
今回の「DVD Review Extra」では、これを勝手に(笑)記念して、発売される三作のレビューを行いたいと思います。「続きを読む」よりご閲覧ください。
DVD復刻発売記念・KANポリドール期映像作品全三作レビュー
東京ライブ -KAN CONCERT TOUR 1992 at NAKANO SUNPLAZA-
1992年5月28日発売、KAN初の映像作品はライブビデオ。同年上半期に開催された全国ツアー「ヒューマン・スペシャル・アワー“先生、おら先生みたいな先生になる”」の中野サンプラザ公演(おそらく3月の2daysのどちらか)から9曲を収録。
初のビデオということで、後年の映像作品と比べるとかなり手堅い作りの作品(笑)。「愛は勝つ」はもちろん、「恋する気持ち」「言えずのI LOVE YOU」「めずらしい人生」といった代表曲を中心に、「1989」「僕の彼女はおりこうさん」などの人気アルバム曲も収録。当時の彼のライブには中盤に長尺のミュージカル風ステージ(通称・ライブアレンジ)が用意されていたらしいのだが、そこはばっさりとカットされ、KANのパブリックイメージに沿ったライブ映像のみで構成されているのでコアなファンは今観るとちょっと物足りないかも(笑)。
なお、KANの衣装が白いスーツになったり黒いスーツに戻ったりするので、曲順はかなりバラバラのようだ。また、ラストに収録された「永遠」はスタッフロールを兼ねたライブPV風になっており、CD音源が使用されている。
余談であるが、久し振りにこのビデオを見返して、90年代後半は様々なコスプレをして(させられて?)コーラスをしていた西村正人が、本作では爽やかに歌い踊っている姿と、現在もKANバンドでドラムを叩く清水淳の当時も今もほとんど変わっていない(色々な意味で)姿に衝撃を受けた(笑)。
発明王 -Music Video Clip Collection-
1992年11月26日発売、一般発売作品としては現在唯一のビデオクリップ集。全6曲収録。
1991〜1992年に製作された楽曲のMVを収録。KANが複数現れて各楽器のパートを演奏している映像の「こっぱみじかい恋」、クラシック演奏家風のヅラを被ったり、当時のバンドメンバーと一緒に行進したりする「イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ」といったユニークなクリップ、「プロポーズ」「ときどき雲と話をしよう」のような楽曲のイメージを映像で増幅させた王道なクリップがひしめき合う中、本作の目玉は何と言ってもビデオタイトルになった「発明王」(アルバム「ゆっくり風呂につかりたい」収録)。ドリフまがいのコントを含めたシアトリカルな(?)映像は絶句必至(苦笑)。
1990年作品の「愛は勝つ」、1992年にシングルカットされた「言えずのI LOVE YOU」(初出は1988年)は未収録。30分という短い収録時間も含めて映像盤ベストとは呼び難いか。なお、2002年には1993年以降のMVをまとめた続編的なクリップ集「PVK」がファンクラブ限定で販売されていた。こちらの復刻も是非お願いしたいところである。
孔雀だもの -KAN CONCERT TOUR '93 RE-LIVED AT SHIBUYA-
1993年12月1日発売のライブビデオ。同年春から夏にかけて開催の全国ツアー「ヒューマン・ユニバーサル・アワー“はやく よくなってね。”」の公演を基にした内容だが、本作はツアー終了後の8月16日に渋谷ON AIR EASTで「ライブビデオを作るためにライブを行った」シューティング作品。全8曲収録。ビデオのサブタイトルに「RE-LIVED」の表記があるのは多分そのため。途中で萩原健太が聞き手を務める短いインタビューシーンも差し込まれている。
「東京ライブ」が王道的作品ならば、本作はかなりの変化球的作品。収録曲のうち前半の4曲は「孔雀」「決まりだもの」をはじめとした本格ダンスナンバーで、KANはダンサー(コリオグラファーの竹下宏太郎)を従え、インカムを装着して歌いながらとにかく踊りまくる。これが結構カッコよくて驚き(曲を中断して酸素吸入器を使用するギャグもあるが・笑)。
転じて後半は通常のライブ形式となるが、当時最新ヒットの「まゆみ」以外はアルバム収録曲やカップリング曲。代表曲は序盤にKANのインタビューと共にばーっと駆け足で流し、フルコーラス収録ではマニアックな選曲がされており全体的な敷居はやや高め。なお、本ツアーよりベーシストに西嶋正巳が参加と、徐々に現在のKANバンドのメンバーが揃ってくるのも見どころの一つか。
約一時間の収録時間だが、ダンスシーンが大半を占めるということもあり、エネルギッシュで密度の濃い映像作品。
以上、今回復刻される三作品のレビューでした。なお、この度のDVD化に際し、KANのライブDVD恒例の「副音声コメンタリー」が各作品に収録されるとのこと。20年以上前の自身の映像を観て本人が何を言い出すのか楽しみです(笑)。
今回このレビューを書くために久々に各映像を見返しましたが、この時期のライブ映像作品はやけにKANのアップやKAN「だけ」を映すカメラワークだなぁ…。と感じました。まあソロアーティストなので当然といえば当然なのですが、以降に発売された各ライブDVDはバックバンドのメンバーも結構な比率で映っているので、それに慣れた身としては珍しく、そしてちょっと物足りなかったです。
さて、市販されていた映像作品で未DVD化の作品は、マーキュリーレコード時代にリリースされた1996年の「牛乳のんで来い」、1998年の「Decimo」の二作を残すのみとなりました。この二作はVHSでもなかなか出回らない貴重なアイテムで、長らくKANファンを続けている筆者も所持しておりません。マーキュリーも現在は今回のDVDの発売元であるユニバーサルの傘下のはずなので、いずれ復刻してもらいたいものです。
久し振りにKANのライブ映像を観て、「またバンドライブ観に行きたいなぁ…」という思いを強くしました。そのためにはやはりそろそろ新作のオリジナルアルバムを発表して、是非レコ発ツアーをやってもらいたいですね(笑)。
東京ライブ -KAN CONCERT TOUR 1992 at NAKANO SUNPLAZA-

