2015年1月14日発売、CD帯に「すべての人達に贈るELT応援ソングベスト」と表記されたEvery Little Thingのコンセプト・ベストアルバム。昨年9月に配信リリースされていた2014年ホノルルマラソンの公式テーマソング「RUN FOR」の初CD音源化を含む全14曲収録。既にシングルベスト、バラードベスト、アコースティックベストなど、定番の形でのベスト盤は数々リリースしているELT。今回はタイトル通り「応援ソング」を1枚にコンパイルする今までになかった試みのベストとなりました。ずらっと並んだ曲の中でも「jump」「START」「ON AND ON」「DREAM GOES ON」などはタイトルからしてズバリ応援歌!という感じですが、楽曲の内容は新生活への応援歌、恋愛の応援歌、挑戦する人達へ捧ぐ応援歌などと多種多様。シングルタイトル曲中心でありながら、ベスト常連のヒット曲だらけということにはなっておらず、また、楽曲制作を一手に担っていた五十嵐充が在籍していた時代(1996〜2000年)の曲は3曲と少な目の割合であり、必然的に持田香織が作詞を手掛けた作品が多く収録されているのですが、選ばれた作品は自分を鼓舞するもの、特定の相手を励ますもの、不特定の人々に語りかけるもの等々、幅広く書き分けられており、なかなかの手腕を見せてくれています。
収録曲順は時系列ではなく、最新曲の「RUN FOR」で幕を開けた次の曲が2ndシングル「Future World」と最初期まで一気に遡ったり、その後も年代を行ったり来たりと完全にランダム仕様。長い活動を続けてきた彼らなので、持田のボーカルも溌剌とした時期、張り上げ時期、舌足らずな歌唱っぽい時期、やや力を抜いて歌う時期などがあり、サウンドもそれに合わせてか初期のavexサウンド期、ロックを意識した時期、アコースティック期、外部から五十嵐がプロデュースした時期など、発表年代によってマチマチなのですが、このバラバラ感が本作に関しては曲順的にバリエーションを持たせて効果的。また、コンセプト故なのかバラード曲はなしで、アップテンポ〜ミディアムナンバーが並んでおり、本作を聴き始めると14曲という曲数も気にならずに一気に聴けてしまい、ラストの「あたらしい日々」で爽やかに駆け抜けて終了、という聴き心地も上々でした。
公式作品にも関わらず、ジャケットや歌詞ブックレットは白黒で歌詞とクレジットしか載っていない、リマスター表記もなく、誰が選曲したかも不明…という、極めて非公認ベストに近いイメージの(苦笑)本作。近々、本作収録曲をほぼ収録したデビュー20周年作品もリリースされるということで、何とも微妙な立場のベスト盤なのですが、そういった難点に目をつぶれば(?)非常に風通しの良いアルバムだと思います。どちらかと言えばライトリスナー向けですかね。
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