beginmarucya 2015年6月24日発売、BEGINの企画アルバム。全23曲収録。CD+DVDの2枚組の通常仕様のみの発売で、DVDには新曲「バルーン」のMV(ライブ映像)、「マルシャ ショーラ」イベントのドキュメント映像が収録されています。

 前作オリジナルアルバム「トロピカルフーズ」ではハワイ音楽とのコラボを果たしたBEGINですが、今回はブラジル発祥の「マルシャ」に接近。これに「しようよ」の沖縄方言「ショーラ」を掛け合わせて生まれた造語が「マルシャ ショーラ」。「皆でマルシャしようよ!」というコンセプトのもと、昨年からライブのコーナーとして続けられていたそうですが、この度、一作まるまるそのコンセプトで作り上げた作品が本作。その作り方もユニークで、彼らの代表曲のみならず、日本、そしてブラジルの名曲を各1コーラス+サビのリフレイン程度のノンストップメドレーで約1時間繋いだ内容となっており、スタジオ録音のアルバムでありながら、ライブ的な雰囲気を感じさせる点も。

 構成はまずブラジルのマルシャの代表曲という「O Abre Alas」でスタート。続いて「島人ぬ宝」「三線の花」「オジー自慢のオリオンビール」等のBEGINの代表曲が前半に、中盤には沖縄民謡の「安里屋ゆんた」「十九の春」、日本のスタンダードナンバー「月がとっても青いから」「いつでも夢を」と続き、後半は「流星の12弦ギター」「バックミラーの潮騒」というBEGINのアルバムの名曲、そして「笑顔のまんま」「涙そうそう」を経て、今回唯一の新曲「バルーン」、ラストは再びマルシャの「Esta Chegando A Hora」で締め。
 これらの曲がすべて「マルシャ ショーラバージョン」としてリアレンジ。参加楽器は通常のバンドスタイルに加え、カバキーニョ、バンデイロ、アコーディオン、そして大所帯のブラスチームも参加して、パフォーマーはBEGINを含めて30人以上という豪勢さ。ある程度派手で華やかなフレーズはありつつも、基本的には歩く速さのテンポでせわしさを感じさせず、歌いたい人は歌って、踊りたい人は踊って、という受け手側の自由度を重視したかのような音楽はある意味彼ららしいと言えるかも。アレンジ的には「風よ」や「国道508号線」、「バックミラーの潮騒」などが原曲との差異が特に顕著だと思いました。また、マルシャのリズムで全編が統一されているので各楽曲のメロディーラインの良さが浮かび上がった、という感も。

 2013年春のシングル「春にゴンドラ」以来の新曲が収録されているとはいえ、久々のスタジオアルバムがリアレンジの企画アルバム…ということで、正直筆者も最初に曲目を見た時は「肩すかしだな〜」と思ってしまったのですが(苦笑)、BEGINのライブの楽しさを新たなテーマでCDにパッケージした、「マルシャ ショーラ」ライブが疑似体験できるという意味(一部の曲間に歓声なども入っていますし)ではなかなか面白いアルバムだと思います。とはいえ、やはりファンとして求めてしまうのは「新曲満載のオリジナルアルバム」。ここまで新曲を待たせるのは、いくらマイペースな活動を続ける彼らでも程があるので(笑…えない)次は「マルシャ ショーラのオリジナル作品」を期待したいところです。