初のビデオということで、後年の映像作品と比べるとかなり手堅い作りの作品(笑)。「愛は勝つ」はもちろん、「恋する気持ち」「言えずのI LOVE YOU」「めずらしい人生」といった代表曲を中心に、「1989」「僕の彼女はおりこうさん」などの人気アルバム曲も収録。当時の彼のライブには中盤に長尺のミュージカル風ステージ(通称・ライブアレンジ)が用意されていたらしいのだが、そこはばっさりとカットされ、KANのパブリックイメージに沿ったライブ映像のみで構成されているのでコアなファンは今観るとちょっと物足りないかも(笑)。
なお、KANの衣装が白いスーツになったり黒いスーツに戻ったりするので、曲順はかなりバラバラのようだ。また、ラストに収録された「永遠」はスタッフロールを兼ねたライブPV風になっており、CD音源が使用されている。
余談であるが、久し振りにこのビデオを見返して、90年代後半は様々なコスプレをして(させられて?)コーラスをしていた西村正人が、本作では爽やかに歌い踊っている姿と、現在もKANバンドでドラムを叩く清水淳の当時も今もほとんど変わっていない(色々な意味で)姿に衝撃を受けた(笑)。
発明王 -Music Video Clip Collection-

1991〜1992年に製作された楽曲のMVを収録。KANが複数現れて各楽器のパートを演奏している映像の「こっぱみじかい恋」、クラシック演奏家風のヅラを被ったり、当時のバンドメンバーと一緒に行進したりする「イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ」といったユニークなクリップ、「プロポーズ」「ときどき雲と話をしよう」のような楽曲のイメージを映像で増幅させた王道なクリップがひしめき合う中、本作の目玉は何と言ってもビデオタイトルになった「発明王」(アルバム「ゆっくり風呂につかりたい」収録)。ドリフまがいのコントを含めたシアトリカルな(?)映像は絶句必至(苦笑)。
1990年作品の「愛は勝つ」、1992年にシングルカットされた「言えずのI LOVE YOU」(初出は1988年)は未収録。30分という短い収録時間も含めて映像盤ベストとは呼び難いか。なお、2002年には1993年以降のMVをまとめた続編的なクリップ集「PVK」がファンクラブ限定で販売されていた。こちらの復刻も是非お願いしたいところである。
孔雀だもの -KAN CONCERT TOUR '93 RE-LIVED AT SHIBUYA-

「東京ライブ」が王道的作品ならば、本作はかなりの変化球的作品。収録曲のうち前半の4曲は「孔雀」「決まりだもの」をはじめとした本格ダンスナンバーで、KANはダンサー(コリオグラファーの竹下宏太郎)を従え、インカムを装着して歌いながらとにかく踊りまくる。これが結構カッコよくて驚き(曲を中断して酸素吸入器を使用するギャグもあるが・笑)。
転じて後半は通常のライブ形式となるが、当時最新ヒットの「まゆみ」以外はアルバム収録曲やカップリング曲。代表曲は序盤にKANのインタビューと共にばーっと駆け足で流し、フルコーラス収録ではマニアックな選曲がされており全体的な敷居はやや高め。なお、本ツアーよりベーシストに西嶋正巳が参加と、徐々に現在のKANバンドのメンバーが揃ってくるのも見どころの一つか。
約一時間の収録時間だが、ダンスシーンが大半を占めるということもあり、エネルギッシュで密度の濃い映像作品。
以上、今回復刻される三作品のレビューでした。なお、この度のDVD化に際し、KANのライブDVD恒例の「副音声コメンタリー」が各作品に収録されるとのこと。20年以上前の自身の映像を観て本人が何を言い出すのか楽しみです(笑)。
今回このレビューを書くために久々に各映像を見返しましたが、この時期のライブ映像作品はやけにKANのアップやKAN「だけ」を映すカメラワークだなぁ…。と感じました。まあソロアーティストなので当然といえば当然なのですが、以降に発売された各ライブDVDはバックバンドのメンバーも結構な比率で映っているので、それに慣れた身としては珍しく、そしてちょっと物足りなかったです。
さて、市販されていた映像作品で未DVD化の作品は、マーキュリーレコード時代にリリースされた1996年の「牛乳のんで来い」、1998年の「Decimo」の二作を残すのみとなりました。この二作はVHSでもなかなか出回らない貴重なアイテムで、長らくKANファンを続けている筆者も所持しておりません。マーキュリーも現在は今回のDVDの発売元であるユニバーサルの傘下のはずなので、いずれ復刻してもらいたいものです。
久し振りにKANのライブ映像を観て、「またバンドライブ観に行きたいなぁ…」という思いを強くしました。そのためにはやはりそろそろ新作のオリジナルアルバムを発表して、是非レコ発ツアーをやってもらいたいですね(笑)。
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