベスト「ZARD BLEND II -LEAF & SNOW-」にて選曲。冒頭の1分近いギターソロ部分をカットして収録。2007年の追悼ベスト「soffio di vento」にも同バージョンが収められた。

12.愛が見えない
 作曲:小澤正澄/編曲:葉山たけし
 1995年6月5日発売、15thシングル。
 「シーブリーズ」CMソング。外国人のカップルがイチャつく(笑)タイアップ先のCMとは裏腹に、歌詞はシリアスであり、前年の「こんなにそばに居るのに」を彷彿とさせる倦怠期をさらに越え、終局に向かいつつある恋愛心理が描かれる。
 作曲はこの年PAMELAHのギタリストとしてデビューした小澤正澄。特にBメロの16分音符連打な譜割りが耳を引く。ZARDには珍しく緊張感のあるハイスピードナンバー。アレンジはかなりの数が製作されたとのことだが、オリジナルの音源化以降リミックスなどは発表されず、一つのバージョンしか世に出ていない。

13.果てしない夢を/ZYYG,REV,ZARD & WANDS featuring 長嶋茂雄
 作曲:出口雅之/編曲:明石昌夫
 1993年6月9日発売、同年の日テレ野球中継「劇空間プロ野球'93」イメージソング。
 当時ブレイク真っ只中のZARDとWANDS、この年のデビュー組であるZYYGとREVの計4組によるビーイング内コラボレーションユニットとしてリリースされた唯一のシングル作品。作詞は上杉昇と坂井の共作。
 上記以外にも大黒摩季、生沢佑一、近藤房之助、川島だりあなど、錚々たるビーイング在籍者がコーラスとして参加。さらにこの年に読売ジャイアンツの監督に復帰した長嶋茂雄を迎えて最後のサビを独唱させているのだが、明らかにロック向きではない長嶋監督の浮きまくりの歌唱はある意味必聴?!
 作曲者の出口雅之がREVでセルフカバーしているものの、原曲のアルバム収録はなかなか果たされず、1999年のZARDの「The Single Collection -軌跡-」が初収録。告知もなく2種類のミックスが存在しており、ギターの音が立っているミックスが黒盤、そうでないものが白盤とされる。


 以上、disc-2 -初夏-の全曲レビューでした。
 そして管理人独自の「この曲も今回のベストに入れて欲しかった!」コーナーなのですが、この時期(4月中旬〜6月中旬)にリリースされたオリジナルアルバムは「OH MY LOVE」一作のみ、さらにヒットシングルも取りこぼしなしで選ばれているので、該当ナシかな…とも思いましたが、1曲挙げるならば「世界はきっと未来の中」ですかね。アレンジ的にはアルバム収録バージョンのほうが好きですが…(笑)。
 さて、次回の「CD Review Extra」は、disc-3 -盛夏-の13曲をレビュー予定。恐らく本ベスト発売直後のエントリーとなると思います。引き続きよろしくどうぞ。